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子供の教育資金をどう準備すればいいか、悩んでいませんか。
2024年から始まった新NISA制度で、効率的に教育費を貯められるのではと考える方も多いでしょう。
結論から言うと、新NISAは18歳未満の子供名義では開設できません。
しかし、親名義の新NISA口座を活用すれば、非課税で教育資金を準備できます。
この記事では、新NISAを使った教育資金の準備方法を、子供の年齢別に具体的に解説します。
読み終える頃には、あなたのお子さんに最適な資産形成プランが見えてくるはずです。
目次
新NISAは子供名義で利用できる?
新NISA制度について、まず押さえておきたいのが「誰が利用できるのか」という点です。子供の教育資金準備を考える上で、この基本ルールを正確に理解しておく必要があります。
新NISAを利用できるのは、日本に住む18歳以上の方に限られます。つまり、18歳未満の子供名義で新NISA口座を開設することはできません。この年齢制限は、金融商品取引法に基づいて定められています。
新NISA制度では、つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の2つの枠が用意されており、非課税保有限度額は1,800万円です。非課税期間は無期限となっており、長期的な資産形成に適した制度設計になっています。
18歳未満のお子さんがいる家庭では、子供名義での口座開設はできないため、親名義の口座で教育資金を準備する必要があります。
以前は未成年者向けの「ジュニアNISA」という制度がありましたが、2023年12月末をもって新規の投資受付が終了しました。ジュニアNISAは、0歳から17歳までの未成年者が利用できる非課税制度でしたが、使い勝手の悪さから利用が伸び悩んでいました。
すでにジュニアNISA口座を持っている方は、2024年以降も18歳になるまで非課税で保有を継続できます。ただし、新たな買付はできません。新規でジュニアNISA口座を開設することもできないため、これから教育資金準備を始める方は別の方法を検討する必要があります。
政府は2026年度から、新たに「こども支援NISA」の創設を検討しています。この制度は、子育て世帯の資産形成を支援する目的で設計される見込みです。
具体的な制度内容はまだ確定していませんが、未成年者向けの非課税投資枠が設けられる可能性があります。ただし、制度開始までにはまだ時間があるため、現時点で教育資金準備を始めたい方は、親名義の新NISAを活用するのが現実的な選択肢です。
最新の制度情報については、金融庁の公式サイトで随時確認することをおすすめします。
ジュニアNISAの資産は2024年以降どうなる?
すでにジュニアNISA口座で投資をしている方にとって、2024年以降の資産の扱いは重要な関心事です。制度廃止後も、既存の資産は一定のルールのもとで保有を継続できます。
2023年末までにジュニアNISA口座で購入した商品は、お子さんが18歳になるまで非課税で保有し続けることができます。これは「継続管理勘定」という仕組みで管理されます。運用益や配当金にも税金がかからないため、そのまま保有しておくメリットは大きいです。
また、制度廃止前は18歳まで払い出しに制限がありましたが、2024年以降はいつでも非課税で払い出しができるようになりました。教育費が急に必要になった場合でも、柔軟に対応できる点は安心材料と言えるでしょう。
ただし、新たな買付や積立はできないため、追加で投資したい場合は親名義の新NISA口座などを活用する必要があります。
お子さんが18歳になると、ジュニアNISA口座の資産は自動的に課税口座(特定口座または一般口座)へ移管されます。移管時点での時価が取得価格となり、その後の運用益には通常どおり20.315%の税金がかかります。
18歳到達時に、そのまま保有を続けるか、売却して現金化するかを判断する必要があります。大学入学などで資金が必要なタイミングであれば売却を検討し、まだ使う予定がなければ保有を継続するという選択肢もあります。
また、18歳以降は本人名義で新NISA口座を開設できるようになるため、売却した資金を新NISA口座で再投資することも可能です。お子さん自身の資産形成の第一歩として活用できるでしょう。
親名義の新NISAで子供の教育資金を準備する方法
子供名義で新NISA口座を開設できないため、親名義の口座を活用して教育資金を準備するのが現実的な方法です。ここでは、具体的な活用方法を3つのポイントに分けて解説します。
つみたて投資枠は、年間120万円まで投資でき、金融庁が認めた長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象です。月々1万円からでも始められるため、無理のない範囲で教育資金を積み立てられます。
0歳から大学入学までの18年間、毎月3万円を積み立てた場合、元本は648万円になります。年利3%で運用できれば、約800万円に成長する計算です。この運用益約150万円が非課税になるのは大きなメリットです。
つみたて投資枠のポイント
販売手数料ゼロで信託報酬も低い
全世界株式や米国株式のインデックスファンドが選べる
ドルコスト平均法で価格変動リスクを抑えられる
成長投資枠は年間240万円まで投資でき、個別株やETF、REITなど幅広い商品が対象です。つみたて投資枠と併用することで、年間最大360万円まで投資できます。
教育資金準備においては、つみたて投資枠をベースにしつつ、ボーナスなどまとまった資金がある時に成長投資枠を活用するのが効果的です。例えば、祖父母からの贈与を受けた場合に、成長投資枠でまとめて投資するといった使い方ができます。
ただし、成長投資枠では個別株など値動きの大きい商品も選択できるため、教育資金という目的を考えると、バランス型ファンドや債券を含む商品でリスクを抑える工夫が必要です。
子供が小さいうちは積極的な運用、中学生以降は安定運用へとシフトするなど、年齢に応じて投資枠の使い分けを検討しましょう。
実際にどのくらいの金額を準備できるのか、3つのパターンでシミュレーションしてみます。いずれも年利3%で計算した場合の目安です。
| 積立期間 | 月額積立 | 元本合計 | 運用後の金額(年利3%) | 運用益 |
| 18年間(0歳から) | 3万円 | 648万円 | 約800万円 | 約152万円 |
| 12年間(6歳から) | 5万円 | 720万円 | 約860万円 | 約140万円 |
| 6年間(12歳から) | 8万円 | 576万円 | 約630万円 | 約54万円 |
このシミュレーションからわかるように、早く始めるほど複利効果が大きくなり、少ない月額でも大きな金額を準備できます。一方、開始が遅くなると、同じ金額を準備するために月々の積立額を増やす必要があります。
また、実際の運用では市場環境により利回りは変動します。年利3%はあくまで目安であり、それ以上になることもあれば、マイナスになる年もあります。長期的な視点で、一時的な価格変動に動揺しないことが大切です。
なお、必要な時期の3〜5年前からは徐々に低リスクの商品へ移行するなど、出口戦略も考えておきましょう。
教育資金の準備戦略は、お子さんの年齢によって大きく異なります。残された運用期間によってリスクの取り方が変わるため、年齢に応じた最適な戦略を選ぶことが重要です。
0歳から5歳のお子さんがいる場合、大学入学まで13年から18年の運用期間があります。これだけの期間があれば、一時的に市場が下落しても回復を待つ時間的余裕があるため、積極的な運用が可能です。
この時期から始めれば、月々の積立額が少なくても目標金額に到達しやすいため、家計への負担も抑えられます。早期スタートの最大のメリットと言えるでしょう。
小学生のお子さんがいる場合、大学入学まで6年から12年の運用期間があります。長期ほどではありませんが、まだ十分な時間があるため、リスクとリターンのバランスを取った運用が適しています。
新NISA口座の資産はあくまで大学資金として、短期で必要な資金は預貯金で準備しましょう。また、お子さんが10歳を超えたら、徐々に安定運用へのシフトを意識し始める時期です。
中高生のお子さんがいる場合、大学入学まで1年から5年しかありません。この短期間では市場の変動リスクを十分に吸収できないため、安全性を最優先した運用が必要です。
ただし、大学入学後の生活費や大学院進学資金など、使用時期が5年以上先の資金であれば、新NISAでの運用も選択肢に入ります。目的と時期を明確に分けて、それぞれに適した準備方法を選びましょう。
教育費はいくら必要?
教育資金の準備を始める前に、実際にどのくらいの費用が必要なのかを把握しておくことが大切です。文部科学省の統計データをもとに、段階別の教育費を見ていきましょう。
幼稚園から高校までの15年間にかかる教育費は、公立か私立かで大きく異なります。文部科学省の「子供の学習費調査」によると、以下のような金額が目安となります。
| 教育段階 | 公立(年間) | 私立(年間) | 公立(合計) | 私立(合計) |
| 幼稚園(3年間) | 約16万円 | 約31万円 | 約48万円 | 約93万円 |
| 小学校(6年間) | 約35万円 | 約166万円 | 約210万円 | 約996万円 |
| 中学校(3年間) | 約54万円 | 約144万円 | 約162万円 | 約432万円 |
| 高校(3年間) | 約51万円 | 約105万円 | 約153万円 | 約315万円 |
| 合計(15年間) | – | – | 約573万円 | 約1,836万円 |
すべて公立に通った場合でも約573万円、すべて私立なら約1,836万円が必要になります。この金額には学校教育費だけでなく、給食費や学用品費なども含まれています。
ただし、これらの費用は基本的に日々の家計から支出するものであり、新NISAで準備する必要はありません。新NISAでの準備は、次に説明する大学費用を中心に考えましょう。
教育資金準備で最も重要なのが、大学にかかる費用です。入学金や授業料など、まとまった金額が短期間に必要になるため、計画的な準備が欠かせません。
| 大学種別 | 入学金 | 年間授業料 | 4年間合計 |
| 国立大学 | 約28万円 | 約54万円 | 約242万円 |
| 公立大学 | 約39万円 | 約54万円 | 約255万円 |
| 私立大学(文系) | 約23万円 | 約82万円 | 約351万円 |
| 私立大学(理系) | 約25万円 | 約115万円 | 約485万円 |
| 私立大学(医歯系) | 約107万円 | 約288万円 | 約1,259万円 |
国立大学でも4年間で約242万円、私立理系なら約485万円が必要です。医歯系に進学する場合は1,000万円を超える費用がかかります。
さらに、自宅外通学の場合は家賃や生活費が追加で必要になります。首都圏で一人暮らしをする場合、年間約150万円程度の仕送りが必要と言われており、4年間で600万円が追加されます。
このように、大学費用だけで数百万円から1,000万円以上の資金が必要になるため、新NISAでの計画的な準備が重要になります。目標金額を明確にして、逆算して必要な積立額を決めましょう。
学校の教育費以外にも、塾や習い事にかかる費用を忘れてはいけません。特に中学受験や大学受験を考えている場合、塾代は大きな負担になります。
中学受験の場合、小学4年生から6年生までの3年間で塾代が約200万円から300万円かかると言われています。大学受験の場合も、高校3年間で約100万円から200万円の塾代が一般的です。
習い事についても、ピアノやスイミング、英会話など複数通わせると、月に2万円から5万円程度の出費になります。これが10年続けば240万円から600万円になる計算です。
これらの費用は、新NISAで準備するというよりは、日々の家計や児童手当などでやりくりする部分です。ただし、全体像を把握しておくことで、教育資金全体の計画が立てやすくなります。
大学費用は新NISAで準備し、塾代や習い事は家計と児童手当で対応するなど、費用の性質に応じて準備方法を使い分けることが、無理のない教育資金計画のポイントです。
新NISAで教育資金を準備する5つのメリット
新NISAを活用した教育資金準備には、預貯金や学資保険にはない独自のメリットがあります。ここでは主な5つのメリットを解説します。
新NISA最大のメリットは、運用益に税金がかからないことです。通常、投資信託や株式で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、新NISA口座ならこれが非課税になります。
例えば、18年間で運用益が150万円出た場合、通常の課税口座なら約30万円が税金として引かれますが、新NISAなら150万円がそのまま手元に残ります。この差は非常に大きいです。
2024年からの新NISA制度では、非課税保有期間が無期限になりました。旧NISA制度では5年や20年といった期限がありましたが、新NISAではいつまでも非課税で保有できます。
教育資金準備という観点では、子供が大学を卒業するまで、あるいは大学院進学や留学など、必要になるまでずっと非課税で運用を続けられるメリットがあります。
新NISAの資産は、いつでも必要な時に引き出すことができます。iDeCoのように60歳まで引き出せないという制限がないため、教育費が急に必要になった時にも対応できます。
受験費用や入学金など、予定より早く資金が必要になった場合でも、ペナルティなしで売却して現金化できる点は安心です。
預貯金は元本が保証される一方で、金利が低いためインフレに弱いという弱点があります。物価が上がると、相対的にお金の価値が目減りしてしまいます。
一方、株式や投資信託での運用は、企業の成長とともに資産価値が増える可能性があり、長期的にはインフレに強い資産形成ができます。教育費も年々上昇傾向にあるため、インフレに負けない準備方法として有効です。
新NISA制度では、多くの証券会社で月100円から積立投資を始められます。まとまった資金がなくても、無理のない金額から教育資金準備をスタートできる点は大きなメリットです。
子供が生まれたばかりで家計に余裕がない時期でも、月5,000円や1万円から始めて、収入が増えたら積立額を増やすという柔軟な対応が可能です。早く始めることで複利効果を最大限に活かせます。
新NISAで教育資金を準備するときの注意点
新NISAには多くのメリットがある一方で、投資である以上、いくつかの注意点やリスクも存在します。教育資金という重要な目的のために使う場合、これらのリスクを正しく理解しておく必要があります。
投資信託や株式は価格が変動するため、購入時よりも価格が下がって元本割れする可能性があります。預貯金のように元本が保証されているわけではありません。
特に短期間では価格変動の影響を大きく受けるため、投資期間が短い場合は元本割れリスクが高まります。教育資金のように使う時期が決まっている資金を運用する場合、このリスクを十分に認識しておく必要があります。
リスクを理解した上で、許容できる範囲内で投資することが大切です。全額を投資に回すのではなく、一部は預貯金で確保しておくなど、バランスを考えましょう。
教育資金で最も注意すべきなのが、大学入学などお金が必要になるタイミングで市場が暴落している可能性です。2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックのように、数年に一度は大きな下落が発生します。
もし大学入学の年に市場が30%下落していたら、準備していた資金が大きく目減りしてしまいます。「あと1年待てば回復するかもしれない」と思っても、入学金の支払いは待ってくれません。
このリスクに対処するには、必要な時期の3年から5年前から徐々に売却して現金化しておく、または債券など値動きの小さい商品に移行しておくことが重要です。
投資のリスクを抑える基本は分散投資です。特定の国や企業に集中投資するのではなく、全世界の株式や債券に分散して投資することで、リスクを大幅に軽減できます。
全世界株式インデックスファンドなら、1つの商品で世界中の数千社に分散投資できます。また、株式だけでなく債券も組み入れたバランス型ファンドを選ぶことで、さらにリスクを抑えられます。
投資信託を選ぶ際は、分散の度合いを確認し、できるだけ幅広く分散されている商品を選びましょう。個別株への集中投資は、教育資金準備には適していません。
教育資金準備で最も重要な出口戦略が、必要時期の3年から5年前から段階的に低リスク化することです。大学入学が近づいてきたら、株式中心のポートフォリオから債券や現金の比率を高めていきます。
出口戦略を事前に決めておき、感情に流されずに実行することが、教育資金準備を成功させる鍵です。
祖父母からの支援を活用する方法と税金の注意点
教育資金準備において、祖父母からの支援を受けられる家庭も多いでしょう。ただし、贈与には税金のルールがあるため、正しい方法で受け取ることが重要です。
贈与税には基礎控除があり、年間110万円までの贈与であれば贈与税がかかりません。これは「暦年贈与」と呼ばれる仕組みで、祖父母から孫への贈与にも適用されます。
例えば、祖父と祖母がそれぞれ年間110万円ずつ孫に贈与すれば、年間220万円まで非課税で受け取れます。これを10年間続ければ、合計2,200万円を無税で移転できる計算です。
ただし、毎年同じ時期に同じ金額を贈与していると、税務署から「最初から多額の贈与を予定していた」と判断され、課税される可能性があります。金額や時期を変えるなど、工夫が必要です。
「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」という制度を使えば、祖父母から孫への教育資金の贈与が最大1,500万円まで非課税になります。この制度は2026年3月31日まで延長されています。
ただし、この制度を利用するには金融機関で専用口座を開設し、教育費として使ったことを証明する領収書を提出するなど、手続きが煩雑です。また、孫が30歳になった時点で使い切れなかった残額には贈与税がかかります。
手続きの手間を考えると、年間110万円の暦年贈与を活用する方が簡便で、多くの家庭に適しているでしょう。まとまった金額を一度に贈与したい場合にのみ、この制度の利用を検討してください。
祖父母から受け取った資金を親名義の新NISA口座に入金して運用することは可能です。ただし、贈与を受けた後は「親の資産」になるため、親が自由に使える資金として管理する必要があります。
祖父母から毎年110万円の贈与を受け、それを親名義の新NISA口座で運用すれば、非課税で効率的に教育資金を準備できます。つみたて投資枠(年間120万円)の範囲内であれば、ほぼ全額を非課税投資に回せます。
ただし、贈与契約書を作成しておくなど、贈与の事実を明確にしておくことが望ましいです。税務調査が入った際に、贈与ではなく「名義預金」と判断されると、相続税の対象になる可能性があります。
祖父母からの支援を受ける際は、税理士などの専門家に相談して、適切な方法で行うことをおすすめします。
新NISA以外の教育資金準備方法との比較
教育資金の準備方法は新NISAだけではありません。ここでは、代表的な他の方法と比較して、それぞれのメリット・デメリットを確認しましょう。
学資保険は、教育資金準備の伝統的な方法です。毎月保険料を支払い、子供が一定の年齢に達したときに満期金を受け取る仕組みです。
| 比較項目 | 新NISA | 学資保険 |
| 元本保証 | なし(元本割れリスクあり) | あり(満期まで継続すれば元本割れなし) |
| 期待リターン | 高い(年3〜5%程度を期待) | 低い(返戻率105〜110%程度) |
| 柔軟性 | 高い(いつでも引き出し可能) | 低い(途中解約は元本割れ) |
| 税制優遇 | 運用益非課税 | 生命保険料控除(年間最大4万円) |
| 親の保障 | なし | あり(契約者死亡時は保険料免除) |
学資保険の最大のメリットは、親が万が一亡くなった場合でも教育資金が確保される点です。契約者(親)が死亡した場合、以後の保険料支払いが免除され、満期金は予定通り受け取れます。
一方、新NISAは元本保証がない代わりに、高いリターンが期待できます。リスクを取れる方には新NISA、安全性を重視する方には学資保険が適しています。
預貯金は最も安全な教育資金準備方法ですが、金利が低いため資産が増えにくいという課題があります。
| 比較項目 | 新NISA | 預貯金 |
| 元本保証 | なし | あり(1,000万円まで預金保険対象) |
| 期待リターン | 高い(年3〜5%程度) | 極めて低い(年0.001〜0.3%程度) |
| インフレ対応 | 強い(株式は物価上昇に連動) | 弱い(金利がインフレ率を下回る) |
| 手間 | 定期的な確認が必要 | ほぼ不要 |
| 心理的負担 | 価格変動によるストレスあり | なし |
預貯金は元本が保証されている安心感がありますが、超低金利の現在、ほとんど増えません。18年間で648万円を積み立てても、金利0.001%では利息はわずか数千円です。
新NISAで年3%運用できれば、同じ期間で約150万円の運用益が得られます。この差は非常に大きいですが、その分リスクも取ることになります。
教育資金準備において最も賢明な方法は、新NISA・学資保険・預貯金を併用し、それぞれの特徴を活かすことです。すべてを1つの方法に集中させるのではなく、分散することでリスクを抑えられます。
併用の具体例
月々の積立額が5万円の場合:新NISA3万円、預貯金2万円
子供が小さいうちは新NISA中心、中学生以降は預貯金の比率を高める
学資保険で親の万が一に備えつつ、新NISAで資産成長を目指す
家庭の状況やリスク許容度に応じて、最適な組み合わせを選んでください。
親名義の新NISA口座で準備した資産を、子供が18歳になった時点で子供名義に移すことは、税務上「贈与」にあたります。贈与税の基礎控除(年間110万円)を超える金額を一度に移すと、贈与税がかかる可能性があります。
子供名義に移したい場合は、年間110万円以内に分割して贈与するか、教育費として必要な都度、親が支払う形にすれば贈与税はかかりません。教育費や生活費として必要な金額を親が直接支払う場合は、金額に関わらず贈与税の対象外です。
また、子供が18歳になれば自分で新NISA口座を開設できるため、新たに子供自身の口座で資産形成を始めることも可能です。
兄弟姉妹が複数いる場合、それぞれに公平に教育資金を準備したいと考えるのが親心です。しかし、新NISAの非課税枠は1人年間360万円が上限のため、複数の子供分を同時に準備するには工夫が必要です。
方法としては、夫婦それぞれの新NISA口座を活用することが考えられます。夫の口座で長子の分、妻の口座で次子の分を準備すれば、合計年間720万円まで非課税投資が可能です。
また、年齢差がある場合は、上の子が大学に入学して資金を引き出した後、その枠で下の子の分を積み立てるという時間差戦略も有効です。新NISAは売却すると翌年に非課税枠が復活するため、長期的に活用できます。
3人以上の子供がいる場合は、新NISAだけでは不足する可能性が高いため、児童手当や祖父母からの支援、預貯金なども組み合わせて準備しましょう。
親名義の新NISA口座の資産は、親が亡くなった場合、相続財産として扱われます。相続人(配偶者や子供)が相続することになり、相続税の課税対象になります。
相続が発生すると、新NISA口座は自動的に閉鎖され、保有していた投資信託や株式は相続人名義の課税口座(特定口座または一般口座)に移管されます。相続後は非課税の恩恵は受けられなくなります。
相続税については、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)があるため、多くの家庭では課税されない範囲に収まります。ただし、他の財産と合わせて基礎控除を超える場合は、相続税がかかります。
万が一に備えて、生命保険で教育資金を確保しておくことも検討しましょう。生命保険金には相続税の非課税枠(500万円×法定相続人の数)があり、相続対策としても有効です。
新NISAで準備した教育資金と奨学金の併用は可能です。むしろ、奨学金を前提として新NISAでの準備額を調整することで、無理のない資金計画が立てられます。
例えば、大学4年間で500万円必要な場合、新NISAで300万円を準備し、残り200万円は奨学金を借りるという計画です。奨学金には給付型(返済不要)と貸与型(返済必要)があり、給付型を受けられれば家計負担は大きく軽減されます。
貸与型奨学金を利用する場合でも、利息の低い第一種奨学金(無利子)を優先的に検討しましょう。卒業後の返済負担を子供に負わせることになりますが、親の経済状況によっては現実的な選択肢です。
新NISAで準備できる金額を見極めた上で、不足分を奨学金で補うという柔軟な計画を立てることが大切です。
新NISAで準備した資金は、国内の大学だけでなく海外留学費用にも使えます。ただし、海外留学の場合、費用が国内大学より高額になることが多いため、早めの準備が必要です。
アメリカの大学に4年間留学する場合、学費と生活費で年間500万円から800万円程度かかり、4年間で2,000万円から3,000万円が必要になります。新NISAの非課税枠(1,800万円)だけでは不足する可能性が高いです。
海外留学を視野に入れる場合は、新NISAに加えて、課税口座での投資や預貯金、奨学金なども組み合わせた準備が必要です。また、為替リスクも考慮して、外貨建て資産を一部組み入れることも検討しましょう。
海外留学の費用は国や大学によって大きく異なるため、具体的な留学先が決まったら、早めに必要額を試算し、準備計画を見直すことが重要です。
教育資金準備に適した投資信託は、長期・積立・分散投資に適した商品です。具体的には、全世界株式インデックスファンドや米国株式インデックスファンド、バランス型ファンドなどが候補になります。
全世界株式インデックスファンドは、1つの商品で世界中の株式に分散投資でき、信託報酬も年0.05%から0.2%程度と低コストです。代表的な商品には「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などがあります。
米国株式インデックスファンドは、世界経済の中心である米国企業に投資する商品で、過去の実績では高いリターンを上げています。「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などが人気です。
バランス型ファンドは、株式と債券を組み合わせた商品で、リスクを抑えながら運用できます。子供が中学生以降で運用期間が短い場合に適しています。
新NISAは18歳未満の子供名義では開設できませんが、親名義の口座を活用することで、非課税で効率的に教育資金を準備できます。運用益が非課税になり、非課税期間も無期限のため、長期的な資産形成に適した制度です。
教育資金準備で最も重要なのは、子供の年齢に応じて運用戦略を変えることです。0歳から5歳の時期は積極的な運用、小学生の時期はバランス重視、中高生になったら安全性重視へとシフトすることで、リスクを抑えながら目標金額の達成を目指せます。
また、新NISAだけに頼るのではなく、預貯金や学資保険、祖父母からの支援なども組み合わせることで、より確実な教育資金準備が可能になります。それぞれの特徴を理解し、家庭の状況に合わせた最適な組み合わせを選びましょう。
教育資金準備は早く始めるほど有利です。複利効果を最大限に活かすために、できるだけ早い時期から計画的に準備を始めることをおすすめします。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社や金融の専門家にご相談されることをおすすめします。
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