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信託型ストックオプションのデメリットとは?

信託型ストックオプションは、近年開発された新たな形のインセンティブ制度です。従来のストックオプションとは異なり、

①付与先・配分先を実績に基づいて後から決められる

発行時の行使価額の条件を保存できる

税金が安く、有償SOの譲渡課税だけで済む

などの様々なメリットがあります。

今回はそんな信託型ストックオプションに、どのようなデメリットがあるのか、またそれに対して弊社がどのようなサポートを提供しているかについて解説していきます。

信託型ストックオプションについて更に詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

信託型ストックオプション固有のデメリットとは?

信託型ストックオプションのデメリットには、信託型ストックオプション固有のものと、従来のストックオプションと共通のものがあります。ここでは、信託型ストックオプション固有のデメリットのみを扱います。

1.外部の専門家へのアドバイザリー費用が高い

信託型ストックオプションの導入には法律・税務上の要件を満たす必要があり、外部の専門家からの助言が欠かせません。

その一方で、信託型ストックオプションのコンサルティングを行うことができる会社はまだ数が少ないため、コンサルティングフィーも高い水準となっています。

また、コンサルティングフィー以外にも、発行企業の株価算定や、ストックオプションの公正価値の算定は基本的には第三者の評価機関に依頼する必要があります。

そのため、導入に際してはアドバイザリー費用として多くのコストがかかります。

多くの場合アドバイザリー費用は一括前払いであるため、資金が不足しやすいスタートアップ企業では導入が難しくなってしまいます。

一方で、信託型ストックオプションは従来のストックオプションとは違い、多くの場合発行が一回で済みます。

このため、複数回に分けて通常のストックオプションを発行する場合に比べ、トータルコストでは信託型ストックオプションを導入した方が安くなることがある、というメリットもあります。

今後多くのストックオプションを発行することになるスタートアップでは、このメリットを最大限享受することができます。

しかしながら、通常の料金体系ではスタートアップが信託型ストックオプションを導入することが難しいため、弊社ではスタートアップを応援するための専用の料金プランをご用意することで対応しています。詳しい料金体系などについては、お気軽にお問い合わせください。

 

2.委託者に金銭負担が生じる

信託型ストックオプションの発行時には、基本的には経営者、もしくは株主の方が信託の委託者になる必要があります。

委託者は信託契約を締結し、その際に金銭を信託財産として払い込みます。

ここで信託した金銭は、受託者が発行会社の発行するストックオプションを引き受ける際の原資や、法人課税信託における法人税の支払い等に使用されます。そのため、委託者は受託者に対し、

発行会社のストックオプションの発行価額 × 信託するストックオプションの個数 + 法人税等

と同額以上の金銭を信託しなければなりません。これは委託者の個人資産からの拠出となるため、それが委託者が十分に支払える額を超えてしまうと発行が難しくなります。

このような問題に対応するには、信託するストックオプションの個数を減らすか、ストックオプションの発行価額を抑えるという選択肢があります。

弊社では、ストックオプションの発行価額を抑える手法について、業績条件などの権利行使条件をストックオプションに付与することで、合理的な範囲においてストックオプションの発行価額を抑えるサポートを提供しています。

これにより委託者の金銭負担を減らし、より手軽に信託型ストックオプションの発行が行えるようになります。

具体的にどの程度発行価額を抑えられるかについては会社によって大きく異なりますので、弊社では発行価額の無料試算を行っています

無料試算のお申し込みについてはお気軽にお問い合わせください。

 

3.専用のポイントプログラムの設計・運用が必要になる

信託型ストックオプションのスキームでは、ストックオプションが保管される信託が、税法上の「法人課税信託」として課税を受けるために、税法上の「受益者(みなし受益者を含む)が存しない信託」に該当するように設計されます。

この「受益者等が存しない信託」に該当するためには、法令の要件を満たすよう最終的なストックオプションの配賦を決めていかなければなりません。

一般的な方法としては、予め定められた客観的に判断できるガイドラインに従って、人事評価などに基づき各役員・従業員等に対して実際のストックオプション(正確には信託受益権)と交換できるポイントを付与するという方法が採られます。

したがって、信託型ストックオプションの発行においては、このポイント付与におけるガイドラインの作成や、人事評価の設計、運用などを適切に行う必要があります。

弊社では、数多くのポイントプログラムの設計・運用実績があり、各社の人事評価制度やストックオプションの付与の考え方とリンクした設計を行うことができます。

また、まだ人事評価制度が整っていない場合は、人事評価制度まで含めて設計のサポートを行っています。

弊社はポイントプログラムの設計・運用及び新株予約権の管理簿の作成までをサポートする唯一の企業です。

信託満了時にポイントをストックオプションに転換するまで、ポイントプログラムの運用を末長く支援させていただきます。

 

4.スキームを詳しく知らないステークホルダーへの説明コストがかかる

信託型ストックオプションは、近年開発されたばかりのスキームです。そのため、このスキームについて認識していない投資家や従業員などの関係者への説明コストがかかります。

信託型ストックオプションは高度な知識を有する専門家が開発し、数多くの上場実績もある適法スキームですが、未だにそのような認識が広がっていないのが現状です。

導入に当たっては、当該スキームを知らない方への説得に説明コストが生じ、適切な説明ができなかった場合は誤解を生んでしまう可能性もあります。

弊社では、信託型ストックオプションの導入に関して関係者から懸念があった際には、状況に応じて関係者の方へのご説明をさせていただくことができます。

また、従業員に対しては信託型ストックオプションの説明資料を配布させていただいております。

 

5.上場審査や監査においてレビュー対応が発生することがある

現状、信託型ストックオプションの導入自体が上場審査において影響をもたらすことはありません。しかしながら、その運用方針などについてレビュー対応等を求められる場合があります。

弊社では、提携先の法律事務所と共同でレビュー対応をさせていただくことが可能です。

 

6.信託会社に対して手数料が発生する(信託会社を利用した場合のみ)

弊社では基本的にはご案内しておりませんが、信託型ストックオプションは信託会社を利用しても発行することができます。

この場合、毎年の信託財産の計算書の作成などを行う必要はありませんが、信託会社に対して高額の手数料が発生します。

 

まとめ

以上のように、信託型ストックオプションにはいくつかの固有なデメリットが存在します。しかし、解決可能なデメリットも多く、弊社では様々なサポートを提供しております。

また、信託型ストックオプションにはこれらのデメリットを上回るような様々なメリットがあるのも事実です。

信託型ストックオプションのメリットについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧いただくか、こちらから弊社で毎月開催しているセミナーにお申し込み下さい。

また、記事の内容や、導入についてご質問・ご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

SOICO株式会社  共同創業者&代表取締役CEO 茅原 淳一(かやはら じゅんいち)

 

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。