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【人事必見】人事評価の成功事例10選!人事評価項目の種類・人事評価制度の成功事例を幅広くご紹介!

執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)

成長ベンチャー企業が直面する
よくある「人事問題」事例集

成長ステージごとにも解説!

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人事評価の項目については理解したものの、具体的にどのように設計すれば良いのか不安で設計に悩んでいるご担当者様も多いのではないでしょうか。

これから初めて制度設計を試みる企業様は勿論のこと、人事評価制度の立て直しを図るフェーズにある企業様にとっても、実際に運用して成功している他社様の事例があると設計後のイメージが湧き易いでしょう。

そこで今回の記事では、簡単に人事評価制度について言及しながら、人事評価制度を導入してうまくいっている企業様の事例を10社ご紹介致します。

今回の記事をお読みいただければ、実際に評価制度を組み込んだ際の導入イメージを掴んでいただけます。


尚、改めて評価制度について学び直してから評価項目の見直しを検討したい方は、以下の記事で詳しく解説しておりますのでこちらをご覧ください。
評価制度とは?評価制度の目的・種類・制度の導入時に考えるべきポイントを解説

人事評価制度とは?

実際に人事評価制度の導入事例について言及する前に、同制度の概要について本項にて整理しておきましょう。

具体的には、以下3点について解説いたします。

人事評価制度とは何か
人事評価制度を導入するメリット/デメリットは何か
導入時の方法はどうすべきか

それでは以下にて順々に解説していきます。

人事評価制度について

人事評価制度とは、従業員の能力や企業への貢献度などの評価を行う人事制度を指します。

この評価基準は各企業にて異なる基準が設けられており、1年に1回・半年に1回・四半期に1回などと定期的に実施されます。

人事制度は、

評価制度:従業員の能力や企業への貢献度などの評価を行う人事制度 ※先述
等級制度:企業内部で等級(グレード)を定め、等級に合わせて必要な役割を割り当てる制度
報酬制度:等級(グレード)を基準に従業員の給与や賞与を決める制度

の3点で構成されており、これらの制度が相互に作用することで社員の給与は上昇します。

本記事にて取り扱う評価制度について詳しく理解したい方は、以下の記事を参考にしてください。
評価制度とは?評価制度の目的・種類・制度の導入時に考えるべきポイントを解説

評価制度運用の目的について

評価制度を設ける目的は以下4点です。

企業の理念や行動指針を浸透させるため
社員の処遇を公正に決定するため
人材を育成するため
最適な人員配置に活用するため

具体的な内容については以下記事にて言及しておりますので、詳しく知りたい方はご一読ください。
【人事必見】人事評価の項目とは?項目の種類や評価項目例・参考事例をご紹介!

評価制度の導入手順について

人事評価制度を設定する際は、基本的に以下のステップで進めていきます。

1.役割・業務について整理して洗い出す
まずは職務を特定することです。

ここで重要な点は、一度業務を細分化して職務として特定することです。そして評価項目として作成する項目を厳選し、選定することがポイントです。

2.役割の難易度を決める
次に、役割の難易度を決定します。最も一般的な方法は、従業員を大きく3つに分けることです。

企業によって異なりますが、一般従業員の「一般等級」、主任や係長などの中間管理職の「リーダー等級」、課長や部長などの管理職で監督する立場の「管理等級」の3つに分けることが一般的です。

3.等級数を設定する
役割の難易度が決まったら、それぞれの等級(グレード)にどのような仕事が求められているかを記した言語・マニュアルを作成します。

その際、各グレードの目標や仕事内容を作成し、マニュアル化することで、伝わりやすく、理解しやすいものにすることも有効です。

4.等級ごとに求められる・期待される役割を設定する
評価基準を作成した後は、評価内容をわかりやすく数値化する必要があります。各等級(グレード)に求められる職務レベルが数値化・評価できれば、公正な判断が可能となるでしょう。

5.業務プロセスや行動に関する評価基準も考える
人事評価担当者は、従業員の売上や目標の達成度など、数値化できるパフォーマンスに注目しがちです。

しかし、定量的に測ることの出来る業績評価だけでは、数値化しにくい業務に従事している従業員の不満につながりかねません。

6.作成した評価基準の導入と運用に向けた環境を整える
評価基準は実際に人事において活用されることで活かされるので、決めてしまったら終わりではなく、実際の業務に落とし込めるところまで環境を整えることが重要です。

本稿の内容をきっかけに、人事評価制度の設定方法についてより具体的に学びたい方は以下の記事をご確認ください。
人事制度における評価基準の作り方とは?評価基準の種類・目的・必要性・注意点について解説

人事評価制度の事例10選

社員、ひいては企業のパフォーマンスに寄与する人事評価制度。

本項では、人事評価制度の導入事例10社をご紹介致しますので、実施に他社様ではどのような項目を採用しているのか参考にしてみてください。

事例1:株式会社DeNA

株式会社DeNAで導入している代表的な評価制度は以下3点です。

・マネージャーへ360度評価によるフィードバックを実施
・あえて実名でフィードバックし信頼関係を構築
・人事承認なしで異動可能なシェイクハンズ制度を導入

同社では、約130名のマネージャー向けに360度評価によるフィードバックを実名開示で実施しています。一般的には無記名で行われる評価法ですが、同社の場合はマネージャーと社員との信頼関係の構築を目的にあえて実名の評価を採用しています。

また、各社員に対して本人及び所属の部署の合意があれば、人事承認なしで異動できるシェイクハンズ制度を導入しています。

別部署への異動のしやすさを叶えることで、社員に新しいチャレンジを促したり、自らの情熱に合った役割についてもらうことを推奨、自らの長所を活かせる人事配置を目的としています。

事例2:株式会社メルカリ

株式会社メルカリで導入されている代表的な制度は以下です。

・人事評価制度をOKRとバリュー評価の2軸で実施
・OKRでは結果だけでなく達成までのプロセスも重視して評価
・定性的で評価しづらいバリュー評価はピアボーナス®によって見える化

メルカリの人事評価制度の特徴は、

OKRを用いた目標達成の度合い
同社のバリューに沿った行動の有無

の2軸によって四半期ごとの評価を実施している点です。

前者のOKRに関しては、当時アメリカで導入が盛んになり始めた頃から同社は注目しており、日本で他社に先駆けて導入しました。

一方のバリュー評価は、同社の掲げる3つの行動指針の実践について評価するものですが、OKRと比較して定性的で評価しにくいという難点がありました。

そこで、社員同士で成果給を送るピアボーナス®を導入しました。社員のバリューに基づいた具体的な行動をタイムライン化して四半期ごとに評価しつつ、多くの成果給をもらった社員を表彰しています。

事例3:Chatwork株式会社

Chatwork株式会社で導入されている制度は以下のようなものが挙げられます。

・社員のチャレンジを評価するOKRを導入
・OKRでは目標の解像度を高めることを目的にSMARTの法則を採用

同社では、社員本人が「ワクワクしているか」「どれだけ挑戦しているか」を軸においたOKRを導入しましたが、曖昧な目標設計並びに評価内容にならないようSMARTの法則を採用しました。
※SMARTの法則とは、次の5つの頭文字をとった目標を決定する方法です。
 ・Specific(具体的な)
 ・Measurable(測定可能な)
 ・Assignable(割当が可能な)
 ・Realistic(現実的な)
 ・Time-related(期限のある)

また、社員がOKRにて保守的な目標設定をしないように、人事評価と達成率の連動を撤廃しました。

事例4:株式会社データX(旧:株式会社フロムスクラッチ)

株式会社データX(旧:株式会社フロムスクラッチ)で導入されている制度で代表的なものは以下の通りです。

・全社員が採用活動に関わるリクルーティング資格制度を導入
・採用活動への貢献度を4クラスで評価し、クラスごとに毎月手当額を決定

業界No.1シェアを誇るMAツール「b→dash」を提供する同社では、全社員が採用活動に関わるためのリクルーティング資格制度「CREW(クルー)」を導入しています。

同社の「組織にどんな人材を集めるかが競争優位性になる」という考えのもと、社員一人ひとりの採用活動への貢献度を「エントリー」「バチェラー」「マスター」「ドクター」の4クラスで評価し、クラスによって毎月手当額が決定される仕組みになっています。

こちらの導入によりリファラル採用が浸透した上、面接及び面談担当がどの社員であれ候補者の志望度が向上する結果に繋がったそうです。

事例5:カルビー株式会社

日本では誰もが知る老舗菓子メーカーのカルビー株式会社は、以下のような取り組みを実施しています。

・職能資格制度とスキル評価制度を使った昇給や昇格の決定を廃止
・2012年〜ノーレイティングの仕組みを人事評価制度に導入

同社では、1年間の初めに仕事内容と目標のコミットメントを決めて契約書にサインをします。そして、目標に対する成果度合いで賞与が大きく変わり、降格や昇進の可能性もあるといいます。

また、上司と部下が交わした契約内容はイントラネットにて公開、全従業員が閲覧できるようにオープン化しています。

この取り組みにより、自身の定めた目標に対する成果が正当に反映されるだけでなく、誰もが他者の評価内容に対する納得感を醸成することに成功しました。

事例6:GMOインターネット株式会社

インターネット関連事業を行うGMOインターネット株式会社は、人事評価制度に360度評価を導入しています。

・360度評価支援システムを導入し、業務に関わる従業員による匿名の360度評価を実施
・給与の枠とリンクした等級ランク(6段階)を公開

この制度下では、全従業員の等級とランクが開示されており、各等級の給与額もオープンにしているため「誰がどの等級とランクで、給料がいくらか」まで閲覧可能だそうです。

360度評価やオープン化を実施したことで、

「公平に評価されるため、会社への不満がなくなった」
「給与額がオープンになり、仕事に対する責任感が生まれた」

などの効果が生まれました。

事例7:株式会社Colorkrew(旧:株式会社ISAO)

株式会社colorkrew(旧:株式会社ISAO)では、以下のような取り組みがなされています。

・等級制度を導入し、フラットな組織構造を実現
・属するグレードは自ら選んだ評価者による360度評価によって決定し、給料と連動させる
・個人の能力は半期ごとのアワードでも評価し、ボーナスに反映する

colorkrewでは企業内に組織の成長を阻害する権威を作らないため、マネージャー不在のフラット組織になっており、形態を維持するために12のグレードから構成される等級制度を導入しています。

各社員の給与はこのグレードと連動しており、どのグレードに属するかは本人とコーチにあたる社員とが指名した複数人の社員の360度評価によって決まります。

昇降級のタイミングはリアルタイムで行われ、いつでも必要に応じて昇給を申し出て良いことになっているのが特徴です。

事例8:アドビシステムズ株式会社

グラフィックデザインソフトウェアの市場で圧倒的なシェアを誇るアドビシステムズ株式会社は、以下の制度を導入しています。

・社員の日々の成長を個々に評価するチェックイン

こちらの導入にて上司と部下が継続的に面談を行うことで、各社員の評価付けが不要になりノーレイティングの人事評価制度を実現しています。

具体的なチェックイン時の内容は以下の通りです。
・3カ月に1回の頻度で、直属の上司と目標に向けた成長点や改善点を話し合う
・1年間の業務が終わった1月に、マネージャーが部下の評価を決める
・評価を決めた後、マネージャーが部下に評価の理由を説明する
・昇給や賞与の金額は一人ひとり異なり、人事部は介入しない

事例9:ダイキン工業株式会社

ダイキン工業株式会社の制度設計の特徴は、各社員が自分の人生設計に合わせて働きやすい環境を整備している点です。具体的には以下の通りです。

・希望者は70歳まで再雇用する
・産後の休暇や育児休暇を取りやすい環境づくり

中長期的に働きやすい環境を提供する代わりに、社員が仕事に復帰したら会社へ貢献してもらうというスタンスを取っているのが同社です。

また、2020年度に管理職には人工知能やIoTへの知識が必須の人事制度を導入しました。営業や事務系を含む幹部全員が、先進のデジタル技術を理解できる仕組みを作り、企業の競争力を高めるために人事制度を利用しています。

事例10:株式会社GEEK

設立後5〜6年目に従業員の採用を開始した株式会社GEEKは、従業員の人数に合わせて段階的に人事評価制度を取り入れていきました。

従業員10名:スプレッドシートによるMBO評価、360度評価、など
従業員20名:クラウド型の人事評価運営への切り替え

10名規模のフェーズではアナログ的に管理していた評価を、クラウドを取り入れた評価制度に変更したことで、上司と部下とのコミュニケーション頻度を上げることに成功しました。

結果、足元抱えている課題を上司がいち早くキャッチアップすることができるようになったため、評価全体にかかわる工数は30%削減に成功したそうです

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回の記事では、人事評価制度を導入して成功している企業の事例を10個取り上げました。

ただ座学的にどのような種類の評価指標があるのかを理解するだけでなく、実際の企業の導入事例に触れることで自社での導入イメージも膨らみます

勿論、他社様に当てはまる設計が自社の評価制度として適切であるとは言い切れませんので、自社の成長フェーズや組織の規模感に合わせて必要な評価項目を取捨選択すると良いでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございます!

       
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  6. ●事例2:単一的なキャリアパスによる問題
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この記事を書いた人

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。