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コラム

TCFD賛同企業|TCFDコンソーシアム企業の具体的な取り組み事例も紹介

執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)

コーポレートガバナンス・コードの基本のキ
~概要と基本原則を解説~

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日本でもTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に関心を寄せる企業は年々増え、2023年4月時点では773団体がTCFDコンソーシアムに参加しています。

気候変動に関する財務情報の開示を積極的に進めていこうと考えている企業は、金融だけでなく製造業やエネルギーやインフラなどさまざまな分野に広がっています。

本記事では、TCFDに賛同する企業である「TCFDコンソーシアム会員企業」と企業の具体的な取り組みについて詳しく解説していきます。

TCFDコンソーシアム会員企業

TCFDコンソーシアムはホームページにおいて会員企業リストを公表しています。2023年4時点で773の団体がTCFDコンソーシアムに参加しています。

ここでは、TCFDコンソーシアムの会員企業のリストを業種別にピックアップしてご紹介します。これらの企業は、それぞれの業界で気候変動対策や情報開示に積極的に取り組んでいます。

業界 企業名
金融 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 株式会社みずほフィナンシャルグループ 株式会社三井住友フィナンシャルグループ
東京海上ホールディングス株式会社 SOMPOホールディングス株式会社 明治安田生命保険相互会社
野村ホールディングス株式会社 株式会社大和証券 株式会社日本政策金融公庫
商社 三菱商事株式会社 三井物産株式会社 住友商事株式会社
伊藤忠商事株式会社 丸紅株式会社 双日株式会社
エネルギー ENEOSホールディングス株式会社 出光興産株式会社 コスモエネルギーホールディングス株式会社
富士石油株式会社 西部ガスホールディングス株式会社 東邦ガス株式会社
製造業 三菱重工業株式会社 ダイキン工業株式会社 株式会社東芝
川崎重工業株式会社 株式会社神戸製鋼所 JFEホールディングス株式会社
パナソニックホールディングス株式会社 株式会社日立製作所 TOTO株式会社
不動産・
建設
三菱地所株式会社 三井不動産株式会社 東急不動産ホールディングス株式会社
大東建託株式会社 住友不動産株式会社 ヒューリック株式会社
株式会社ADワークスグループ 野村不動産ホールディングス株式会社 大和ハウス工業株式会社
運輸・物流 日本航空株式会社 ANAホールディングス株式会社 日本郵船株式会社
九州旅客鉄道株式会社 東海旅客鉄道株式会社 西日本旅客鉄道株式会社
日本通運株式会社 阪急阪神ホールディングス株式会社 株式会社日立物流
通信・IT ソフトバンク株式会社 KDDI株式会社 日本電信電話株式会社
Zホールディングス株式会社 株式会社ミクシィ 株式会社ディー・エヌ・エー
楽天株式会社 富士通株式会社 グリー株式会社
メディア 株式会社TBSホールディングス 朝日放送グループホールディングス株式会社 株式会社テレビ東京ホールディングス
株式会社KADOKAWA 株式会社日経BP 株式会社日本経済新聞
株式会社 TOKAIホールディングス 株式会社リクルートホールディングス 凸版印刷株式会社
小売・卸売 株式会社セブン&アイ・ホールディングス 株式会社ローソン 株式会社ファミリーマート
兼松株式会社 イオン株式会社 株式会社ビックカメラ
株式会社三陽商会 マルハニチロ株式会社 アスクル株式会社
食品・飲料 サントリーホールディングス株式会社 キリンホールディングス株式会社 日清食品ホールディングス株式会社
明治ホールディングス株式会社 キッコーマン株式会社 味の素株式会社
カルビー株式会社 株式会社ロッテ 日本ハム株式会社
医療・製薬 第一三共株式会社 参天製薬株式会社 ロート製薬株式会社
アステラス製薬株式会社 大塚ホールディングス株式会社 塩野義製薬株式会社
武田薬品工業株式会社 久光製薬株式会社 エムスリー株式会社
インフラ 東京電力ホールディングス株式会社 東京ガス株式会社 東北電力株式会社
関西電力株式会社 大阪ガス株式会社 北陸電力株式会社
中国電力株式会社 四国電力株式会社 九州電力株式会社
行政機関 金融庁 環境省 経済産業省
日本銀行 独立行政法人日本貿易振興機構 国立研究開発法人産業技術総合研究所
独立行政法人中小企業基盤整備機構 国立研究開発法人科学技術振興機構 独立行政法人住宅金融支援機構

このほかにも、多くの企業がTCFDコンソーシアムの会員企業として活動を行なっています。詳しくはTCFDコンソーシアムの会員企業一覧をご覧ください。

TCFDコンソーシアム会員企業の具体的な取り組み

TCFDコンソーシアム会員企業を業界別に紹介をしました。

以下では、TCFDコンソーシアム会員企業の具体的な取り組みの事例について紹介していきます。

事例1: 住友商事株式会社

住友商事株式会社は、気候変動に関する企業の情報開示の重要性を認識し、2019年3月にTCFDの最終提言に賛同しています。TCFDが推奨している枠組みを元に、さらなる情報開示を行なっていくことを表明しています。

そして、気候変動に関しては、現状ではグループの経営に深刻な影響を与えるリスクはないと判断しているものの、国際的な取り組みや金融機関の動向などを注視しており、住友商事グループの事業活動に与える影響を取締役会に報告を行い、事業機会を逃すことなく、事業を通じて、気候変動問題の解決に貢献していくことを表明しています。

事例2:サントリーホールディングス株式会社

サントリーホールディングス株式会社は、持続可能な事業の実現と価値創造のため、気候変動によるリスクや事業への影響を特定し、適切な対応を行っています。2019年5月には、金融安定理事会(FSB)が設立したTCFDへの賛同を表明し、同年7月には、サステナビリティに関する重要な7つのテーマを設定しました。その中で、温室効果ガス(GHG)排出削減を重要テーマとして掲げています。

サントリーグループでは、2030年を目標年とする中期目標「環境目標2030」、および2050年を目標年とする長期ビジョン「環境ビジョン2050」を定め、気候変動および水に関する取り組みを進めています。

2030年目標達成に向け、水の取り組みでは、自然環境の保全・再生活動などをグローバルに推進し、水を育む森を育てる「天然水の森」の活動を2003年から取り組んでおり、現在では天然水の森は約1万2千haまで拡大しており、サントリーの国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を涵養することができます。

また、気候変動の取り組みでは、世界各地域での再生可能エネルギー電力の導入を進め、自社生産研究拠点で購入電力を100%再生可能エネルギーに切り替える予定です。さらに、2021年に内部炭素価格制度を導入し、2030年までに脱炭素を促進するために3000億円の投資を行う予定です。

サントリーは、上記の取り組みにより2030年に想定されるGHG排出量を約100万トン削減できる見込みであると発表しています。

事例3:ENEOSホールディングス株式会社

ENEOSホールディングス株式会社は、2019年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同・署名し、情報開示の強化・充実に取り組んでいます。

またENEOSは、
「アジアを代表するエネルギー・素材企業」
「事業構造の変革による価値創造」
「低炭素・循環型社会への貢献」
という3つの目標を掲げ、2040年度までに自社排出分のカーボンニュートラルを達成することを目指しています。

具体的な取り組みとして、大きく以下の6つのものがあります。
・水素の製造・貯蔵・輸送・供給に関する技術開発を通じて、再生可能エネルギーの有効活用を推進しています。
・再生可能エネルギー由来のCO2フリー水素とCO2から製造する合成燃料の製造に関する技術開発を行っています。
・バイオ燃料の技術開発および事業性評価を進め、持続可能なエネルギー供給に貢献しています。
・プラスチック資源や使用済タイヤのリサイクルに関する技術開発を通じて、循環型社会の実現を目指しています。
・石油精製プロセスの合理化・効率化を推進し、エネルギー消費の削減と環境負荷の低減を図っています。
・環境配慮型商品(自動車用省燃費潤滑油など)の開発により、顧客の環境負荷を低減する取り組みを実施しています。

これらの取り組みにより、ENEOSは気候変動への対策を強化し、低炭素・循環型社会の実現に向けた技術開発や新たなビジネスモデルの創出に取り組んでいます。

事例4:九州電力株式会社

九州電力株式会社は、TCFDに賛同しTCFDコンソーシアムに参加するとともに、環境課題を経営の重要課題として捉えています。TCFD提言に基づく最新の情報開示については、九電グループ環境データ集に掲載されています。

また、九州電力は、気候変動を含む環境課題に対応するため、TCFD提言の推奨開示事項である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」ごとに、透明性のある開示に努めています。詳細については公開されておりますPDFファイルで確認することができます。

九州電力グループは、低・脱炭素の業界トップランナーとして、社会のカーボンニュートラル実現に大きく貢献することを目指しています。そのため、2050年のカーボンニュートラル目標を明確に設定し、バックキャストにより2030年の経営目標(環境目標)を上方修正しています。

九電グループは、2021年4月に策定した「九電グループ カーボンニュートラルビジョン2050」において、2050年のカーボンニュートラル実現への挑戦を宣言しています。このビジョンでは、エネルギー供給と需要の両面で取り組みを行うため、2つの柱を設定しています。

1つ目の柱は「電源の低・脱炭素化」であり、再生可能エネルギーや原子力を活用して電源の炭素足跡を削減することを目指しています。

2つ目の柱は「電化の推進」で、九州地域における電気化率の向上を目指しています。具体的には、2050年までに家庭・商業部門での電気化率を100%に達成し、2030年までに家庭部門で70%、商業部門で60%に達成することを目標としています。

また、九州電力は、大量の再生可能エネルギーを活用しながら電力の品質を維持するために、供給・需要管理やグリッド安定化の技術をデジタル技術などを活用して進化させていく方針です。

九電グループは、これらの取り組みを通じて、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目指し、九州から日本の脱炭素化をリードする企業グループを目指しています。

事例5:TOTO株式会社

TOTO株式会社は、環境目標「TOTOグローバル環境ビジョン」を策定し
「きれいと快適」
「環境」
「人とのつながり」
という3つのテーマを掲げ、節水や省エネなど環境にやさしいものづくりを行い、持続可能な社会を目指し活動を行なっています。

ここで3つのテーマのうちの「環境」という観点から、TOTOの取り組みを紹介します。

限りある水資源を守り、未来へつなぐ

TOTOは、水資源の保全に積極的に取り組んでおり、節水商品の普及を通じて、水資源の無駄な使用を抑えることを目指しています。同社は、節水型トイレや節水型水栓など、環境に配慮した製品を開発し、市場に提供しています。これにより、顧客の水使用量を大幅に削減し、水資源の保全に貢献しています。

地球との共生へ、温暖化対策に取り組む

TOTOは、地球温暖化対策にも力を入れています。事業所における省エネや再生エネルギーの導入により、CO2排出量を削減しています。また、製品開発においても、省エネルギー性能を高めることに努めており、使用段階でのエネルギー消費を抑えることができる製品を提供しています。

地域社会とともに、持続的発展を目指す

TOTOは、地域社会とともに持続的な発展を目指すため、地域に根付いた社会貢献活動にも取り組んでいます。例えば、アフリカのウガンダ共和国では、公共トイレの整備や衛生教育の支援を行っており、地域の衛生状況の向上に寄与しています。また、日本国内でも、地域の環境保全活動や福祉施設への支援を行っています。

参考:TOTOグローバル環境ビジョン

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、業界ごとのTCFDに賛同している企業と、そのTCFDコンソーシアム会員企業の具体的な取り組みについて解説しました。

ESG、SDGsなど環境や持続可能な開発目標と投資や金融に関連する部署・担当者に新しく任命された方の理解の一助になれば幸いです。

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この記事を書いた人

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。