ネット証券を複数持つデメリットとは?後悔しないための注意点と賢い管理術

ネット証券各社がテレビCMに力を入れる背景には、投資に対する社会的な関心の高まりがあります。2024年から始まった新NISAをきっかけに、これまで投資に縁がなかった層にもアプローチする動きが活発化しています。
では、各社のCMにはどのような狙いが込められているのでしょうか。CM戦略のポイントを解説します。
目次
ネット証券のCMが一貫して伝えようとしているのは、投資は決して難しくないというメッセージです。
多くの人にとって、株式投資や資産運用は「難しそう」「損をしそうで怖い」というイメージがつきまといます。証券会社はこうした心理的なハードルを取り除くために、親しみやすいタレントを起用したり、シンプルな言葉でサービスを説明したりする工夫を凝らしています。
たとえば、SBI証券の芦田愛菜さんを起用したCMでは「ゼロから始める」というコンセプトを前面に打ち出し、投資初心者でも一歩を踏み出しやすい雰囲気を演出しています。松井証券のCMでは、菜々緒さんがラップ調の音楽に乗せてサービスの特徴を伝えることで、投資に堅苦しさを感じている層へのアプローチを図っています。
CMを通じて「自分でもできそう」と感じてもらうこと。それが各社共通の狙いといえます。
以前のネット証券CMといえば、「業界最安水準」「手数料無料」といったコスト面のアピールが中心でした。しかし、最近のCMでは訴求ポイントに変化が見られます。
その背景には、主要ネット証券の多くが国内株式の売買手数料を無料化したことがあります。手数料の差別化が難しくなった結果、各社は「ブランドイメージ」や「使いやすさ」「安心感」といった情緒的な価値を伝える方向にシフトしています。
SBI証券は「投資のあしたを、ゼロからつくる。」というテーマで未来への希望を描き、GMOクリック証券は「Life is〜」シリーズで人生の様々なシーンと投資を重ね合わせた世界観を展開してきました。こうした演出は、単なるサービス紹介を超えて、視聴者の心に残るブランディングを意識したものです。
手数料競争が一段落した今、CMは「この会社なら信頼できそう」という印象を形成する役割を担っています。
2024年1月に新NISAがスタートして以降、ネット証券各社のテレビCM出稿量は大幅に増加しました。
新NISAでは年間投資枠が最大360万円に拡大し、非課税期間が無期限になるなど、制度が大きく拡充されました。政府も「貯蓄から投資へ」の流れを推進しており、NISA口座数を現在の約1,700万から5年で3,400万に倍増させる目標を掲げています。
証券会社にとって、この動きは大きなビジネスチャンスです。投資経験のない層を取り込むために、テレビCMという広範なリーチを持つメディアへの投資を強化する判断は自然な流れといえます。
実際に、SBI証券や楽天証券をはじめとする大手ネット証券では、2024年以降に口座開設数が急増しています。CMによる認知拡大と新NISAへの関心の高まりが相乗効果を生み出している状況です。
国内最大級のネット証券であるSBI証券は、2024年から俳優の芦田愛菜さんをブランドキャラクターに起用しています。国民的な知名度と好感度を持つ芦田さんの起用には、明確な戦略が見て取れます。
ここでは、SBI証券のCM内容と、その背景にある意図を解説します。
SBI証券は2023年9月から「ゼロ革命」と銘打ち、国内株式売買手数料などの無料化を実施してきました。芦田愛菜さんを起用したCMシリーズは、この「ゼロ」というコンセプトを軸に展開されています。
芦田さんの起用理由として考えられるのは、幅広い世代への訴求力です。子役時代から活躍し、現在は知性的なイメージも兼ね備える芦田さんは、投資に不安を感じる初心者層にも親しみやすい印象を与えます。
また、清潔感のあるイメージは「信頼できる証券会社」というメッセージとも合致しています。SBI証券は2025年3月時点で口座数1,300万を超える業界最大手であり、その存在感にふさわしいキャスティングといえるでしょう。
SBI証券のCMシリーズ「FROM ZERO」篇では、青いドレスを身にまとった芦田愛菜さんが、すべての物事の始まりを表す「ゼロ」のシンボルを前に立つ姿が印象的です。
CMでは「ゼロから考える。全てをお客さま視点で。」というナレーションとともに、未来への希望に満ちた人々の姿が映し出されます。手数料がゼロになったことだけでなく、投資を「ゼロから始める」初心者への寄り添いが表現されています。
2025年3月からは第2弾CM「展開」篇の放送が開始されました。こちらでも芦田さんが「ゼロ」の中に映る様々な人々を見つめ、新しい時代への期待を抱く様子が描かれています。コーポレートカラーの青を基調とした映像美も特徴で、金融機関らしい信頼感と先進性が同居する演出となっています。
SBI証券はこれまでにも様々なタレントや著名人をCMに起用してきた歴史があります。
近年では、芦田愛菜さん以前にも複数のCMキャンペーンが展開されており、サービス内容や時代に応じたキャスティングが行われてきました。現在の芦田さんの起用は、業界トップの座を確固たるものにする中で、より幅広い層への認知拡大を意図したものと考えられます。
なお、SBIグループ全体ではSBI損保のCMにも芦田さんが出演しており、グループ横断でのブランディング効果も狙っているようです。
楽天証券は口座数1,200万を超える業界第2位のネット証券です。楽天グループの強みを活かした「楽天経済圏」との連携を前面に打ち出したプロモーション戦略が特徴です。
楽天証券のCM戦略と、その独自のアプローチについて解説します。
楽天証券のプロモーションは、単体のサービス訴求よりも「楽天経済圏」全体でのメリットを伝えることに重点を置いています。
楽天市場、楽天カード、楽天銀行、楽天モバイルなど、グループ各社のサービスと連携することで、日常生活のあらゆる場面で楽天ポイントが貯まり、それを投資に回せるという仕組みが大きな強みです。
CMでは「ポイント投資」や「クレカ積立」といったキーワードが登場し、すでに楽天サービスを利用しているユーザーにとっての追加メリットを訴求しています。新規顧客の獲得だけでなく、既存の楽天ユーザーを証券サービスに誘導する狙いが明確です。
楽天証券のCMやプロモーションでは、ポイント還元が繰り返し強調されます。これは同社の戦略的な立ち位置を反映しています。
楽天カードでの投信積立ではポイントが還元され、さらに楽天キャッシュとの併用や楽天市場でのポイント倍率アップ(SPU)など、複合的なメリットが用意されています。こうした仕組みは、投資そのものに関心が薄い層でも「ポイントがお得」という入口から興味を持ってもらいやすいという利点があります。
手数料競争が行き着いた先で、ポイント還元という差別化ポイントは、楽天証券の重要な武器となっています。
楽天証券のプロモーション戦略で特徴的なのは、テレビCMで認知を獲得した後、オンラインセミナーやYouTubeコンテンツで詳しい情報を提供する「ダブルファネル」構造です。
自社の経済研究所に所属するアナリストを「顔の見える専門家」として前面に出しつつ、外部の人気投資YouTuberをセミナーに招聘するなど、権威性と親近感の両立を図っています。
こうしたアプローチにより、CMで「興味を持つ」段階から、セミナーやコンテンツで「理解を深める」段階、そして口座開設という「行動」へと、スムーズな導線が作られています。
老舗ネット証券の松井証券は、2024年12月から女優・菜々緒さんを新イメージキャラクターに起用し、斬新なCMを展開しています。ラップ調の音楽と菜々緒さんのダンスが印象的なCMは、SNSでも話題を呼んでいます。
2024年12月26日から放映が始まった「ラップでMATSUI」篇は、菜々緒さんがラップの音楽に合わせて松井証券のサービスを紹介するという、これまでの証券会社CMにはなかった斬新な内容です。
CMでは数秒単位でリズムが変わるラップ音楽に合わせ、菜々緒さんがテンポよくサービスの特徴を伝えていきます。従来の「堅い」イメージが強い証券会社のCMの常識を覆す演出で、若年層を中心に注目を集めています。
菜々緒さんは撮影の合間にも「投資をまじめに、おもしろく。」というフレーズを使って会話するなど、CMのメッセージを体現するようなプロ意識を見せたといいます。
「ラップでMATSUI」篇で使用されている楽曲は、CM用にオリジナルで制作されたものです。
軽快なビートに乗せて松井証券のサービス内容を伝える歌詞が特徴で、視聴者の記憶に残りやすい構成になっています。証券会社のCM曲としては珍しいラップというジャンル選択も、話題性を意識したものといえるでしょう。
CMは15秒版と30秒版があり、30秒版ではより詳しいサービス説明が盛り込まれています。松井証券の公式YouTubeチャンネルでは、CMのメイキング映像も公開されており、撮影の裏側を見ることができます。
松井証券のブランドメッセージ「投資をまじめに、おもしろく。」は、同社の企業姿勢を端的に表しています。
投資には真剣に向き合いながらも、それを楽しめるものにしたいという思いが込められています。菜々緒さんのラップCMは、まさにこのメッセージを体現した演出といえるでしょう。
松井証券は1918年創業の老舗でありながら、ネット証券のパイオニアとして革新的なサービスを次々と導入してきた歴史があります。伝統と革新のバランスを取りながら、投資をより身近なものにしていこうという意志が、このCMには反映されています。
GMOクリック証券は2015年から約7年にわたり、女優の新垣結衣さんを起用したCMシリーズ「Life is〜」を展開してきました。映像美にこだわった独自の世界観で、証券会社CMの中でも異彩を放つ存在でした。
GMOクリック証券のCMシリーズ「Life is〜」は、「人生とは何か?」「自分とは誰か?」という問いへの答えを探し求める新垣結衣さんの姿を描いた、哲学的な内容が特徴でした。
2015年8月から放映された「Life is Drama」篇や「Life is Art」篇では、新垣さんが様々なシチュエーションで多様な表情を見せ、視聴者の心に残る演出が施されていました。単なる商品紹介ではなく、人生と向き合う姿勢を描くことで、ブランドイメージの構築に成功しています。
このシリーズは2022年に「New Life is… The Movie」篇で完結を迎えました。7年にわたる長期シリーズとして、証券会社CMの中でも類を見ない存在感を示しました。
GMOクリック証券のCMは「Life is〜」というコンセプトのもと、様々なテーマで展開されてきました。
「Life is a Revolution.」篇では船上を歩く新垣さんの堂々とした姿が「現代のジャンヌ・ダルク」と評され話題に。「Life is Friendship.」篇では友人とキャンプに出かける台本なし・演技なしのドキュメンタリー形式が採用されるなど、毎回新しい試みが盛り込まれていました。
シリーズを通じて一貫していたのは、「挑戦」というメッセージです。視聴者の想像を超える演出に挑み続けることで、「まだ見たことのない新垣結衣」を提示し続けたのです。
GMOクリック証券のCMは、映像の美しさでも高い評価を受けていました。
抽象的で叙情的な映像表現は、通常の証券会社CMとは一線を画すものでした。商品説明を最小限に抑え、ブランドイメージの構築に集中するという「広告をしない究極のブランド広告」というアプローチが採用されていました。
2025年10月からは新たに佐々木希さんとスギちゃんを起用した新CM「株式手数料ゼロゼーロ」篇の放映が開始されています。2025年9月からの株式・投資信託の取引手数料完全無料化を受けて、より直接的なサービス訴求へとCM戦略を転換したものと見られます。
主要ネット証券以外にも、様々な証券会社がCMやプロモーションを展開しています。それぞれの特色あるアプローチを紹介します。
auカブコム証券は2025年2月に「三菱UFJ eスマート証券」へと社名を変更しました。三菱UFJ銀行の100%子会社となり、MUFGグループの中核ネット証券としての位置づけが明確になっています。
プロモーションでは、au経済圏との連携によるポイント還元の高さを訴求しています。au PAYゴールドカードとNISA口座の組み合わせで最大3.0%という業界最高水準の還元率は、同社の大きな差別化ポイントです。
通信キャリアと銀行グループという二つの強力な顧客基盤を持つ同社は、それぞれの既存ユーザーに向けた実利訴求型のコミュニケーションを展開しています。
マネックス証券は米国株投資に強みを持つネット証券として知られています。
2024年12月頃からは、THE BLUE HEARTSの名曲「TRAIN-TRAIN」の替え歌を使用したCMを展開しています。NISAの訴求を目的としたこのCMは、誰もが知る楽曲を活用することで認知獲得を図る戦略が見て取れます。
同社は口座数約271万と大手には及ばないものの、米国株の取扱銘柄数の豊富さや独自の注文機能など、特定層に刺さる差別化を追求しています。CMにおいても、幅広い層への訴求と専門性の訴求をバランスよく組み合わせたアプローチが特徴です。
岡三証券グループは「人生貢献。」をテーマにしたCMシリーズを展開しています。
創業100周年を迎えた同グループは、長い歴史の中で培ってきた信頼と、これからの時代に向けた姿勢を表現したCMを制作しています。過去には稲村亜美さんを岡三オンライン証券のCMに起用するなど、話題性のあるキャスティングも行ってきました。
対面証券とネット証券の両方を展開する同グループならではの、顧客に寄り添う姿勢がCMにも表れています。
moomoo証券は2022年に日本でサービスを開始した比較的新しいネット証券です。アジアではシンガポールや香港市場でトップシェアを獲得している実績を持ちます。
同社は俳優の松重豊さんをブランドアンバサダーに起用し、「結果主義。」をキャンペーンコンセプトに掲げています。東京都内の主要駅や丸の内エリアでの屋外広告、タクシー広告など、多角的なプロモーションを展開しています。
高機能な投資アプリと学習コンテンツの充実を強みとしており、2025年の事業展開では米国株サービスのさらなる拡充を目指しています。新興勢力ならではの攻めのマーケティングが特徴的です。
ネット証券各社がどのようなタレントを起用しているのか、一覧で整理します。CMで見かけて「この人誰だろう」と思った方は、ぜひ確認してみてください。
ネット証券CMでは、女優やタレントが多く起用されています。
SBI証券では芦田愛菜さんがブランドキャラクターを務めています。松井証券は菜々緒さんを2024年12月から起用しています。GMOクリック証券では長らく新垣結衣さんがCMに出演していましたが、2025年10月からは佐々木希さんが新たに起用されています。
楽天カードのCMには玉城ティナさんが出演し、楽天証券との連携メリットを訴求しています。また、大和コネクト証券ではインフルエンサーの景井ひなさんがCMに登場するなど、各社が異なるターゲット層に向けたキャスティングを行っています。
男性タレントの起用も増えてきています。
moomoo証券では俳優の松重豊さんがブランドアンバサダーを務めています。落ち着いた雰囲気と確かな演技力で、「結果主義。」というメッセージを体現しています。
GMOクリック証券の新CM「株式手数料ゼロゼーロ」篇では、お笑い芸人のスギちゃんが佐々木希さんとともに出演しています。コミカルな演出で手数料無料化をアピールする内容となっています。
楽天カードでは長年にわたり川平慈英さんが「楽天カードマン」として出演しており、楽天証券のサービスとの連動もあることから、間接的に証券サービスの認知にも貢献しています。
証券会社がCMタレントを選ぶ際には、いくつかの基準があると考えられます。
まず重視されるのは「信頼感」です。金融商品を扱う企業として、視聴者に安心感を与えられるイメージを持つタレントが好まれます。芦田愛菜さんや松重豊さんの起用は、この点を意識したものでしょう。
次に「親しみやすさ」です。投資に対するハードルを下げるためには、幅広い層から好感を持たれるタレントが適しています。菜々緒さんや佐々木希さんなど、様々な世代から支持される女優が選ばれる傾向があります。
また、「話題性」も重要な要素です。SNSで拡散されやすい演出や意外性のあるキャスティングは、広告効果を高めます。スギちゃんの起用や、ラップ調のCMなどは、この観点からの選択といえるでしょう。
CMで流れる音楽が気になって検索した経験はありませんか。印象に残るCM曲について情報をまとめました。
松井証券「ラップでMATSUI」篇で使用されているラップ楽曲は、CM用に制作されたオリジナル曲です。
軽快なビートに乗せて松井証券のサービス特徴を歌い上げる内容で、菜々緒さんのダンスとともに記憶に残る仕上がりになっています。具体的なアーティスト名は公表されていませんが、プロのトラックメイカーやラッパーが制作に関わっているものと推測されます。
証券会社のCMでラップを採用するという斬新なアプローチは、若年層への訴求を意識したものと考えられます。
SBI証券のCM「FROM ZERO」シリーズでは、壮大で希望に満ちたオーケストラ調のBGMが使用されています。
「ゼロから始まる」というテーマに合わせ、静かな立ち上がりから次第に盛り上がっていく楽曲構成が特徴です。CMの世界観を支える重要な要素として、映像美と相まって印象的な仕上がりになっています。
芦田愛菜さんの凛とした雰囲気と、楽曲の持つ希望感が調和し、投資を始めることへのポジティブなイメージを醸成しています。
GMOクリック証券の「Life is〜」シリーズでは、各篇ごとに印象的な楽曲が使用されてきました。
「Life is a Revolution.」篇ではThe Birthdayの「星降る夜に」が起用されるなど、アーティスト楽曲の使用も行われていました。映像の世界観に合った楽曲選定により、CMとしての完成度を高めていたのが特徴です。
叙情的な映像表現と楽曲が一体となり、単なる広告を超えたショートフィルムのような作品性を持っていました。7年にわたるシリーズの中で、様々なジャンルの楽曲が使用されてきたことも、CMへの関心を維持する要因となっていました。
CMで好印象を持った証券会社でも、実際のサービス内容を確認することが大切です。ここでは、CM視聴後に確認すべきポイントを解説します。
「手数料無料」を謳うCMが増えていますが、適用条件を確認することが重要です。
多くの場合、無料の対象となるのは国内株式の現物取引や信用取引など、特定の取引に限られています。米国株式の取引や為替手数料、投資信託の信託報酬などは別途かかることが一般的です。
また、無料化の条件として電子交付サービスへの登録が必要な場合もあります。CMで「無料」と聞いて申し込む前に、公式サイトで詳細な条件を確認しましょう。
SBI証券の「ゼロ革命」では、国内株式の売買手数料が無料となっています。適用には電子交付サービスの登録が必要ですが、25歳以下は無条件で無料です。
NISAでは国内株式に加え、米国株式や一部の海外ETF(米国・中国・韓国・シンガポール)の買付手数料も無料となります。
ただし、投資信託の信託報酬は商品ごとに異なります。また、特定のサービスや取引形態によっては手数料が発生する場合もあるため、取引前に確認が必要です。
楽天証券では「ゼロコース」を選択することで、国内株式の売買手数料が無料になります。
米国株式の手数料は0.495%(上限22ドル)ですが、為替手数料は円貨決済でリアルタイム0銭という優位性があります。楽天ポイントを使った投資も可能で、ポイント投資は手数料面でも有利に働きます。
楽天経済圏との連携によるポイント還元を含めた総合的なコストで比較することが、楽天証券を評価する際のポイントです。
松井証券は「ボックスレート」という独自の手数料体系を採用しています。
1日の約定代金合計が50万円までは手数料無料です。50万円を超えると1,100円(税込)となり、100万円までは同額、以降は100万円ごとに1,100円が加算される仕組みです。
26歳以上のユーザーにとっては、1日の取引額が50万円を超えるかどうかが手数料の分かれ目となります。自分の取引スタイルに合った証券会社を選ぶことが重要です。
各社のポイント還元制度は、利用する経済圏によって大きく異なります。
SBI証券はVポイント(三井住友カード)との連携で、クレカ積立の還元率が最大5%になります。楽天証券は楽天ポイント、三菱UFJ eスマート証券はPontaポイントとの連携が強みです。
どのポイントを普段から貯めているかによって、最もお得な証券会社は変わってきます。日常生活で使うサービスとの親和性を考慮して選ぶことで、ポイント還元のメリットを最大化できます。
スマートフォンで取引する機会が増えた現在、アプリの使いやすさは証券会社選びの重要な要素です。
各社とも投資初心者向けのシンプルなアプリから、上級者向けの高機能アプリまで複数のツールを用意しています。SBI証券の「HYPER SBI 2」、楽天証券の「iSPEED」、moomoo証券のアプリなど、それぞれに特徴があります。
CMで気になった証券会社があれば、まず口座開設前にアプリのデモ版や画面イメージを確認してみることをおすすめします。実際に使いやすいと感じるかどうかは、長く投資を続ける上で重要なポイントです。
CMをきっかけに証券口座の開設を検討する際、どのような点に注意すべきでしょうか。後悔しない証券会社選びのポイントを解説します。
証券会社を選ぶ際には、以下の5つのポイントを確認しましょう。
1つ目は「手数料体系」です。売買手数料だけでなく、為替手数料や信託報酬など、自分が利用する取引に関わる費用をトータルで確認します。
2つ目は「取扱商品」です。投資信託の取扱本数、米国株式の銘柄数、IPOの取扱実績など、自分の投資スタイルに合った商品ラインナップがあるかを確認します。
3つ目は「ポイント還元」です。日常使いのクレジットカードやポイントサービスとの連携状況を確認し、効率的にポイントが貯まる組み合わせを選びます。
4つ目は「ツール・アプリの使いやすさ」です。スマホアプリの操作性、情報提供の充実度、分析ツールの機能などを確認します。
5つ目は「サポート体制」です。電話やチャットでの問い合わせ対応、セミナーやコンテンツの充実度など、困ったときに頼れるかどうかを確認します。
投資初心者にとって重要なのは、「始めやすさ」と「続けやすさ」です。
口座数や取扱商品の多さでいえば、SBI証券や楽天証券が業界をリードしています。SBI証券は商品の網羅性が高く、楽天証券は楽天ポイントとの連携が魅力です。
サポート体制を重視するなら、松井証券のNISA専用サポートダイヤルなど、初心者向けのサービスが充実した証券会社も選択肢になります。
ただし、「おすすめ」は人によって異なります。普段使う経済圏、投資したい商品、重視するポイントによって最適な選択は変わります。複数の証券会社を比較した上で、自分に合った会社を選ぶことが大切です。
CMでは投資の魅力が強調されますが、投資には必ずリスクが伴います。
株式や投資信託は元本保証がなく、市場の変動によって損失が生じる可能性があります。特に短期間で大きな利益を狙う取引ほど、損失のリスクも高まります。
証券会社のCMは顧客獲得を目的としているため、リスクに関する説明は限定的になりがちです。口座開設前には公式サイトで「重要事項説明書」や「契約締結前交付書面」を必ず確認し、リスクを理解した上で投資を始めましょう。
無理のない金額から始め、長期的な視点で資産形成に取り組むことが、投資で成果を出すための基本です。
証券会社のCMは、一般の消費財とは異なり、法律による厳格な規制の下で制作されています。視聴者としても知っておきたい広告ルールを解説します。
証券会社の広告は、金融商品取引法に基づく規制を受けています。
同法では、広告を行う際にリスク情報や手数料などの重要事項を表示することが義務付けられています。また、虚偽の情報や誇大な表現を禁止し、投資家を誤認させるような広告を規制しています。
日本証券業協会の自主規制規則でも、広告の審査体制や表示方法に関する詳細なルールが定められています。証券会社が広告を出稿する際には、社内のコンプライアンス部門による厳格な審査を経る必要があります。
(出典:金融商品取引法について – 金融庁)
テレビCMの画面下部に小さな文字で表示される注意書きを見たことがあるでしょうか。あれは法律で義務付けられた表示事項です。
金融商品取引法では、広告において元本損失や元本超過損のおそれがある旨、その原因となる指標、顧客が負担する手数料などを明示することが求められています。これらの表示は、有利な情報ばかりを強調してリスクを隠すことを防ぐための規制です。
ガイドラインでは、リスクに関する記述は広告内の最大文字と「著しく異ならない大きさ」で表示することが求められています。限られた放送時間の中でこれらの要件を満たすため、CMの最後に注意書きが高速で流れる形式が一般的になっています。
投資に関する広告で「必ず儲かる」「リスクなし」「元本保証」といった表現を見かけた場合は、要注意です。
これらの表現は金融商品取引法で禁止されている誇大広告に該当する可能性が高く、正規の証券会社がこのような表現を使うことはありません。もし見かけた場合は、詐欺的な投資勧誘である可能性を疑うべきです。
正規の証券会社のCMでは、サービスの利便性やコストの低さは訴求しても、投資の成果については断定的な表現を避けています。「投資には価格変動等によるリスクがあります」といった注意喚起が必ず含まれていることを確認しましょう。
CMで魅力的に見えるサービスでも、公式サイトでリスク説明をしっかり確認することが、自分の資産を守るための第一歩です。
ネット証券各社のCMは、新NISAをきっかけに出稿量が大幅に増加しています。芦田愛菜さん、菜々緒さん、新垣結衣さん、佐々木希さん、松重豊さんなど、人気タレントの起用が相次いでいます。
CMの傾向として、以前の「手数料の安さ」訴求から、「親しみやすさ」「信頼感」といったブランドイメージの構築へとシフトしていることが挙げられます。主要ネット証券の多くが国内株式の売買手数料を無料化した結果、コスト面での差別化が難しくなったことが背景にあります。
CMで証券会社に興味を持ったら、実際のサービス内容を公式サイトで確認することが大切です。手数料の適用条件、取扱商品のラインナップ、ポイント還元率、アプリの使いやすさ、サポート体制など、複数の観点から比較検討しましょう。
投資には価格変動等によるリスクがあり、元本を下回る可能性があります。CMの印象だけで判断せず、リスクについても十分に理解した上で、ご自身の判断と責任において投資を始めることが重要です。各社の公式サイトで契約締結前交付書面を確認してから口座開設を検討されることをおすすめします。
(出典:資産所得倍増プラン – 内閣官房)
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