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【必読】サイバーセキュリティクラウド社は、SOをほぼ全ての従業員に付与!?気になるストックオプション政策を分析

AIを活用したサイバーセキュリティサービスを提供する、株式会社サイバーセキュリティクラウドが2020年3月26日に東証マザーズ市場に上場しました。本稿では、同企業のストックオプション政策を徹底分析し、その特徴について解説します!

株式会社サイバーセキュリティクラウドの基本情報

サイバーセキュリティクラウドは、2010年8月に設立され、今年で創業10周年を迎えるIT企業です。「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という理念のもと、クラウド型のWAFサービス「攻撃遮断くん」を主に提供しています。

※WAFとは
Web Application Firewallの略称で、ウェブアプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃からウェブアプリケーションを保護するセキュリティ対策の一つのこと。

主要サービス

画像参照元:https://www.shadan-kun.com/
「攻撃遮断くん」は、Webサイト・Webサーバへのサイバー攻撃を可視化・遮断するWebセキュリティサービスです。サブスクリプションモデルで提供されており、サイバーセキュリティクラウドの売り上げの約95%を占めています。

事業系統図

画像参照元:サイバーセキュリティクラウド 有価証券報告書(第10期)

上場時の総発行株式数や潜在株比率一覧

資本金

1億7425万円

総発行株式数

2,305,000株

総潜在株式数

89,600株

潜在株式比率

3.88%

初値(1株)

9210円

時価総額(初値換算)

212億2905万円

2015年以前の増資については公開されていませんが、最近上場したIT系企業の中では比較的少ない回数の資金調達で上場に至っているという印象です。潜在株式比率の3.88%については平均的な発行量となっています。

上場時のストックオプション発行状況

概況

総発行数

96,000株

残存数

89,600株

失効数

6,400株

失効割合

6.67%

発行回数

4回

付与対象者

取締役、従業員、社外協力者

総見込み売却利益(※)

6億2872万1000円

※ 総見込み売却利益とは、以下の仮定に基づいて算出した各ストックオプションの見込み売却利益の合計額です。実際の売却利益とは異なります。
①無償ストックオプションとして発行されており、発行価額が0円である
②発行価額で行使後に初値の9210円で売却
③税金は考慮しない

ストックオプションの総発行回数は4回ですが、第1,2,3回の発行については同日に行われており、タイミングとしてはわずか2回の発行で上場に至っています。こちらも最近上場したIT系企業の中では比較的少ない回数であるという印象です。

役員、従業員、社外協力者への配分比率

付与対象者

付与数

配分比率

割合(上場時全株式)

取締役、従業員

79,600株

88.83%

3.45%

社外協力者

10,000株

11.16%

0.43%

サイバーセキュリティクラウドはストックオプションの付与対象者の詳細を公表していないため、取締役と従業員数の個別の配分比率は不明となっています。

特徴的なポイント

ポイント1:社外協力者への付与

サイバーセキュリティクラウドでは、上場約2年前の2018年3月に社外協力者2名へのストックオプションの付与を行っています。付与割合は付与時、上場時ともに0.43%です。

ポイント2:ほぼ全ての従業員への付与

サイバーセキュリティクラウドの従業員数は上場時に30人となっています。そのうち29人の従業員には上場約1ヶ月前の2020年2月にストックオプションが付与されており、実に従業員の96%以上がストックオプションを受け取っています

発行タイミングごとのストックオプションの設計一覧

以下の項目では、「発行価額」や「行使価額」のような専門用語が含まれています。これらの単語の記事は以下の記事で解説していますので、よろしければご覧ください。
【有償ストックオプションとは?】メリット・デメリットや発行価額と行使価額の違いを簡単に解説!

オーバービュー

回数

割当日

付与数

付与対象者

行使価額

第1回新株予約権

2018年3月12日

26,800株

取締役 1人

従業員 6人

1,300円

第2回新株予約権

2018年3月12日

29,400株

取締役 1人

従業員 16人

1,300円

第3回新株予約権

2018年3月12日

10,000株

社外協力者 2人

1,300円

第4回新株予約権

2020年2月13日

29,800株

取締役 1人

従業員 29人

4,500円

第1回新株予約権(2018年3月12日)

種類

不明

決議年月日

2018年3月12日

上場日基準

上場約2年前

設立日基準

設立約7年7ヶ月目

付与対象者(※1)

取締役 1人

従業員 6人

付与数

26,800株

上場時残存数

25,500株

発行価額

不明

行使価額

1,300円

行使期間

2020年3月13日から2028年2月12日

総残存数見込み売却利益(※2)

2億1705万円

※1 その後の人事異動や退職により、本新株予約権の上場時の付与対象者の状況は取締役2名、従業員3名となっています。詳細は不明ですが、この時に付与された従業員の中から1名が取締役に昇格し、2名が退職したようです。なお、退職者のストックオプションは権利喪失しています。

※2 以下の仮定に基づき算出しており、実際の売却利益とは異なります。
①無償ストックオプションとして発行されており、発行価額が0円である
②行使後に初値の9210円で売却
③税金は考慮しない

第2回新株予約権(2018年3月12日)

種類

不明

決議年月日

2018年3月12日

上場日基準

上場約2年前

設立日基準

設立約7年7ヶ月目

付与対象者(※1)

取締役 1人

従業員 16人

付与数

29,400株

上場時残存数

24,300株

発行価額

不明

行使価額

1,300円

行使期間

2020年3月13日から2028年2月12日

総残存数見込み売却利益(※2)

1億9221万3000円

※1 その後の人事異動や退職により、本新株予約権の上場時の付与対象者の状況は取締役2名、従業員10名となっています。詳細は不明ですが、この時に付与された従業員の中から1名が取締役に昇格し、5名が退職したようです。なお、退職者のストックオプションは権利喪失しています。

※2 以下の仮定に基づき算出しており、実際の売却利益とは異なります。
①無償ストックオプションとして発行されており、発行価額が0円である
②行使後に初値の9210円で売却
③税金は考慮しない

第3回新株予約権(2018年3月12日)

種類

不明

決議年月日

2018年3月12日

上場日基準

上場約2年前

設立日基準

設立約7年7ヶ月目

付与対象者(※1)

社外協力者 2人

付与数

10,000株

上場時残存数

10,000株

発行価額

不明

行使価額

1,300円

行使期間

2020年3月13日から2028年2月12日

総残存数見込み売却利益(※2)

7910万円

※1 社外協力者の詳細は不明です。

※2 以下の仮定に基づき算出しており、実際の売却利益とは異なります。
①無償ストックオプションとして発行されており、発行価額が0円である
②行使後に初値の9210円で売却
③税金は考慮しない

第4回新株予約権(2020年2月13日)

種類

不明

決議年月日

2020年2月13日

上場日基準

上場約1ヶ月前

設立日基準

設立約9年4ヶ月目

付与対象者(※1)

取締役 1人

従業員 29人

付与数

29,800株

上場時残存数

29,800株

発行価額

不明

行使価額

4,500円

行使期間

2022年2月15日から2030年2月13日

総残存数見込み売却利益(※2)

1億4035万8000円

※1 上場時の付与対象者の変動はありません。

※2 以下の仮定に基づき算出しており、実際の売却利益とは異なります。
①無償ストックオプションとして発行されており、発行価額が0円である
②行使後に初値の9210円で売却
③税金は考慮しない

まとめ

今回はサイバーセキュリティクラウドのストックオプション政策を徹底分析しました。付与回数は少ないですが、社外協力者への付与や、ほぼ全ての従業員への付与などの特徴的な政策が見られました。


弊社では、このように様々な企業のストックオプション政策を分析してきたプロフェッショナルがストックオプションの発行のサポートをさせていただいております。「ストックオプションを発行したいがどのくらい付与すればいいのか分からない」「発行手続きが分からない」などの疑問点がありましたら、是非以下のリンクから無料相談をお申し込みください

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