IPO投資ブログで学ぶ|始め方と当選のコツを解説

IPO投資ブログで学ぶ|始め方と当選のコツを解説

IPO投資に興味があるけれど、どこから始めればいいか分からないとお悩みではありませんか。

IPO(新規公開株)は、初値が公募価格を上回るケースが多く、利益を狙いやすい投資手法として注目されています。

この記事では、IPO投資の基本的な仕組みから、証券会社の選び方、当選確率を上げる具体的な方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

IPO投資を始めるための5つのステップや、おすすめの証券会社5社の特徴も詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事を読めば、IPO投資の全体像を理解し、実際に申し込みを始められるようになります。

この記事の要約
  • IPO投資は新規公開株を公募価格で購入し、初値で売却して利益を狙う投資手法
  • SBI証券やSMBC日興証券など、IPO取扱実績が豊富な証券会社を複数利用することが当選のコツ
  • 公募割れのリスクもあるため、銘柄選定と資金管理が重要
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

IPO投資とは?|新規公開株の仕組みと魅力

IPO投資は、企業が新たに株式市場に上場する際に、公募価格で株式を購入できる投資手法です。

多くの場合、上場後の初値が公募価格を上回るため、短期間で利益を得られる可能性があります。

ここでは、IPOの基本的な仕組みと、なぜ利益が出やすいのか、そしてメリットとデメリットについて詳しく解説します。

IPO(新規公開株)の仕組み

IPO(Initial Public Offering)とは、企業が株式市場に新規上場し、一般投資家が株式を購入できるようにすることを指します。

企業は上場することで、広く資金を調達し、事業の拡大や知名度の向上を図ります。

IPO投資の流れ

ブックビルディング(需要申告)で購入希望を申告

抽選で当選すると公募価格で購入可能

上場日に初値で売却して利益を狙う

IPO投資では、上場前に「ブックビルディング」という方式で投資家から購入希望を募り、その需要を基に公募価格が決定されます。

投資家はこの公募価格で株式を購入する権利を得るため、抽選に申し込む必要があります。

抽選に当選すると、公募価格で株式を購入でき、上場日に市場で売却することが可能です。

上場日の最初に付く株価を「初値」と呼び、この初値が公募価格を上回れば、その差額が利益となります。

IPO投資で利益が出る理由

IPO投資で利益が出やすい理由は、上場時の需給バランスにあります。

新規上場する企業の株式は供給量が限られている一方で、成長期待から多くの投資家が購入を希望するため、需要が供給を上回りやすいのです。

また、主幹事証券会社が公募価格を決定する際、確実に売り切るために市場価格よりもやや低めに設定する傾向があります。

このディスカウント効果により、初値が公募価格を上回る「初値高騰」が起こりやすくなります。

実際に、2024年のIPO銘柄では、約87%の銘柄が公募価格を上回る初値を付けています。

ただし、すべての銘柄が利益を出せるわけではなく、約13%の銘柄は公募価格を下回る「公募割れ」となっているため、銘柄選定は重要です。

IPO投資のメリットとデメリット

IPO投資には、他の投資手法にはない特徴的なメリットとデメリットがあります。

投資を始める前に、両面をしっかり理解しておくことが大切です。

項目 内容
メリット 初値高騰により短期間で利益を得られる可能性が高い
購入時手数料が無料の証券会社が多い
公募価格が割安に設定されやすい
成長企業に早期投資できる
デメリット 抽選に当たらないと購入できない
公募割れにより損失が出る可能性がある
複数の証券会社で申し込むと資金管理が煩雑
当選確率が低い人気銘柄が多い

IPO投資は、抽選という運の要素が大きいものの、当選すれば高い確率で利益を狙える魅力的な投資手法です。

一方で、公募割れのリスクや資金拘束の問題もあるため、複数の証券会社を活用しながら計画的に取り組むことが重要です。

IPO投資の始め方|5つのステップで解説

IPO投資を始めるには、証券口座の開設から実際の購入まで、いくつかのステップを踏む必要があります。

ここでは、初心者の方でも迷わず始められるよう、5つのステップに分けて具体的な手順を解説します。

証券会社で口座を開設する

IPO投資を始めるには、まず証券会社で口座を開設する必要があります。

IPO投資では、複数の証券会社から申し込むことで当選確率を上げられるため、最初から2~3社の口座を開設しておくことをおすすめします。

口座開設は、各証券会社の公式サイトから申し込みが可能です。

本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)とマイナンバーを用意し、オンラインで手続きを進めます。

最短で翌営業日には取引を開始できる証券会社もあります。

IPOスケジュールをチェックする

口座開設が完了したら、IPOのスケジュールを確認します。

IPOには「仮条件提示」「ブックビルディング期間」「抽選日」「購入申込期間」「上場日」という一連の流れがあり、それぞれ期限が決まっています。

各証券会社の公式サイトや、IPO情報サイトで最新のスケジュールをチェックできます。

申込期間を逃すと参加できないため、カレンダーやアプリで管理しておくと便利です。

ブックビルディングに参加する

ブックビルディングとは、IPO株を購入したい投資家が、希望する価格と株数を申告する手続きです。

この期間中に、証券会社のサイトやアプリから申し込みを行います。

申込時には、仮条件の範囲内で希望価格を選択しますが、当選確率を高めるためには上限価格で申し込むことが一般的です。

この段階で購入資金が必要な証券会社と、不要な証券会社があるため、事前に確認しておきましょう。

抽選結果を確認して購入する

ブックビルディング期間が終了すると、公募価格が決定し、抽選が行われます。

抽選結果は、各証券会社のマイページで確認できます。

当選した場合は、購入申込期間内に正式な購入手続きを行います。

この手続きを忘れると、当選が無効になってしまうため注意が必要です。

補欠当選の場合は、繰り上げ当選の可能性があるため、購入申込期間まで確認を続けましょう。

上場日に初値で売却する

購入が完了したら、上場日を待ちます。

上場日の朝に初値が付くため、その価格で売却するのが一般的なIPO投資の手法です。

初値が公募価格を上回っていれば、その差額が利益となります。

初値売却は、証券会社のサイトやアプリから成行注文で行います。

初値が付く前に売り注文を出しておけば、自動的に初値で売却されます。

ただし、初値が公募価格を下回る公募割れの場合は、損失が確定してしまうため、銘柄の将来性を考慮して保有を続けるかどうかを判断する必要があります。

IPO投資におすすめの証券会社5社

IPO投資で当選確率を上げるには、取扱実績が豊富で、抽選方法が有利な証券会社を選ぶことが重要です。

ここでは、IPO投資に特におすすめの5社をご紹介します。

SBI証券|IPO取扱数No.1でチャレンジポイント制度あり

SBI証券の画像
項目 内容
口座数 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む)
取引手数料 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。
NISA対応
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点
成長投資枠対象商品 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点)
投資信託 約2,550本 ※2025年3月3日時点
外国株 8カ国/米国株式(5,000銘柄)
取引ツール(PC) HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー
スマホアプリ SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD
提携銀行口座 SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行
ポイント投資・付与 Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立)
口座開設スピード 最短 翌営業日

SBI証券は、IPO取扱銘柄数が業界トップクラスで、2024年には78銘柄を取り扱っています。

主幹事実績も年間12社と豊富で、IPO投資をするなら必ず開設しておきたい証券会社です。

SBI証券の特徴

IPOチャレンジポイント制度で当選確率アップ

約1,500万口座の圧倒的な口座数

投資信託の取扱本数が約2,600本と充実

最大の特徴は「IPOチャレンジポイント」制度です。

IPO抽選に外れるたびにポイントが貯まり、貯めたポイントを使うことで当選確率を大幅に上げられます。

長期的にIPO投資を続ける方にとって、非常に有利な仕組みです。

SMBC日興証券|主幹事実績が豊富で当選しやすい

SMBC日興証券のLP画像
項目 内容
口座数約400万口座
取引手数料ダイレクトコース:137円~27,500円
総合コース:1,925円〜192,500円
投資信託約1,000本
ミニ株(単元未満株)非対応
NISA対応対応(つみたて投資枠・成長投資枠)
外国株2カ国以上
米国株:約2,200銘柄
IPO取扱実績年間52銘柄(2024年実績)
IPO主幹事件数年間22社(2024年実績)
ポイントサービスVポイント / dポイント
口座開設スピード最短即日
取引ツール(PC)パワートレーダー / BRiSK
スマホアプリSMBC日興証券アプリ

SMBC日興証券は、主幹事実績が年間22社と非常に多く、主幹事の場合は取扱株数が多いため当選確率が高まります。

2024年のIPO取扱銘柄数は52銘柄で、大手証券会社ならではの安定した実績を誇ります。

SMBC日興証券の特徴

主幹事実績が豊富で当選チャンスが多い

ステージ制で優遇措置あり

大手証券会社の信頼性

また、預り資産や取引実績に応じて当選確率が優遇される「ステージ制」を採用しています。

資産を預けている方や取引頻度が高い方は、一般の投資家よりも有利に抽選に参加できます。

マネックス証券|完全平等抽選で初心者にも公平

マネックス証券のLP画像
項目 内容
口座数 約2,700,000口座 ※2025年2月時点
取引手数料 【取引毎手数料コース】
  • 5万円以下:55円(税込)

  • 5万超~10万円以下:99円

  • 10万超~20万円以下:115円

  • 20万超~50万円以下:275円

  • 50万超~100万円以下:535円

  • 100万超~150万円以下:640円

  • 150万超~3,000万円以下:1,013円

  • 3,000万円超:1,070円

NISA対応 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(銘柄数は公式サイトで確認)
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上)
投資信託 約1,800本(購入時手数料すべて無料)
外国株 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点)
取引ツール(PC) マネックストレーダー / 銘柄スカウター
スマホアプリ マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ
提携銀行口座 マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認)
ポイント投資・付与 マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能)
口座開設スピード オンライン申込で最短翌営業日

マネックス証券は、IPO抽選が完全平等抽選方式を採用しており、口座開設したばかりの初心者でもベテラン投資家と同じ条件で抽選に参加できます。

資産額や取引実績による優遇がないため、公平性を重視する方に最適です。

マネックス証券の特徴

完全平等抽選で初心者にも公平

米国株の取扱銘柄数が約5,000銘柄と豊富

マネックスポイントやdポイントが貯まる

2024年のIPO取扱銘柄数は54銘柄で、主幹事実績も1社あります。

米国株の取扱銘柄数が約5,000銘柄と豊富で、IPO投資と並行して米国株投資を行いたい方にもおすすめです。

楽天証券|楽天ポイントが貯まる・使える

楽天証券LP画像
項目 内容
口座数 約12,000,000口座 ※2025年1月時点
取引手数料 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。
NISA対応 〇(新NISA対応)
つみたて投資枠取扱銘柄数 263銘柄 ※2025年4月24日時点
成長投資枠対象商品 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄)
投資信託 約2,550本 ※2025年4月24日時点
外国株 6カ国/米国株式(約4,500銘柄)
取引ツール(PC) マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4
スマホアプリ iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物
提携銀行口座 楽天銀行(マネーブリッジ)
ポイント投資・付与 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>)
口座開設スピード 最短 翌営業日

楽天証券は、IPO取扱銘柄数が年間56銘柄で、楽天ポイントを貯めたり使ったりできることが大きな魅力です。

楽天経済圏を利用している方なら、日常の買い物で貯めたポイントを投資に回すこともできます。

楽天証券の特徴

楽天ポイントが貯まる・使える

口座数は約1,200万口座と業界2位

取引ツール「MARKET SPEED Ⅱ」が高機能

口座数は約1,200万口座と業界2位の規模を誇り、投資信託の取扱本数も約2,550本と充実しています。

つみたてNISAやiDeCoにも対応しており、長期投資とIPO投資を組み合わせたい方に最適です。

松井証券|事前入金不要で資金効率が良い

松井証券のLP画像
項目 内容
口座数 約1,670,000口座 ※2025年3月時点
取引手数料 【ボックスレート(1日定額制)】 1日の約定代金合計50万円まで:0円 50万円超:1,000円(税込1,100円)~※25歳以下なら約定代金に関わらず手数料無料
NISA対応 〇(日本株、米国株、投資信託すべて売買手数料無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(銘柄数は公式サイトで確認)
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株 / 投資信託(約1,800本以上)
投資信託 約1,900本以上(購入時手数料すべて無料)
外国株 米国株:約4,900銘柄(2025年4月23日時点)
取引ツール(PC) ネットストック・ハイスピード(無料)
スマホアプリ 日本株アプリ / 投信アプリ / 米国株アプリ(すべて無料)
提携銀行口座 MATSUI Bank(松井証券専用銀行)
ポイント投資・付与 松井証券ポイント(投資信託の積立に利用可能)
口座開設スピード 最短即日(スマートフォンによるオンライン申込)

松井証券の最大の特徴は、IPO抽選の申込時に事前入金が不要な点です。

当選後に入金すればよいため、複数の証券会社でIPOに申し込む際に資金を分散させる必要がなく、資金効率が非常に良くなります。

松井証券の特徴

事前入金不要で資金効率が良い

25歳以下は株式取引手数料が無料

サポート体制が充実

2024年のIPO取扱銘柄数は54銘柄で、25歳以下の方は株式取引手数料が無料になる特典もあります。

若い世代でIPO投資を始めたい方には特におすすめです。

IPO当選確率を上げる7つの方法

IPO投資では、人気銘柄の当選確率は非常に低く、数パーセント以下になることも珍しくありません。

しかし、いくつかの工夫をすることで、当選確率を大きく引き上げることが可能です。

複数の証券会社から申し込む

IPO当選確率を上げる最も基本的な方法は、複数の証券会社から同じIPO銘柄に申し込むことです。

1社だけでは当選確率が低くても、5社、10社と申込先を増やすことで、確率は単純に倍増します。

IPO投資で成果を出している投資家の多くは、10社以上の証券口座を保有し、すべての証券会社から申し込んでいます。

口座開設と維持に費用はかからないため、できるだけ多くの証券会社で口座を開設しておくことをおすすめします。

主幹事証券から優先的に申し込む

主幹事証券は、IPO株の配分数が最も多く、当選確率が高くなります。

通常、主幹事証券には全体の70~80%程度の株式が配分されるため、主幹事証券から申し込むことは非常に重要です。

主幹事証券は銘柄ごとに異なるため、IPO情報サイトや各証券会社の公式サイトで確認しましょう。

特に、野村證券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は主幹事実績が豊富です。

SBI証券のIPOチャレンジポイントを活用する

SBI証券のIPOチャレンジポイントは、IPO抽選に外れるたびに1ポイントずつ貯まり、次回以降の抽選で使用することで当選確率を上げられる制度です。

ポイントを多く使うほど当選しやすくなります。

人気の高い銘柄では、300~400ポイント程度貯めてから使うと当選しやすいと言われています。

毎回コツコツとIPOに申し込み続けることで、いずれ確実に当選できる仕組みになっているため、長期的にIPO投資を続ける方にとって非常に有利です。

SMBC日興証券のステージ制を攻略する

SMBC日興証券では、預り資産や取引実績に応じて「ステージ制」が適用され、上位ステージになるほどIPO抽選で優遇されます。

資産を一定額預けておくことで、一般の投資家よりも当選確率が高まります。

ステージを上げるには、預り資産を増やすか、取引回数を増やす方法があります。

余裕資金がある場合は、SMBC日興証券にまとめて預けておくことで、IPO当選のチャンスを大きく広げられます。

家族口座を活用する

家族名義で証券口座を開設し、それぞれの口座からIPOに申し込むことで、当選確率を上げることができます。

配偶者や成人した子供の口座を活用すれば、申込口数を増やせます。

ただし、家族の同意を得た上で、各自が自分の資金で投資を行う必要があります。名義貸しや資金の不正利用は法律で禁止されているため、必ず本人の意思と資金で運用するようにしましょう。

事前入金不要の証券会社を活用する

松井証券や岡三オンラインなど、IPO抽選時に事前入金が不要な証券会社を活用すると、資金効率が大幅に向上します。

複数の証券会社で同時にIPOに申し込む際、資金を分散させる必要がないため、少ない資金でも多くの抽選に参加できます。

事前入金不要の証券会社を優先的に利用し、余った資金で他の証券会社にも申し込むという戦略が効果的です。

人気度の低い銘柄にも申し込む

IPO投資では、初値高騰が期待できる人気銘柄に注目が集まりがちですが、人気が低い銘柄にも積極的に申し込むことで、当選確率を高められます。

人気が低い銘柄は競争率が低く、当選しやすいためです。

公募割れのリスクはありますが、当選経験を積むことや、IPOチャレンジポイントを貯めることにもつながります。

また、予想外に初値が上昇するケースもあるため、幅広い銘柄に申し込むことが重要です。

IPO初値予想の見方と銘柄の選び方

IPO投資で利益を出すには、初値が公募価格を上回る銘柄を選ぶことが重要です。

そのためには、初値予想を参考にしながら、銘柄の特徴や業績を分析する必要があります。

初値予想サイトの活用方法

初値予想サイトは、IPO銘柄ごとに初値がどの程度になるかを予想し、評価を公開しているサイトです。

代表的なサイトには「やさしいIPO株のはじめ方」「IPO初値予想ブログ なごみ」「96ut.com」などがあります。

これらのサイトでは、A評価(初値高騰期待大)からD評価(公募割れリスク高)まで、ランク付けされていることが多く、申込の判断材料として活用できます。

ただし、予想はあくまで参考情報であり、必ずしも的中するわけではないため、複数のサイトを比較しながら総合的に判断することが大切です。

また、初値予想の根拠となる情報(事業内容、業績、市場環境、類似企業の初値実績など)も確認し、自分なりに納得した上で申し込むようにしましょう。

公募割れしやすい銘柄の特徴

公募割れとは、初値が公募価格を下回ることを指し、この場合は損失が発生します。

公募割れしやすい銘柄には、いくつかの共通した特徴があります。

  • 公募価格が高すぎる(割高な設定)
  • 業績が不安定または赤字が続いている
  • 株式市場全体が下落傾向にある
  • 公募株数が多すぎる(需給バランスが崩れやすい)

公募割れのリスクを減らすためには、初値予想サイトを参考にしたり、業績や事業内容をしっかり分析したりすることが重要です。

また、すべての銘柄に無条件で申し込むのではなく、評価の高い銘柄を選別して申し込むことも有効です。

初値高騰が期待できる銘柄の特徴

初値高騰が期待できる銘柄には、成長性の高い事業内容、好調な業績、適正な公募価格という特徴があります。

特に、AIやDX、バイオテクノロジーなど、注目度の高い分野の企業は投資家の関心を集めやすく、初値が高騰しやすい傾向があります。

また、売上高や利益が順調に伸びている企業、黒字化している企業は、投資家からの評価が高く、初値が公募価格を大きく上回るケースが多く見られます。

公募株数が少ない銘柄も、需要が供給を上回りやすいため、初値高騰が期待できます。

さらに、主幹事証券が大手証券会社である場合や、ベンチャーキャピタルの出資を受けている企業も、信頼性が高く評価される傾向があります。

IPO企業の業績・成長性の見方

IPO企業の業績や成長性を判断するには、目論見書(もくろみしょ)を確認することが重要です。

目論見書には、企業の事業内容、財務状況、業績推移、リスク情報などが詳しく記載されています。

まず、売上高と営業利益の推移を確認し、過去数年間で成長しているかをチェックします。

売上高が増加していても、利益が伸びていない場合は、コスト管理に問題がある可能性があります。

また、営業キャッシュフローがプラスであるかも重要なポイントです。

次に、事業内容の将来性を評価します。

市場規模が拡大している分野で事業を展開しているか、競合他社と比較して優位性があるかを確認しましょう。

さらに、目論見書の「事業等のリスク」欄には、企業が抱える潜在的なリスクが記載されているため、必ず目を通しておくことが大切です。

IPOスケジュールの管理方法

IPO投資では、複数の銘柄に同時に申し込むことが多く、それぞれのスケジュールを正確に把握しておかないと、申込期限を逃してしまうリスクがあります。

ここでは、IPOスケジュールの確認方法や、効率的に管理するためのツールやアプリ、メール通知サービスの活用方法について解説します。

IPOスケジュールの確認方法

IPOスケジュールは、各証券会社の公式サイトで確認できます。

SBI証券や楽天証券など、主要なネット証券では、IPO情報ページに最新の銘柄情報とスケジュールが一覧で掲載されています。

また、IPO情報専門サイト(「やさしいIPO株のはじめ方」「IPO初値予想ブログ なごみ」など)では、複数の証券会社のIPO情報をまとめて確認できるため、効率的に情報収集ができます。

これらのサイトでは、ブックビルディング期間、抽選日、購入申込期間、上場日などが一目で分かるようになっています。

スケジュールを確認したら、カレンダーアプリやスケジュール管理ツールに登録しておくと、申込忘れを防げます。

IPO管理ツール・アプリの活用

IPO投資を効率的に行うには、専用の管理ツールやアプリを活用することがおすすめです。

例えば、Googleカレンダーやスケジュール管理アプリに、IPOの申込期限や抽選日を登録しておけば、通知機能で期限を知らせてくれます。

また、Excelやスプレッドシートを使って、銘柄ごとの申込状況、抽選結果、購入金額、売却価格などを記録しておくと、投資成績の管理や分析がしやすくなります。

自分に合った管理方法を見つけて、継続的に活用することが大切です。

メール通知サービスを活用する

多くの証券会社では、IPO情報をメールで通知してくれるサービスを提供しています。

新規IPOの公開情報や、ブックビルディング開始、抽選結果などを自動的に知らせてくれるため、情報の見逃しを防げます。

証券会社のマイページから、メール通知の設定を有効にしておきましょう。

複数の証券会社を利用している場合は、すべての証券会社でメール通知を設定しておくことで、効率的に情報を受け取れます。

IPO投資で気をつけたい5つのこと

IPO投資は利益を狙いやすい投資手法ですが、リスクや注意点もあります。

これらを理解せずに投資を始めると、思わぬ損失や手間が発生する可能性があります。

公募割れによる損失リスク

IPO投資では、初値が公募価格を下回る「公募割れ」が発生するリスクがあります。

2024年のIPO銘柄では、約13%が公募割れとなっており、決して珍しいことではありません。

公募割れが起こると、初値で売却した場合に損失が確定してしまいます。

公募割れのリスクを減らすためには、初値予想サイトを参考にしたり、業績や事業内容をしっかり分析したりすることが重要です。

また、すべての銘柄に無条件で申し込むのではなく、評価の高い銘柄を選別して申し込むことも有効です。

抽選に当たらず資金が拘束される

多くの証券会社では、IPO抽選に申し込む際に事前入金が必要です。

そのため、複数の証券会社から申し込むと、かなりの金額が一時的に拘束されることになります。

抽選に外れた場合、資金は返還されますが、その間は他の投資に使えないため、機会損失が発生する可能性があります。

資金効率を高めるには、事前入金不要の証券会社(松井証券、岡三オンラインなど)を優先的に活用することがおすすめです。

複数証券会社の資金管理が煩雑になる

IPO投資で当選確率を上げるために複数の証券会社を利用すると、それぞれの口座に資金を振り分ける必要があり、資金管理が煩雑になります。

どの口座にいくら入金したか、抽選結果がどうだったかを把握するのが難しくなることもあります。

これを防ぐには、Excelやスプレッドシートで管理表を作成し、証券会社ごとの入金額、申込銘柄、抽選結果を記録しておくことが有効です。

また、メインで使う証券会社を2~3社に絞り、残りはサブとして活用するという方法もあります。

家族口座活用の法的リスク

家族名義で証券口座を開設してIPOに申し込む方法は、当選確率を上げる有効な手段ですが、法的なリスクもあります。

名義貸しや資金の不正利用は金融商品取引法で禁止されており、違反すると罰則の対象となります。

家族口座を活用する場合は、必ず本人の同意を得て、本人の資金で投資を行うようにしましょう。

また、利益が出た場合の税金も、口座名義人が負担する必要があるため、事前に家族間で取り決めをしておくことが大切です。

当選しても必ず利益が出るわけではない

IPO投資では、当選すれば必ず利益が出ると思われがちですが、実際には公募割れのリスクがあるため、必ずしも利益が保証されているわけではありません。

また、初値が公募価格をわずかに上回っただけで、売却手数料を考慮すると実質的に利益が出ないケースもあります。

IPO投資を行う際は、過度な期待をせず、リスクを理解した上で慎重に銘柄を選定することが重要です。

IPO投資の税金と確定申告

IPO投資で利益が出た場合、税金が発生します。

また、確定申告が必要になるケースもあるため、税務面の知識も押さえておくことが大切です。

IPO投資の利益にかかる税金

IPO投資で得た利益は、株式の譲渡所得として課税されます。

税率は20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)で、利益に対して一律でこの税率が適用されます。

国税庁:株式等の譲渡所得等の課税

例えば、公募価格1,000円で100株購入し、初値1,500円で売却した場合、利益は5万円となり、税金は約1万158円となります。

実際の手取り利益は約3万8,842円です。

税金は、証券会社の口座の種類によって、自動的に徴収される場合と、自分で確定申告する必要がある場合があります。

特定口座と一般口座の違い

証券口座には「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」の3種類があり、それぞれ税金の処理方法が異なります。

特定口座(源泉徴収あり)を選択すると、証券会社が自動的に税金を計算し、利益から源泉徴収してくれます。

確定申告は原則不要で、最も手間がかかりません。IPO投資初心者の方には、この口座タイプがおすすめです。

特定口座(源泉徴収なし)の場合、証券会社が年間取引報告書を作成してくれますが、税金の納付は自分で行う必要があります。

確定申告が必要になります。

一般口座の場合は、年間取引報告書も自分で作成し、確定申告も自分で行う必要があります。

税務処理の手間が最も大きいため、特別な理由がない限り選択するメリットは少ないでしょう。

確定申告が必要になるケース

特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合、基本的には確定申告は不要です。

ただし、以下のケースでは確定申告が必要、または確定申告をすることで税金が還付される場合があります。

  • 複数の証券会社で取引をしており、一方で利益、もう一方で損失が出た場合(損益通算)
  • 年間の利益が20万円以下でも、他の所得と合算して確定申告が必要になるケース
  • 特定口座(源泉徴収なし)や一般口座を利用している場合

確定申告の期限は翌年の2月16日から3月15日までですので、忘れずに手続きを行いましょう。

NISA口座でIPO投資はできる?

NISA口座は、投資で得た利益が非課税になる制度として人気がありますが、IPO投資にも活用できるのでしょうか。

ここでは、NISA口座でIPO投資が可能かどうか、そしてNISA口座でIPO投資をするメリットと注意点について解説します。

成長投資枠でIPO投資が可能

2024年から始まった新NISA制度では、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。

このうち、成長投資枠を使えば、IPO投資が可能です。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

成長投資枠では、年間240万円まで、生涯で1,200万円までの投資が非課税となります。

IPO株を成長投資枠で購入し、初値で売却した場合、その利益には税金がかかりません。

通常であれば約20%の税金がかかるところ、NISA口座を使えば全額が手取りとなるため、非常にお得です。

ただし、すべての証券会社がNISA口座でのIPO投資に対応しているわけではないため、事前に確認が必要です。

SBI証券、楽天証券、マネックス証券などの主要ネット証券では、NISA口座でのIPO投資が可能です。

NISA口座でIPO投資をするメリットと注意点

NISA口座でIPO投資をする最大のメリットは、利益が非課税になることです。

IPO投資で大きな利益が出た場合、通常は約20%の税金がかかりますが、NISA口座なら税金がゼロになります。

項目 内容
メリット 利益が非課税になる
年間240万円までの投資が対象
複数回のIPO投資が可能
注意点 公募割れした場合、損失を他の利益と相殺できない
NISA枠を使い切ると追加投資ができない
すべての証券会社が対応しているわけではない

注意点として、NISA口座で公募割れした場合、その損失を他の口座の利益と損益通算できません。

また、NISA枠は年間240万円までと限られているため、IPO投資だけでなく、長期投資にも枠を使いたい場合は、バランスを考える必要があります。

よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)
IPO投資は初心者でも始められますか?

はい、IPO投資は初心者の方でも始められます。証券口座を開設し、IPOスケジュールに従って申し込むだけで参加できます。株式投資の知識が少なくても、初値売却を前提とすれば、複雑な分析は不要です。ただし、公募割れのリスクや抽選の仕組みを理解してから始めることが大切です。

IPO投資にはいくら必要ですか?

IPO投資に必要な資金は、銘柄によって異なります。公募価格が1,000円で100株単位の場合、10万円程度から参加できます。ただし、複数の証券会社から申し込む場合は、それぞれに資金を用意する必要があるため、30万円~50万円程度あると余裕を持って投資できます。

当選確率はどのくらいですか?

IPOの当選確率は、銘柄や証券会社によって大きく異なりますが、人気銘柄の場合は1~5%程度と非常に低くなります。複数の証券会社から申し込むことで確率を上げることができます。また、主幹事証券から申し込むと、当選確率が高まります。

複数の証券会社から同じIPOに申し込めますか?

はい、複数の証券会社から同じIPO銘柄に申し込むことは可能で、むしろ推奨されています。それぞれの証券会社で独立して抽選が行われるため、申込先を増やすことで当選確率が上がります。ただし、それぞれの証券会社に資金を用意する必要があります。

公募割れした場合はどうすればいいですか?

公募割れした場合、初値で売却すると損失が確定します。企業の将来性を信じるなら保有を続けるという選択肢もありますが、IPO投資は短期売買が基本のため、損切りして次の銘柄に資金を回す方が効率的です。公募割れを避けるには、初値予想サイトや業績分析を活用して、慎重に銘柄を選ぶことが重要です。

セカンダリー投資とは何ですか?

セカンダリー投資とは、IPO株が上場した後、市場で取引されている株式を購入する投資手法です。初値で買えなかった場合や、初値後にさらに株価が上昇すると判断した場合に行います。ただし、初値後は株価が急落するリスクもあるため、慎重な判断が必要です。

IPOチャレンジポイントはいつ使うべきですか?

SBI証券のIPOチャレンジポイントは、初値高騰が期待できる人気銘柄で使うのが効果的です。一般的には、300~400ポイント程度貯めてから、A評価の銘柄で使うと当選しやすいと言われています。ポイントを使うタイミングは、銘柄の評価や自分の投資戦略に応じて判断しましょう。

家族口座を使っても問題ありませんか?

家族名義で証券口座を開設し、それぞれの口座からIPOに申し込むこと自体は問題ありません。ただし、必ず本人の同意を得て、本人の資金で投資を行う必要があります。名義貸しや資金の不正利用は法律で禁止されており、違反すると罰則の対象となるため、注意が必要です。

まとめ

IPO投資は、新規公開株を公募価格で購入し、初値で売却することで利益を狙う投資手法です。

2024年のIPO銘柄では約87%が公募価格を上回る初値を付けており、短期間で利益を得られる可能性が高いことが魅力です。

IPO投資を始めるには、まず証券会社で口座を開設し、IPOスケジュールを確認してブックビルディングに参加します。

当選すれば公募価格で株式を購入でき、上場日に初値で売却することで利益を得られます。

当選確率を上げるには、複数の証券会社から申し込むことや、主幹事証券を優先すること、SBI証券のIPOチャレンジポイントを活用することが有効です。

おすすめの証券会社としては、IPO取扱数No.1のSBI証券、主幹事実績が豊富なSMBC日興証券、完全平等抽選のマネックス証券、楽天ポイントが貯まる楽天証券、事前入金不要の松井証券などがあります。

それぞれの特徴を理解し、自分の投資スタイルに合った証券会社を選ぶことが大切です。

ただし、IPO投資には公募割れによる損失リスクや、抽選に当たらず資金が拘束されるデメリットもあります。

初値予想サイトを参考にしながら、業績や成長性をしっかり分析し、慎重に銘柄を選定することが重要です。

また、NISA口座の成長投資枠を活用すれば、利益を非課税で受け取ることもできます。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。IPO投資は抽選に当たらないと利益が出ず、公募割れにより損失が発生する可能性もあります。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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