fbpx

COLUMN

コラム

経理職のやりがい|大変なポイント・向いている人も解説

執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)

CFOになるには?キャリアパスも解説

経理/会計/財務/経営企画などの管理部門としてのキャリア

詳しくはこちら

経理は、あらゆる企業の金銭の流れを記録・管理を支える経営をするうえで不可欠な職種です。企業が社会的に活動していくためには、経理が会計情報を常に正確に記録・保管しなければなりません。

経理職は裏方に思われがちな業務ですが、企業のすべての部署の金銭に関する業務を行うことから経理職特有のやりがいがあります。

本記事では、経理業務のやりがいについて掘り下げ、経理職の仕事内容・大変さ・キャリアパスについても解説していきます。

経理の仕事内容

経理の仕事は、企業の資金の動きを記録することです。取引金額や現金の入出金を帳簿に記録し、決算書の作成や税金の計算も行います。主な業務内容として以下の記録・管理が挙げられます。
・売上の記録と管理
・仕入の処理と記録
・売掛金管理
・給与の支払いと記録
・保険料支払いと記録
・従業員の経費の精算と記録
・資産購入や売却時の処理と記録

企業の資金の動きすべてを記録し、必要な書類全般を作成します。企業規模や業種によって専門的な業務内容が異なってくるものの、金銭を扱うという意味ではすべての職種で業務内容は共通しています。財務とは違い、基本的に資金の運用や調達は業務に含まれません。

経理の仕事内容について詳しくは、こちらの記事でも解説しているのでご覧ください。
経理部門の仕事とは?主な仕事内容・日次/月次/年次のサイクルについても解説

経理職でやりがいがあるところ

経理職のやりがいは、さまざまなところで感じられます。それぞれ個人差があるとはいえ、金銭に関わる専門職だからこそ味わえるメリットも多数あります。

主に以下のような部分でやりがいや満足感を感じられることでしょう。
・企業の資金の流れが見える
・専門性が高い
・やり遂げた時の達成感
・各部署から感謝される
・経営に近いポジションで働ける
・繁忙期・閑散期が分かりやすい
・スキル・経験の汎用性が高い
・柔軟な働き方を実現しやすい
・資格の勉強で分かりやすくスキルアップ

企業の資金の流れが見える

企業のトップシークレットである会計情報の管理は、経理にとってのやりがいのある仕事の1つです。信頼される社員だからこそ経理情報を扱うことができ、簿記などの資格を勉強すれば企業の経営状態を読み解くことも可能です。他部門では扱うことのない企業内部の機密情報を任されるため、その仕事内容の重要性から満足感ややりがいを感じられます

経理業務への理解が深まると、数字から取引先の経営状態を読み取ったり、経営企画部門で役立つ財務関連の情報も理解できることが期待されます。いずれにしても、企業の資金を扱うという大きな責任を果たすことで、会社にとって重要な役割を果たしているという感覚を味わえます。

財務部門・経営企画部門については、こちらの記事もご参照ください。
財務部門とは?業務内容・仕事のやりがい・必要なスキルについて徹底解説
財務部門の仕事とは?主な仕事内容・役に立つ資格・キャリアパスについて解説
経営企画部門とは?業務内容・部門の重要性・求められるスキル・能力について徹底解説
経営企画部門の役割とは?基本的な業務・重要性・向いている方について解説

専門性が高い

経理職で重ねた経験は高い専門性を備えています。数字を正確に扱い、知りたい記録を素早く探すというスキルは、すべての人が身につけているわけではありません。特に簿記などの有資格者は、財務諸表を読み解く能力があります。また、経営者が必ずしも経理への理解が深いというわけではないため、経理は専門的なスキルとして重宝されます。

企業が活動する以上、必ず必要になるのが会計処理です。高い専門性からどの企業でも必ず必要とされるため、どんな職種でも経営に貢献できることもやりがいにつながります。専門知識の勉強や最新情報のキャッチアップをする向上心が求められますが、それだけ業務を極める余地があるのも経理の特徴です

やり遂げた時の達成感

日々の業務や各種期日を乗り越えた達成感も、経理ゆえに味わえる独特のやりがいの1つです。地味なデスクワークを淡々と積み重ねるため、金額がぴったり合った時の達成感は大きいものがあります。

経理は繁忙期と閑散期が比較的はっきりしており、繁忙期は部門総出で業務をこなさなければ期日までに間に合いません。1年間の業績を確定する決算期は、忙しさもプレッシャーも大きいだけに、やり遂げた時の達成感もひときわ別格に感じられるでしょう

各部署から感謝される

他の部署から頼りにされることも経理職ならではの経験です。企業の血液とも言える金銭の管理を一手に引き受けるため、経費清算や領収書確認など日常的に他部署と関わる機会があります。すべての部署のバックオフィス的な役割を担う経理は、営業や開発とは別のところで企業に貢献します。

未入金や売掛金の回収を確認するなど裏方として経営を支えることで、社内の各部署から感謝されることもあり、表に出ない部門として独特のやりがいを感じられます。各部署との連携は大変なこともありますが、チームワークや一体感を感じながら業務に携わることも、経理の特徴です。

経営に近いポジションで働ける

経理部門は、言わば企業の財布を預かるに等しい立場にあります。経理業務を通して見えてくるのは、企業の経営状態やリソース、ビジネスチャンス・リスクです。無駄なコストや削減できる余地を報告すれば、企業の経営に自ら影響を与えている実感も感じられるでしょう。経営者は経理の会計情報を信頼しており、企業の経営判断において重要な役割を果たしているという事実もやはりやりがいを感じる理由です。

大企業では従業員数も多いので経費を使う人の数も比例して多くなります。さまざまな部署の多くの経理業務を請け負うため、その業務は細分化しています。経理部門から経営に近いポジションを目指すなら経営企画部門へのキャリアパスも選択肢になるでしょう。

中小企業やベンチャー企業・スタートアップ企業では、小さい規模ゆえにむしろ様々な業務を経理部門で一手に引き受けることも多く、より経営に近いポジションで働く機会も多く、それも満足感につながりやすいと言えます。

企業全体と関わる経験を通して、1事業部ではなく全社的な視点を身につけることになり、経営者目線で業務を考える良い機会に恵まれています。誰しも自分の専門部署以外には詳しくないのが普通ですが、経理は数字に置き換えられた全社員の活動を見れる数少ないポジションで働いています。

繁忙期・閑散期が分かりやすい

繁忙期・閑散期が分かりやすいため、仕事とプライベートを両立しやすいのも経理職の特徴です。月末・月初、決算期末に業務が集中し、それ以外は閑散期となるのが通常です。月の半ばや決算に関係のない月は定時で帰れることも多く、時短業務を採用している企業もあります。

加えて、経理の業務内容は1人でこなすものがほとんどです。朝に部門でミーティングしたあと、退社時に進捗報告するまでずっとパソコンと向き合うことも珍しくありません。あまり人に左右されずに自分の仕事のペースを確立し、淡々とこなしていきたい人に適した職種です。

仕事量や期日は変えられないものの、仕事に取り組むペースは個人にかなりの程度裁量権があります。「定時で帰るために全力を尽くす人」「繁忙期に少しでも業務を減らすために普段から準備しておく人」など、それぞれのスタイルで仕事に取り組める自由度の高さも経理の特徴です。

スキル・経験の汎用性が高い

スキル・経験の汎用性が高く、転職が比較的容易なのも経理のメリットです。経理業務のない企業は存在しません。規模や業種に関わらず、必ず経理のポジションが会社にあり、つぶしのきく職種です。会計システムを使用した業務や簿記などの資格は、どのような企業でも必要とされる汎用性があります。普段のデスクワークは会計ソフトよりもほとんどエクセルを使用することになりますが、そのスキルもあらゆる企業で役に立つでしょう。

それらの汎用性を活かして、転職が比較的簡単に実現できるのも経理の特徴です。通常業務の場合、企業によって業務内容が当然異なるため、転職するたびに1から仕事を覚えるケースがほとんどです。経理でも、企業によって使用する会計システムや重視する議論が異なったり、国際会計基準の有無などの違いもあります。しかし、基本的な業務内容や重宝されるスキルはかなりの程度共通しており、どのような会社でも今までのスキルを存分に活かせます。

実際、転職経験のある社員も多く、自分に合わない職場でも次を探すのにそこまで苦労しないでしょう。絶対的な必要性から求人数も多く、繁忙期の人員補充や欠員で基本的には通年募集しています。流動性の高さも転職を容易にしており、より高待遇の企業への転職も叶いやすいのが経理職です。

柔軟な働き方を実現しやすい

経理職はデスクワーク中心で繁忙期が分かりやすいため、働くスタイルを柔軟に変えやすい職種です。コロナ禍では多くの職種でリモートワークが試みられ、その中でも経理職はリモートに移行しやすい職種の代表格でした。セキュリティーや紙を使う企業文化など課題もあるものの、業務量さえこなせば柔軟に働きやすいのは大きなメリットです。

企業や時期によって契約内容も豊富で、時短勤務・派遣社員・パートなどの勤務形態はもちろんのこと、週4日勤務や月末・月初の応援といった様々な求人を見つけられます。こういった事情から女性にとっても働きやすい職種とも言えます。実際に経理職は、女性人口も高く、女性への理解も浸透している職場環境が比較的整っています

繁忙期の分かりやすさと理解者の多さは有給の取りやすさにも繋がり、産休・育休の取得が容易なのも特徴です。専門性の高い業務内容は、一度スキルを身につけてしまえば復帰や転職も容易で、キャリアプランも形成しやすくなるでしょう。前述したように、今の職場が自分に合わなければより自由度の高い職場へ転職しやすいことも、柔軟なスタイルで働くのに貢献しています。

資格の勉強で分かりやすくスキルアップ

資格が評価されやすいことも経理でやりがいを感じる理由の1つです。実は、経理の業務をこなすために必須の資格というものはありません。無資格でも就業は可能ですが、経理関連の資格を取得すれば大抵の職場で良い評価を得やすくなります

簿記の資格を取得していても、1〜2級を目指してスキルアップに励めばさらに有能な戦力になれます。中小企業診断士を学べば経営に関する知識を身につけることができ、キャリアプランにおいても選択肢が広がるでしょう。難易度は非常に高いとはいえ、公認会計士や税理士を目指すならコンサルティングファームへの転職や独立も視野に入ります

資格の汎用性の高さが周囲からも分かりやすいスキルアップにつながり、実務経験と合わせて大きな自己アピールとして活用できるでしょう。

経理で大変なところ

ここからは、現実的に経理業務で大変に感じる要素をご紹介します。主に3つのポイントに絞って解説します。どれも金銭を扱う特別な立場であるがゆえに生じる苦労と言えるでしょう。
・扱う知識量が多い
・プレッシャーが大きい
・デスクワークがメイン

扱う知識量が多い

これは、通常業務の簿記メインの知識に加え、税務・給与計算・社会保険なども扱う業務の幅広さによります。簿記関連の知識ももちろん重要ですが、それだけでは基本的な業務以外をこなすのは非常に難しいのが現実です。普段の会話で専門用語が飛び交うことも多く、初めは先輩社員たちに必死についていく根性も求められるでしょう。

繁忙期にはただでさえ業務量が増えることに加え、普段は扱わない業務を期日までにこなさなければなりません。忙しいと経理の素人に教えるように優しく解説してくれる人もおらず、学び読み解いていく自発性も必要になります。経理の基本的な共通語は自力で学びながら、社内用語をその都度覚えることも欠かせません。

加えて、最新知識を学ぶ努力も求められます。法改正や会計基準に変更が生じた場合、施行日より新しい方法に完全に対応しなければならず、経験豊かな経理マンでもいつも勉強する努力が必要です。会社法や法人税法の改正は業務に大きな影響を与え、毎年といってもいいほど改正への対応を余儀なくされます。政権の決定1つで新たな税制度が加わることも珍しくありません。

さらに、新しい取引やビジネス立ち上げ、業績が変化した際にも新たな会計論点が発生します。ビジネスモデルや収益が変化するたびに新たな会計知識や業務対応が必要となり、これも経理担当者の負担となってしまいます。監査法人や会計基準委員会の公式ホームページをチェックして常に最新情報を仕入れなければならない場合も、通常の業務に追われながら勉強することになり、相当な負担に感じるかもしれません

さらに細かいところを付け加えると、会社によって使用する会計システム・ソフトが異なることも珍しくなく、慣れるまでは経験を積んだ業務でさえ戸惑うこともあります。

プレッシャーが大きい

金銭の管理を任されている以上、業務のプレッシャーも大きくなります。特に決算書の作成・税金の計算・給与計算は責任が大きく、少しのミスも大事になってしまいます。業務内容によって重要度が異なるため、中には見過ごせる間違いもあるものの、税金や給与を間違うと不正行為と捉えられかねず、社会的な責任も追求されてしまいます

決算期の膨大な計算・記録時には、小さな計算ミスは埋もれがちです。ただでさえ集中力が求められる作業を連続でこなしている時に、電話対応や相談があれば中断せざるを得ず、計算を最初からやり直さなければならないこともあります。

その上、経理業務には期日が設定されており、給与や行政機関とのやり取りは期日を変更できません。正確さの追求だけでも業務にプレッシャーがありますが、それに加えてスピードも求められるため、心理的な負担はさらに大きくなります。

期日が迫っている時に忘れられていた領収書が出てくる等、事故のようなハプニングに即刻対応しなければならないこともあります。そのような事態に冷静に対応することが求められるにも関わらず、経理が注目されるのは「ミスしていないかどうか」です。業務に細心の注意を払い続けていると、体も精神も疲労困憊してしまいます。

デスクワークがメイン

経理にはデスクワークならではのストレスがあります。一日中パソコンの画面に向かって作業するため、腰痛や眼精疲労を避けて通ることはできません。繁忙期は手を止めると作業が進まないため、席を立つのも難しいと感じる方も多いようです

特に、最も忙しい時に周りも黙々と作業している様子を見て、自分だけ休憩に行くのは気が引けるということも多々あります。忙しい時はちょっとした合間の休憩も取りづらく、固定された姿勢で休まず集中するという非常にハードな作業にならざるを得ないでしょう。

毎日このような状況が続くと、体のメンテナンスを行わないと痛みがますます悪化してしまい、中にはそれが原因で退職してしまう方もいるほどです。閑散期は時間に余裕があり、体への負担も軽いですが、繁忙期は健康維持に苦労するかもしれません。

経理職に向いている人

ハードな一面がある経理業務ですが、自分の向き不向きが分かれば気持ちが楽になるかもしれません。1つのミスが企業の不正にもつながることもありミスは許されないという性質上、経理職には正確さにこだわる人が向いています。几帳面で確認作業が苦にならない人は経理向きの性格です

その反面、細かすぎたり完璧主義である人はストレスを抱えてしまうかもしれません。経理は確認内容にキリがない業務でもあります。決算や税金などミスできない部分はしっかりと集中し、大事にならない平時の小さなミスは見逃せるバランスが必要です

加えて、1人で安定して仕事のペースを作れる人も向いています。業務が始まると終業まで1人でパソコンと向き合う作業ゆえに、安定したペースでコツコツと業務をこなせる性格であれば、そこまで作業を苦に感じないでしょう。忙しいと1人で過去のデータを読み解いたり、誰も教えてくれない作業を勉強しながら進めていかなければならないこともあり、マイペースを作り出せる人は経理に向いていると言えます。

他にも、経理向きの人の特徴は以下のようなものが挙げられます。
・立てた計画を進めていける
・納期や決算期に責任感を持っている
・数字好き・苦手意識がない
・勉強好き・向上心がある
・コミュニケーション力がある
・チームワークを重視している
・口が硬い
・PC作業・データ処理ができる

経理に向いている人の特徴について詳しくはこちらの記事でも解説しています。
経理に向いている人・向いていない人とは?特徴と自分自身の見極め方を解説

経理のキャリアパス

経理で目指せるキャリアパスには、ゼネラリストとスペシャリストがあります。

ゼネラリストの代表的な例は、経営企画部門への異動です。経営の中枢として戦略策定や経営陣のサポートを行い、財務関連の業務を担うこともあります。

経理職の経験を活かして大企業へ転職する方もいます。大企業では、規模が大きいことで経理業務が細分化されており、より専門的な経験を積めるチャンスがあります。他にも、CFO(最高財務責任者)として企業内で経営陣を目指すといった方向性も、ゼネラリストとしては最終的なキャリアとなるでしょう。

スペシャリストでは、公認会計士や税理士などが挙げられます。会計や税の専門家としてコンサルティングに携わったり、独立開業も目指すことができます。

経理・財務・経営企画のキャリアパス、またCFOについて詳しくは以下の記事でも解説しているのでご覧ください。
経理部門のキャリアの考え方|経理の代表的なキャリアプラン・経理のキャリアパスについて解説
財務部門のキャリアの考え方|財務部門で評価の高いスキル・財務経験者のキャリアパスについて解説
経営企画のキャリアの考え方|経営企画の業務とキャリアパス・必要なスキルを詳しく解説
CFO(最高財務責任者)とは?定義・意味から役割・仕事内容・なり方・キャリアパスまで徹底解説!

まとめ

経理職は、繁忙期にハードな業務を連日こなさなければならない一面もありますが、企業の金銭を管理し、すべての部署の動きをデータで見れる特別な立場もあります。ハードな業務ゆえに責任の重さによるやりがいや、やり遂げた達成感を感じることも多々あるでしょう。

この記事が経理を目指している方の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

また、IPO準備の具体的進め方を相談するには、プロの専門家に聞くのが一番です。

そこでSOICOでは、IPO準備のプロによる個別の無料相談会を実施しております。

・経理、会計、財務、経営企画、CFOなど、管理部門に詳しい転職のプロへキャリアを相談したい
・CFOとして自分が活躍できる具体的な企業/業種業界/役割/企業フェーズはどういったものか知りたい
・市場には出回っていないハイクラス求人を紹介してほしい

そんなお悩みを抱える方に、要望をしっかりヒアリングさせていただき、
適切な情報をお伝えさせていただきます。

ぜひ下のカレンダーから相談会の予約をしてみてくださいね!

この記事を書いた人

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。