NISA口座の移管方法|手続きの流れと注意点を解説

「証券会社が多すぎて、どこを選べばいいか分からない」
投資を始めたいと思っても、証券会社選びで迷ってしまう初心者の方は少なくありません。
実は、証券会社選びで重視すべきポイントは明確に決まっています。
この記事では、初心者が証券会社を選ぶ際に押さえるべき5つのポイントを、具体的な比較データとともに解説します。
手数料の違いや取扱商品の種類、サポート体制など、あなたの投資スタイルに合った証券会社を見つけるための判断基準が分かります。
記事を読み終える頃には、自分に最適な証券会社を自信を持って選べるようになるでしょう。
目次
初心者が証券会社を選ぶ際の5つの重要ポイント
証券会社選びで失敗しないためには、自分の投資スタイルに合った判断基準を持つことが大切です。
初心者の方が特に注目すべきポイントを5つに絞って解説します。
投資で得た利益を最大化するには、手数料の安い証券会社を選ぶことが最も重要です。
手数料には株式売買手数料、投資信託の信託報酬、口座管理料などがあります。
現在、多くのネット証券では国内株式の現物取引手数料が無料になっています。SBI証券や楽天証券では、一定の条件下で手数料が実質0円です。
一方、店舗型証券会社では1回の取引で数百円から数千円の手数料がかかることもあります。
長期的に投資を続けると、手数料の差は運用成績に大きく影響します。
例えば、毎月3万円を20年間積立投資した場合、手数料が年0.5%違うだけで、最終的な資産額に数十万円の差が生まれることもあるんです。
証券会社によって取り扱っている金融商品は大きく異なります。
投資信託の本数、国内株式の銘柄数、外国株式の取扱国数などを確認しましょう。
主要ネット証券の取扱商品数
SBI証券:投資信託約2,600本、つみたてNISA対象約271本
楽天証券:投資信託約2,550本、つみたてNISA対象約200本
DMM株:投資信託の取扱なし、株式取引に特化
初心者の方には、まず投資信託から始めることをおすすめします。
投資信託は少額から分散投資ができ、プロが運用してくれるため、個別株よりもリスクを抑えられます。
将来的に米国株や中国株にも投資したい場合は、外国株式の取扱が充実している証券会社を選ぶとよいでしょう。
税制優遇制度を活用できるかどうかは、資産形成において非常に重要です。
NISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)の両方に対応している証券会社を選びましょう。
2024年から始まった新NISA制度では、つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の2つの枠があり、非課税保有限度額は1,800万円です。
ただし、証券会社によってNISA口座で購入できる商品の種類や本数が異なります。
DMM株やmoomoo証券は成長投資枠のみ対応で、つみたて投資枠には対応していません。長期の積立投資を考えている初心者の方は、つみたて投資枠の対象商品が豊富な証券会社を選ぶことが大切です。
投資を続けるうえで、取引画面やスマホアプリの使いやすさは想像以上に重要です。
特に初心者の方は、直感的に操作できるシンプルな画面設計の証券会社を選ぶとよいでしょう。
楽天証券の「iSPEED」やSBI証券の「SBI証券アプリ」は、初心者でも使いやすいと評判です。チャート分析や銘柄検索、注文機能がスマホで完結するため、外出先でも手軽に取引できます。
一方、マネックス証券の「マネックストレーダー」は、17種類もの取引ツールがあり、中上級者向けの高機能なツールも揃っています。
最初はシンプルなツールから始めて、慣れてきたら高機能ツールに移行するのもひとつの方法です。
投資初心者にとって、困ったときに相談できるサポート体制があるかどうかは重要なポイントです。
電話サポート、チャットサポート、メールサポートなど、複数の問い合わせ方法が用意されているかを確認しましょう。
野村證券やSMBC日興証券などの大手総合証券は、全国に店舗があり対面でのサポートを受けられます。
ただし、その分手数料は高めに設定されています。
ネット証券でも、SBI証券や楽天証券は電話サポートやチャットサポートが充実しており、平日の営業時間内であれば専門スタッフに相談できます。松井証券は、HDI-Japan主催の「問合せ窓口格付け」で最高評価の三つ星を獲得するなど、サポート品質の高さに定評があります。
主要ネット証券5社の特徴比較
ここでは、口座数や取扱商品数でトップクラスの主要ネット証券5社を比較します。
それぞれの強みや特徴を理解して、自分に合った証券会社を見つけましょう。
SBI証券は国内最大手のネット証券で、口座数は約1,500万口座(2024年時点)を誇ります。
投資信託は約2,600本、米国株は約5,000銘柄と、取扱商品が豊富です。
SBI証券の特徴
株式売買手数料:原則無料
つみたてNISA対象商品:約271本
ポイント:5種類(Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALポイント、PayPayポイント)
IPO取扱実績:年間78銘柄(2024年実績)、主幹事実績年間12社
S株(単元未満株)サービスを使えば、約3,500銘柄を1株から購入できるため、少額投資から始めたい初心者にも最適です。
楽天証券は楽天経済圏を活用したい方に最適な証券会社です。
口座数は約1,200万口座(2024年時点)で、SBI証券に次ぐ規模を持ちます。
楽天カードで投資信託を購入すると楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントで投資もできるため、楽天市場や楽天カードを日常的に使っている方には大きなメリットがあります。
株式売買手数料は原則無料で、投資信託は約2,550本、米国株は約4,500銘柄を取り扱っています。
取引ツール「MARKET SPEED Ⅱ」は、リアルタイムの株価情報やニュース、高機能チャート分析が可能で、中上級者にも人気です。
スマホアプリ「iSPEED」も使いやすく、初心者から上級者まで幅広く支持されています。
マネックス証券は米国株投資に力を入れている証券会社です。
口座数は約270万口座で、米国株の取扱銘柄数は約5,000銘柄と豊富です。
米国株の買付時の為替手数料が無料(売却時は片道25銭)で、米国株投資をメインに考えている方にはコストメリットがあります。
また、IPOの取扱実績も年間54銘柄(2024年実績)と多く、完全平等抽選制を採用しているため、資金量に関係なく当選チャンスがあります。
投資信託は約1,800本、つみたてNISA対象商品は約217本です。
マネックスポイントやdポイントが貯まり、ポイント投資にも対応しています。
松井証券は若年層向けのサービスが充実している証券会社です。
口座数は約160万口座で、創業100年以上の老舗ネット証券としての信頼性があります。
松井証券の手数料体系
25歳以下:株式売買手数料が無料
1日の約定代金が50万円以下:年齢に関係なく手数料無料
投資信託は約1,900本、つみたてNISA対象商品は約250本と充実しています。
サポート体制にも定評があり、HDI-Japan主催の「問合せ窓口格付け」で最高評価の三つ星を12年連続で獲得しています。
初心者でも安心して相談できる環境が整っているため、投資を始めたばかりの方におすすめです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、大手金融グループの安心感が魅力です。
口座数は約1,800万口座で、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として信頼性が高い証券会社です。
投資信託は約750本、外国株式は14カ国の株式を取り扱っており、グローバルな投資が可能です。
IPOの取扱実績も年間21銘柄(2024年実績)、主幹事実績は年間9社と、大手ならではの強みがあります。
ただし、株式売買手数料は他のネット証券と比べてやや高めに設定されているため、取引頻度が多い方は注意が必要です。
Pontaポイントが貯まり、三菱UFJ銀行との連携もスムーズです。
店舗でのサポートも受けられるため、対面での相談を重視する方に向いています。
証券会社選びは、あなたの投資目的や投資スタイルによって最適な選択肢が変わります。
ここでは、代表的な投資スタイル別におすすめの証券会社を紹介します。
積立投資や長期投資を考えている初心者には、SBI証券と楽天証券がおすすめです。
両社ともつみたてNISA対象の投資信託が200本以上あり、毎月100円から積立投資を始められます。
SBI証券では、三井住友カードで投資信託を積立購入すると、最大5.0%のVポイントが貯まります。楽天証券でも、楽天カードで積立投資をすると楽天ポイントが貯まるため、ポイント還元を受けながら資産形成ができます。
金融庁が推奨する「長期・積立・分散投資」の考え方に基づくと、投資信託を活用した積立投資は、初心者にとって最も始めやすい投資方法です。
両社とも投資信託の取扱本数が多く、信託報酬の低いインデックスファンドも豊富に揃っています。
米国株や外国株への投資を考えている方には、マネックス証券とSBI証券がおすすめです。
マネックス証券は米国株の取扱銘柄数が約5,000銘柄と豊富で、買付時の為替手数料が無料です。
SBI証券は米国株に加えて、中国株、韓国株、ロシア株、ベトナム株、インドネシア株、シンガポール株、タイ株の8カ国の株式を取り扱っています。
新興国株式にも投資したい方には、SBI証券の方が選択肢が広がります。
moomoo証券は、米国株・香港株・日本株の取引に特化しており、米国株の取扱銘柄数は約7,000銘柄以上と業界最多クラスです。リアルタイムの株価情報や高機能チャートが無料で使えるため、米国株取引をメインに考えている方には魅力的な選択肢です。
IPO投資をしたい方には、SBI証券、SMBC日興証券、野村證券がおすすめです。
IPO(新規公開株)は、企業が新たに株式市場に上場する際に発行する株式で、上場後に株価が上昇することが多いため人気があります。
主要証券会社のIPO実績(2024年)
SBI証券:年間78銘柄、主幹事実績年間12社
SMBC日興証券:年間52銘柄、主幹事実績年間22社
野村證券:年間46銘柄、主幹事実績年間16社
IPO投資は抽選に当たらないと購入できないため、複数の証券会社で口座を開設して応募口数を増やすのも有効な戦略です。
少額から株式投資を始めたい方には、単元未満株(ミニ株)サービスが充実している証券会社がおすすめです。
通常、株式は100株単位で購入する必要がありますが、単元未満株サービスを使えば1株から購入できます。
単元未満株サービス比較
SBI証券「S株」:約3,500銘柄
楽天証券「かぶミニ®」:約2,100銘柄
マネックス証券「ワン株」:約1,500銘柄
例えば、1株5,000円の銘柄なら、5,000円から投資を始められます。
三菱UFJeスマート証券の「プチ株®」や野村證券の「まめ株」も単元未満株サービスを提供しており、少額投資に対応しています。
まずは少額で投資経験を積みたい初心者の方には、これらのサービスが最適です。
証券会社選びでよくある失敗例と対策
証券会社選びで失敗すると、余計なコストがかかったり、投資機会を逃したりすることがあります。
ここでは、初心者がよくやってしまう失敗例と、その対策を解説します。
手数料が安いことは重要ですが、それだけで証券会社を選ぶのは危険です。
手数料が安くても、取扱商品が少なかったり、取引ツールが使いにくかったりすると、結果的に投資効率が下がることがあります。
例えば、DMM株は株式売買手数料が安く、25歳以下は実質無料ですが、投資信託の取扱がなく、つみたてNISAにも対応していません。積立投資を考えている方には不向きです。
手数料だけでなく、自分の投資スタイルに合った商品やサービスが揃っているかを総合的に判断しましょう。
長期的に使い続けることを考えると、多少手数料が高くても、サポート体制や取引ツールが充実している証券会社の方が結果的に満足度が高いこともあります。
初心者のうちから複数の証券会社で口座を開設しすぎると、管理が煩雑になります。
口座が増えると、資産状況の把握が難しくなり、確定申告の手間も増えます。
まずは1社で口座を開設し、投資に慣れてから必要に応じて2社目、3社目を検討するのがおすすめです。例えば、メイン口座としてSBI証券や楽天証券を使い、IPO投資用にSMBC日興証券を追加する、といった使い分けが効果的です。
ただし、NISA口座は1人1口座しか開設できないため、どの証券会社で開設するかは慎重に選びましょう。
NISA口座は年に1回、金融機関を変更できますが、手続きに時間がかかるため、最初から自分に合った証券会社を選ぶことが大切です。
店舗型の総合証券会社は、対面でのサポートが受けられる反面、手数料が高く設定されています。
野村證券やSMBC日興証券の店舗コースでは、1回の取引で数千円から数万円の手数料がかかることもあります。
例えば、野村證券の総合コースで100万円分の株式を購入すると、手数料は約1万円以上かかります。一方、SBI証券や楽天証券のネットコースなら、同じ取引が無料または数百円で済みます。
投資に慣れてきたら、ネット証券に切り替えることで大幅にコストを削減できます。
どうしても対面サポートが必要な場合は、ネット証券のコールセンターやチャットサポートを活用する方法もあります。
NISA口座は1人1口座しか開設できないため、証券会社選びは特に重要です。
NISA口座で購入できる商品は証券会社によって異なり、後から変更するには手間がかかります。
つみたてNISAの対象商品が少ない証券会社でNISA口座を開設してしまうと、投資の選択肢が狭まります。例えば、みずほ証券のつみたてNISA対象商品は約10本と少なく、SBI証券の約271本と比べると大きな差があります。
NISA口座を開設する際は、つみたて投資枠と成長投資枠の両方に対応しているか、取扱商品が豊富か、ポイント還元があるかなどを総合的に判断しましょう。
初心者には、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券のいずれかでNISA口座を開設することをおすすめします。
証券口座開設の流れと必要書類
証券口座の開設は、オンラインで簡単に手続きできます。
ここでは、口座開設の基本的な流れと必要書類を解説します。
証券口座を開設するには、本人確認書類とマイナンバー確認書類が必要です。
マイナンバーカードがあれば、本人確認とマイナンバー確認が1枚で完結するため、手続きがスムーズです。
多くの証券会社では、スマホで本人確認書類を撮影してアップロードする「eKYC(電子本人確認)」に対応しており、郵送でのやり取りが不要になります。
最短で申込当日から翌営業日には口座開設が完了します。
オンラインでの口座開設は、以下の5ステップで完了します。
審査が完了すると、ログイン情報がメールまたは郵送で届きます。
初回ログイン後、取引パスワードを設定すれば、すぐに取引を始められます。
SBI証券や楽天証券、松井証券では、最短で翌営業日から取引可能です。
証券口座には、一般口座、特定口座、NISA口座の3種類があります。
初心者には、確定申告の手間が省ける「特定口座(源泉徴収あり)」がおすすめです。
口座タイプの違い
特定口座(源泉徴収あり):証券会社が自動的に税金を計算・源泉徴収、確定申告不要
特定口座(源泉徴収なし):年間取引報告書が発行されるが、自分で確定申告が必要
NISA口座:投資で得た利益が非課税、1人1口座のみ開設可能
NISA口座は、投資で得た利益が非課税になる特別な口座です。
2024年からの新NISA制度では、つみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、非課税保有限度額は1,800万円です。
NISA口座は1人1口座しか開設できないため、どの証券会社で開設するかは慎重に選びましょう。
証券会社選びは、投資を始める第一歩として非常に重要です。
初心者の方は、手数料の安さ、取扱商品の豊富さ、NISA対応、取引ツールの使いやすさ、サポート体制の5つのポイントを重視して選びましょう。
積立投資や長期投資を考えている方には、SBI証券や楽天証券がおすすめです。
米国株投資に興味がある方にはマネックス証券やmoomoo証券、IPO投資をしたい方にはSBI証券やSMBC日興証券が向いています。
まずは1社で口座を開設し、投資に慣れてから必要に応じて複数口座を活用するのが効果的です。NISA口座は1人1口座しか開設できないため、つみたて投資枠の対象商品が豊富な証券会社を選ぶことが大切です。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、最終的な投資判断はご自身の責任で慎重にご検討ください。
この記事のキーワード
キーワードがありません。
この記事を見た方はこんな記事も見ています
この記事と同じキーワードの記事
まだ記事がありません。
キーワードから探す
カンタン1分登録で、気になる資料を無料でお取り寄せ
そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお問い合わせください!