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ストックオプションの行使タイミングはいつ?行使期間や手続き方法まで詳しく解説!

昨今、ベンチャー・スタートアップ企業で、従業員や役員向けの報酬制度としてストックオプション(SO)の導入が進んでいます。

一方、ストックオプションをもらっても、
・いつどのタイミングで行使すればいいのか?
・行使するまでの流れはどうなっているのか?
・行使するに当たっての注意点はないか?
など、様々な疑問が湧くと思います。

そこで今回は、ストックオプションをもらってから行使し、売却に至るまでの流れや注意点について、詳しく解説していきます!

ストックオプションとは?

ストックオプションとは、企業の従業員・役員が、事前に決めた価格で自社株を取得できる「権利」です。

ストックオプションをもらった従業員・役員は、自社株の株価が上昇したタイミングでお金を払い権利を行使(=自社株を購入)し、株を売却することで、利益を得ることができます。
※行使(自社株の購入)の際に支払うお金のことを「行使価額」と言います。

株価が高騰した後ですと、なかなか自社株の取得が難しいですが、ストックオプションの場合は、事前に決めた(低い)価格で株式を取得できるので、従業員にとって魅力的な報酬制度となっています。

また、自社の株価が上がらず、ストックオプションの行使価額よりも株価が低い状態であれば、(一般的な設計では)ストックオプションを行使しなくても良いので、従業員・役員にとってリスクの低い報酬制度です。

ストックオプションについて、さらに詳しく理解を深めたい方は、ぜひ以下の記事を参照ください。
【経営者必読】ストックオプション制度を徹底解説!仕組み・種類・メリット/デメリットを完全体系化!

ストックオプションの行使タイミングは?

基本的には「行使価額」<「自社の株価」になったとき

ストックオプションの行使タイミングについては、明確にルールが設けられているわけではありません。

行使のベストタイミングは、「行使価額<自社の株価」になった時です。

例えば、一株あたり行使価額50円で会社からストックオプションを付与(一株50円で自社株を購入できる権利)された場合、株価が50円を上回ったタイミングで行使・取得した株式を売却することで、利益が得られます。

権利行使期間に注意

先述の通り、基本的に行使タイミングは自由ですが、ストックオプションには、付与時に「権利行使期間」が定められていることがほとんどです。

行使期間とは、その名の通りストックオプションを行使できる期間、つまり権利を使って自社株を購入できる期間のことです。

例えば、税制適格無償ストックオプション(行使時に課税されない)の場合「当該新株予約権の行使は、当該新株予約権に係る付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間に行わなければならないこと。」と法律で義務付けられています。

税制適格ストックオプションについての詳細はこちら:【無償ストックオプションとは?】税制適格の要件やデメリットを解説!

これはストックオプション付与から2年以上立たないと税制適格ストックオプションとして行使できないことを意味します。

また、企業ごとに個別に詳細な行使条件を設けていることもあるので、ストックオプションを付与される際には行使期間をよく確認しておくことをおすすめします。

ストックオプションを行使して得た株式を売るタイミングは?

ストックオプション自体はあくまで自社株式を購入できる「権利」なので、ストックオプションのまま売却するということは、特殊なケースを除いて想定されておりません。

基本的に、売却するのはストックオプションを行使し取得した「株式」です。

権利行使後は、通常の株式売買と同じで、各々好きなタイミングで売却可能です。

勿論、一度ストックオプションを行使し株式を保有したら、行使価格よりも株価が下回るリスクもあるため、その点は留意しておきましょう。

行使価格よりも自社の株価が低い場合、株式を売却せず株価が上昇するまで持ち続けておくという選択肢もあります

ストックオプションの行使~売却の手続き・流れ

ストックオプションが付与され行使する手続き・流れは以下の通りです。

(1)ストックオプションが付与される(=自社株式を一定価格で取得できる権利を与えられる)
 ↓
(2)ストックオプション口座を開設する
※税制適格のみ口座開設必要。税制非適格・有償の場合は不要。
 ↓
(3)ストックオプションの行使価額を払い込み、自社株式を購入する(ストックオプションの権利行使)
 ↓
(4)信託銀行等を通じて株式の発行処理が行われる
 ↓
(5)ストックオプション口座に株式が入庫される
※入庫とは、証券会社が株式を預かり保管すること
 ↓
(6)好きなタイミングで売却する
 ↓
(7)売却額が振り込まれる

ストックオプション行使における注意点

ストックオプションの種類によって費用負担・課税額が異なる

ストックオプションは、その種類によって従業員の費用負担や、課税額が異なるので注意が必要です。

まず、ストックオプションは「有償ストックオプション」と「無償ストックオプション」の2つに大きく分かれます。

有償ストックオプションは、発行時に発行価額(株式ではなく「ストックオプション」の時価)を払い込む必要があります。 有償ストックオプションを購入する従業員は、「発行価額」✕「購入するストックオプション(株式)の数」分の金銭を、会社に支払う形になります。

一方の無償ストックオプションは、発行価額(発行時の金銭負担)が0円です。

有償ストックオプションについての詳細はこちら:【有償ストックオプションとは?】メリット・デメリットや発行価額と行使価額の違いを簡単に解説!

無償ストックオプションはさらに「税制適格ストックオプション」と「税制非適格ストックオプション」に分かれます

税制適格ストックオプションについての詳細はこちら:【無償ストックオプションとは?】税制適格の要件やデメリットを解説!

上記の内容を以下の図にまとめましたのでご参照ください。

ストックオプションにおける費用発生・課税は3つのタイミングで起こります。 ①ストックオプション付与時の費用発生=発行価額の払込
②ストックオプション行使時に発生する税=給与課税(最大約55%)
③株式売却時に発生する税=譲渡課税(最大約20%)

有償ストックオプション(SO)の場合

税制適格ストックオプションの費用発生・課税タイミングは、①ストックオプション付与時③株式売却時です。

①ストックオプション付与時の費用発生(発行価額の払込)=あり
②ストックオプション行使時の課税(給与課税)=なし
③株式売却時の課税(譲渡課税)=あり

税制適格ストックオプション(SO)の場合

税制適格ストックオプションの費用発生・課税タイミングは、③株式売却時のみです。

①ストックオプション付与時の費用発生(発行価額の払込)=なし
②ストックオプション行使時の課税(給与課税)=なし
③株式売却時の課税(譲渡課税)=あり

税制非適格ストックオプション(SO)の場合

税制適格ストックオプションの費用発生・課税タイミングは、②ストックオプション行使時③株式売却時です。

①ストックオプション付与時の費用発生(発行価額の払込)=なし
②ストックオプション行使時の課税(給与課税+住民税)=あり
③株式売却時の課税(譲渡課税)=あり

売却益は景気や市場環境に影響される

ストックオプションは権利を行使し株式を取得、その後売却することで利益を得られますが、売却益はその時の景気や市場環境、および自社の株価に大きく影響されます

例えば、日本全体が不景気で株価も下降気味の時に株式を売却しても売却益は少なくなります。

反対に好景気で自社の属する市場(マーケット)が評価されている場合、株価も高くつきやすく、その分売却益も高くなります。

少なくとも「行使価額 < 自社の株価」でない限り、ストックオプションの行使および株式売却をすると損失を被るという次第です。(SO行使、自社株を売却しても損失になるため)

失効する場合があるので注意

先述の通り、ストックオプションには「行使条件」が設けられているため、条件の失効にも十分気を付ける必要があります。

ストックオプションの失効は、主に以下3つのケースで起こり得ます。

行使期間の超過
自身の退職
③(設定されていれば)業績条件の未達

行使条件については個々の企業によって異なるため、ストックオプションを付与された時に詳細に確認しておきましょう。

まとめ

ストックオプションの行使タイミングや流れについて解説致しましたが、いかがでしょうか?

種類や細かい要件など、会社から付与されたストックオプションに疑問点をお持ちの方がいらっしゃいましたら、以下からお気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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