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経理職は忙しすぎる?経理部門が忙しい時期とその理由・忙しい経理部門が取るべき対策法を解説

執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)

CFOになるには?キャリアパスも解説

経理/会計/財務/経営企画などの管理部門としてのキャリア

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人体に血液が欠かせない存在のように、企業の金銭の流れを管理するために存在する経理職ですが、すべての企業において経理は重要な役割を果たします。経理は、会社の資金を扱う重要な部門です。そのため、「経理は忙しすぎるのでは」と考えている方が多いですが、実際に、経理職は忙しすぎるのでしょうか。

この記事では、経理職への転職を希望している方、また現在経理を行っている方に向けて、経理職の忙しい時期が忙しい理由や経理職の忙しい時期への対処法などをご紹介します。忙しい時期もスキル次第で負担を軽減することが可能です。ぜひ参考にしてください。


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経理とは

経理とは、「経営で発生する金銭全般の出入れを管理する」仕事のことを言います。

経理は、決算書の作成や従業員の給与計算などの企業の金銭に関する業務を幅広く行います。経理は業務内容の専門性が高く、経理職での職務範囲が広がることで、財務や経理管理などのキャリアアップが選択肢に入るだけでなく、CFO(最高財務責任者)としてベンチャー企業・スタートアップ企業の経営層への参画を目指すことも可能です。

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時と場合によって経理部門は忙しい

経理部門の忙しさは、時と場合によります。ここでは、経理部門の忙しさに関する以下の3つの要素をご紹介します。
・時期による忙しさ
・人による忙しさ
・企業による忙しさ

時期による忙しさ

経理部門は時期によって忙しさが異なります。経理部門が特に忙しい繁忙期は以下の通りです。
・4月の年次決算の時期
・7月、10月、1月の四半期決算の時期
・12月の年末調整の時期
・月初の月次決算の時期

月次で行われる経理業務は、取引先への請求書の発行・入金業務、月次決算業務、給与関連業務とさまざまです。取引先との取引の多くは、支払期日が月末なことが多いです。そのため、支払期日に間に合うように支払いを要求する請求書を発行したり、発行された請求書の入金管理などを行います。さらに、入出金の集計作業や帳簿作成などを月次決算業務として行ないます。このような業務を、月末から月初めの数日以内に完了させるため、月末から月初めまでは忙しいことが一般的です。

年次業務の繁忙期は、決算処理を行う4月頃や、従業員の各種保険の申告期限である7月、また年末調整を行う12月頃です。特に年末調整関連の業務は、経理担当者だけで行える業務ではありません。社員からの書類提出が関係してきます。社員の書類提出が遅れると経理担当者への負担が増加します。月次業務も重なるため、この時期の経理業務は忙しすぎると言えます。

経理部門の繁忙期については、こちらの記事もご参照ください。
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人による忙しさ

時と場合によって経理部門が忙しい1つの要素に「人による忙しさ」があります。経理の忙しさは同じ企業で働いているとしても人によって異なります

従業員の担当業務や従業員が持っているスキルに応じて忙しさが変わってくるでしょう。たとえば、担当業務の難易度によって忙しさは変わります。決算業務なら、退職給付引当金、税効果会計、キャッシュフロー計算書作成、組織再編関係の処理など高難易度の業務があります。難易度が高い分、それだけ時間や労力が必要になり、忙しいと感じます。

また経理業務に必要なスキルが不足している場合、業務に時間がかかり忙しいと感じることもあるでしょう。たとえば、スケジュール調整力やPCスキル、そして会計・税務に関する知識が欠けている場合、決算業務において忙しくなる可能性があります。

企業による忙しさ

経理部門の忙しさは、企業によっても異なります。たとえば、ベンチャー企業・スタートアップ企業、そして中小企業などはバックオフィス人材のコスト削減のために十分な人数がいないこともあります。ベンチャー・中小企業の多くは、経理部門のような直接、企業に利益をもたらさない間接部門よりも開発部門や営業部門に優先して人材を採用する傾向にあります。そうすると、経理部門の人材は少ない人数で業務をこなさなければならなくなるので、結果として忙しくなります。

また、ベンチャー企業やスタートアップ企業、中小企業においては、他の企業で業務に利用されている自動化システムが整備されていない場合があります。さらに、経理担当者は経理以外の業務も行わなければならない場合があるため、激務になり、忙しくなります。しかし、大手企業では、自動化システムや十分な人材を確保できているため、比較的業務に余裕があります。

経理部門が忙しすぎる時期

経理業務が忙しすぎる時期について、具体的に解説していきます。基本的に、経理業務には以下の2つの忙しい時期が存在します。

・決算時期
・月初めの時期

決算時期

決算時期は企業によって異なりますが、例えば、12月期決算企業であれば忙しい時期は、四半期決算発表月である2月、5月、8月、11月でしょう。また、2月、3月は、本決算から株主総会までの期間で忙しいです。決算月の前月も準備などで経理業務が忙しくなる傾向にあります。

1月に入ると本決算の2月発表に向けて経理は忙しくなります。監査法人への対応、取引先との確認業務、子会社があれば子会社の管理などと忙しいです。中小企業やベンチャー企業・スタートアップ企業などの経理担当者は正月休みを取ることが難しいでしょう。それほど忙しいのです。また、8月のお盆休みも中間決算で忙しくなります。

月初めの時期

月初めの時期も経理は忙しいです。月初めの時期に行われる経理業務に「月次決算」があります。月次決算では、会社のPL/BC/CSを締める業務になりますが、かなり忙しくなります。しかし、四半期決算ほど忙しくないという経理担当者もいます。それは、上述したとおり、経理担当者のスキルに大きく左右されると言えます。

この月初めの時期は経理初心者にとっては、忙しい時期となるでしょう。期日が決まっており、期間内に資料をそろえたり仕訳をしたりしなければならないため、忙しくなります。

経理部門が時期によって忙しすぎる理由

経理部門が時期によって忙しすぎる理由はいくつかありますが、主な理由は以下の通りです。
・繁忙期とそうでない時期が異なるため余裕をもって人材採用できない
・忙しい時期だけに人材を確保することが難しい
・経理部門に人員確保するだけのコンディションがない

経理部門は、繁忙期であっても最低限の人数で業務を行っていかなければなりません。それは、通常時の経理業務は、定時で余裕で仕事が終わるぐらいの仕事量だからです。常に忙しい部門であれば人材を確保することもできますが、そうでなければコスト削減につながりません。

また忙しい時期だけにアルバイトを雇ったりすることもできますが、経理の場合、企業の金銭を取り扱う業務であるため、ある程度の経験やスキルが必要です。全く経理経験のないアルバイトでは務まらない業務のため、人材を確保することが難しいです。

また、中小企業やベンチャー企業、そしてスタートアップ企業などは、人材確保をするだけのコンディションがない場合があります。経理部門は、企業に直接利益をもたらす直接部門ではなく間接部門の1つです。そのため、経理部門の抱える負担を必要最低限の人数で対処せざるえないため、繁忙期になると忙しすぎる状況に陥ります。

以上のような理由から、経理部門が時期によって忙しすぎることが理解できるでしょう。

経理部門が忙しすぎない時期

経理部門が忙しくない時期も存在します。忙しくない時期は、主に決算月以外の時期です。

たとえば、12月期決算企業で考えると、四半期決算以外の時期、そして株主総会や月次決算以外の時期は、比較的忙しくありません。このことは、中小企業であろうと大企業であろうと変わりません。

通常、経理部門はこの忙しくない時期に新たな会計基準や適時開示ルールの確認を行います。また、スキルアップや繁忙期に向けた準備などに時間を用います。この忙しくない時期をどのように利用するかで、自社の経理部門の繁忙期を効率よく過ごすことができるでしょう。

経理職のスキルアップについては、こちらの記事もご参照ください。
経理職におすすめのスキルアップ方法|専門性を高める資格・キャリアパスについて解説

忙しすぎる経理部門が取るべき対策

経理部門は時期によって忙しさが変わることがわかりました。確かに、繁忙期になると経理部門は忙しすぎる状況に陥ります。ここでは、忙しすぎる経理部門が取るべき対策5点について解説していきます。
・PCスキルの向上
・業務フロー・作業用フォーマットの見直し
・決算業務のスケジュール表作成
・専門知識のカバー
・システムトラブルへの対策準備

PCスキルの向上

経理部門が忙しさを乗り越えるために取るべき対策に「PCスキルの向上」があります。PCスキルの向上によって、経理業務の作業効率が上がることが期待できます

たとえば、Excel(エクセル)に代表される表計算ソフトをマスターすることをおすすめします。Excelスキルは経理業務の作業効率に大きく影響します。たとえば、Excel作業において次の機能を使いこなすことができれば、大幅に作業効率性がアップします。
・VLOOKUP
・SUMIF
・ピボットテーブル
・IF

経理の実務において、上記の機能を使いこなすことが可能であるなら、集計業務と数値の確認で忙しくなりすぎることはないでしょう。

業務フロー・作業用フォーマットの見直し

PCスキルの向上と同時に、「業務フロー・作業用フォーマットの見直し」も考慮しましょう。フォーマット化されていないと、他部署から送られてくる資料などを管理するため手入力での修正が必要な場合があります。そうなると、経理業務は忙しくなります。基本的には、元資料を貼り付けるだけのフローであれば、業務ミスも減り再修正などの手間が省けます。

フォーマットの見直しに関して具体的にできる対策には、以下のようなことが挙げられます。
・時間のかかる業務におけるフォーマットを見直す
・ピボットテーブルに精通しフォーマットを貼り付けるだけで数値が算出できるようにする
・フォーマットの画一化を推進する

業務フローや作業用フォーマットの見直しを行うことは、さまざまな業種に必要なことです。そのため、業務フローや作業用フォーマットの見直しの工程をマスターできれば転職やキャリアアップに効果的です。

決算業務のスケジュール表作成

忙しすぎる経理部門が取るべき対策の1つに「決算業務のスケジュール表作成」があります。決算業務のスケジュール表を作成する目的には以下の点が考えられます。
・業務スケジュールの全体像を把握する
・担当が明確化され担当が曖昧な業務がなくなる
・業務のフローを把握でき業務効率化になる

業務のフローを把握することは重要です。たとえば、業務のフローを把握することで他工程の待ち時間などを削減することにつながります。待ち時間を削減できれば、それだけコスト削減にもつながることでしょう。各工程でどのような業務が行われているかを把握しているなら、業務工程における優先順位を立てやすくなります。優先順位が定まっていないと、作業の手戻りなどが生じ、業務が悪化します。

専門知識のカバー

忙しすぎる経理が取るべき対策の1つに「専門知識のカバー」があります。経理が忙しくなる理由の1つには、専門知識が十分でないことが挙げられます。イレギュラー対応業務などが生じると、イレギュラーの原因を調査したり会計ソフトの不明な点についてメーカーなどに問い合わせたりしなければなりません。そうなると、多くの時間と労力が必要です。

また、経理に関する専門的な知識がないと、問題点や課題を発見することにも時間がかかり、他の業務に対応する時間が捻出できなくなり、結果として忙しくなるでしょう。このことから、専門知識をカバーすることが重要であることがわかります。

たとえば、税効果会計をマスターすることは重要です。税効果会計とは、企業会計の税金と実際の税金の差異を調整する目的で行うものです。過去の取引の結果から未来の税金が減る場合には資産を計上し、税金が増える場合には負債を計上します。

税効果会計をマスターするには、以下の手順が大切です。
・法人税法の別表1・4・5の仕組み(※)を理解すること
・法人税法の永久差異と一時差異の違いを理解すること
・法人税法の仕組みと差異の違いを理解した上で、税効果会計の実務書を1冊読む

税効果会計をマスターするには、法人税法をマスターすることをおすすめします。法人税法とは、株式会社や合同会社といった法人に課される法人税について定めた法律です。法人税の課税所得は、必ずしも会社の会計上の利益とは一致しません。この一致しない差額をより合理的に配分するための会計手続きを税効果会計と言います。そのため、税効果会計をマスターするには法人税法をマスターすることが助けになります。

※法人税法の別表1:法人税額の計算をしたもの
※法人税法の別表4:所得金額の計算をしたもの
※法人税法の別表5:利益積立額及び資本金、租税公課の納付状況に関するもの

システムトラブルへの対策準備

経理業務においてIT化の導入は、業務効率化に大きく影響します。中でも会計システムの導入は、忙しすぎる経理部門において大きな助けとなるでしょう。しかし、会計システムを導入すると必ずと言っていいほどシステムバグが起こります。そのため、忙しすぎる経理が取るべき対策の1つに「システムトラブルへの対策準備」があります。

システムバグは必ず起こるものだと考え、トラブルが起こった後の対応を心がけるようにしましょう。たとえば、トラブルが起こった後のトラブルシューティング集を作成し、従業員を訓練することが有効です。

システムバグが起こった後の社内教育には、以下の内容が挙げられます。
・システムバグの内容と解決方法をまとめて開示する
・似たような問い合わせがあった場合には、開示された解決方法に従って対応してもらうように促す

システムバグが起こった後の対応方法を従業員で共有できていれば、余計な手間をかけずにトラブルを解決できるため、忙しすぎる経理業務においては重要です。

経理業務のIT化については、こちらの記事もご参照ください。
経理業務のDX化とは?経理業務にDX化が必要な理由・メリット・ツール・DX推進のポイントについて解説

まとめ

この記事では、経理職の忙しい時期が忙しい理由や経理職の忙しい時期への対処法などをご紹介してきました。

経理業務には、忙しい時期と忙しくない時期があります。忙しい時期であったとしても、経理担当者が持っているスキル次第で、忙しくなくなる可能性があります。事前に、経理職の忙しい時期への対処法や対策を理解し計画が立てられれば、忙しさも軽減できることでしょう。

この記事が、経理職への転職を希望している方、また現在経理を行っている方にとって参考になれば幸いです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。