ネット証券のデメリットとメリットを徹底解説!初心者が知っておきたいリスクと賢い選び方

NISAを始めたばかりの方や、これから始めようと考えている方にとって、確定申告が必要かどうかは気になるポイントですよね。
結論から言うと、NISAは原則として確定申告が不要な制度です。
ただし、配当金の受取方法や口座の種類によっては、例外的に確定申告が必要になるケースもあります。
この記事では、NISAで確定申告が必要になる具体的なケースと、実際の手続き方法について分かりやすく解説します。
自分が確定申告をすべきかどうかを判断できるフローチャートや、具体的な手順も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益が非課税になる制度です。2024年からの新NISAでは、非課税保有限度額が1,800万円に拡大され、より多くの資産を非課税で運用できるようになりました。
NISA口座で得た利益は非課税のため、原則として確定申告をする必要がありません。
通常の課税口座(特定口座や一般口座)では、株式の売却益や配当金に対して20.315%の税金がかかりますが [出典:国税庁:株式等の譲渡所得等の課税]、NISA口座ではこれらの税金が一切かからないのが大きなメリットです。
会社員の方であれば、給与以外の所得がNISA口座の利益だけという場合、年末調整だけで税務処理が完了します。確定申告のために書類を準備したり、税務署に行ったりする手間がかからないため、投資初心者にとっても始めやすい制度といえるでしょう。
ただし、この「確定申告不要」というルールには、いくつかの例外があります。次のセクションで、確定申告が必要になる具体的なケースを見ていきましょう。
NISAで確定申告が必要になる3つのケース
NISA口座は原則として確定申告が不要ですが、以下の3つのケースでは例外的に確定申告が必要になる場合があります。
自分がどのケースに当てはまるか、しっかり確認しておきましょう。
NISA口座で保有している株式から配当金を受け取る場合、受取方法によって課税・非課税が変わります。
配当金の受取方法には、主に以下の4つがあります。
NISA口座で配当金を非課税にするには、「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。それ以外の方法を選んでいると、NISA口座で保有している株式でも配当金に20.315%の税金がかかってしまい [出典:国税庁:株式等の譲渡所得等の課税]、確定申告が必要になる場合があります。
特に注意したいのは、証券口座を開設した際にデフォルトで別の受取方法が設定されているケースです。
NISA口座を開設したら、必ず配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に変更しておきましょう。
2023年までの旧NISA制度には、非課税期間に期限がありました(一般NISAは5年、つみたてNISAは20年)。
非課税期間が終了すると、保有している資産は自動的に課税口座(特定口座または一般口座)に移管されます。
この移管時には確定申告は不要ですが、移管後に課税口座で売却した場合の利益計算には注意が必要です。
移管時の時価が新たな取得価格となるため、移管後の値上がり分には通常どおり税金がかかり、確定申告が必要になる場合があります。
例:旧NISA口座から課税口座への移管
旧NISA口座で100万円で購入した株式が、非課税期間終了時に150万円に値上がり
→ この時点では税金はかかりません
課税口座に移管された後、200万円で売却した場合
→ 150万円から200万円への値上がり分(50万円)が課税対象となります
特定口座(源泉徴収あり)に移管した場合は証券会社が自動的に税金を計算・納付してくれますが、一般口座に移管した場合は自分で確定申告をする必要があります。
NISA口座の利益自体は非課税で確定申告不要ですが、他に確定申告が必要な所得がある場合は、全体として確定申告をする必要があります。
会社員の方で以下のようなケースに該当する場合は、確定申告が必要です。
これらのケースでは、NISA口座の利益は申告不要ですが、他の所得と合わせて確定申告書を提出する必要があります。
NISA口座の利益は確定申告書に記載する必要はありませんので、混同しないように注意しましょう。
自分が確定申告をすべきかどうか、以下のフローチャートで簡単に判断できます。
順番にチェックしていきましょう。
【確定申告の必要性チェックリスト】
上記のチェックリストで1つでも「該当する」項目があった場合は、確定申告が必要になる可能性があります。
次のセクションで、具体的な確定申告のやり方を見ていきましょう。
すべて「該当しない」だった方は、基本的に確定申告は不要です。ただし、税制は複雑なため、不安な場合は税務署や税理士に相談することをおすすめします。
NISAの確定申告のやり方
確定申告が必要になった場合、以下の4つのステップで手続きを進めます。
初めての方でも順番に進めれば問題なく完了できますので、安心してください。
確定申告をするには、まず以下の書類を準備する必要があります。
特定口座年間取引報告書は、証券会社から毎年1月中旬~下旬に発行されます。
電子交付を選択している場合は、証券会社のマイページからダウンロードできます。
配当金を「株式数比例配分方式」以外で受け取っている場合は、配当金の支払通知書も必要です。こちらも証券会社から郵送またはマイページで確認できます。
書類が揃ったら、確定申告書を作成します。
最も簡単な方法は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用することです。
画面の指示に従って入力していくだけで、自動的に税額が計算されます。
確定申告書等作成コーナーでは、以下の情報を入力します。
NISA口座の利益は非課税のため、確定申告書に記載する必要はありません。課税口座(特定口座・一般口座)での取引のみを記載します。
入力が完了すると、納税額または還付額が自動的に計算されます。
内容を確認して、問題がなければ次のステップに進みましょう。
確定申告書の提出方法は、以下の3つから選べます。
1. e-Tax(電子申告)
インターネットで申告する方法です。マイナンバーカードとICカードリーダー(またはマイナンバーカード読み取り対応のスマートフォン)があれば、自宅から24時間いつでも提出できます。提出後すぐに受付完了の通知が届くため、最も便利な方法です。
2. 郵送
作成した確定申告書を印刷して、管轄の税務署に郵送する方法です。控えが必要な場合は、返信用封筒を同封すると受付印を押した控えが返送されます。締切日の消印有効なので、期限ギリギリでも間に合います。
3. 税務署の窓口
税務署の窓口に直接持参する方法です。その場で受付印を押した控えをもらえるため、提出した証明がすぐに手に入ります。ただし、確定申告期間中(2月16日~3月15日)は混雑するため、待ち時間が長くなる可能性があります。
初めて確定申告をする方には、e-Taxがおすすめです。操作方法が分からない場合は、税務署で開催される確定申告相談会に参加すると、職員がサポートしてくれます。
確定申告の結果、納税額が発生した場合は、期限までに税金を納付する必要があります。
納付方法は以下の通りです。
納付期限は、確定申告の提出期限と同じ3月15日です。
期限を過ぎると延滞税がかかるため、忘れずに納付しましょう。
逆に、還付金が発生する場合は、申告書に記載した銀行口座に1~2か月後に振り込まれます。
e-Taxで申告した場合は、郵送よりも早く還付される傾向があります。
配当金の受取方法を変更する手順
NISA口座で配当金を非課税にするには、受取方法を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。
現在の設定が分からない方や、変更したい方は、以下の手順で変更できます。
配当金の受取方法は、証券会社のマイページから簡単に変更できます。
主要なネット証券での変更手順は以下の通りです。
変更手続きは通常、即日~数営業日で完了します。
ただし、証券会社によっては書面での手続きが必要な場合もあるため、詳しくは各証券会社の公式サイトで確認してください。
複数の証券会社で口座を持っている場合は、それぞれの証券会社で設定を変更する必要があります。1つの証券会社で変更しても、他の証券会社には反映されないため注意しましょう。
配当金の受取方法を変更したら、必ず設定が正しく反映されているか確認しましょう。
確認方法は以下の通りです。
設定変更後、初めて配当金を受け取る際には、証券口座に入金されているか確認してください。
もし銀行口座に振り込まれていたり、郵送で配当金領収証が届いたりした場合は、設定が正しく反映されていない可能性があります。その場合は、すぐに証券会社に問い合わせましょう。
また、NISA口座で新たに株式を購入した際にも、念のため設定を確認しておくと安心です。
NISAで確定申告するときの注意点
NISA口座に関連して確定申告をする際には、いくつか注意すべきポイントがあります。
よくある間違いや落とし穴を事前に知っておくことで、スムーズに手続きを進められます。
NISA口座で発生した損失は、他の課税口座(特定口座・一般口座)の利益と損益通算できません。
損益通算とは、複数の口座での利益と損失を相殺して税金を計算する仕組みです。
例:損益通算ができない場合
特定口座で50万円の利益が出て、NISA口座で30万円の損失が出た場合
通常の課税口座同士であれば損益通算により、課税対象は20万円(50万円-30万円)になります
しかし、NISA口座の損失は損益通算の対象外のため、特定口座の50万円全額が課税対象となります
これは、NISA口座が「非課税」である代わりに、損失も税務上は「ないもの」として扱われるためです。
NISA口座で損失が出そうな場合は、早めに損切りするか、長期保有で回復を待つかを慎重に判断する必要があります。
NISA口座の損失は、翌年以降に繰り越して控除することもできません。
通常の課税口座では、損失が出た年に確定申告をすることで、最大3年間損失を繰り越して将来の利益と相殺できます。
しかし、NISA口座の損失はこの繰越控除の対象外です。つまり、NISA口座で大きな損失が出ても、税務上のメリットは一切ありません。
このため、NISA口座では長期的に成長が見込める資産を選び、短期的な値動きに惑わされずに保有し続けることが重要です。
ふるさと納税や医療費控除を申請するために確定申告をする場合、NISA口座の利益は申告書に記載する必要はありません。
ただし、以下の点に注意が必要です。
ふるさと納税のワンストップ特例を利用している場合、他の理由で確定申告をすると特例が無効になります。この場合、ふるさと納税の寄附金控除も確定申告書に記載する必要があります。
また、医療費控除を申請する際には、医療費の領収書やレシートを整理して合計額を計算する必要があります。
2017年以降は領収書の提出は不要ですが、5年間は保管義務があるため、捨てずに保管しておきましょう。
NISA口座の利益は非課税のため、これらの控除額に影響を与えることはありません。安心して確定申告を進めてください。
確定申告が必要なのに申告しなかった場合、または期限に遅れた場合には、以下のペナルティが課される可能性があります。
もし確定申告を忘れてしまった場合でも、気づいた時点ですぐに申告(期限後申告)をすれば、ペナルティを軽減できる可能性があります。
税務署から指摘される前に自主的に申告することが重要です。
また、確定申告の内容に誤りがあった場合は、「更正の請求」または「修正申告」により訂正できます。誤りに気づいたら、早めに税務署に相談しましょう。
特定口座と一般口座の違い
証券口座には、NISA口座のほかに「特定口座」と「一般口座」があります。
それぞれの特徴を理解して、自分に合った口座を選びましょう。
特定口座は、証券会社が年間の損益を計算してくれる口座です。
「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。
特定口座(源泉徴収あり)
証券会社が税金を自動的に計算・徴収・納付してくれるため、確定申告が不要です。会社員で給与以外の所得が特定口座の利益だけという場合、何もしなくても税務処理が完了します。ただし、損失が出た場合に他の口座と損益通算したい場合は、確定申告をする必要があります。
特定口座(源泉徴収なし)
証券会社が年間取引報告書を作成してくれますが、税金の計算・納付は自分で行う必要があります。確定申告は必須ですが、損益通算や繰越控除を自動的に適用できるため、複数の証券会社で取引している方や、損失を繰り越したい方に向いています。
特定口座は、NISA口座と併用できます。NISA口座の非課税枠を使い切った後は、特定口座で追加の投資をするという使い分けが一般的です。
一般口座は、年間の損益計算をすべて自分で行う必要がある口座です。
証券会社からの年間取引報告書も発行されないため、売買の記録を自分で管理し、確定申告書を作成する必要があります。
一般口座のメリットは、特定口座では取り扱えない金融商品(未公開株式など)を保有できる点です。
ただし、事務負担が大きいため、通常の株式投資や投資信託を行う場合は、特定口座またはNISA口座を選ぶことをおすすめします。
以下の表で、NISA口座・特定口座・一般口座の違いをまとめました。
| 項目 | NISA口座 | 特定口座(源泉徴収あり) | 特定口座(源泉徴収なし) | 一般口座 |
| 税金 | 非課税 | 20.315%(自動徴収) | 20.315%(自分で納付) | 20.315%(自分で納付) |
| 確定申告 | 原則不要 | 原則不要 | 必要 | 必要 |
| 年間取引報告書 | 発行されない | 発行される | 発行される | 発行されない |
| 損益通算 | 不可 | 可能(確定申告が必要) | 可能 | 可能 |
| 繰越控除 | 不可 | 可能(確定申告が必要) | 可能 | 可能 |
| 投資上限 | 年間360万円 | なし | なし | なし |
初心者の方には、非課税メリットが大きいNISA口座と、確定申告が不要な特定口座(源泉徴収あり)の組み合わせがおすすめです。
NISAの確定申告に関するよくある質問
NISAと確定申告に関して、よくある質問をまとめました。
疑問点がある方は、こちらを参考にしてください。
基本的な扱いは同じです。新NISA・旧NISAともに、口座内の利益は非課税のため確定申告は不要です。
ただし、旧NISAは非課税期間に期限があるため、期間終了後に課税口座に移管された資産を売却する際には、確定申告が必要になる場合があります。
NISA口座の損失は、税務上は「ないもの」として扱われるため、確定申告をしても税制上のメリットはありません。
損益通算も繰越控除もできないため、長期保有で回復を待つか、早めに損切りして別の銘柄に投資するかを判断する必要があります。
NISA口座の利益は非課税所得のため、扶養控除や配偶者控除の判定には影響しません。
例えば、専業主婦(夫)がNISA口座で100万円の利益を得ても、配偶者控除の対象から外れることはありません。ただし、課税口座での利益は合計所得に含まれるため、注意が必要です。
e-Taxを利用するには、まず国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスします。
マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマートフォン)を準備し、画面の指示に従って必要事項を入力します。入力完了後、マイナンバーカードで電子署名を行い、送信すれば完了です。詳しい操作方法は、国税庁のウェブサイトに動画マニュアルが用意されています。
確定申告を税理士に依頼する場合の費用相場は、個人の場合で3万円~10万円程度です。
申告内容が複雑な場合や、事業所得がある場合は、さらに高額になることもあります。単純な給与所得と株式の譲渡所得だけであれば、3万円~5万円程度で依頼できる場合が多いです。
確定申告の内容に誤りがあった場合、修正することができます。
税額を少なく申告していた場合は「修正申告」、税額を多く申告していた場合は「更正の請求」を行います。修正申告は期限なくいつでもできますが、更正の請求は原則として申告期限から5年以内に行う必要があります。
NISAは原則として確定申告が不要な制度ですが、配当金の受取方法や他の所得状況によっては、確定申告が必要になる場合があります。
特に重要なのは、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定することです。
これにより、NISA口座の配当金を確実に非課税にできます。設定方法が分からない場合は、証券会社に問い合わせて確認しましょう。
確定申告が必要になった場合でも、国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、画面の指示に従って入力するだけで簡単に申告書を作成できます。
e-Taxを利用すれば、自宅から24時間いつでも提出できるため便利です。
NISA口座の損失は損益通算や繰越控除ができないため、長期的な視点で資産を選び、短期的な値動きに惑わされないことが大切です。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。税務に関する詳しい内容は、税務署や税理士にご確認ください。
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