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経営企画部門とは?業務内容・部門の重要性・求められるスキル・能力について徹底解説

執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)

CFOになるには?キャリアパスも解説

経理/会計/財務/経営企画などの管理部門としてのキャリア

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経営企画は、企業の成長に貢献でき、大きなやりがいを感じることができる職種です。しかし、経営企画部門以外で働いている方の中には、経営企画がどのような職種なのかわからない方も多いのではないでしょうか。

自身のキャリアを考えていく上で、経理や財務部門から経営企画部門にキャリアチェンジし、さらにそこから他にキャリアを変えることを考えてる方もいるかもしれません。

そこで本記事では、経営企画とはどんな職種なのか、その仕事内容、企業においての重要性、求められるスキルややりがいなどについて解説していきます。経営企画への転職を考えている、将来のCFOやCEOのような役員・経営者も視野にいている方は必見です。ぜひ、参考にしてください。

経営企画とは

経営企画とは、企業の経営の企画を担当する部署のことです。企業の中長期にわたる経営計画の策定や管理を行い、売上・利益の向上、また企業価値の向上にもつながる新規事業の立ち上げなども行います。

たとえば、経営計画の業務には、市場動向の把握、競合の調査、自社のデータ分析が含まれます。

市場動向や競合の調査は、アクセス可能な正確な情報を中心に、市場として参入する魅力があるか、他社はどのようなサービスを提供しているか、どのような顧客が存在するか、といった定性的な分析やシンクタンクやマーケティング会社が提供している数字情報から市場規模や顧客1人あたりの単価を算出する、といった定量的な分析などがあります。

自社のデータ分析に含まれる事柄は、予算や売上、利益といった金銭的な分野だけでなく、企業の組織体制やマーケティング戦略などです。データ分析の結果から企業の目標を設定し、その目標を達成していくための施策を立案していくのが経営企画の役目です。

また、経営企画は、他部署に指示や提案を出し、施策を実行してもらい、フィードバックも行います。既存事業・新規事業において、PDCAの行程の実働を担う経営企画は、企業にとってなくてはならない最も重要な部門と言っても過言ではないのです。

経営企画の主な仕事内容

規模が小さいベンチャー企業や事業開始間もないスタートアップ企業の場合、会社の経営トップや役員が経営企画を担当するケースも少なくありません。それほど経営企画は、企業にとって重要な職種です。

ここでは、経営企画の主な仕事内容を解説していきます。以下の5つの仕事内容に分けて見ていきましょう。
・経営計画の立案
・経営管理
・ステークホルダーとの調整
・新規事業企画
・コーポレートガバナンス・IR対応

経営計画の立案

経営企画の主な業務の1つは「経営計画の立案」です。経営計画の立案には、さまざまな情報を収集し分析することが含まれます。たとえば、自社の経営状況や組織体制・人的リソースのような内部環境に加えて競合他社や自社を中心とした周辺の環境や市場調査、事業計画の将来予測など外部環境についての分析が求められます

分析の後は、経営戦略に基づいて中長期計画や新規事業計画を立てます。計画には、事業プロジェクトの提起・組織編成/組織再編・コンプライアンス遵守という重要な内容も含まれます。

また、計画を取締役のような役員に伝えることも経営企画は行います。経営計画の立案は、計画の立案・情報収集と分析・経営計画の承認を得るまでが、業務の範囲となります。

経営管理

立案した経営計画の「管理」を行うことも、経営企画の業務です。立案された計画を実行できるように必要な調整を行います。

たとえば、必要な調整には、必要な設備や場所を確保することや、必要な人材を限られた予算内で確保することが含まれます。新規事業に取り組む際は、リスクやコストを抑えることは重要です。経営企画には、他部署との必要な調整を行い、企業の経営管理をスムーズに行うことが求められています。

ステークホルダーとの調整

経営企画の仕事には、「ステークホルダーとの調整」もあります。経営企画の視点の中には、自社の利益だけでなくステークホルダーにも利益があるように事業を進めることが必要です

企業は、取引先やパートナー企業、地域社会や行政機関などのステークホルダーと友好的な関係を築く必要があります。そのようなステークホルダーと交渉し、利害調整を実施していくことは経営企画の業務です。

また、経営企画は、ステークホルダーだけでなく自社の経営陣と従業員が友好的な関係を保てるようにする役目も担っています。従業員の声を経営陣に伝え、お互い利益があるよう調整することも経営企画は行います。

新規事業企画

経営企画の中でも1番重要な業務は「新規事業企画」です。企業経営を中長期的な期間で見て、新規事業が必要になった場合、経営企画は新規事業企画を立案します。

新規事業として着目した分野が、実際に成果を出せる見込みのあるものなのかを分析することも経営企画の仕事です。先行している企業がどのような投資をしているか、創り出された市場に今後どれくらいの顧客が見込まれるか、一過性のブームになるか継続して利益が見込めるかなど現実的な視点で分析をする必要があります

また、M&Aや他社とのアライアンスなども経営企画は行います。効果的な経営戦略を新たに立案し、それを実行していくことが経営企画に求められている仕事です。

コーポレートガバナンス・IR対応

経営企画は、自社のイメージや信頼感を守るための「コーポレートガバナンス」も行っています。企業にとって、経営に関する不正や社員の不祥事などにより、企業のイメージや信頼感を失ってしまうという事故は起こしたくありません。そのため、経営企画は、企業内におけるコンプライアンス遵守や健全な企業経営の推進に携わります

また、IR業務においても、経営企画が対応するケースが多く見られます。株主や投資家に自社の業績や財務状況などの情報を提供することも経営企画の仕事です

コーポレートガバナンスについては次の記事もご参照ください。
【2021年改訂】コーポレートガバナンス・コードの実務対応と開示事例

経営企画の仕事のサイクル

多種多様な業務を担う「経営企画」ですが、ここでは経営企画の通常業務を「月次の業務」と「年次の業務」に分類してご紹介します。

月次の業務

月次の業務には、主に「予実分析業務」があります。「予実分析業務」とは、期初に作成した予算と実績を比較し、予定した売上があるのか、またコスト面などを分析して予算と実際の成果の間に生じた差異の要因を把握する業務のことです。

また、経営企画が月次の業務として実施するものに「経営会議資料の作成」があります。「経営会議資料」とは、企業の業務方針を決定する重要な会議で使用する資料のことで、経営企画が行う月次の重要な業務の1つです。

それぞれについて解説していきます。

予実分析業務

予実分析業務には、企業の経営陣に伝えるべき情報の選択、業務においての課題の報告、課題解決のための優先順位付けを主導することが含まれています。

予実分析業務の流れは、以下の通りです。
1:実績情報を受領する
2:勘定科目ごとに予算との差異を抽出する
3:差異要因を部門別に調査する
4:結果をまとめて経営会議資料に反映する

また、「予実分析業務」の他に「着地見込みの更新」も月次の業務に含まれます。「着地見込みの更新」は、KPIや費用、その他の実績数値や各部署からの特定情報を踏まえ、将来の数字を算出し経営陣へ報告する業務です。

着地見込みの更新は、予算とのギャップを埋める方法などの議論が活発化するなどのメリットがあるため、企業によっては、予実分析業務よりも重要視するところがあります。

経営会議資料の作成

経営会議資料の作成において注意すべきポイントは、実際の会議における要点を想定しながら作成するということです。資料の作成には大きな労力がかかります。そのため、会議で実際にほとんど読まれない資料を作ってしまっては意味がありません。実際に会議で見たいと思う情報を必要最低限の量で盛り込み、中途半端な情報は導入しないことが重要です

一般的に経営会議資料には、以下の情報が含まれます。
・直近月次の実績、予算比較、分析結果の報告
・半期、長期の着地見込み
・KPIの実績
・各種プロジェクトの進捗情報
・トラブル報告、その他の情報共有、など

経営会議資料の作成における業務の流れは、以下の通りです。
1:予実分析・着地見込みの更新を実施
2:各部署からの定性情報を収集
3:資料作成
4:フィードバック・修正
5:資料完成・印刷

主に資料作成は一般の従業員が行い、マネージャーが内容をチェックして部長に提出するという流れです。そして、その後、経営会議にて資料が配布されます。それを元に会議が進められます。

年次の業務

経営企画が年次の業務として取り扱う内容の1つに「予算策定」があります。「予算策定」とは、全社の予算を策定し、次年度の売上や利益目標を定めることです。また、経営企画の年次の業務には、「業績評価」もあります。

それぞれについて解説していきます。

予算策定

予算策定は、会社の未来を定める上で重要で、なくてはならない業務です。事業部が複数ある会社では、さまざまな部署と連携と取りながら予算を作成していく必要があります

各部署からの各種データの収集は手間のかかる作業で、部署側の情報の質にかかっています。部署から上がってくる情報の質が悪いと経営企画で大幅な修正を行わなければならなくなるため、日頃から各部署の責任者との良いコミュニケーションが重要です。

一般的には、キックオフには部長レベルも出席しますが、それ以外の業務は基本的に一般の従業員によって行われます。そのため、一般の従業員の方も、正しい専門知識、コミュニケーション力、PCスキルを身に着けておくことは重要です。

予算策定の流れは、主に以下のようなものです。
1:キックオフを実施する
2:各部署からの各種データを取りまとめる
3:モデリングを実施する
4:PLを作成する
5:BS、CFを作成する
6:1次提出
7:修正
8:2次提出
9:説明資料の作成
10:取締役会上程
11:承認

業績評価

経営企画の年次の業務には、「業績評価」もあります。「業績評価」とは、決算の着地が見えた段階で、当期の成果が予算に対してどうだったか、部署単位で成果が出たのかなどを振り返る業務のことです。

少しでも部署の評価を上げたい部署側と、可能な限りコストを抑えたい経営陣側との間でのバランスを取ることが経営企画に求められています。

業績評価の一般的な流れは、以下の通りです。
1:キックオフ
2:実績、KPI見込み作成
3:各部署においての定性情報の収集
4:定性情報を加味し、経営企画で評価
5:人事部と議論
6:経営陣と議論

主に、数字上のギャップを埋める定性情報を引き出し、納得のいくかたちで人事部、そして経営陣に伝えるかがポイントとなります。情報提出の際、予算未達の非建設的な理由の羅列された書類作成に注力し、経営陣に本来伝えるべき本質的なポイントが伝わらず、全体の評価が下がるという事態は避けなければなりません

そのためには、各部署の予算未達の要因が外部環境によるものなのか、または内部環境によるものなのかを冷静に判断することが重要です。

経営企画の重要性・やりがい

経営企画の業務は、企業の未来を左右する業務です。そのため、企業内で将来の幹部候補と期待される人材が配属されるケースが多い部署です。苦労や大変なことも多い部署ですが、経営企画に向いている人にとっては「やりがい」のある部署と言えるでしょう。

いくつかある、経営企画の「重要性」や「やりがい」の中から、以下の2つに着目してみましょう。
・会社への影響力
・さまざまな職種との関わり

会社への影響力

経営企画の重要性ややりがいの中に「会社への影響力」があります。経営企画の業務には、経営計画の立案や組織体制の管理、また新規事業企画の計画などが含まれます。そのため、経営企画の業務は、会社の将来を左右する重要な業務です。

最終決定権こそ経営陣にあるものの、経営企画は経営計画の実行の管理などを任されています。その責任は大きく、その影響力もやりがいへとつながるでしょう。

さまざまな職種との関わり

経営企画の業務は、幅広い部署や社員とのコミュニケーションを必要とする業務です。そのため、「さまざまな職種との関わり」があり、そのことも「やりがい」へとつながります。

法律やマーケティングといった自社だけでは対応しきれない領域にも手を広げる場合もあるため、外部の専門家との関わりもあります。他の分野の専門家たちとの関わりから、自分の知見を広げたり、スキルアップしたり、さまざまな刺激を受けることが可能です。日々、刺激をもらいながら業務に携われることは経営企画の仕事のやりがいにもつながっていくと言えます。

経営企画に必要なスキル

経営企画は、企業の経営に関わるさまざまな業務を行っています。そのため、求められるスキルもいくつかあります。

ここでは、以下の3つのスキルに注目しましょう。
・論理的分析力
・コミュニケーション力・プレゼンテーション力
・経営に関する広い知識

論理的分析力

「論理的分析力」は、経営企画に必要なスキルの1つです。経営企画の業務には、市場や競合他社の動向を分析する業務があります。正確な情報を収集できても、論理的分析力がなければ、情報を実際に生かすことができません。

収集した情報を活用し、企業が利益を出せるような経営計画を立案するためにも、論理的分析力は必要です。

コミュニケーション力・プレゼンテーション力

「コミュニケーション力・プレゼンテーション力」も経営企画の業務に必要なスキルです。経営企画は、従業員と経営陣との連携をサポートする重要な職種です。そのため、コミュニケーション力が重要であり、それと共に経営陣に限られた時間の中で伝えるべき本質的な情報を伝えるプレゼンテーション力も必要になります。

経営企画は、立案した経営計画などを従業員や経営陣に説明する必要があります。スタッフの理解を得るためには、戦略や施策を論理的に説明することが重要です。また、メリットなどのポイントを効果的に伝える技術も必要でしょう。

経営に関する広い知識

経営企画には、「経営に関する広い知識」が求められます。ただ単に、経営や財務の知識だけで経営計画は立案できません。法務やマーケティング、営業だけでなくWEBや最新のテクノロジー、事業によっては国際的な情勢に関する基本事項などの知識も必要です。

また、経営企画は、決算書や損益計算書に関わることが多く、資産繰りなどにも関わります。そのため、財務会計の知識も必要になるでしょう。

重要なのは、知識の深さよりも「知識の広さ」です。専門的な知識が必要となる業務内容については、専門となる部署と連携して分担することが経営企画に求められる役割です。幅広い、広範な知識を持つことで、さまざまな視点で経営計画を立案できます。

経営企画のキャリアパス

経営企画では、新規事業立上げ、IPO準備、M&A、資金調達、管理会計などの企業経営に関わる知識が深まる経験を幅広く積むことが可能です。そのため、多くの人は、転職の際にはそれを活かせるキャリアを選択します。

たとえば、財務部長、CFO、COOなど役員へのステップアップなどがあります。また、経営・戦略コンサルタントとして独立する人もいれば、自身で起業する人もいるようです。

CFOになるためには特別な必須資格などはありません。しかし、現実としてオペレーション業務をこなすことになる中小企業では、大手企業に比べて経理実務経験が必要になるでしょう。また、中小企業や大企業においても、CFOの役割に含まれる経理業務の比重が高い企業が多いため、経営企画の経験者を好む傾向にあります。

IPOの準備・M&Aについては次の記事もご参照ください。
IPOの準備スケジュール 〜直前前々期から申請期まで解説〜
EXITにおけるIPOとM&Aについて〜相違点・メリット・デメリットについて解説〜

また、財務部長・CFOについては次の記事もご参照ください。
財務部長の仕事とは?仕事の内容・待遇・求められるスキルや能力について解説
CFO(最高財務責任者)とは?定義・意味から役割・仕事内容・なり方・キャリアパスまで徹底解説!
CFO転職の方法とは?CFO転職のメリットやキャリアパスも徹底解説!

まとめ

この記事では、経営企画とはどんな職種なのか、その仕事内容、企業においての重要性、求められるスキルややりがいなどについてご紹介してきました。

経営企画部門以外で働いている方の中には、経営企画の業務内容についてあまり知らない人もいることが現状ですが、実際には企業内のさまざまな業務をカバーしている部署であることがわかります。

経営企画は、企業の経営計画の立案や実行だけでなく、企業内のコンプライアンス管理やステークホルダーへの対応などの裏方業務も担当するため、経営に関する幅広い知識が求められています。

また、その他にもさまざまなスキルを持って、企業の経営そのものを支えています。確かに、経営企画は、企業の経営を左右する最も重要な部署と言えます。

本記事が、ベンチャー・スタートアップ企業の経営者・人事担当者の方のご参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。