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【経営者必見!】役員報酬の決め方とは?手続きや注意点について徹底解説!

執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)

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役員報酬の決定には、法律や会社の業績、従業員の心情、税務上のルールといった検討事項が多く、適切な金額設定を叶えるために各方面のルールを理解しておくことが必要です。

そもそも役員報酬とは何か?など、基礎的な理解を深めたい方は先にこちらの記事を参照ください
【経営者必見!】役員報酬とは?どのくらいの額が適切?知っておくべき基礎的知識を徹底解説

今回の記事では、
役員報酬はどのような方法で決めるのか
適切に設定するために抑えておくべき注意点
について解説いたしました。

役員報酬の設定を検討しているが、どのように決定するべきか分からないと不安な方でも、記事を読み終わった後には役員報酬の設定方法に関する基礎知識をご理解頂けます!

また、役員報酬以外に役員や従業員のモチベーション向上を目的として採用される、ストックオプションや株式報酬制度の概要に関しても理解を深めたい方は、以下の記事で詳しく解説しておりますのでこちらをご覧ください。
【経営者必読】ストックオプション制度を徹底解説!仕組み・種類・メリット/デメリットを完全体系化!
譲渡制限付株式とは!?株式報酬制度の仕組み・メリットを総まとめ!


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役員報酬の決めるときに守るべき5つのルール

役員報酬を決定する流れや期間などは、明確にルール化されています。基本的なルールは、難しい内容ではありませんので、本項を通じて理解しておきましょう。

役員報酬を決める際に守るべきルールは、下記の通り5つあります。
ルール①:会社設立後3ヶ月以内に決めること
ルール②:毎月同額(定期同額)であること
ルール③:変更可能な期間は事業年度開始から3ヶ月以内
ルール④:賞与を支給する場合は届出が必要
ルール⑤:株主総会で決議を行うこと
順々に解説していきますので、1個1個理解していきましょう。

ルール①:会社設立後3ヶ月以内に決めること

役員報酬は、会社設立後3ヶ月以内に決定しなければならない、というルールがあります。

売上計画を引いて事業運営をしている場合でも、現実問題、売上の見通しが立たない創業期ですので、このタイミングで役員報酬を決定することは難しいでしょう。

しかし、設定する報酬金額によって、毎月の社会保険料や所得税、地方税などの税金が大きく変わってくるため慎重に検討しましょう。

ルール②:毎月同額(定期同額)であること

原則、役員報酬は毎月定額で支払われることが必要です。その上、額面の金額と手取り金額が同一であることも、定期同額であることの条件となります。

このルールを知らずに役員報酬を設定し、結果多額の税金を抱えてしまうケースがあるので注意が必要です。

ルール③:変更可能な期間は事業年度開始から3ヶ月以内

役員報酬を変更する場合、会社設立時もしくは事業年度開始から3ヶ月以内であれば、一度だけ変更することができます

後述しますが、役員の急な職務変更や株主などの第三者にも影響を及ぼすほどの業績悪化など、事業開始年度から4ヶ月目以降でも変更が認められるケースはありますが、原則は3ヶ月以内と定められていますので、役員報酬の変更を検討する際はスケジュールに余裕を持って行いましょう。

役員報酬の変更について、下記記事にて詳しく解説していますので、よろしければ参考にしてください。
【経営者必見】役員報酬の変更方法とは?ケース別の変更方法や注意点を徹底解説!

ルール④:賞与を支給する場合は届出が必要

役員に対しても、従業員同様に賞与を支給することが可能です。

しかし、賞与を支給する場合は、

会社設立年度:設立後2か月以内
翌事業年度以降:
①事業年度開始または株主総会決議、取締役会決議から4ヶ月以内

②役員賞与を決議した株主総会から1ヶ月以内

に税務署に届出を出す必要があります。

ルール⑤:株主総会で決議を行うこと

役員報酬を支払うにあたり、原則として株主総会の決議を得ることが必です。

しかし実務上、株主総会で決める内容は役員報酬の総額のみで、個々の役員報酬は取締役会または代表取締役で決めるよう一任されているケースがほとんどです。

株主総会や取締役会を開く際は、税務調査で内容を説明できるよう、必ず議事録を作成・保存しておきましょう。

​​役員報酬を決める方法

役員報酬は、社長が勝手に決定できるわけではなく、会社法上、定款または株主総会の決議によって決定することとなります。

しかし、中小企業や小規模法人においては、役員報酬について定款に定められていないことが多く、定款に記載があった場合でも、株主総会の決議で決める企業がほとんどです。そのため、一般的に役員報酬は株主総会で決議することになります。

決議の方法ですが、

株主総会で各自の金額を決める
まず株主総会で役員報酬の総額を決め、取締役会で役員ごとの内訳を決める

の2つの方法があります。

役員報酬を決める際、役員報酬を損金算入するための根拠資料として議事録を作成・保存しておかなくてはなりません

尚、この時作成した議事録は税務調査などで確認される場合がありますので、忘れないようにしましょう。

​​役員報酬の決める際に考慮するポイント

具体的な役員報酬額を決める方法として、参考例を2つご紹介します。
参考例①:生活できるだけの報酬にする方法
参考例②:予想される利益から役員報酬を決める方法

参考例①:生活できるだけの報酬にする方法

法人を立ち上げたばかりの時期は、事業計画を練っているとはいえ将来の見通しが不透明な状況です。

どの程度の役員報酬額を設定するべきか迷うかと思いますので、ひとまず簡単に報酬額を決めたい場合は、必要な生活費分を報酬として設定する方法があります。

参考例②:予想される利益から役員報酬を決める方法

将来の利益予想から役員報酬を決める場合、考慮すべきポイントは役員報酬額と税負担のバランスです。

・役員報酬額が大きい場合:役員個人が支払う所得税や社会保険料が増加する
・役員報酬額が小さい場合:法人税額が増加する

結果として税負担が重くなるケースもあるため、支払い報酬額と税負担双方のバランスを考慮したシミュレーションを行ってから、実際の報酬額を決めるのも良いでしょう。

役員報酬を決める際の注意点

注意点①:事業年度開始から3ヶ月以降は変更できない

役員報酬の金額を変更できるタイミングは、事業年度開始(期首)から3ヶ月以内です。

一度設定した役員報酬は、基本的には1年間変更できませんので、1年間の売上金額や粗利の他、家賃や従業員給与などの固定費などを予測した上で、役員報酬額をいくらに設定するのか決める必要があります。

役員報酬は基本毎月固定の支払いになるため、無理に高額な設定にすると会社の資金繰りが苦しくなりますので注意が必要です。

注意点②:会社と個人が負担する税金のバランスを考慮する

企業には、

・法人税
・地方法人税
・法人住民税
・法人事業税

など多種多様な税金が課されます。

その納税額は、会社の業績(利益)に応じて決定されるため、損金算入する役員報酬が多いほど、その分の法人税などは少なくなります。

しかし、役員報酬を受け取る役員の目線に立った場合、個人の所得が増えるため所得税や住民税、社会保険料が増えることに繋がります。

役員報酬を決める時には、法人と個人の納税額のバランスを考えることも重要な要素になります。

注意点③:同業他社と比較して不当に高額に設定すると損金算入が認められない場合も

自社で設定した役員報酬が、同業や同規模他社と比較して極端に高い場合、不相当と見なされて損金算入が認められないことがあります。

また、役職に就いているものの、実際の業務をほとんど行っていない役員に対して役員報酬がある場合、世間相場から高額と判断される場合も少なくありませんので、自社と他社(相場)を比較した上で適切な設定額になっているか確認しましょう。

決定した役員報酬を変更(増額・減額)可能なケース

繰り返しになりますが、役員報酬は、事業年度開始から3か月以内の期間を除いては原則変更することができませ

明確に変更可能期間が設けられているのは、変更の自由度が高い場合、会社側が期末に役員報酬額を変更し、納税額を調整することが可能になってしまうので、不当な税制対策を防ぐためだと考えられます。

ただし、下記のような場合は、例外として事業年度の途中でも役員報酬額の変更が認められますので参考にしてみてください。

役員報酬の変更について、本項よりも詳しく理解したい方向けに下記のような記事を作成していますので、よろしければ参考にしてください。
【経営者必見】役員報酬の変更方法とは?ケース別の変更方法や注意点を徹底解説!

ケース①:役員の地位や職務内容を変更した場合

役員の地位または職務内容が変わり、責任範囲が拡張された場合や業務量が増えた場合、役員報酬を増額することが可能です。

例えば、とある役員が代表取締役に昇格した場合、退任した役員が担っていた職務を兼任した場合、といったケースがこれに該当します。

しかし、名義だけが変更され実態が伴っていない場合、税務署に不正と判断される可能性があるため注意が必要です。

ケース②:経営状況が悪化した場合

新型コロナウイルスのような予期せぬ事態により、会社の経営状態が著しく悪化した場合は、役員報酬を減額することができます。

業績がどの程度悪化した場合に減額可能かといった決まりはありませんが、業績悪化に伴う株主や取引先、従業員などへの影響を考慮し、役員報酬を減額せざるをえないと客観的に判断された場合に、役員報酬を減額することが可能です。

具体的には、下記のようなケースで減額が可能とされています。
・株主との関係上、会社の業績や財務状況の悪化について、役員としての経営上の責任から役員給与の額を減額せざるを得ない場合
・取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において、役員給与の額を減額せざるを得ない場合
など

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、経営者に向けた役員報酬の決め方や具体的な手続き、決める際の注意事項について幅広く解説していきました。

役員報酬を決定するにあたって
役員報酬を決定するにあたって守るべきルールは何か
会社の設定する報酬額と個人の負う税額のバランスはどうなっているか
同業及び同規模他社の相場を踏まえた報酬額になっているか
を確認しておくことが重要なポイントとなります。

役員報酬の設定だけでは、役員に対する業績向上へのモチベーション維持を実現することはできても、従業員の士気を高めることには繋がりません。

また、役員報酬の設定及び報酬額の変更には、その時々の業績や新型コロナウイルスなどの外部環境による影響を受け、状況に合わせた最適な役員報酬の設定は難しく、手続きにかなりの手間を要することが難点でしょう。

そのため、役員や従業員に対して、業績への貢献度に応じて支払額を調整可能なストックオプションや株式報酬制度の導入を検討することも、一考の余地があるでしょう。

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また今回の記事では、役員報酬について中心に解説しましたので、ストックオプションや株式報酬制度についても理解を深めたい方は、下記の記事をご参照ください。

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この記事を書いた人

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。