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【新制度】インターン生向けストックオプション制度の解説

執筆者:土岐彩花(Ayaka Doki)

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※本記事は2023年5月29日に開催された国税庁及び経済産業省による、信託型ストックオプションの税制及び適格ストックオプションの税制に関する説明会で共有された内容に関して考慮されていない内容となっております。あらかじめご了承下さい。

SOICO株式会社ではこの度、インターン生向けのストックオプション付与制度を設計・導入いたしました。本稿では、本制度の詳細とスキームについて解説します。

こちらの記事も合わせてご覧ください。
【経営者必読】ストックオプション制度を徹底解説!仕組み・種類・メリット/デメリットを完全体系化!

本制度の概要

本制度は、長期インターン経由での人材の獲得を目的とした、インターン生向けの新たなインセンティブ制度です。正社員として採用したいインターン生に対し、指定年数内に正社員になった場合のみ行使できる条件付きストックオプションを付与することで、インターン制度をより採用に直結させることができます。更に、設計次第では新卒だけではなく、第二新卒やその後の出戻りも条件に含めることが可能となっています。

本制度のメリット

本制度には、発行企業、インターン生双方にメリットがあります。

発行企業のメリット

①インターン生を正社員として採用できる可能性が上がる

1つ目のメリットは、インターン生を正社員として採用できる可能性が上がることです。

インターン生の場合、一度会社の業務を経験しているので、能力やカルチャーフィットの点でミスマッチが起こりにくい状況になっており、新卒を採用する場合に比べてコスト的にもメリットがあります。

しかし、優秀なインターン生は他のインターン先からの誘いがあったり、誰もが憧れるような大手企業の内定を持っていたりと、なかなか正社員として採用するには困難な場合があります。

そのような場合に、今回のインターン生向けストックオプション制度を活用することで、インターン生を正社員として採用できる可能性を高めることができます。

これまでは金銭報酬などでしかアピールできない場合が大半でしたが、ストックオプションを活用することで、他社とは異なるアピールをすることが可能となり、正社員として採用できる可能性を高めます。

②インターン生を募集するのに効果的

2つ目のメリットは、インターン生を募集するのに効果的という点です。

正社員の場合、大手上場企業からスタートアップに転職する際の理由の1つは、ストックオプションによる将来的なキャピタルゲイン期待です。これはインターン生においても同様に当てはまります。

インターン生募集の要項の中で、ストックオプション付与の可能性を示すことで、インターン生の応募を集めやすくすることが可能となります。

③ストックオプションの発行費用以上のキャッシュアウトがない

3つ目のメリットは、ストックオプションの発行費用以上のキャッシュアウトがないことです。現金の支出を押さえながらインセンティブを提示することが可能です。

④正社員になった後にもインセインティブとして機能する

4つ目のメリットは、正社員になった後にもインセインティブとして機能することです。会社の一部である株式を保有させることになるため、入社後も業績向上へのインセンティブが働きます。

インターン生のメリット

①契約が無効になる可能性が低い

1つ目のメリットは、契約が無効になる可能性が低いことです。仮に同じような制度を金銭をインセンティブとして設計した場合(例えば5年後には給料を50パーセントアップするつもりであるなど)、通常このようなインセンティブの場合、契約締結は行わないため、約束を反故にされインセンティブを受け取れない可能性を否定できません。ところが、ストックオプションは割当契約書を会社側と締結するため、一度付与されると本人の同意なしに取り上げることが基本的にはできません。そのため、入社後に確実にインセンティブを受け取ることができます

②アップサイドが大きい

2つ目のメリットは、アップサイドが大きいことです。仮にストックオプションを受け取った企業が上場や売却された場合、株式の売却によって多くのキャピタルゲインを得ることができます。

③入社後に経営に参画できる可能性が上がる

3つ目のメリットは、付与されるパーセンテージにもよりますが、入社後に経営に参画できる可能性が上がることです。入社後に付与されたストックオプションを行使して株式に転換することで、議決権を獲得することができます。これにより、株主総会に参加することができるようになるほか、経営陣とのコミュニケーションが増えることが期待できます。

④インターン生側の就職の選択肢が確保されている

4つ目のメリットとしては、今回のスキームの場合、大学卒業時にそのままインターン先に入社しなくても、一定年数以内に正社員になった場合には、ストックオプションを行使できるという条件になっており、インターン生側の就職の選択肢が確保されているという点があります。

インターンで働いた先に愛着はあるものの、元々考えていた希望先に就職したいという考えは誰しもが持つものです。今回の制度の場合には、そのようなインターン生の考え方を反映し、卒業後すぐに正社員にならなくてもストックオプションを得られるチャンスがあるという点が特徴となっています。

ストックオプションの行使についてはこちらの記事もご参照ください。
ストックオプションの行使タイミングはいつ?行使期間や手続き方法まで詳しく解説!

本制度のスキーム

本制度は、権利確定条件付き有償新株予約権を用いて設計します。

①発行企業は、権利確定条件付き有償新株予約権の募集事項を株主総会で決議する

②新株予約権を引き受けるインターン生は、払込期日までに一定の額の金銭を発行企業に払い込む

③権利確定条件が満たされたとき新株予約権は行使可能となり、満たされなかった場合、新株予約権は失効する

最後に

いかがでしたでしょうか?

本制度について自社でも導入したい、または相談したいという方がいらっしゃいましたら、こちらからお問い合わせください。弊社で発行のサポートをさせていただきます。

また、弊社ではインターン生の募集を行っています。ご興味のある方は、Wantedlyからご連絡していただけますと幸いです。


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今回の記事では、ストックオプションと学生インターンについて中心に解説しましたので、ストックオプションや株式報酬制度について理解を深めたい方は下記の記事をご参照ください。

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この記事を書いた人

慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。