野村DC外国株式インデックスファンドとは?特徴と運用実績

フィデリティ米国株式ファンドは、米国株式に投資するアクティブファンドとして人気を集めていますが、A~Fの6コース展開や信託報酬1.65%という手数料の高さから、どのコースを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
実は、このファンドは分配金の頻度と為替ヘッジの有無によって6つのコースに分かれており、それぞれ運用成績やリスクが異なります。
さらに、掲示板では「元本払戻金が出ている」「インデックスファンドより手数料が高い」といった声もあり、本当に投資すべきか判断に迷う方も少なくありません。
この記事では、フィデリティ米国株式ファンドの6コース全種の違いから運用実績、分配金の健全性、実際の評判まで、投資判断に必要な情報を網羅的に解説します。
最後まで読めば、あなたに最適なコースの選び方と、このファンドが本当に投資に値するかが明確になるでしょう。
目次
フィデリティ米国株式ファンドとは?
フィデリティ米国株式ファンドは、フィデリティ投信が運用する米国株式アクティブファンドです。主に米国を中心とした世界の株式市場に上場している企業に投資し、長期的な資産成長を目指します。
このファンドの最大の特徴は、プロの運用チームによる「ボトム・アップ・アプローチ」です。市場全体の動きではなく、個別企業の分析を重視し、将来有望な成長企業や割安な企業を厳選して投資します。
フィデリティ米国株式ファンドは、フィデリティ・米国株式マザーファンドを通じて運用されています。「ボトム・アップ・アプローチ」を重視した個別企業分析により、将来有望な成長企業や、ファンダメンタルズに対し株価が割安な企業へ投資を行います。
運用にあたっては、フィデリティの世界各地に展開する運用調査網を活用し、現地のアナリストによる企業調査結果を活かした運用を実施しています。分散投資を基本としつつ、S&P500指数を上回る運用成果を目標としています。
また、A~Fの6コースすべてに共通する運用方針として、原則として為替ヘッジなしコース(B・D・F)では為替ヘッジを行わず、為替ヘッジありコース(A・C・E)では対円での為替ヘッジを実施します。
購入時手数料は最大3.3%(税込)、実質信託報酬は年率1.65%となっています。購入時手数料は証券会社によって異なり、ネット証券では無料の場合もあります。
信託報酬1.65%は、運用管理費用として日々の純資産総額から差し引かれます。この手数料には、委託会社(フィデリティ投信)、受託会社(信託銀行)、販売会社(証券会社)への報酬が含まれています。
アクティブファンドとしては標準的な水準ですが、インデックスファンド(信託報酬0.1%前後)と比較すると高めです。この手数料差を上回るリターンが得られるかが、ファンド選択の重要なポイントになります。
基準価額は各コースによって異なりますが、2024年11月末時点でDコース(分配重視型・為替ヘッジなし)は約13,000円前後で推移しています。設定来の基準価額の推移は、米国株式市場の動向や為替相場の影響を受けて変動しています。
純資産総額は、ファンドの規模を示す指標です。規模が大きいほど、運用の安定性が高く、信託報酬の引き下げ余地もあると言えます。フィデリティ米国株式ファンドは、複数のコースを合計すると相応の規模を持つファンドとなっています。
基準価額は日々変動するため、購入前には必ず最新の情報を証券会社のウェブサイトや目論見書で確認することをおすすめします。
A~Fコース全6種の違い
フィデリティ米国株式ファンドは、投資家のニーズに応じてA~Fの6コースが用意されています。各コースは「為替ヘッジの有無」と「分配金の頻度」の組み合わせで構成されており、投資目的やリスク許容度に応じて選択できます。
コース選択を誤ると、想定外の為替リスクを負ったり、分配金の受取タイミングが自分のライフプランに合わなかったりする可能性があります。それぞれの特徴を理解し、自分に最適なコースを選びましょう。
為替ヘッジとは、外貨建て資産の為替変動リスクを軽減する手法です。為替ヘッジなしコース(B・D・F)は、円安時に為替差益が得られる一方、円高時には為替差損が発生します。
一方、為替ヘッジありコース(A・C・E)は、為替変動の影響を抑えることができますが、ヘッジコストが発生するため、そのコスト分だけリターンが低下します。近年の円安局面では、為替ヘッジなしコースの方が高いリターンを記録しています。
為替ヘッジの選択は、今後の為替見通しと自身のリスク許容度によって判断します。為替リスクを取りたくない方は為替ヘッジあり、為替差益も狙いたい方は為替ヘッジなしを選択するとよいでしょう。
分配金の頻度は、コースによって「年2回」「年4回」「毎月」の3パターンがあります。Aコース・Bコースは年2回、Cコース・Dコースは年4回、Eコース・Fコースは毎月決算型となっています。
毎月分配型(Eコース・Fコース)は、定期的な現金収入が得られるため、リタイア後の生活費補填に適しています。一方、年2回型(Aコース・Bコース)は、分配金を出す頻度が少ない分、複利効果を活かした資産成長が期待できます。
分配金を受け取ると、その都度税金が発生するため、長期的な資産形成を目指す場合は、分配頻度が少ないコースの方が税効率が高くなります。
6コースの基本情報を以下の表にまとめました。
| コース名 | 為替ヘッジ | 決算頻度 | 設定日 | 主な特徴 |
| Aコース | あり | 年2回 | 2018年5月22日 | 資産成長重視・為替リスク軽減 |
| Bコース | なし | 年2回 | 2018年5月22日 | 資産成長重視・為替差益狙い |
| Cコース | あり | 年4回 | 2018年5月22日 | 分配重視・為替リスク軽減 |
| Dコース | なし | 年4回 | 2018年5月22日 | 分配重視・為替差益狙い |
| Eコース | あり | 毎月 | 2020年8月6日 | 毎月分配・為替リスク軽減 |
| Fコース | なし | 毎月 | 2020年8月6日 | 毎月分配・為替差益狙い |
Dコース(分配重視型・為替ヘッジなし)の1年リターンは+21.43%となっており、円安の恩恵を受けて高いパフォーマンスを記録しています。一方、為替ヘッジありコースは、ヘッジコストの影響でリターンがやや低めになっています。
過去の実績を見ると、為替ヘッジなしコースの方が高リターンですが、これは円安局面が続いたためです。今後円高に転じた場合は、為替ヘッジありコースの方が有利になる可能性もあります。
コース選択の基本的な考え方は、「投資目的」と「リスク許容度」の2軸で判断することです。長期的な資産形成が目的なら、分配頻度が少なく複利効果を活かせるAコースまたはBコースがおすすめです。
一方、定期的な現金収入が必要な場合は、年4回分配のCコース・Dコース、または毎月分配のEコース・Fコースを選択します。特にリタイア後の生活費補填が目的なら、毎月分配型が適しています。
迷った場合は、最も人気のあるBコース(資産成長型・為替ヘッジなし)またはDコース(分配重視型・為替ヘッジなし)から始めるのも一つの選択肢です。
運用実績とリターン
フィデリティ米国株式ファンドの運用実績は、投資判断において最も重要な要素の一つです。アクティブファンドである以上、インデックスファンドや市場平均を上回るリターンを達成できているかが評価のポイントになります。
ここでは、過去3年・5年・10年の長期リターンと、基準価額の推移、そしてS&P500連動型ファンドとの比較を通じて、このファンドの実力を検証します。
フィデリティ米国株式ファンドDコースの運用実績を見ると、1年リターンは+21.43%、リスク(標準偏差)は20.34%、シャープレシオは1.03となっています。シャープレシオが1を超えているため、リスクに見合ったリターンが得られていると評価できます。
過去3年・5年の長期リターンについては、米国株式市場全体の好調さを反映して、プラスのリターンを記録しています。ただし、設定日が2018年5月のため、10年リターンのデータはまだ存在しません。
重要なのは、単年度のリターンだけでなく、長期的に安定したパフォーマンスを維持できているかです。市場の上昇局面だけでなく、下落局面でも損失を抑えられているかを確認しましょう。
基準価額は、ファンドの時価を表す指標です。設定来の基準価額の推移を見ると、2020年のコロナショックで一時的に下落したものの、その後の米国株式市場の回復により、基準価額も上昇傾向にあります。
特に2020年後半から2021年にかけては、米国のテクノロジー企業を中心に株価が大きく上昇し、ファンドの基準価額も連動して上昇しました。2022年には金利上昇による調整局面もありましたが、2023年以降は再び上昇基調となっています。
基準価額の変動は、組入銘柄の株価変動と為替相場の両方の影響を受けます。為替ヘッジなしコースの場合、円安局面では基準価額が上昇しやすく、円高局面では下落しやすい傾向があります。
アクティブファンドの評価において重要なのは、インデックスファンドと比較して優れたリターンを達成できているかです。フィデリティ米国株式ファンドは、S&P500指数をベンチマークとしています。
過去の実績を見ると、市場環境によってアウトパフォーム(市場平均を上回る)する時期とアンダーパフォーム(市場平均を下回る)する時期があります。長期的には、信託報酬の差(約1.5%)を上回るリターンを達成できるかが重要です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)などの低コストインデックスファンドと比較すると、信託報酬の差は年率約1.55%になります。この差を埋めるためには、年間1.55%以上のアウトパフォーマンスが必要です。
フィデリティ米国株式ファンドの分配金は、投資家にとって魅力的な要素の一つですが、同時に注意が必要なポイントでもあります。特に、分配金の一部が「元本払戻金(特別分配金)」である場合、実質的に自分の投資元本が戻ってきているだけという可能性があります。
ここでは、分配金の仕組みと健全性の見分け方、そして再投資と受取のどちらを選ぶべきかを詳しく解説します。
分配金利回りは、「年間分配金額÷基準価額」で計算されます。例えば(仮の計算例として)、基準価額が13,000円で、年間分配金が4,000円の場合、分配金利回りは約30.8%となります。
ただし、この利回りが高いからといって必ずしも良いファンドとは限りません。分配金は運用益から支払われるのが理想ですが、運用益が不足している場合は元本を取り崩して支払われることもあります。
分配金利回りを見る際は、「普通分配金」と「元本払戻金」の内訳を確認することが重要です。元本払戻金の比率が高い場合、実質的に自分の元本が減っている状態になります。
元本払戻金(特別分配金)とは、個別元本を下回る部分から支払われる分配金のことで、実質的に投資元本の一部返還に相当します。元本払戻金は非課税ですが、その分だけ個別元本が減少します。
例えば、個別元本が15,000円のファンドを保有していて、基準価額が13,000円の時に1,000円の分配金が支払われた場合、その1,000円は全額元本払戻金となります。この場合、個別元本は14,000円に減少します。
元本払戻金が続くと、基準価額と個別元本の両方が下がり続け、最終的には投資元本が大きく目減りする可能性があります。分配金を受け取っているつもりが、実は自分のお金を取り崩しているだけという状況になりかねません。
分配金の健全性を判断するには、以下の3つのポイントを確認しましょう。
分配金の受取方法には「受取型」と「再投資型」があります。長期的な資産形成を目指す場合は、再投資型を選ぶことで複利効果を最大化できます。再投資型では、分配金が自動的に同じファンドに再投資されるため、運用資産が増え続けます。
一方、リタイア後の生活費補填など、定期的な現金収入が必要な場合は受取型を選びます。ただし、分配金を受け取ると、その都度20.315%の税金が差し引かれるため、税効率は再投資型より低くなります。
NISA口座で保有している場合は、分配金が非課税となるため、受取型でも税金の心配はありません。ただし、NISA口座でも再投資型の方が複利効果を活かせるため、長期投資には有利です。
信託報酬1.65%は高い?
フィデリティ米国株式ファンドの信託報酬1.65%は、投資信託の中では高めの水準です。特に、近年人気の低コストインデックスファンド(信託報酬0.1%前後)と比較すると、その差は歴然としています。
しかし、アクティブファンドとインデックスファンドでは運用方針が異なるため、単純にコストだけで比較することはできません。ここでは、この信託報酬が妥当かどうかを多角的に検証します。
アクティブファンドは、プロの運用チームが個別銘柄を選定し、市場平均を上回るリターンを目指します。そのため、企業調査や銘柄選定にコストがかかり、信託報酬が高めに設定されています。
一方、インデックスファンドは、特定の指数(S&P500など)に連動するように機械的に運用されます。銘柄選定のコストがかからないため、信託報酬を低く抑えることができます。
アクティブファンドの信託報酬1.65%には、運用チームの人件費、企業調査費用、運用システムの維持費などが含まれています。これらのコストをかけて、市場平均を上回るリターンを達成できるかが、アクティブファンドの価値を決めます。
実質信託報酬1.65%の内訳は、委託会社(フィデリティ投信)、受託会社(信託銀行)、販売会社(証券会社)への報酬に分かれています。一般的には、委託会社への報酬が最も大きな割合を占めます。
信託報酬以外にも、監査報酬、売買委託手数料、組入資産の保管費用などの「その他の費用」が発生します。これらを含めた実質的なコストは、信託報酬よりもやや高くなる可能性があります。
投資家としては、信託報酬だけでなく、これらの隠れコストも含めた「実質コスト」を確認することが重要です。目論見書や運用報告書に記載されているので、必ず確認しましょう。
信託報酬1.65%が妥当かどうかは、最終的に「そのコストを上回るリターンが得られるか」で判断します。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬が約0.1%であることを考えると、年間1.55%以上のアウトパフォーマンスが必要です。
過去の実績を見ると、市場環境によってアウトパフォームする年とアンダーパフォームする年があります。長期的に安定してアウトパフォームできるかは、運用チームの実力と市場環境に左右されます。
投資家としては、過去3~5年の長期リターンを確認し、インデックスファンドと比較してどの程度のアウトパフォーマンスを達成しているかを検証することが重要です。もし長期的にアンダーパフォームしているなら、低コストのインデックスファンドへの乗り換えも検討すべきでしょう。
ポートフォリオの中身
フィデリティ米国株式ファンドがどのような企業に投資しているかを知ることは、ファンドのリスクとリターンの特性を理解する上で非常に重要です。組入銘柄とセクター配分を確認することで、このファンドがどのような投資戦略を採用しているかが見えてきます。
ここでは、組入上位銘柄、セクター別配分、そしてボトム・アップ運用の特徴について詳しく解説します。
フィデリティ米国株式ファンドの組入上位銘柄には、米国を代表する大型優良企業が並んでいます。具体的な銘柄名は月次レポートで確認できますが、一般的にはアップル、マイクロソフト、エヌビディア、メタ(旧フェイスブック)、アマゾンなどのテクノロジー企業が上位を占めています。
| 順位 | 銘柄名(例) | セクター | 組入比率の目安 |
| 1位 | テクノロジー大手A社 | 情報技術 | 5~8% |
| 2位 | テクノロジー大手B社 | 情報技術 | 4~7% |
| 3位 | 半導体大手C社 | 情報技術 | 3~6% |
| 4位 | SNS大手D社 | 通信サービス | 3~5% |
| 5位 | EC大手E社 | 一般消費財 | 2~5% |
これらの企業は、世界中で事業を展開し、安定した収益基盤を持つ優良企業です。ただし、上位銘柄への集中度が高い場合、特定企業の業績悪化がファンド全体のパフォーマンスに大きく影響する可能性があります。
組入銘柄は定期的に見直されるため、最新の情報は月次レポートや運用報告書で確認しましょう。
フィデリティ米国株式ファンドのセクター配分は、情報技術セクターの比率が高い傾向にあります。これは、米国株式市場において情報技術セクターの時価総額が大きく、また成長性が高いためです。
一般的なセクター配分の目安は、情報技術が30~40%、ヘルスケアが10~15%、金融が10~15%、一般消費財が10~15%、通信サービスが5~10%といった構成になっています。ただし、市場環境や運用方針によって変動します。
セクター配分を確認することで、ファンドがどの産業に重点を置いているかが分かります。特定セクターへの集中度が高い場合、そのセクターの業績がファンド全体のパフォーマンスを左右します。
「ボトム・アップ・アプローチ」を重視した個別企業分析により、将来有望な成長企業や、ファンダメンタルズに対し株価が割安な企業へ投資するのが、このファンドの特徴です。
ボトム・アップ運用では、マクロ経済や市場全体の動きよりも、個別企業の収益力、成長性、財務健全性などを重視します。フィデリティの世界各地のアナリストが企業訪問や財務分析を行い、投資価値の高い企業を発掘します。
この運用手法の利点は、市場平均に左右されず、優れた企業を厳選できることです。一方、銘柄選定が外れた場合は、市場平均を下回るリスクもあります。運用チームの実力が問われる運用手法と言えるでしょう。
掲示板の評判・口コミ
フィデリティ米国株式ファンドに対する実際の投資家の評判は、投資判断において貴重な情報源となります。Yahoo!ファイナンスの掲示板や投資家ブログには、保有者のリアルな声が多数投稿されています。
ここでは、ポジティブな評判とネガティブな評判の両方を紹介し、評判から見えるファンドの特徴を分析します。
ポジティブな評判として多く見られるのは、以下のような声です。
年4回の分配金を通じてキャッシュを得られるため投資の成果を実感しやすく、プロが選んだアメリカの優良企業に分散投資できる点が評価されています。特に、アップルやマイクロソフトなどの世界的企業に投資できることに魅力を感じる投資家が多いようです。
また、フィデリティという名門ブランドへの信頼感も、ポジティブな評判の一因となっています。70年以上の運用実績を持つフィデリティの運用力を評価する声も多く見られます。
一方、ネガティブな評判としては、以下のような指摘があります。
特に、信託報酬の高さと元本払戻金については、多くの投資家が懸念を示しています。「分配金をもらっているつもりが、自分の元本が減っているだけだった」という声も見られます。
また、2025年のトランプ政権による関税政策の影響で、米国株式市場が調整局面に入ったことから、含み損を抱える投資家も増えているようです。
掲示板の評判を総合すると、フィデリティ米国株式ファンドは「分配金による定期収入を重視する投資家」と「低コストを重視する投資家」で評価が大きく分かれるファンドと言えます。
分配金を重視する投資家からは好評価を得ていますが、長期的な資産形成を目指す投資家からは「コストが高すぎる」「インデックスファンドの方が良い」という声が多く見られます。
また、元本払戻金の問題については、多くの投資家が理解していないまま保有している可能性があります。分配金の健全性を定期的に確認し、元本払戻金の比率が高い場合は、コース変更や乗り換えを検討する必要があるでしょう。
掲示板の評判は参考になりますが、最終的な投資判断は自分の投資目的とリスク許容度に基づいて行うことが重要です。
リスクとデメリット
フィデリティ米国株式ファンドへの投資を検討する際は、メリットだけでなくリスクとデメリットも十分に理解しておく必要があります。投資信託は元本保証のない金融商品であり、様々なリスクが存在します。
ここでは、主要な4つのリスクについて詳しく解説します。
投資信託は元本保証のない金融商品です。株式市場の下落により、投資元本を下回る可能性があります。特に、短期間で大きく値下がりすることもあるため、余裕資金で投資することが重要です。
米国株式市場は過去に何度も大きな調整局面を経験しています。2020年のコロナショック、2022年の金利上昇局面では、基準価額が大きく下落しました。こうした局面でも冷静に対応できるよう、リスク許容度を事前に確認しておきましょう。
元本割れのリスクを軽減するには、長期投資と分散投資が有効です。短期的な値動きに一喜一憂せず、10年以上の長期視点で投資することをおすすめします。
為替ヘッジなしコース(B・D・F)では、為替変動の影響を直接受けます。円高になると、ドル建て資産の円換算価値が下落し、基準価額も下がります。逆に円安になると、基準価額は上昇します。
近年は円安傾向が続いており、為替ヘッジなしコースは恩恵を受けていますが、今後円高に転じた場合は、基準価額が大きく下落する可能性があります。為替リスクを取りたくない場合は、為替ヘッジありコース(A・C・E)を選択しましょう。
ただし、為替ヘッジにはコスト(一般的に年率1~2%程度)がかかるため、長期的には為替ヘッジなしの方が有利になる可能性もあります。自分のリスク許容度に応じて選択してください。
信託報酬1.65%は、長期投資において大きなコスト負担となります。例えば、100万円を10年間運用した場合、信託報酬だけで約16万円のコストがかかります(複利効果を考慮すると更に大きくなります)。
インデックスファンド(信託報酬0.1%)と比較すると、年間1.55%のコスト差があります。この差を埋めるためには、毎年1.55%以上のアウトパフォーマンスが必要です。過去の実績を見て、長期的にこのコスト差を埋められるかを慎重に判断しましょう。
購入時手数料が3.3%かかる場合は、更にコスト負担が大きくなります。ネット証券では購入時手数料が無料の場合もあるので、証券会社選びも重要です。
アクティブファンドは、運用チームの銘柄選定によってパフォーマンスが左右されます。優れた銘柄を選定できれば市場平均を上回るリターンが得られますが、銘柄選定が外れた場合は市場平均を下回るリスクもあります。
実際、多くのアクティブファンドは長期的にインデックスファンドに劣後するというデータもあります。フィデリティの運用力は高く評価されていますが、将来的にもアウトパフォームし続けられる保証はありません。
アクティブ運用のリスクを理解した上で、運用チームの実力と過去の実績を慎重に評価することが重要です。
NISA成長投資枠での活用法
フィデリティ米国株式ファンドは、NISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠で購入できます。NISAを活用することで、分配金や売却益が非課税となり、税制面で大きなメリットを享受できます。
ここでは、NISA成長投資枠での活用方法と、つみたて投資枠との使い分けについて解説します。
フィデリティ米国株式ファンドDコースは、NISA成長投資枠の対象となっています。成長投資枠では、年間240万円まで投資でき、非課税保有限度額は1,200万円(生涯)です。
成長投資枠では、個別株式や投資信託など幅広い商品に投資できます。ただし、毎月分配型の投資信託など、一部の商品は対象外となる場合があるため、購入前に必ず証券会社のウェブサイトで確認しましょう。
NISA口座で保有すれば、分配金や売却益が非課税となるため、通常の課税口座と比べて税制面で大きく有利です。特に、分配金を受け取る場合は、20.315%の税金がかからないため、手取り額が増えます。
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。つみたて投資枠は年間120万円まで、金融庁が認めた長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象です。
フィデリティ米国株式ファンドは、信託報酬が高いため、つみたて投資枠の対象にはなっていません。つみたて投資枠では、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)などの低コストインデックスファンドを選び、成長投資枠でフィデリティ米国株式ファンドを購入するという使い分けも可能です。
つみたて投資枠と成長投資枠は併用できるため、合計で年間360万円まで投資できます。自分の投資方針に応じて、両枠を効果的に活用しましょう。
NISA口座で購入する最大のメリットは、分配金と売却益が非課税になることです。通常の課税口座では、分配金や売却益に20.315%の税金がかかりますが、NISA口座ではこれがゼロになります。
例えば、年間40万円の分配金を受け取った場合、課税口座では約8万円の税金が差し引かれますが、NISA口座では40万円全額を受け取れます。長期的には、この税制メリットは非常に大きくなります。
また、NISA口座では売却益も非課税となるため、基準価額が上昇した時に売却しても税金がかかりません。ただし、NISA口座では損失が出ても損益通算ができないため、この点は注意が必要です。
NISA口座の非課税メリットを最大限活かすには、長期保有を前提とした投資計画を立てることが重要です。
フィデリティ米国株式ファンドにおすすめの証券会社3社
フィデリティ米国株式ファンドを購入する際は、証券会社選びも重要なポイントです。購入時手数料や取扱本数、ポイント還元などは証券会社によって異なります。
ここでは、フィデリティ米国株式ファンドの購入におすすめの証券会社3社を紹介します。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
SBI証券は、投資信託の取扱本数が約2,600本と業界トップクラスです。フィデリティ米国株式ファンドの全6コースを取り扱っており、購入時手数料は無料(ノーロード)です。
SBI証券の最大の特徴は、Vポイント、Pontaポイント、dポイントなど複数のポイントプログラムに対応していることです。投資信託の保有残高に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントは投資に再利用できます。
また、口座数は約1,500万口座と国内最大級で、取引ツールやサポート体制も充実しています。初心者から上級者まで幅広く利用されている証券会社です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天証券は、楽天経済圏を活用している方に特におすすめです。投資信託の保有残高に応じて楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントで投資信託を購入することもできます。
投資信託の取扱本数は約2,550本と豊富で、フィデリティ米国株式ファンドも購入時手数料無料で購入できます。楽天カードでの積立投資も可能で、積立額に応じてポイントが還元されます。
口座数は約1,200万口座で、SBI証券に次ぐ規模です。取引ツール「MARKET SPEED II」は高機能で、情報収集にも便利です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約2,700,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【取引毎手数料コース】
|
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上) |
| 投資信託 | 約1,800本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点) |
| 取引ツール(PC) | マネックストレーダー / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認) |
| ポイント投資・付与 | マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | オンライン申込で最短翌営業日 |
マネックス証券は、米国株投資に強みを持つ証券会社です。米国株の取扱銘柄数は約5,000銘柄と業界トップクラスで、米国株投資を本格的に行いたい方に適しています。
投資信託の取扱本数は約1,800本で、フィデリティ米国株式ファンドも購入時手数料無料で購入できます。マネックスポイントが貯まり、dポイントへの交換も可能です。
口座数は約270万口座とやや少なめですが、米国株投資の情報提供やツールが充実しており、米国株に特化した投資を行う方には最適な証券会社です。
よくある質問(Q&A)
フィデリティ米国株式ファンドについて、投資家からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
購入時手数料は、証券会社によって異なります。最大で3.3%(税込)ですが、SBI証券、楽天証券、マネックス証券などのネット証券では無料(ノーロード)で購入できます。購入時手数料がかかる場合、100万円の投資で3.3万円のコストが発生するため、無料の証券会社を選ぶことをおすすめします。
分配金の支払時期は、コースによって異なります。Aコース・Bコースは年2回(5月・11月)、Cコース・Dコースは年4回(2月・5月・8月・11月)、Eコース・Fコースは毎月決算です。分配金は決算日から起算して5営業日目に支払われます。ただし、運用状況によっては分配金が支払われない場合もあります。
Aコース、Bコース、Cコースへのスイッチングが可能です(NISA口座についてはスイッチングのお取扱いはありません)。スイッチングとは、保有しているファンドを売却し、別のコースを購入する手続きです。通常の売却・購入よりも手続きが簡便ですが、課税口座では税金が発生する可能性があります。NISA口座ではスイッチングができないため、コース変更したい場合は一度売却して新たに購入する必要があります。
解約のタイミングは、個人の投資目的やライフプランによって異なります。一般的には、目標金額に達した時、まとまった資金が必要になった時、または他の投資先に乗り換えたい時が解約のタイミングです。短期的な値動きで解約するのではなく、長期的な視点で判断することが重要です。また、基準価額が大きく下落している時に慌てて解約すると、損失が確定してしまうため注意が必要です。
2025年のトランプ政権による関税政策は、米国株式市場に一時的な調整をもたらしました。しかし、長期的には米国経済の成長が期待されており、減税や規制緩和などの政策が株価を押し上げる可能性もあります。短期的な政治リスクに過度に反応せず、長期的な視点で投資を続けることが重要です。
インデックスファンドへの乗り換えを検討する際は、信託報酬の差とリターンの差を比較しましょう。フィデリティ米国株式ファンドが長期的にインデックスファンドを上回るリターンを達成していれば、高い信託報酬も正当化されます。逆に、長期的にアンダーパフォームしている場合は、低コストのインデックスファンドへの乗り換えを検討する価値があります。ただし、乗り換えには税金や手数料がかかる場合があるため、総合的に判断してください。
特定口座(源泉徴収あり)で保有している場合は、証券会社が自動的に税金を計算・納税してくれるため、原則として確定申告は不要です。ただし、複数の証券会社で取引している場合や、損失を繰り越したい場合は、確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性があります。NISA口座で保有している場合は、分配金も売却益も非課税のため、確定申告は不要です。
フィデリティ米国株式ファンドは、米国株式に投資するアクティブファンドとして、プロの運用チームによる銘柄選定と定期的な分配金が魅力の投資信託です。A~Fの6コースから、為替ヘッジの有無と分配金の頻度を選択でき、自分の投資目的に合わせたカスタマイズが可能です。
信託報酬1.65%はアクティブファンドとして標準的な水準ですが、インデックスファンドと比較すると高めです。このコスト差を上回るリターンが長期的に得られるかが、投資判断の重要なポイントとなります。過去の運用実績を確認し、S&P500連動型ファンドと比較して優位性があるかを慎重に評価しましょう。
分配金については、元本払戻金の比率を定期的に確認することが重要です。元本払戻金が多い場合は、実質的に自分の元本が減っている状態となるため、コース変更や他のファンドへの乗り換えも検討する必要があります。長期的な資産形成を目指すなら、分配頻度が少なく複利効果を活かせるコースを選ぶことをおすすめします。
NISA成長投資枠を活用すれば、分配金と売却益が非課税となり、税制面で大きなメリットを享受できます。購入時手数料が無料のネット証券を選ぶことで、コストをさらに抑えることができるでしょう。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。最終的な投資判断は、目論見書や運用報告書を確認の上、ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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