ネット証券の相続でパスワードがわからない!正しい手続き方法と各社の対応を徹底解説

ウェルスナビで運用を始めたものの、含み損が出て不安を感じていませんか。
実は、運用開始直後の損失は珍しいことではなく、市場の変動や為替リスクによって一時的に元本割れするケースは多くあります。
この記事では、ウェルスナビで損失が発生する3つの主な原因と、リスクを最小化するための具体的な対策を解説します。損失を税務上で活用する方法や、他のロボアドバイザーとの比較も紹介するため、今後の運用判断に役立てていただけます。
適切な知識を持って長期運用を続けることで、一時的な損失を乗り越え、資産形成を実現できる可能性が高まります。
目次
ウェルスナビで損失が出る3つの原因
ウェルスナビで損失が発生する原因は、主に市場の変動、為替リスク、手数料の3つに分類されます。これらの要因を正確に理解することで、損失への不安を軽減し、適切な対策を講じることができます。
ウェルスナビは世界中の株式や債券に分散投資を行うため、各市場の動きや為替相場の変動が運用成績に直接影響します。また、年率1.1%の手数料も長期的には無視できないコストとなります。
ウェルスナビは米国株式、日欧株式、新興国株式、米国債券、金、不動産などに分散投資を行っています。これらの資産は日々価格が変動するため、市場全体が下落局面に入ると、ポートフォリオ全体の評価額も下がります。
特に株式市場は短期的に大きく変動する性質があり、世界経済の不安や地政学リスクが高まると、一時的に10%以上下落することも珍しくありません。2024年8月の市場混乱時には、リスク許容度5の場合で約15%の下落が記録されました。
こうした下落は一時的なものであり、長期的には市場は成長する傾向があります。金融庁も長期・積立・分散投資の重要性を推奨しており、短期的な価格変動に一喜一憂しないことが資産形成の基本とされています。
過去のデータを見ると、リーマンショックやコロナショックなどの大きな下落局面でも、数年以内に回復し、その後さらに上昇を続けています。ウェルスナビの公式データでも、5年以上の長期運用では元本割れのリスクが大幅に低下することが示されています。
ウェルスナビのポートフォリオは約60〜80%が外貨建て資産(主に米ドル)で構成されています。そのため、円高が進むと、ドル建ての資産価値が円換算で目減りし、含み損が発生します。
例えば、1ドル=150円の時に投資した資産が、1ドル=130円になると、ドル建ての資産価値が変わらなくても、円換算では約13%の評価損が発生します。2024年には急激な円高局面があり、多くの投資家が為替による損失を経験しました。
為替リスクは国際分散投資を行う上で避けられないリスクですが、長期的には為替相場は一定の範囲内で変動する傾向があります。円高で損失が出ている時期に売却せず、円安局面まで保有し続けることで、為替差益を得られる可能性もあります。
また、為替リスクは分散投資の一環として機能する側面もあります。円の価値が下がる局面では外貨建て資産が相対的に価値を保つため、資産全体のリスクを分散する効果があります。
ウェルスナビの手数料は預かり資産の年率1.1%(税込)です。この手数料は運用成績にかかわらず毎日自動的に差し引かれるため、市場が低迷している時期には手数料分だけ損失が拡大する要因となります。
例えば、100万円を運用している場合、年間で約1万1,000円の手数料がかかります。10年間運用すると、単純計算で約11万円のコストになります。市場のリターンが年率5%だとすると、手数料を差し引いた実質リターンは年率3.9%程度になります。
手数料1.1%は、自分でETFを購入して運用する場合(年率0.1〜0.3%程度)と比較すると高く感じるかもしれません。しかし、ウェルスナビの手数料には、自動リバランス、税金最適化(DeTAX)、為替手数料などのサービスが含まれています。
特にDeTAX機能は、含み損のある銘柄を売却して税負担を軽減する仕組みで、年率0.4%程度の節税効果があるとされています。そのため、実質的な手数料負担は0.7%程度になる可能性があります。
手数料が高いと感じる場合は、運用に慣れてきた段階で自分でETFを購入する方法に切り替えることも選択肢の一つです。ただし、自分で運用する場合は、リバランスや税金管理を自分で行う必要があるため、手間とコストを総合的に判断することが重要です。
運用開始直後に元本割れしやすい理由
ウェルスナビで運用を始めたばかりの時期に元本割れすることは、決して珍しいことではありません。むしろ、投資直後の価格変動リスクや市場の下落局面に遭遇することは、長期投資では避けられない経験です。
この時期の損失は「失敗」ではなく、投資の正常なプロセスの一部です。初期の損失に動揺せず、冷静に対処することが、長期的な資産形成の成功につながります。
投資を始めたタイミングが偶然にも市場の高値圏だった場合、その直後に価格が下落して含み損を抱えるケースがあります。これは「タイミングリスク」と呼ばれ、一括投資を行った場合に特に顕著に現れます。
例えば、100万円を一度に投資した直後に市場が10%下落すると、すぐに10万円の含み損が発生します。この損失を目の当たりにすると、「失敗したのではないか」と不安になる方も多いでしょう。
市場は常に上下を繰り返しながら長期的には成長していく傾向があります。投資直後の下落は、長期的な視点で見れば「安く買い増しできる機会」とも捉えられます。実際、ウェルスナビの自動積立機能を利用している投資家は、このタイミングリスクを分散できているため、一括投資よりも安定した運用成績を実現しています。
株式市場は短期的には大きく変動します。経済指標の悪化、中央銀行の政策変更、地政学リスクの高まりなど、さまざまな要因で市場全体が急落することがあります。
2024年8月には、日銀の金融政策変更や米国の景気後退懸念から、世界的な株価急落が発生しました。この時期にウェルスナビで運用していた投資家の多くが、一時的に10〜15%程度の含み損を経験しました。
しかし、このような急落局面は過去にも何度も発生しており、その都度市場は回復しています。リーマンショック時には株価が半分以下になりましたが、その後数年で回復し、さらに上昇を続けました。短期的な下落は、長期投資家にとっては「買い場」となることが多いのです。
ウェルスナビの公式データでも、運用期間が長くなるほど元本割れのリスクが低下することが示されています。1年未満の運用では元本割れの確率が高いものの、5年以上の運用では大幅にリスクが低下します。
ウェルスナビで実際に損失を経験した投資家の体験談から、初期の元本割れにどう対処すべきかを学ぶことができます。
リスク許容度5で運用していた投資家が、市場の急落で25%の損失を経験。しかし、売却せずに積立を継続した結果、2年後には損失を回復し、プラスに転じた。
投資初心者が100万円を一括投資した直後に市場が下落。不安になって売却を検討したが、ファイナンシャルプランナーに相談し、長期保有を決断。1年後には元本を回復した。
ドル建て資産が多いポートフォリオで、急激な円高により15%の含み損が発生。しかし、為替は長期的には戻る傾向があるため、保有を継続。半年後には円安に転じ、損失は大幅に縮小した。
これらの体験談に共通するのは、「短期的な損失に動揺せず、長期保有を続けた結果、損失を回復できた」という点です。投資の初期段階での損失は、長期的な資産形成の過程で避けられないものであり、冷静に対処することが重要です。
ウェルスナビの損失リスクを数字で見る
ウェルスナビの損失リスクを正確に理解するためには、具体的な数値データを確認することが重要です。リスク許容度別の最大下落率や、運用期間別の損失発生率を把握することで、自分の投資判断が適切かどうかを客観的に評価できます。
ウェルスナビは公式サイトで過去の運用実績を公開しており、リスク許容度ごとの最大下落率や回復期間などのデータが確認できます。これらのデータは、将来の損失リスクを予測する上で重要な参考情報となります。
ウェルスナビではリスク許容度を1〜5の5段階で設定します。リスク許容度が高いほど株式の比率が高くなり、リターンの期待値は上がりますが、同時に損失リスクも大きくなります。
| リスク許容度 | 株式比率 | 最大下落率(過去実績) | 想定年率リターン |
| 1 | 約30% | 約-8% | 約2〜3% |
| 2 | 約40% | 約-10% | 約3〜4% |
| 3 | 約60% | 約-15% | 約4〜5% |
| 4 | 約80% | 約-20% | 約5〜6% |
| 5 | 約90% | 約-25% | 約6〜7% |
この表から分かるように、リスク許容度5では最大で25%程度の下落が想定されます。つまり、100万円投資している場合、一時的に75万円まで減少する可能性があるということです。
一方、リスク許容度1では最大下落率が8%程度に抑えられますが、期待リターンも低くなります。自分のリスク許容度を正しく設定することが、長期的な資産形成の成功につながります。
ウェルスナビの運用期間が長くなるほど、元本割れのリスクは低下します。過去のデータを基にしたシミュレーションでは、運用期間別の損失発生率は以下のようになっています。
このデータから分かるように、ウェルスナビは短期的な投資には向いておらず、少なくとも3年以上、できれば5年以上の長期運用を前提とした投資商品です。短期的な損益に一喜一憂せず、長期的な視点で資産形成を続けることが重要です。
2024年8月には、日銀の金融政策変更や米国の景気後退懸念から、世界的な株価急落が発生しました。この時期のウェルスナビの運用実績を検証することで、実際の損失リスクを具体的に理解できます。
リスク許容度5のポートフォリオでは、8月初旬の数日間で約15%の下落を記録しました。100万円投資していた場合、一時的に85万円まで減少したことになります。リスク許容度3では約10%、リスク許容度1では約5%の下落でした。
この急落は短期間で回復し、8月末にはほぼ元の水準まで戻りました。さらに9月以降は上昇トレンドに転じ、年末にはプラスに転じるポートフォリオも多く見られました。
この事例から学べるのは、短期的な急落は長期投資家にとって「売却のタイミング」ではなく、「買い増しのチャンス」であるということです。実際、この下落局面で積立を継続していた投資家は、その後の回復局面で大きなリターンを得ることができました。
ウェルスナビで800万円を投資し、一時的に200万円の含み損を経験した投資家の事例を紹介します。この投資家はリスク許容度5で運用しており、2022年の市場急落時に最大25%の損失を記録しました。
当初は不安になり、損切りを検討しましたが、ファイナンシャルプランナーに相談した結果、以下の理由から長期保有を決断しました。
長期保有を決断した理由
過去の市場データを見ると、大きな下落の後には必ず回復局面が訪れている
損失を確定させてしまうと、その後の回復局面での利益を逃してしまう
積立投資を継続することで、下落局面で安く買い増しができ、平均取得単価を下げられる
この投資家は損切りせずに積立を継続し、2年後には損失を完全に回復し、さらにプラスのリターンを得ることができました。この事例から学べるのは、「短期的な損失に動揺せず、長期的な視点で投資を続けることの重要性」です。
損失を防ぐ5つの対策
ウェルスナビで損失を最小化するためには、具体的な対策を講じることが重要です。長期運用を前提とし、積立投資でリスクを分散し、適切なリスク許容度を設定することで、元本割れのリスクを大幅に低減できます。
ここでは、実際に効果が実証されている5つの対策を詳しく解説します。これらの対策を組み合わせることで、安心して資産形成を続けることができます。
ウェルスナビの最大の強みは、長期・積立・分散投資を自動で実行できることです。短期的な損益に一喜一憂せず、少なくとも5年以上の長期運用を前提に考えることが、損失リスクを最小化する最も重要な対策です。
金融庁のデータでも、長期・積立・分散投資を行った場合、20年間の運用では元本割れのリスクがほぼゼロになることが示されています。短期的には市場の変動で含み損を抱えることがあっても、長期的には市場の成長トレンドに乗ることができます。
長期運用のメリットは、複利効果を最大限に活用できることです。運用益が再投資されることで、雪だるま式に資産が増えていきます。例えば、年率5%で30年間運用した場合、元本が約4.3倍になる計算です。
また、長期運用では市場の短期的な変動の影響が平準化されます。一時的に大きく下落しても、その後の回復局面で損失を取り戻せる可能性が高くなります。過去のデータを見ても、10年以上の長期運用では、ほとんどのケースでプラスのリターンを得られています。
一括投資ではなく、毎月一定額を積み立てる方法を選ぶことで、投資タイミングのリスクを分散できます。これは「ドルコスト平均法」と呼ばれる手法で、価格が高い時には少なく、安い時には多く買うことで、平均取得単価を下げる効果があります。
例えば、毎月3万円ずつ積み立てる場合、市場が好調な時期には少ない口数しか買えませんが、市場が低迷している時期には多くの口数を買えます。その結果、長期的には平均取得単価が下がり、リターンが向上します。
ウェルスナビでは最低1万円から自動積立が可能で、一度設定すれば毎月自動的に引き落とされます。積立投資は、投資タイミングを気にする必要がなく、精神的な負担も軽減されます。
また、積立投資は市場の下落局面でも継続することが重要です。下落時に積立を止めてしまうと、その後の回復局面での利益を逃してしまいます。むしろ、下落時こそ「安く買えるチャンス」と捉え、積立を継続することが長期的なリターン向上につながります。
ウェルスナビのリスク許容度は、自分の年齢、収入、投資目的、資産状況に応じて適切に設定することが重要です。リスク許容度が高すぎると、市場の下落時に大きな損失を抱え、精神的に耐えられなくなる可能性があります。
リスク許容度は途中で変更することも可能ですが、変更時には資産の売却と再購入が発生するため、税金やコストがかかる場合があります。そのため、最初の設定時に慎重に検討することが重要です。
また、リスク許容度は「損失に耐えられる精神的な許容度」でもあります。数値上は高いリターンが期待できても、実際に20%の含み損を目の当たりにした時に冷静でいられるかどうかを考えることが大切です。
まとまった資金がある場合でも、一度に全額を投資するのではなく、数ヶ月に分けて投資することで、タイミングリスクを分散できます。これは「時間分散」と呼ばれる手法です。
例えば、300万円を投資する場合、一度に全額を投資するのではなく、毎月50万円ずつ6ヶ月に分けて投資する方法があります。この方法では、投資タイミングが分散されるため、高値掴みのリスクが低減されます。
特に、市場が高値圏にあると感じる時期には、時間分散が有効です。一度に全額を投資した直後に市場が急落すると、大きな含み損を抱えることになりますが、時間分散していれば、その後の下落局面で安く買い増しができます。
ウェルスナビでは、初回に最低投資額(10万円)を入金し、その後は毎月の自動積立で少しずつ投資額を増やしていく方法が推奨されています。この方法であれば、市場の変動リスクを分散しながら、着実に資産を増やしていくことができます。
市場が下落して含み損を抱えた時、最もやってはいけないのが「損切り」です。損失を確定させてしまうと、その後の回復局面での利益を逃してしまいます。
過去のデータを見ると、市場の大きな下落の後には必ず回復局面が訪れています。リーマンショック時には株価が半分以下になりましたが、その後5年で元の水準に戻り、さらに上昇を続けました。コロナショック時も同様で、急落後わずか数ヶ月で回復しました。
損切りをしてしまうと、この回復局面での利益を得られなくなります。むしろ、下落局面こそ「安く買えるチャンス」と捉え、積立投資を継続することが重要です。
ただし、自分のリスク許容度を大幅に超える損失が発生している場合は、リスク許容度の見直しを検討すべきです。例えば、リスク許容度5で運用していて精神的に耐えられない場合は、リスク許容度3に変更することも選択肢の一つです。
相場が下がっても売却しないための具体的な対策は以下の通りです。
含み損が出たときの対処法
ウェルスナビで含み損を抱えた時、どのように対処すべきかは多くの投資家が直面する悩みです。損切りすべきか、それとも長期保有を続けるべきか、その判断基準を理解することが重要です。
含み損は「確定した損失」ではなく、あくまで「評価上の損失」です。売却しない限り損失は確定しないため、冷静に状況を分析し、適切な対処法を選択することが求められます。
含み損が出た時に損切りすべきかどうかは、損失の原因と自分の投資目的によって判断が分かれます。基本的には、ウェルスナビのような分散投資型のロボアドバイザーでは、長期保有を続けることが推奨されます。
過去のデータを見ると、市場の下落後に損切りした投資家よりも、長期保有を続けた投資家の方が最終的に高いリターンを得ています。損切りは「損失の確定」であり、その後の回復局面での利益を放棄することを意味します。
ただし、リスク許容度が明らかに高すぎて、日常生活に支障が出るほど不安を感じている場合は、リスク許容度を下げることを検討すべきです。その場合、一度売却して損失を確定させることになりますが、精神的な安定を取り戻すことができます。
リスク許容度は一度設定したら変更できないわけではありません。ライフステージの変化や市場環境の変化に応じて、適切に見直すことが重要です。
リスク許容度を下げるべきタイミング
含み損が想定以上に大きく、精神的に耐えられなくなった場合
年齢が上がり、リスクを取れる期間が短くなった場合
近い将来に大きな支出予定があり、資産を守る必要がある場合
リスク許容度を上げるべきタイミング
収入が増え、より積極的な運用が可能になった場合
投資経験を積み、市場の変動に慣れてきた場合
投資期間が十分に長く、リスクを取れる余裕がある場合
リスク許容度を変更する際の注意点は、変更時に資産の売却と再購入が発生するため、税金やコストがかかる可能性があることです。特に、含み益が出ている状態で変更すると、譲渡益税(20.315%)が課税されます。
また、含み損が出ている時にリスク許容度を下げると、損失を確定させることになります。そのため、リスク許容度の変更は慎重に検討し、できれば市場が安定している時期に行うことが推奨されます。
含み損が出ている時に追加投資を行うことで、平均取得単価を下げることができます。これは「ナンピン買い」とも呼ばれる手法で、長期投資では有効な戦略です。
例えば、100万円投資して10%の含み損が出ている場合(評価額90万円)、さらに50万円を追加投資すると、平均取得単価が下がります。当初の投資額100万円に対して90万円の評価額、追加投資50万円に対して50万円の評価額となり、合計150万円の投資に対して140万円の評価額となります。この場合、損失率は10%から約6.7%に縮小します。
追加投資のメリットは、市場が回復した時により大きなリターンを得られることです。下落局面で安く買い増しできるため、その後の上昇局面で利益が拡大します。
ただし、追加投資には注意点もあります。市場がさらに下落する可能性があり、損失が拡大するリスクがあること。追加投資できる余裕資金がない場合、無理に投資すると生活に支障が出る可能性があること。ウェルスナビの投資方針に合わない個別の判断で追加投資すると、分散投資の効果が薄れる可能性があることです。
追加投資を検討する際は、自分の資金状況と投資目的を再確認し、無理のない範囲で行うことが重要です。また、一度に大きな金額を追加投資するのではなく、毎月の自動積立を継続する方が、リスクを分散できて安全です。
損失を税務上で活用する方法
ウェルスナビで損失が発生した場合、税務上で損失を活用する方法があります。損益通算や繰越控除を利用することで、税金の還付を受けたり、将来の利益と相殺したりすることができます。
ただし、NISA口座で運用している場合は損益通算ができないため、注意が必要です。税務面での損失活用は、特定口座や一般口座で運用している場合に有効な戦略です。
損益通算とは、複数の証券口座で発生した利益と損失を相殺し、税金を調整する仕組みです。例えば、A証券で50万円の利益が出て、B証券(ウェルスナビ)で30万円の損失が出た場合、利益と損失を相殺して20万円の利益に対してのみ税金がかかります。
通常、株式や投資信託の利益には20.315%の税金がかかります。50万円の利益に対しては約10万円の税金が源泉徴収されますが、損益通算を行うと、実際の利益は20万円なので、約4万円の税金で済みます。差額の約6万円が還付されることになります。
損益通算を行うためには、確定申告が必要です。特定口座(源泉徴収あり)で運用している場合でも、損失を他の口座の利益と相殺するには確定申告が必要になります。
損益通算のメリットは、既に支払った税金の一部が還付されるため、実質的な損失を減らせることです。また、複数の証券口座を持っている場合、全体の税負担を最適化できます。
繰越控除とは、損失が発生した年に利益がなく損益通算できない場合、その損失を最大3年間繰り越して、将来の利益と相殺できる制度です。
例えば、2024年にウェルスナビで50万円の損失が確定した場合、その年に他の証券口座で利益がなければ損益通算できません。しかし、確定申告で繰越控除の手続きをしておけば、2025年、2026年、2027年のいずれかの年に利益が出た時に、その損失を相殺できます。
具体的には、2025年に他の証券口座で30万円の利益が出た場合、2024年の損失50万円のうち30万円を相殺し、利益をゼロにできます。残りの20万円の損失は2026年以降に繰り越せます。
繰越控除を利用するためには、損失が発生した年に確定申告を行い、その後も毎年連続して確定申告を行う必要があります。途中で確定申告を怠ると、繰越控除の権利が失効するため注意が必要です。
繰越控除のメリットは、損失を無駄にせず、将来の税負担を軽減できることです。特に、積極的に投資を行っている場合、損失と利益が年によって変動するため、繰越控除を活用することで長期的な税負担を最適化できます。
NISA口座で運用している場合、利益が非課税になる一方で、損失が発生しても損益通算や繰越控除ができません。これはNISA制度の重要な注意点です。
例えば、NISA口座で50万円の損失が出て、特定口座で50万円の利益が出た場合、特定口座の利益に対して約10万円の税金がかかります。通常の特定口座であれば損益通算で税金をゼロにできますが、NISA口座の損失は使えません。
また、NISA口座で損失が出た状態で売却すると、その損失は確定してしまい、二度と取り戻せません。NISA口座は「利益が出た時に非課税」というメリットがある一方で、「損失が出た時に税務上のメリットがない」というデメリットがあります。
そのため、NISA口座での運用は、長期的に利益が出る見込みが高い投資に限定することが推奨されます。短期的な売買や、損失が出やすいハイリスクな投資は、特定口座で行う方が税務上有利です。
ウェルスナビと他のロボアドバイザーを比較
ウェルスナビ以外にも、日本には複数のロボアドバイザーサービスがあります。手数料、運用実績、サービス内容を比較することで、自分に最適なサービスを選ぶことができます。
ここでは、主要なロボアドバイザーとウェルスナビを比較し、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
ロボアドバイザーの手数料は、長期的な運用成績に大きく影響します。各社の手数料を比較することで、コストパフォーマンスを評価できます。
| サービス名 | 手数料(年率・税込) | 最低投資額 | 特徴 |
| ウェルスナビ | 1.1% | 1万円 | 業界最大手、DeTAX機能あり |
| THEO+ docomo | 0.715〜1.1% | 1万円 | dポイントが貯まる、運用額に応じて手数料が下がる |
| 楽ラップ | 0.715% | 1万円 | 楽天証券が提供、低コスト |
| SUSTEN | 成果報酬型(利益の1/6〜1/9) | 10万円 | 利益が出た時のみ手数料、固定手数料なし |
| FOLIO ROBO PRO | 1.1% | 10万円 | AIによる積極運用 |
ウェルスナビの手数料1.1%は、業界標準的な水準です。THEO+ docomoは運用額が大きくなると手数料が下がるため、長期的にはコストを抑えられます。楽ラップは固定で0.715%と最も低コストです。
SUSTENは成果報酬型のため、利益が出ない限り手数料がかかりません。市場が低迷している時期にはコストを抑えられますが、利益が出た時の手数料は他社より高くなる可能性があります。
手数料だけで判断するのではなく、サービス内容や運用実績も含めて総合的に評価することが重要です。ウェルスナビのDeTAX機能は年率0.4%程度の節税効果があるため、実質的な手数料負担は0.7%程度になる可能性があります。
ロボアドバイザーの運用実績は、各社の投資戦略やポートフォリオ構成によって異なります。過去の実績を比較することで、将来のリターンを予測する参考になります。
ウェルスナビの過去5年間の運用実績は、リスク許容度5で年率約6〜8%程度です。THEO+ docomoも同様に年率6〜7%程度の実績があります。楽ラップは保守的な運用のため、年率4〜5%程度です。
FOLIO ROBO PROはAIを活用した積極運用で、年率10%以上のリターンを記録した年もありますが、その分リスクも高くなります。SUSTENは成果報酬型のため、積極的な運用を行い、年率7〜9%程度の実績があります。
ただし、過去の運用実績は将来のリターンを保証するものではありません。市場環境によって運用成績は大きく変動するため、長期的な視点で評価することが重要です。
また、運用実績を比較する際は、リスク許容度やポートフォリオ構成が同じ条件で比較する必要があります。リスクの高いポートフォリオは高いリターンが期待できますが、その分損失リスクも大きくなります。
ウェルスナビは多くの投資家に適したサービスですが、全ての人に最適というわけではありません。自分の投資目的やスタイルに合っているかを確認することが重要です。
ウェルスナビは「長期・積立・分散投資を自動で行いたい人」に最適なサービスです。手数料を払ってでも、運用の手間を省きたい人には向いていますが、コストを最小化したい上級者には向いていません。
ウェルスナビを解約・乗り換えるタイミング
ウェルスナビを解約したり、他のサービスに乗り換えたりするタイミングは、投資目的やライフステージの変化によって異なります。適切なタイミングで判断することで、資産を守りながら次のステップに進むことができます。
ここでは、解約を検討すべきケースと、解約手続きの方法、自分でETFを買う場合との比較を解説します。
ウェルスナビを解約すべきかどうかは、以下の3つのケースに該当するかどうかで判断できます。
ウェルスナビで投資の基礎を学び、自分でETFを購入して運用できるようになった場合、手数料を節約するために自己運用に切り替えることが選択肢になります。自分で運用すれば、年率0.1〜0.3%程度のコストで済みます。
住宅購入、子供の教育費、老後資金など、まとまった資金が必要になった場合は、資産を現金化する必要があります。ただし、市場が下落している時期に解約すると損失が確定するため、できれば市場が回復するまで待つことが推奨されます。
市場の変動で大きな含み損を抱え、日常生活に支障が出るほど不安を感じている場合は、解約してリスクの低い運用方法に切り替えることも選択肢です。ただし、損失を確定させることになるため、慎重に判断する必要があります。
解約を検討する際は、以下の点も確認することが重要です。解約時に含み益がある場合、譲渡益税(20.315%)が課税されること。解約後に再度投資を始める場合、新たな口座開設や資金移動に時間がかかること。解約すると、それまでの運用実績やDeTAXの効果が失われることです。
ウェルスナビの解約手続きは比較的簡単で、オンラインで完結します。解約の流れは以下の通りです。
売却から約3営業日で現金化されます。
出金は通常2〜3営業日で完了します。
口座を残しておくことも可能です。
解約時の注意点は、売却のタイミングによって損益が確定することです。含み益がある場合は税金がかかり、含み損がある場合は損失が確定します。また、NISA口座で運用している場合、非課税枠を使い切ってしまうため、再度投資する際には新たな非課税枠が必要になります。
他のロボアドバイザーに乗り換える場合、ウェルスナビから直接資産を移管することはできません。一度現金化してから、新しいサービスに入金する必要があります。その際、売却と再購入のタイミングで市場が変動するリスクがあるため、注意が必要です。
ウェルスナビを解約して自分でETFを購入する場合、手数料を大幅に削減できますが、運用の手間が増えます。両者のメリット・デメリットを比較することで、自分に合った方法を選択できます。
| メリット | デメリット |
| ウェルスナビ ・自動でリバランスや税金最適化を行ってくれる ・少額から積立投資ができる(月1万円から) ・投資の知識がなくても始められる ・DeTAX機能で節税効果がある |
ウェルスナビ ・手数料が年率1.1%かかる ・自分で銘柄を選べない ・短期的な売買には向いていない |
| 自分でETFを買う ・手数料が年率0.1〜0.3%程度で済む ・自分で銘柄を選べる ・売買のタイミングを自由に決められる |
自分でETFを買う ・リバランスや税金管理を自分で行う必要がある ・投資の知識が必要 ・少額投資がしにくい(米国ETFは1株単位) ・為替手数料がかかる |
自分でETFを買う場合、ウェルスナビと同じようなポートフォリオを組むには、VTI(米国株式)、VEA(先進国株式)、VWO(新興国株式)、AGG(米国債券)、GLD(金)、IYR(不動産)などのETFを購入する必要があります。これらを適切な比率で保有し、定期的にリバランスすることで、ウェルスナビと同等の運用が可能です。
ただし、自分で運用する場合は、リバランスのタイミング判断、税金の計算、為替手数料の管理など、多くの手間がかかります。手数料を節約できる一方で、時間と労力がかかるため、自分のライフスタイルに合っているかを慎重に検討することが重要です。
ウェルスナビで「大損」する可能性は低いですが、ゼロではありません。リスク許容度5で運用している場合、過去の最大下落率は約25%程度です。つまり、100万円投資していた場合、一時的に75万円まで減少する可能性があります。
ただし、これは一時的な評価損であり、長期保有を続ければ回復する可能性が高いです。過去のデータを見ると、5年以上の長期運用では元本割れのリスクが大幅に低下します。大損を避けるためには、リスク許容度を適切に設定し、長期運用を前提に考えることが重要です。
元本割れから回復するまでの期間は、市場環境や下落の程度によって異なります。過去のデータを見ると、リーマンショック時には回復まで約5年かかりましたが、コロナショック時にはわずか数ヶ月で回復しました。
一般的には、10〜15%程度の下落であれば1〜2年以内に回復するケースが多いです。ただし、積立投資を継続している場合、下落局面で安く買い増しできるため、回復が早まる傾向があります。重要なのは、損切りせずに長期保有を続けることです。
損失が出ている時に追加投資することは、長期的には有効な戦略です。下落局面で安く買い増しできるため、平均取得単価が下がり、その後の回復局面で大きなリターンを得られます。
ただし、追加投資する際は、自分の資金状況を確認し、無理のない範囲で行うことが重要です。生活費や緊急予備資金を削って投資するのは避けるべきです。また、一度に大きな金額を追加投資するのではなく、毎月の自動積立を継続する方が、リスクを分散できて安全です。
ウェルスナビが破綻した場合でも、投資家の資産は保護されます。ウェルスナビは金融商品取引業者として登録されており、顧客の資産は分別管理されています。つまり、ウェルスナビの自己資産と顧客の資産は完全に分離されているため、会社が破綻しても顧客の資産には影響しません。
また、日本投資者保護基金に加入しているため、万が一分別管理が適切に行われていなかった場合でも、1人あたり1,000万円までの資産が保護されます。さらに、ウェルスナビは2024年に三菱UFJ銀行の傘下に入ったため、経営の安定性も高まっています。
手数料1.1%が高いかどうかは、提供されるサービス内容と比較して判断する必要があります。自分でETFを購入して運用する場合、年率0.1〜0.3%程度のコストで済むため、その点では高く感じるかもしれません。
しかし、ウェルスナビの手数料には、自動リバランス、税金最適化(DeTAX)、為替手数料、運用アドバイスなどのサービスが含まれています。特にDeTAX機能は年率0.4%程度の節税効果があるため、実質的な手数料負担は0.7%程度になる可能性があります。
投資初心者や、運用の手間を省きたい人にとっては、1.1%の手数料は妥当な水準と言えます。一方、投資経験が豊富で自分で運用できる人にとっては、高く感じるかもしれません。
ウェルスナビのポートフォリオは約60〜80%が外貨建て資産で構成されているため、為替リスクを完全に避けることはできません。ただし、為替リスクを軽減する方法はいくつかあります。
まず、リスク許容度を下げることで、外貨建て資産の比率を減らせます。リスク許容度1では外貨建て資産の比率が低くなるため、為替リスクが軽減されます。次に、長期運用を前提とすることで、為替相場の短期的な変動の影響を平準化できます。最後に、積立投資を継続することで、円高時には多く、円安時には少なく買うことができ、為替リスクを分散できます。
また、為替リスクは分散投資の一環として機能する側面もあります。円の価値が下がる局面では外貨建て資産が相対的に価値を保つため、資産全体のリスクを分散する効果があります。
ウェルスナビで損失が出る原因は、市場の変動、為替リスク、手数料の3つが主な要因です。特に運用開始直後は、投資タイミングや短期的な市場の下落により元本割れしやすい傾向があります。しかし、これは長期投資では正常なプロセスであり、冷静に対処することが重要です。
損失を最小化するためには、長期運用を前提とし、積立投資でリスクを分散し、適切なリスク許容度を設定することが有効です。また、相場が下がっても売却せず、長期保有を続けることで、市場の回復局面での利益を得られる可能性が高まります。
損失が発生した場合は、損益通算や繰越控除を活用することで、税務上のメリットを得ることができます。ただし、NISA口座では損益通算ができないため注意が必要です。他のロボアドバイザーとの比較や、自分でETFを買う方法も検討することで、より自分に合った運用方法を見つけることができます。
ウェルスナビは長期・積立・分散投資を自動で行いたい人に最適なサービスです。短期的な損益に一喜一憂せず、長期的な視点で資産形成を続けることが、成功への鍵となります。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくはウェルスナビ公式サイトでご確認いただくか、必要に応じてファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談ください。
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