電子定款とは?作り方やメリットを紹介

電子定款とは?作り方やメリットを紹介

「定款(ていかん)」とは、会社を設立する際にその会社の名称や事業内容、主となる事務所の所在地、代表者の氏名等、会社を経営していく上での基本的な規則を定めたものです。
定款は作成された後、公正証書役場(以下、公証役場と記載)に提出し、認証の手続きを受けなければならず、法人登記をする際は認証済みの定款が必要になります。
以前(平成19年3月末)まで定款作成は書面によって行う必要がありましたが、今ではオンライン化が進み、電子定款と言うPDFファイルによる定款認証申請が可能です。
今回はそんな電子定款について解説します。
実際に作成する方法や電子定款のメリットも解説していきます。

そもそも会社設立の流れについてまずは知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
会社設立の具体的な流れ|設立のための手続き・方法やメリット・デメリットについて解説

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電子定款とは?

電子定款とは、その名の通りで書面ではなくパソコンなどでワードファイルを使って作成し、PDFファイルにした定款のことを言います。
書面で作成する場合は、文書と言う扱いになり、印紙代が4万円かかりますが、電子定款は印紙税法上の文書には該当しないため、印紙代4万円が不要となります。
しかし、定款内容の作成や認証手続きには、時間もコストもかかるのが現状で、書面による定款の方にメリットがある場合もあります。

定款について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
定款とは?必要な理由・記載すべき項目・変更方法について解説

電子定款を作る前に必ず内容チェック!

電子定款を自分で作成する際には、ワードファイルに内容をまとめてPDFにして申請しますが、電子定款は一度認証手続きをしてしまうと、修正があった際に手間がかかります。
よって、認証手続きをする前に定款の内容を必ずチェックする必要があります。
最も確実な方法は、定款内容を作成した時点で一度公証役場に足を運んでチェックしてもらうことです。
飛び込みで行くのではなく事前に電話等で予約しておくとスムーズです。
実際に行けない場合にはファックスでも確認依頼ができます。
定款認証の申請には、株式会社の場合、5万円ほどの申請料が発生し、再申請時にも発生します。
無駄な経費を作らないためにも事前チェックをしっかりしましょう。

電子定款作成に準備が必要なものは?

電子定款を作る際に必要なものは、定款の内容をまとめたデータだけではありません。
まずPDFファイルを作成する際に、電子署名ができるソフトが必要です。
同様の機能があるソフトはいくつかありますが、「Adobe Acrobat」が有名です。
また、ICカードリーダライタやマイナンバーカード、電子証明書が必要になります。
必要なソフトや機器を購入するだけでかなりの費用が掛かりますので、印紙代の4万円と比較してどちらが良いか判断しましょう。

電子定款の作り方

定款の内容を確認してもらい、電子定款の作成に必要なものがそろったら、いよいよ電子定款を作成し、認証手続きに入ります。
まず、確認済みの定款を電子署名ができるPDFファイル作成ソフトでPDFに変換します。
電子署名をするには、市区町村の窓口で交付される電子証明書を取得する必要があります。
電子証明書の交付を受けるには、
1.電子証明書の申請書
2.マイナンバーカード(住基カードも可)
3.交付手数料(2,500円:証明有効期間3カ月)
が必要になります。
電子証明書はマイナンバーカードに保存されるため、慎重に扱いましょう。
次に、ICカードリーダライタを使ってマイナンバーカードに保存されている電子証明書を読み込みます。
カードリーダによっては読み込まないものがありますので、事前に購入する際は注意しましょう。
最後に法務省登記・供託オンライン申請システム上で無料ダウンロードできるPDF署名プラグインソフトを使って、保存している電子証明書を電子定款に差し込んだ後、電子定款を送信します。
電子署名については代表者一人の署名で有効となります。
電子定款を作成、認証手続きを経た後は、公証役場で電子定款を受け取る必要があります。
この際、事前に公証役場に訪問する日時を伝えておきましょう。

電子定款の受け取りには以下のものが必要になります。
・USBメモリ(電子定款を保存するため)
・身分証明書
・認証申請料5万円
・出資者全員の印鑑証明書
・電子定款の写し(2通)
・印鑑
電子定款の受け取りまで終えたら定款作成は完了です。

電子定款のメリットはある?

電子定款の一番のメリットは、印紙代の4万円を節約できることですので、必要なソフトや機材がそろっている方にはコスト面でのメリットがあると言えます。
また、時代の流れもペーパーレス化が進んでいますので、パソコン内で管理でき、オンライン申請ができる点はメリットがあります。
書面のように常に慎重に管理する必要はありません。
ただ、電子定款を作成するためのツールが全くそろっていない方については、正直あまりメリットがあるものとは言えません。
コストを考えても、作成するためのツールをそろえるのに、印紙代と同じ位のコストがかかってきますし、労力の面でも楽であるとは言えないでしょう。

定款作成は代行できる

ここまで電子定款作成の方法を解説しましたが、一般的な書面での作成時と比較して印紙代は掛かりませんが、専門ソフトや機材を新しくそろえる場合には、費用面でむしろ高くなってしまいます。
コストだけではなく、時間も労力もかかりますので、それが手間だと感じる方は、行政書士や司法書士などの専門家に代行してもらうのも一つの手段です。
「コストが高くなるのでは?」と心配する方もいますが、定款認証までであれば、報酬額も2万円から3万円までに設定している業者がほとんどです。
司法書士に依頼すれば、定款作成から認証、法人登記まで請け負ってくれますので、ワンストップでサポートしてくれます。
ソフトや機材の購入をお考えであれば、コストと手間を考えると依頼した方が確実で安く収まる可能性が高いです。
定款作成の代行を知らなかった方は、ぜひ、費用面と合わせて専門家への依頼を検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

今回は電子定款について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
オンラインでの申請ができ、印紙代がかからない点はメリットがあるように感じますが、現状のルールでは、書面での作成と比べて反って手間がかかる点も多く、大きなメリットは見られません。
とは言え、時代の流れで言うと、これから電子での申請が増えてくると予想されますので、それに伴い、これから現行の申請方法よりも簡素化される可能性もあります。
定款作成は会社の基本規則を定める大切なものです。
専門家への依頼も含めて、検討し、メリットが多い方を選ぶと良いでしょう。
最後に、公証役場の中には現状でも電子定款での申請ができないところがあります。
会社を設立する際は、管轄の公証役場に確認するようにしましょう。

著 者

SOICO株式会社
共同創業者&代表取締役CEO
茅原 淳一 (かやはら じゅんいち)

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。

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