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SBIグローバルアセットマネジメントという社名を聞いて、「どんな会社なのか」「SBIアセットマネジメントとは何が違うのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この会社は、東証プライム市場に上場するSBIグループの中核企業で、投資信託の運用や金融情報の提供を行う持株会社です。
2023年3月に「モーニングスター」から社名変更した経緯があり、朝倉智也氏が社長を務めています。
本記事では、SBIグローバルアセットマネジメントの基本情報から、グループ内の位置づけ、社名変更の背景、傘下の主要子会社まで、投資家が知っておくべき情報を網羅的に解説します。
株式投資や投資信託を検討している方にとって、理解を深める手助けとなる内容です。
目次
SBIグローバルアセットマネジメントとは
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社は、東京都港区六本木に本社を置く金融持株会社です。
投資信託の格付け評価や資産運用を中心とする企業グループを統括しており、東証プライム市場に上場するSBIグループの一員として、資産運用事業の中核を担っています。
SBIグローバルアセットマネジメントの起源は、1998年3月27日に遡ります。
米国の大手投資調査会社Morningstar, Inc.と、日本の大手通信キャリアのソフトバンク(現・ソフトバンクグループ)の合弁で「モーニングスター株式会社」として設立されました。
創業時から投資信託の評価・分析を中心とした金融情報サービスを提供してきました。
2004年7月には、親会社がソフトバンクからソフトバンク・インベストメント(現・SBIホールディングス)に異動し、SBIグループの一員となりました。
その後、2008年には株式新聞社を吸収し、株式関連の金融情報事業も手がけるようになります。
長年「モーニングスター」ブランドで事業を展開してきましたが、2023年3月30日に現在の社名に変更しました。
SBIグローバルアセットマネジメントは、東証プライム市場に上場している数少ない資産運用会社です。
証券コードは4765で、2000年6月23日に当時の大証ナスダック・ジャパン(後のジャスダック市場)に新規上場しました。
その後、市場再編を経て現在は東証プライム市場で取引されています。
上場企業としての透明性と信頼性を備えながら、SBIグループの資産運用事業における中核会社として位置づけられています。
SBIホールディングス傘下のSBIアセットマネジメントグループが親会社となり、グループ全体の資産運用戦略を主導する役割を担っています。
運用資産の規模
2025年12月時点でSBIアセットマネジメントの公募投資信託純資産が5兆円を突破
グループ3社合計では8兆円規模で業界8位の地位を確立
わずか3年半で1兆円から5倍に拡大
2026年3月期中間期の決算では、売上高が26.8%増の72.73億円、親会社株主に帰属する中間純利益が16.9%増の10.52億円と大幅な増収増益を達成しました。
アセットマネジメント事業の成長が業績を牽引し、全ての利益項目で過去最高を記録しています。
グループ全体で運用資産5兆円超を目指す成長戦略を推進中です。
SBIホールディングスとの関係
SBIグローバルアセットマネジメントは、SBIホールディングスを頂点とする巨大金融グループの中で、資産運用事業を統括する重要な位置を占めています。
グループ内の組織構造と役割分担を理解することで、この会社の特徴がより明確になります。
SBIグローバルアセットマネジメントは、SBIホールディングスの完全子会社であるSBIアセットマネジメントグループ株式会社が52.7%、SBIファイナンシャルサービシーズが12.6%の株式を保有しています。
この構造により、SBIホールディングスとグループ各社の間に位置する中間持株会社として機能しています。
2023年3月の持株会社体制への移行により、自社では直接的な事業を行わず、傘下の運用会社や金融情報会社を統括・管理する役割に特化しました。
これにより、グループ全体の資産運用事業を効率的に運営し、各子会社間のシナジー効果を最大化する体制が整っています。
「SBIグローバルアセットマネジメント」と「SBIアセットマネジメント」は名称が似ているため混同されがちですが、明確な違いがあります。
SBIグローバルアセットマネジメントは持株会社であり、実際の投資信託の設定・運用業務は行いません。
一方、SBIアセットマネジメント株式会社は、SBIグローバルアセットマネジメントの傘下にある実働部隊です。
つまり、SBIグローバルアセットマネジメントは「親会社」、SBIアセットマネジメントは「実働子会社」という関係になります。
SBIグループ全体での連携により、様々なシナジー効果が生まれています。
最も顕著な例は、SBI証券との販売連携です。
SBI証券の預かり資産残高は50兆円を突破しており、この巨大な顧客基盤を通じてグループ運用会社の投資信託が販売されています。
グローバルパートナーとの提携
世界最大級のオルタナティブ運用会社・英国マン・グループ
プライベートデット・プライベート・エクイティの総合運用会社KKR
暗号資産などデジタル資産運用に強みを持つフランクリン・テンプルトン
これらのグローバルパートナーとの提携により、「オルタナティブ投資の民主化」を掲げ、個人投資家に新しい投資機会を提供しています。
また、SBI新生銀行、SBI損保、SBI生命保険などグループ内の金融機関を通じた商品販売網も、大きな強みとなっています。
グループ全体で約1,500万口座を超える顧客基盤を活用できることが、他の独立系運用会社にはない競争優位性です。
モーニングスターから社名変更した経緯
SBIグローバルアセットマネジメントは、2023年3月まで「モーニングスター株式会社」という社名で知られていました。
約25年間使用してきたブランドを返還し、社名変更に至った背景には、戦略的な経営判断がありました。
1998年3月27日、米国の大手投資調査会社Morningstar, Inc.と日本のソフトバンクの合弁で「モーニングスター株式会社」として設立されました。
創業時の出資比率は、ソフトバンクが40%、米国モーニングスターが60%でしたが、ソフトバンクには7年を期限としたワラントが付与されており、行使すればソフトバンクが55.6%となる契約でした。
2000年6月23日には大証ナスダック・ジャパン(後のジャスダック市場)に新規上場を果たします。
この頃から、投資信託の格付け評価サービスを中心に、日本の個人投資家向けの金融情報提供事業を本格化させました。
2008年には株式新聞社を吸収し、株式新聞の刊行にも乗り出しました。
「モーニングスター」ブランドは、投資家、金融機関、メディアなど日本において広く認知されるようになりました。
2004年7月にソフトバンクが保有する株式をソフトバンク・インベストメント(現・SBIホールディングス)が取得し、直接的な主要株主はSBIホールディングスになりました。
この時点でSBIグループの一員となりましたが、米国モーニングスターも引き続き大株主として残り、「モーニングスター」ブランドは継続使用されました。
2015年12月にSBIグローバルアセットマネジメント(当時は中間持株会社)がモーニングスターの筆頭株主となり、SBIグループ内での位置づけがより明確になりました。
この時期から、アセットマネジメント事業の強化が本格化します。
2012年10月にはSBIアセットマネジメントの株式を取得し、投資ファンドの運用に力を入れるようになりました。
2019年以降、積極的なM&A戦略により事業領域を拡大しました。
2019年2月に米国の資産運用会社Carret Asset Managementを買収し、海外債券型ファンド等の事業を展開するようになりました。
同年12月にはSBIボンド・インベストメント・マネジメント、SBI地方創生アセットマネジメントの株式を取得しました。
2022年10月には新生銀行(現・SBI新生銀行)の投資事業を担っていた新生インベストメント・マネジメントも子会社化しています。
2023年3月30日、Morningstar, Inc.とのライセンス契約を終了し、「モーニングスター」ブランドを対価80億円で返還。これに伴い、社名を「SBIグローバルアセットマネジメント株式会社」に変更し、持株会社体制に移行しました。
受領した80億円については、国内外のアセットマネジメント会社の買収を含め有効に活用するとともに、株主還元の更なる向上を検討するとしています。
ブランド返還は、SBIグループとして資産運用事業を大きく拡大していくための戦略的な決断でした。
朝倉智也社長とはどんな人?
SBIグローバルアセットマネジメントを率いる朝倉智也氏は、日本の投資信託業界において「ご意見番」とも呼ばれる著名な金融専門家です。
その経歴と投資哲学を知ることで、同社の経営方針がより理解できます。
朝倉智也氏は1966年3月16日生まれ、東京都出身です。
1989年に慶應義塾大学文学部を卒業後、金融業界を志して北海道拓殖銀行に就職しました。
その後、米国大手証券会社メリルリンチ証券を経て、1995年に米国イリノイ大学大学院でMBAを取得しました。
MBA取得後、ソフトバンク株式会社に転進し、ここで北尾吉孝氏(現SBIホールディングス代表取締役CEO)と出会い、師事するようになりました。
ソフトバンクでは財務部で資金調達・資金運用全般、子会社の設立および上場準備を担当しました。
この時期の経験が、後の資産運用事業における経営手腕の基礎となっています。
1998年、SBIホールディングスと米国モーニングスターのジョイントベンチャーであるモーニングスター株式会社設立に参画しました。
創業メンバーとして、日本における投資信託の評価・分析サービスの基盤を築き上げました。
2004年にモーニングスター株式会社の代表取締役COOに就任し、2011年から代表取締役社長を務めています。
約25年間にわたり、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努めてきました。投資信託の評価・分析をはじめとする金融情報全般について、一般投資家向けのウェブサイトのほか、金融機関の販売スタッフが使用する情報端末「Wealth Advisor」が圧倒的なシェアを有するなど、業界に大きな影響力を持っています。
また、『「つみたてNISA」はこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』『「iDeCo」で自分年金をつくる』など、個人投資家向けの著書も多数執筆しており、投資教育の普及にも貢献しています。
朝倉社長は、「単一の商品では、その資産のマーケットが崩れた時にその影響を受けてしまう。当社は、一つ一つの資産クラスにファンドをそろえ、低コストで提供する体制を整えてきた。個人投資家が自分でファンドを選択してポートフォリオを作ることが『投資家主権』であり、それが本来の運用の姿だと考えている」と述べています。
今後の商品展開については「プライベート資産やオルタナティブのニーズが高まるだろう」と述べ、KKRのダイレクト・レンディング(プライベートアセット)をベースにした高利回り商品や、暗号資産を組み入れた投資信託について、検討や準備を進めていることを明らかにしています。
「オルタナティブ投資の民主化」を掲げ、個人投資家に新しい投資機会を提供することが、同社の経営ビジョンです。
朝倉氏はSBIホールディングス株式会社の取締役副社長も兼務し、SBIグループ全体の資産運用事業を管掌しています。
グループの資産運用戦略全体を統括する立場から、各社の連携とシナジー創出を推進しています。
SBIグローバルアセットマネジメントの事業は、大きく「ファイナンシャル・サービス事業」と「アセットマネジメント事業」の2つに分かれています。
持株会社として、それぞれの事業を担う子会社を統括する体制です。
ファイナンシャル・サービス事業は、主に資産運用全般の情報を比較・分析・評価して顧客に提供し、あわせてコンサルティングなども行う事業です。
この事業は、子会社のウエルスアドバイザー株式会社が担当しています。
具体的には、投資信託の評価・分析情報の提供、「株式新聞Web」等を活用した金融情報の発信、金融機関向けの運用・投資助言サービスなどを展開しています。
特に、投資信託を販売する金融機関の販売スタッフ等が使用する情報端末に組み込まれた「Wealth Advisor」は、圧倒的なシェアを有しており、ファイナンシャル・サービス事業を推進する上での大きなアドバンテージとなっています。
一般投資家向けのウェブサイトから、プロフェッショナル向けの高度な分析ツールまで、幅広い顧客層に対応した金融情報サービスを提供しています。
2023年3月の「モーニングスター」ブランド返還後も、「ウエルスアドバイザー」ブランドで引き続き現行の商品およびサービスの提供を継続しています。
アセットマネジメント事業は、金融商品取引法に基づき投資信託の設定、募集、運用などの投資運用や投資助言を行う事業です。
この事業は、SBIアセットマネジメント株式会社、SBI岡三アセットマネジメント株式会社、Carret Asset Management LLC、SBIオルタナティブ・インベストメント・マネジメント株式会社などの傘下運用会社が担当しています。
SBIアセットマネジメントは、主に個人投資家向けの公募投資信託と、地方金融機関等の機関投資家を対象とする私募投資信託の運営全般を担っています。
2025年12月時点で、SBIアセットマネジメントが運用する公募投資信託の純資産は5兆円を突破し、わずか3年半で1兆円から5倍に拡大しました。
「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド」は純資産残高が765億円に拡大し、金(ゴールド)ファンドとして人気を集めています。
また、世界最大級のオルタナティブ運用会社である英国マン・グループが実質的に運用する「SBI-Man リキッド・トレンド・ファンド」など、グローバルパートナーとの提携による革新的な商品ラインナップが特徴です。
SBIアセットマネジメント単体で運用する公募投資信託の純資産は5兆円を突破し、SBI岡三アセットマネジメント、レオス・キャピタルワークスを含むグループ3社合計では8兆円規模となり、業界8位の地位を確立しています。
わずか3年半で5倍という急成長を遂げており、目標達成に向けて順調に推移しています。
2026年3月期中間期の決算では、SBI岡三アセットマネジメント株式会社の子会社化により、売上高が26.8%増の72.73億円、親会社株主に帰属する中間純利益が16.9%増の10.52億円と大幅な増収増益を達成しました。
アセットマネジメント事業が連結全体の売上および利益の約8割を占めるまでに成長しており、今後もこの事業を強化・注力していく方針です。
政府が推進する「資産所得倍増プラン」や「資産運用立国実現プラン」により、2024年1月から新NISAが開始され、「貯蓄から投資」「貯蓄から資産形成」が本格的に動き出す環境にあります。この追い風を受けて、アセットマネジメント事業をさらに大きく拡大していく計画です。
傘下の主要子会社5社
SBIグローバルアセットマネジメントは、持株会社として複数の運用会社を傘下に持っています。
それぞれが異なる強みと専門性を持ち、グループ全体で幅広い資産運用ニーズに対応しています。
SBIアセットマネジメント株式会社は、グループ内で最大規模の運用会社です。
運用する公募投資信託の純資産は5兆円を突破し、わずか3年半で1兆円から5倍に拡大しました。
主に個人投資家向けの公募投資信託と、地方金融機関等の機関投資家を対象とする私募投資信託の運営全般を担当しています。
「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド」「SBI日本高配当株式(分配)ファンド」「SBI欧州高配当株式(分配)ファンド」など、個人投資家に人気の高い商品を多数運用しています。
低コストのインデックスファンドから、高配当株ファンド、オルタナティブファンドまで、幅広い商品ラインナップが特徴です。
SBIボンド・インベストメント・マネジメント株式会社は、債券運用に特化した運用会社です。
2019年12月にSBIグローバルアセットマネジメントが株式の80.0%を取得しました。
国内債券だけでなく、海外債券や新興国債券など、債券投資の専門知識とノウハウを活かした運用を行っています。
機関投資家向けの私募投資信託を中心に、安定的な収益を求める投資家のニーズに応えています。
金利環境の変化に対応した柔軟な運用戦略が強みです。
SBIオルタナティブ・インベストメント・マネジメント株式会社は、オルタナティブ投資を専門とする運用会社です。
連結子会社として、SBIオルタナティブ・ファンド合同会社とともにグループを形成しています。
世界最大級のオルタナティブ運用会社である英国マン・グループ、プライベートデットやプライベート・エクィティの総合オルタナティブ運用会社KKR、暗号資産などデジタル資産運用に強みを持つフランクリン・テンプルトンと合弁会社を設立しています。
「オルタナティブ投資の民主化」を掲げ、個人投資家に新しい投資機会を提供することを目指しています。
SBI地方創生アセットマネジメント株式会社は、地方創生に特化した運用会社です。
2019年12月にSBIグローバルアセットマネジメントが株式の45.0%を追加取得しました。
地方企業への投資や地域経済の活性化を目的とした運用を行っています。
地方銀行や地方自治体と連携し、地域に根ざした投資戦略を展開しています。
地方創生という社会的意義の高いテーマに取り組む運用会社として、独自のポジションを確立しています。
SBI PIMCOアセットマネジメント株式会社は、世界最大級の債券運用会社PIMCOとSBIグループの合弁会社です。
PIMCOの高度な債券運用ノウハウとSBIグループの販売力を組み合わせ、個人投資家向けの債券ファンドを提供しています。
米国債券ファンドを中心に、グローバルな債券投資の機会を個人投資家に提供しています。
世界トップクラスの運用会社との提携により、高品質な債券運用サービスを実現しています。
SBI証券を通じて販売される商品が多く、グループシナジーを活かした事業展開が特徴です。
投資家にとってのメリット・デメリット
SBIグローバルアセットマネジメントに投資する、または同社の運用する投資信託を購入する際には、メリットとデメリットの両面を理解することが重要です。
客観的な視点から評価してみましょう。
最大のメリットは、SBIグループという日本有数の金融コングロマリットの一員であることです。
SBIホールディングスは東証プライム市場に上場する大手金融持株会社であり、SBI証券、SBI新生銀行、SBI損保など多数の金融機関を傘下に持っています。
グループ全体で約1,500万口座を超える顧客基盤を持ち、財務基盤も安定しています。
信頼性のポイント
東証プライム市場上場企業として四半期ごとに決算情報を開示
金融商品取引業者として金融庁に登録
投資者保護基金に加入
朝倉智也社長は約25年間にわたり、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努めてきた実績があります。
経営者の信頼性と専門性も、投資家にとって安心材料となります。
朝倉社長は「一つ一つの資産クラスにファンドをそろえ、低コストで提供する体制を整えてきた」と述べています。
実際、グループ傘下の運用会社では、国内株式、海外株式、債券、REIT、金(ゴールド)、オルタナティブなど、多様な資産クラスの投資信託を提供しています。
個人投資家が自分でファンドを選択してポートフォリオを作ることができる「投資家主権」の実現を目指しています。
また、世界最大級のオルタナティブ運用会社である英国マン・グループ、KKR、フランクリン・テンプルトンなどグローバルパートナーとの提携により、個人投資家がこれまでアクセスできなかった高度な運用戦略にも投資できるようになっています。
投資信託は元本保証ではなく、価格変動リスクがあります。運用会社の規模や実績が大きいからといって、運用成績が保証されるわけではありません。
SBIグローバルアセットマネジメントは2023年3月に持株会社体制に移行したばかりであり、グループ内の統合効果が十分に発揮されるまでには時間がかかる可能性があります。
2025年9月にSBI岡三アセットマネジメントを子会社化するなど、グループ再編が続いており、組織体制が安定するまでは不確実性が残ります。
株式投資の場合、SBIグローバルアセットマネジメントの株価は、グループ全体の業績だけでなく、金融市場の動向や金利環境にも影響を受けます。
また、親会社であるSBIホールディングスの経営方針の変更により、事業戦略が変わる可能性もあります。
株主優待の内容と魅力
SBIグローバルアセットマネジメントは、株主優待制度を実施しています。
株式投資を検討する際の魅力の一つとして、優待内容を詳しく見ていきましょう。
2026年3月末の株主優待は、①暗号資産(仮想通貨)XRP、②投資信託(ひふみクロスオーバーPro)、③暗号資産(仮想通貨)XRPの記念優待(3,000円相当)、④SBIアラプロモ株式会社が販売する商品アラプラス ゴールドEX(定価11,800円)の4種類が用意されています。
特徴的なのは、暗号資産XRPを株主優待として提供している点です。これはSBIグループが暗号資産事業に力を入れていることを反映しています。
また、投資信託「ひふみクロスオーバーPro」は、グループ傘下のレオス・キャピタルワークスが運用する商品であり、グループシナジーを活かした優待内容となっています。
暗号資産XRPの取得には、SBI VCトレード株式会社に暗号資産株主本人名義の口座開設が必要です。
進呈するXRPの数量は基準日(2026年3月31日)の17時現在のXRPの価格をもって決定されます。
つまり、XRPの価格変動により、実際に受け取れるXRPの数量は変わります。
投資信託の受取には、レオス・キャピタルワークス株式会社の直販口座の開設が必要です。2026年3月末現在の自社株主名簿に記載された株主名義とレオス・キャピタルワークス株式会社の直販口座名義が異なる場合、進呈不可となります。
継続保有1年以上の条件は、2025年9月末・2025年10月15日・2026年3月末を基準日とする自社の全ての株主名簿に同一株主番号で常に500株以上の保有が継続して記載または記録されていることです。
相続や株主名簿からの除籍等により株主番号が変更になった場合は対象外となるため、注意が必要です。
株主優待を受け取るためには、権利確定日(3月末)に株主名簿に記載されている必要があります。そのため、権利付き最終日までに株式を購入しておく必要があります。
SBIグローバルアセットマネジメントは持株会社であり、実際の投資信託の設定・運用業務は行いません。一方、SBIアセットマネジメント株式会社は、SBIグローバルアセットマネジメントの傘下にある実働部隊で、公募投資信託と私募投資信託の運用全般を担当しています。
つまり、SBIグローバルアセットマネジメントは「親会社」、SBIアセットマネジメントは「実働子会社」という関係です。個人投資家が投資信託を購入する際、実際に運用を行っているのはSBIアセットマネジメントなどの傘下運用会社です。
はい、個人投資家でも購入できます。SBIグローバルアセットマネジメント傘下の運用会社が運用する投資信託は、SBI証券をはじめとする証券会社や銀行で購入できます。特にSBI証券では、グループ運用会社の投資信託を幅広く取り扱っており、購入しやすい環境が整っています。
「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド」「SBI日本高配当株式(分配)ファンド」など、個人投資家に人気の商品も多数あります。NISA口座を利用すれば、運用益が非課税になるメリットもあります。購入前に目論見書で商品の特徴やリスクを確認しましょう。
SBIアセットマネジメントが運用する公募投資信託の純資産は5兆円を突破し、わずか3年半で1兆円から5倍に拡大しました。グループ3社合計では8兆円規模となり、業界8位の地位を確立しています。この急成長は、投資家からの信頼と評価を示しています。
ただし、過去の運用実績は将来の成績を保証するものではありません。個別のファンドによって運用成績は大きく異なるため、購入を検討する際は、各ファンドの運用報告書や目論見書で具体的なパフォーマンスを確認することが重要です。
朝倉社長は「一つ一つの資産クラスにファンドをそろえ、低コストで提供する体制を整えてきた」と述べています。実際、インデックスファンドを中心に、低コストの商品ラインナップを提供しています。
ただし、商品によって手数料水準は異なります。インデックスファンドは信託報酬が年率0.1%台の低コスト商品もありますが、アクティブファンドやオルタナティブファンドは信託報酬が高めに設定されている場合があります。購入前に目論見書で信託報酬や購入時手数料を確認し、他社の類似商品と比較することをおすすめします。
以下のような方におすすめです。まず、SBIグループの安心感と信頼性を重視する方です。大手金融グループの一員であることから、財務基盤の安定性や経営の透明性を求める投資家に適しています。
次に、多様な資産クラスに分散投資したい方です。国内株式、海外株式、債券、REIT、金、オルタナティブなど、幅広い商品ラインナップから自分でポートフォリオを組みたい方に向いています。
また、革新的な投資商品に興味がある方にもおすすめです。世界最大級の運用会社との提携により、オルタナティブ投資や暗号資産を組み入れた投資信託など、新しい投資機会にアクセスできます。
政府が推進する「資産所得倍増プラン」や「資産運用立国実現プラン」により、2024年1月から新NISAが開始され、「貯蓄から投資」の流れが本格化しています。この追い風を受けて、資産運用業界全体が成長する環境にあります。
2026年3月期中間期の決算では、売上高が26.8%増、親会社株主に帰属する中間純利益が16.9%増と大幅な増収増益を達成しました。グループ全体で運用資産5兆円超を目指す成長戦略を推進しており、今後も積極的な事業拡大が期待されます。
ただし、金融市場の動向や金利環境の変化、競合他社との競争激化など、不確実性も存在します。また、グループ再編が続いており、統合効果が十分に発揮されるまでには時間がかかる可能性もあります。
SBIグローバルアセットマネジメントは、東証プライム市場に上場するSBIグループの資産運用事業の中核会社です。
1998年に「モーニングスター」として設立され、約25年間にわたり投資信託の評価・分析を中心とした金融情報サービスを提供してきました。
2023年3月に社名変更し、持株会社体制に移行しました。
朝倉智也社長のもと、SBIアセットマネジメント、SBI岡三アセットマネジメント、SBIボンド・インベストメント・マネジメント、SBIオルタナティブ・インベストメント・マネジメント、SBI地方創生アセットマネジメント、SBI PIMCOアセットマネジメントなど、傘下に複数の運用会社を持ち、グループ全体で8兆円規模の運用資産を誇ります。
「投資家主権の確立」を掲げ、個人投資家が自分でファンドを選択してポートフォリオを作れるよう、多様な資産クラスの低コストファンドを提供しています。
世界最大級の運用会社との提携により、「オルタナティブ投資の民主化」も推進しています。
投資家にとっては、SBIグループの安心感と信頼性、豊富な商品ラインナップ、革新的な投資機会へのアクセスがメリットです。
株主優待として暗号資産XRPや投資信託を提供するなど、ユニークな取り組みも行っています。
政府の「資産運用立国実現プラン」の追い風を受けて、今後も成長が期待される会社です。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。投資信託は元本保証ではなく、価格変動リスクがあることをご理解ください。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社・金融機関にご確認ください。
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