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2022・令和4年版|小規模事業者持続化補助金の概要・採択のポイントを解説!

執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)

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2022年度も、小規模事業者・個人事業主向けの「小規模事業者持続化補助金」は募集が行われております。

補助金の申請をしたいが、いくらもらえるのか分からない、いつまでに申請すればいいのか分からない、どのような手続きをすればよいか分からないといった方は多いかと思います。

そこで、今回の記事では、

小規模事業者持続化補助金とは
申請の枠組み
補助率・補助上限額
補助対象者
補助対象事業
補助対象経費
申請方法
申請に必要な書類
申請スケジュール
注意点
採択のためのポイント

について解説します!

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス制度の導入といった制度変更に対応するための補助金です。

小規模事業者が取り組む販路開拓等に使う経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者の生産性向上と持続的発展を支援することを目的としています。

申請の枠組み

2022年度は、通常枠に加えて以下5つの特別枠が設けられています。

賃金引上げ枠
卒業枠
後継者支援枠
創業枠
インボイス枠

賃金引上げ枠

事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+30円以上にした事業者が申請要件を満たします。

ただし、既に地域別最低賃金より+30円を達成している場合は、現在の事業場内最低賃金より+30円以上にする必要があります。

賃金引上げ枠に申請する事業者のうち、業績が赤字の事業者については、補助率が2/3から3/4へ引き上げられ、政策加点(※国の政策に沿う取組を行う事業者を、審査で優遇する措置)によって優先的に採択されます。

卒業枠

補助事業の終了時点において常時使用する従業員の数が、小規模事業者とみなされる従業員数を超える予定の事業者が、申請要件に該当します。

卒業枠の「卒業」とは、雇用を増やし小規模事業者としてみなされる従業員数を超えて、事業規模を拡大することで「小規模事業者を卒業すること」をいいます。

後継者支援枠

将来的に事業承継を行う予定があり、新たな取組を行う後継者候補として、「アトツギ甲子園」のファイナリストになった事業者が申請対象者です。

「アトツギ甲子園」については以下をご参照ください

詳細:今年度の「アトツギ甲子園」では「新規事業アイデアへの補助金」を提供します!

創業枠

産業競争力強化法に基づく認定市区町村、もしくは、認定市区町村と連携した認定連携創業支援等事業者が実施した特定創業支援等事業による支援を公募締切時から遡って過去3年の間に受け、かつ、過去3年の間に開業した事業者であることが申請要件です。

インボイス枠

2021年9月30日から 2023年9月30日の課税期間中一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、適格請求書(インボイス)発行事業者に登録をした事業者が対象です。

補助率・補助上限額

各申請枠の補助率・補助上限額は以下の表をご参照ください 

 補助率補助金上限額
通常枠2/350万円
賃金引上げ枠

2/3(赤字事業者の場合3/4)

200万円

卒業枠2/3
後継者支援枠
創業枠
インボイス枠100万円

補助対象者

補助金の補助対象事業者は、以下4つの要件をすべて満たす日本国内の小規模事業者であることと規定されています。

(1)小規模事業者であること

「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」において、業種ごとに従業員数で小規模事業者であるか否か判断されます。

業種要件
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他常時使用する従業員の数 20人以下

(2)資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)

(3)確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと

上記に該当しているかどうかの確認のため、必要に応じて、納税証明書等の提出を求められる場合があります。

(4)本補助金の受付締切日の前10か月以内に、下記①、②の補助金で採択を受けて、補助事業を実施した(している)者でないこと

①「令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>」

②「令和2年度第3次補正予算 小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>」

補助対象事業

補助の対象となる事業は、以下(1)から(3)に掲げる要件をいずれも満たしている必要があります。

通常枠のみ、複数事業者による共同申請も可能ですが、その場合には(4)の要件も満たす事業であることが要件となります。

(1)策定した「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等のための取組であること。 あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組であること。

地道な販路開拓のための取組及び業務効率化(生産性向上)のための取組についての具体的な取組事例等は、「小規模事業者持続化補助金<一般型>参考資料」の P.4~6を参照ください。

(2)商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること

「商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む」とは、商工会・商工会議所による事業支援計画書の発行及び補助事業実施における助言といった支援を受けながら事業を実施することをいいます。

(3)以下に該当する事業を行うものではないこと

○同一内容の事業について、国が助成する他の制度(補助金、委託費等)と重複する事業
持続化補助金では、同一の補助事業で、重複して国の他の補助金を受け取ることはできません。他の補助金を受給しているか受給予定のある方は、補助金を受け取ることが可能か、必ず、双方の補助金事務局等にあらかじめ確認しましょう。

本事業の終了後、おおむね1年以内に売上につながることが見込まれない事業

○事業内容が射幸心をそそる恐れがあること、または公の秩序もしくは善良の風俗を害する恐れがあるもの公的な支援を行うことが適当でないと認められるもの
例)マージャン店・パチンコ店・ゲームセンター店等、性風俗関連特殊営業等

(4)共同申請の場合には、連携する全ての小規模事業者等が関与する事業であること

○共同申請の場合、補助事業計画書の「1.補助事業の内容」の「4.共同事業について」欄への記入が必須となります。

○申請の前に、あらかじめ、共同実施に関する規約を、連携する全ての小規模事業者等の連名で制定し、その写しを申請時に添付する必要があります。
規約に最低限盛り込むべき項目は、
規約の構成員・目的
全構成員の役割分担
費用負担の方法
共同利用する財産の管理方法
の4つです。

○共同申請により補助事業を実施する場合において、一体的な事業を実施しない場合、補助事業の対象となりません。
共同で活用する設備の導入等に関する事業のみが対象となります。

補助対象経費

補助対象となる経費は以下に該当する経費で、これ以外の経費は本事業の補助対象外となります。

また、補助金の額は、補助対象経費に補助率を乗じて得た額の合計額となります。

対象経費概要
機械装置費等補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費
広報費パンフレット・ポスター・チラシ等を作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費
ウェブサイト関連費販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト等の構築、更新、改修、運用をするために要する経費
展示会等出展費新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費
旅費補助事業計画に基づく販路開拓等を行うための旅費
開発費新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払われる経費
資料購入費補助事業遂行に必要不可欠な図書等を購入するために支払われる経費
雑役務費補助事業計画に基づいた販路開拓を行うために必要な業務・事務を補助するために補助事業期間に臨時的に雇い入れた者のアルバイト代、派遣労働者の派遣料、交通費として支払われる経費
借料補助事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料として支払われる経費
設備処分費販路開拓の取組みを行うための作業スペースを拡大する等の目的で、当該事業者自身が所有する死蔵の設備機器等を廃棄・処分する、または借りていた設備機器等を返却する際に修理・原状回復するのに必要な経費
委託・外注費補助事業遂行に必要な業務の一部を第三者に委託(委任)・外注するために支払われる経費

小規模事業者持続化補助金<一般型>公募要領」のP.12〜19に対象になる例、対象外となる例が具体的に記載されております。

申請を検討している経費が対象かどうか気になる方は確認してみましょう。

申請方法

小規模事業者持続化補助金の申請は以下4つのステップで行います。

申請に必要な「応募時提出資料・様式集」を作成する
「経営計画書」および「補助事業計画書」の写し、希望する枠や加点等に関する書類を商工会議所の窓口に提出する
商工会議所が発行する「事業支援計画書」を受け取る
必要な提出書類を揃えて補助金事務局まで電子申請、または郵送で提出する

申請に必要な書類

小規模事業者持続化補助金の申請には以下の書類が必要です。

申請期日までに余裕をもって、すべてもれなく用意しましょう

小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書
経営計画書兼補助事業計画書①
補助事業計画書②
事業支援計画書
補助金交付申請書
宣誓・同意書

※共同申請の場合は様式が異なります。

特別枠で申請する場合は上記の書類に加えて、特別枠に応じた書類を用意する必要があります。

賃金引上げ枠の申請に係る誓約書
卒業枠の申請に係る誓約書
インボイス枠の申請に係る宣誓・同意書

申請に必要な書類についての詳細は以下をご参照ください。

詳細:「小規模事業者持続化補助金<一般型>応募時提出資料・様式集

スケジュール

現在、9回目の締切として2022年9月20日まで申請受付中です。

提出期限は当日消印有効となっていますが、余裕をもって申請することが望ましいでしょう。

項目日付
申請受付開始2022年3月29日
8回目受付締切分提出期限2022年6月3日
9回目受付締切分提出期限2022年9月20日

※10回目以降の締切は未定

注意点

小規模事業者持続化補助金の申請の際、以下の点に注意しましょう。

Jグランツの登録・GビズIDプライムの取得が必要

小規模事業者持続化補助金の申請にあたっては、Jグランツへの事前登録及びGビズIDプライムの取得が必要です。

本補助金の電子申請は、補助金申請システム(名称:Jグランツ)で行います。

Jグランツを利用するにはGビズIDプライムでのログインが必要です。

GビズIDプライムの取得には2週間程度の期間がかかるため、補助金の申請をご希望でGビズIDプライムを未取得の方は、お早めに取得手続きをすることをおすすめします。

参考:GビズID公式サイト

書類をすべて揃える

補助金申請に必要な書類は確実にすべて揃えましょう。

補助金の申請にてよくある事例として以下があげられます。

類似の書類と間違えてしまう
必要な書類が不足している

申請要件を慎重に確認し、書類の不足や間違いがないようにしましょう。

補助金は事業実施後の支払いとなる

小規模事業者持続化補助金だけに限った話ではないですが、補助金は基本的に後払いです。

交付決定が行われた後に自己資金で経費を支払い、補助事業実績報告書提出後に補助金確定通知書が届き、補助金が入金されます。

支払いから入金まで時間がかかるため、資金繰りは注意しましょう。

資金繰りが不安、事業計画作成は面倒だという方は、専門家へ相談することも選択肢として有効です。

採択のためのポイント

小規模事業者持続化補助金を申請するなら確実に採択されたいと誰しもが思うところだと思います。

採択される可能性を高めるために以下の点を意識しましょう。

審査のポイントをおさえる

補助金の採択を受けるためには、審査のポイントをおさえて書類を作成することが重要です。

小規模事業者持続化補助金<一般型>公募要領」のP.24〜P.27にて審査のポイント及び加点措置について明記されています。

審査のポイントを把握して書類作成を行いましょう。

書類の内容は正確に記載する

小規模事業者持続化補助金に限った話ではないですが、補助金・助成金の申請手続きにおいて、書類の内容に不備があるという点は不採択の一因となってしまいます。

入力した担当者とは別の人による内容確認を実施する等、内容を入念に確認してから申請しましょう。

補助金申請も専門家に相談

今回は2022年度の小規模事業者持続化補助金についてご紹介してきました。

補助金・助成金は、企業側にとっては返済不要の資金のため利用するリスクは少ないですが、すぐには支給されなかったり、補助金・助成金の給付が課税対象になったりするなど注意が必要です。

また、補助金も助成金も種類が数多くあり、それぞれの制度を適切に理解して、自社にあった補助金・助成金を申請することはかなりの時間を要します

補助金や助成金の情報収集や申請手続きは専門性が高く、かつ対応に労力を要するので、「経営者が本業の傍らで対応するのは困難」と言う声も聞きます。

一方、常勤CFOを採用するのはコストが高いという問題があります。

そんな問題を解決するため、SOICOでは「シェアリングCFO®︎」というCFOプロ人材と企業のマッチングサービスを提供しています。

シェアリング CFO®︎では、経験豊富なCFOのプロ人材に週1日から必要な分だけ業務を依頼でき、例えばベンチャー企業にて資金調達の経験のあるCFOにスポットで業務を委託することもできます。

シェアリングCFO®︎の活用事例について詳しく知りたい方は、下記の記事を参照してください。

シェアリングCFO®︎の活用事例ご紹介①

専門的かつ煩雑な補助金・助成金の申請手続きはプロに任せて、経営者が本業にコミットできるような環境づくりをお手伝いします。

最後までお読みいただきありがとうございます。

       
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この記事を書いた人

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。