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人事評価コンサルタント|メリット・デメリット・選ぶ際のポイントについて解説

執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)

成長ベンチャー企業が直面する
よくある「人事問題」事例集

成長ステージごとにも解説!

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新型コロナウイルス感染症の流行、そして働き方改革の推進によってテレワークが浸透した結果、多くの企業が人事評価制度の見直しを検討しています。また、「より客観的で明快な人事評価制度を導入したい」「職場環境向上のために人事評価制度を見直したい」と考えている経営者や人事担当者もいらっしゃるでしょう。人事評価コンサルタントは、中小企業から大企業までを対象とし、多岐にわたるサービスを提供しています。

この記事では、人事評価コンサルタントについて、以下の内容を取り上げます。

・人事評価コンサルタントが行う主な業務
・人事評価コンサルタントに依頼するメリット
・人事評価コンサルタントに依頼するデメリット
・人事評価コンサルタントを選ぶ際のポイント

人事評価制度の見直しを検討している経営者、また人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

人事評価コンサルタントとは?

人事評価コンサルタントとは、主に企業の人事制度や人事評価制度の確立を支援するプロフェッショナルです。人材や組織に関する「プロ」として、企業や組織にアドバイスや提案を与えます。

新型コロナウイルス感染症の影響、また働き方改革の推進によって、さまざまな企業や組織が人材についての課題や悩みを抱えていることが現状です。徐々に変わりつつある社会情勢に対応しながら、企業のニーズに対応できる人材が求められています。人事評価コンサルタントは、人材や組織に関する専門知識を有しており、クライアント企業の課題や問題を正確に把握し、改善のために努めます

人事評価コンサルタントが行う主な業務

人事評価コンサルタントが行う主な業務は、人材と組織についてのコンサルティングです。クライアント企業に対して外部の専門家として、経営・組織関連のアドバイスを行います。

人事評価コンサルタントが行う主な業務には以下の3つが挙げられます。

1.企業が抱える課題の解決
2.企業組織の風土改革
3.人事評価戦略の構築

企業が抱える課題の解決

人事評価コンサルタントが行う主な業務の1つに「企業が抱える課題の解決」があります。人事評価コンサルタントには、豊富な専門知識や経験があります。その豊富な専門知識と経験を活かし、クライアント企業の抱える課題を見極め、適切なアドバイスや提案を与えることが仕事です。

企業において、人材に関しての課題または問題は、企業経営を左右する重要な要素です。このことから、人材に関しての課題を解決することで、実際には企業そのものが抱える課題自体を解決することが可能となります。

リモートワーク・テレワークの弊害

コロナウィルスの影響で、自宅にいながらリモートワーク・テレワークを行う人はかなり増えました。しかし、弊害として労働時間が長くなりがちになったり、管理者は部署や部下の勤務実態が把握が難しくなったりとさまざまな問題が起こりました。そこで、コンサルタントは業務を可視化するツールの導入を提案し、ツールを運用する中で適切な評価を提案したりします。

企業組織の風土改革

「企業組織の風土改革」は、人事評価コンサルタントが行う重要な業務の1つです。企業において、新しい画期的な企業理念が打ち出されても、企業の組織風土が変わらなければ意味がありません。人事評価コンサルタントの仕事は、企業の人事制度や業務のプロセスにおいての課題を見つけ出し、適切なアドバイスを与えることです。また、企業の管理職の言動などにも注目し、組織風土改革を提案します。

近年、インナーブランディングを推進する企業が増えています。人事評価コンサルタントは、企業理念や価値観を従業員に浸透させるインナーブランディング推進も可能です

優秀な人材の流出

新卒入社をした従業員が、研修期間や1年目にテレワークやリモートワーク環境で仕事を続けることで退職してしまうケースもありました。退職する従業員の中には、優秀な層も含まれており出社とテレワークを併用するハイブリッド型を取り入れている企業などに転職したと聞きます。

このように優秀な人材が流出しないためにも、企業組織の風土を伝えるオンライン施策を提案し、さらに働き方に柔軟性を持たせながら、従業員を適切に評価し、やりがいを持って働ける環境を作ることもコンサルタントの重要な業務になります。 

人事評価戦略の構築

「人事評価戦略の構築」である、人材の採用、人材の育成や配置などの人事業務全般を、人事評価コンサルタントは行います。人事業務の考案や改善を提案し、企業にとって良い影響が及ぶようにします。

具体的には、人事戦略立案、人事部業務改革、人材育成体系構築、採用戦略立案、組織診断などが人事評価戦略の構築です。クライアント企業の構造や組織、運営方法などを広く理解していなければ、人事評価コンサルタントとして能力を発揮することは不可能です

評価制度への不満

従来の年功序列型の報酬体系やバックオフィスなど成果が会社の売上などに反映されにくい部署も他部署のように成果報酬で評価するなど企業内部にも様々な人がいるので全員を同じ杓子で評価することは難しいという状況があります。営業や開発など成果が分かる部署は成果による評価でも良いですが、そうでない部署は資格の取得や業務に関する社内試験を実施することで等級による評価をすることもできます。

組織に合わせた人材育成体系を構築し、採用時に就業見込みのある方に丁寧に伝えることで評価のミスマッチを防ぐことができます。

人事評価コンサルタントに依頼するメリット

人事評価コンサルタントに依頼するメリットには、何があるのでしょうか。いくつかあるメリットのうち、ここでは以下の3つのメリットを取り上げます。

・スキルアップや専門知識を向上できる
・業界の専門情報を得られる
・スムーズな経営を実現できる

また、人事の仕事に関連する能力やスキルについては以下の記事もご参照ください。
参照:人事の仕事|5つの業務と必要な能力、高められるスキル、キャリアプラン(Forbes JAPAN)

スキルアップや専門知識を向上できる

人事評価コンサルタントは、たくさんの企業の人事に携わった経験があり、人事分野における課題や、その課題の解決方法に関するスキルや専門知識があります。そのため、人事評価コンサルタントに依頼するならば、自社では気付けなかった課題を知り、解決方法を得ることが可能です

たとえば、人事業務では、労働法や個人情報保護法などの専門知識が必要です。また人事業務を行っていく上で、業界や業種においての専門知識が重要です。そのような専門知識が、的確な人事課題の見極めや解決につながります。豊富な経験と専門知識を有している人事評価コンサルタントに依頼すれば、企業にとって最適な問題解決策が得られるだけでなく、従業員のスキルアップや専門知識を向上させることにもつながるでしょう。

業界の専門情報を得られる

人事評価コンサルタントに依頼すれば、業界の高い専門性に基づく専門情報を得ることが可能です。人事評価コンサルティングは、たくさんの企業の人事に携わった経験から、業界においての成功例や失敗例などの有益な情報を共有できます。これらの情報をもとに、企業にとって最適な解決策を提案してもらえます。人事評価コンサルティングから得た業界の専門情報は、自社のノウハウとして蓄積し、今後の運営に活かしていくことが可能です

人事評価コンサルタントから得た業界の専門情報は、人事評価のクオリティを高めることにもつながります。人事評価コンサルタントから得たノウハウを活用し、従業員のモチベーションの向上、また優秀な従業員の採用を行うことが可能です。

スムーズな経営を実現できる

人事評価コンサルタントに依頼するメリットには、「スムーズな経営の実現」もあります。業界の専門情報に欠け、ノウハウのない状態で業務を行おうとすると、準備においての手間など時間がかかります。そして、必ずしも良い結果が出るとは限りません。

しかし、専門知識や経験が豊富な人事評価コンサルタントに依頼すれば、調査や立案にかかる時間を短縮できるだけでなく、成果や効果をより早く確実に得ることが可能です。

また、人事評価コンサルタントに依頼することでスムーズな経営が実現するということは、従業員の働き方改善にも寄与します。たとえば、漠然とした企業理念や目標をかかげ、印象や感覚で人事評価を行う企業の場合、人事評価の本質を見失うおそれがあります。残業を多く行っている従業員が評価されたり、上司に好かれている従業員が評価されたりなど、業務以外に時間を費やす傾向が出てくるかもしれません。

明瞭な人事評価の指標を提案することで、従業員のモチベーション向上、生産性の向上につながります

人事評価コンサルタントに依頼するデメリット

人事評価コンサルタントに依頼するデメリットも少なからず存在します。メリットに加え、デメリットも把握することで、人事評価コンサルタントに依頼するかどうかを検討しましょう。

人事評価コンサルタントに依頼するデメリットには、以下の3つがあります。

・依頼すると費用がかかる
・従業員から理解を得られない可能性がある
・人事評価コンサルタントに依存してしまう危険がある

依頼すると費用がかかる

人事評価コンサルタントに依頼すると、相応の費用がかかります。コストを抑えたい企業にとって、人事評価コンサルトに依頼することはデメリットになり得ます。人事評価コンサルタント依頼後、プロジェクトを進めていくうちに、別の要望や別の課題が生じる可能性があります。そうなると、別の改革を行う必要があり、当初計画していた費用とは別途費用がかかるでしょう。

制度立案が甘く、導入後に変更を加える必要が生じる可能性もあります。費用を的確に運用していくために、事前に想定されるリスクを見直し計画していくことが重要です

従業員から理解を得られない可能性がある

人事評価コンサルタントが行う人事評価に対して不満を抱く従業員も出てくるでしょう。人が人を評価する制度では、あり得ることです。上司と部下の相性、また関係している事業、どの部署に所属しているかなどの要素も人事評価に関係します。企業の従業員にとっては、外部からきた人事評価コンサルタントが自分たちの働き方を本当に理解しているのか不安になることもあるでしょう。

そのような不安を取り除くためにも、日常的に、コンサルタントが行う人事評価制度についての目的や企業の考えを従業員に伝え、企業と従業員との間での信頼関係を培うことが必要です。

人事評価コンサルタントに依存してしまう危険がある

人事評価コンサルタントに依頼すると、人事評価制度の構築、運用を任せっきりになるケースがあります。そうなると、企業内のノウハウ不足を招く結果になりかねません。人事評価コンサルタントは、企業に欠けているノウハウを提供してくれます。しかし、人事評価コンサルタントに頼りすぎることで、自社の人材が育たなくなる可能性があります。

そのため、人事評価コンサルタントに依頼する場合、すべてを依頼するのではなく、社内の人事担当者と一緒に改革を進めていくことが重要です。

人事評価コンサルタントを選ぶ際のポイント

人事評価コンサルタントを選ぶ際のポイントには何があるのでしょうか。いくつかのポイントがありますが、以下の3つのポイントについてご紹介します。

・自社の課題と提案が合致するか
・費用と得られる成果が期待通りか
・制度導入後、自社で運用できるか

自社の課題と提案が合致するか

人事評価コンサルタントを選ぶ際、ぜひ考慮したいポイントは「自社の課題と提案が合致するか」ということです。人事評価コンサルタントを選ぶ際、複数のコンサルティング会社に企業の現状分析を依頼することが可能です。

そして、作成してもらった提案書を考慮した上で、自社の課題と提案が合致するコンサルティング会社を選定しましょう。

人事評価制度に「テンプレート」のようなものは存在しません。各企業にはそれぞれの課題や問題があります。自社の課題や問題に合致した、解決のための提案を実行してくれる人事評価コンサルタントを選びましょう。

費用と得られる成果が期待通りか

人事評価制度すべてを自社の従業員で行う場合、かかる費用は人事評価のための担当者の人件費だけです。しかし、人事評価コンサルタントを社外から依頼する場合、報酬支払いとして別途費用がかかります。そのため、人事評価コンサルタントを選ぶ際、かかる費用と得られる成果が期待通りかを考慮することが重要です。

費用と得られる成果が期待通りでなければ、社外から人事評価コンサルタントを依頼する意味がありません。費用対効果が十分でないなら、企業の課題解決は望めず、追加で分析を依頼する結果となり、さらなる出費へとつながります。事前に費用対効果を確認し人事評価コンサルタントを選びましょう。

制度導入後、自社で運用できるか

人事評価制度の目的の1つに、企業の運営をスムーズにすることがあります。スムーズな運営が実現すれば、従業員の働き方改革にもつながります

しかし、人事評価制度を導入後、自社で運用できるかどうかも重要です。そのため、人事評価コンサルタントを選ぶ際、自社の従業員にあわせたトレーニングも提供されるかどうかもポイントとなります。

人事評価コンサルタントを導入したことによって、人事評価制度がコンサルタントに依存してしまう危険があります。コンサルタントに依存してしまうと、当然自社の従業員が育ちません。具体的なフィードバック方法やトレーニング方法、また評価結果を能力開発につなげるための提案ができるかどうかも見定める必要があります。

人事評価コンサルタントを選ぶ際は、実際に担当者と会い、担当者の考えや見方を観察することをおすすめします。そして、人事評価コンサルタントの視点が運用に置かれているかどうかを確かめましょう。

まとめ

この記事では、人事評価コンサルタントが行う主な業務、人事評価コンサルタントに依頼するメリットとデメリット、そして人事評価コンサルタントを選ぶ際のポイントをご紹介しました。

企業の人事担当者にとって、企業の人事評価制度を見直すことは重要です。人事評価制度の見直しが自社だけでは対応しきれないと判断した場合、外部の人事評価コンサルタントを活用することも可能です。企業がより発展し、従業員の働き方改革につながる環境を作り出すために、人事評価コンサルタントの導入を検討してみるのはどうでしょうか。

       
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  1. <主な内容>
  2. ●ベンチャー企業が人事問題に先手を打つべき理由
  3. ●人事問題が表面化しやすい時期とは?
  4. ●成長ステージ別 よく見られる人事問題
  5. ●事例1:上司の評価能力不足と曖昧な評価基準による問題
  6. ●事例2:単一的なキャリアパスによる問題
  7. ●事例3:優秀な幹部人材の社外流失についての問題

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この記事を書いた人

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。