ジュニアNISAは2024年以降どうなる?活用方法を解説

ジュニアNISAは2024年以降どうなる?活用方法を解説

ジュニアNISAは2023年末で新規投資が終了しましたが、すでに投資している商品は2024年以降も非課税で運用を続けることができます。

2024年から払出制限が撤廃され、年齢に関係なく非課税で資金を引き出せるようになったため、教育資金準備の自由度が大幅に向上しました。

また、非課税期間(5年)が終了した商品は継続管理勘定に自動移行され、18歳になるまで非課税で運用を続けられます。

この記事では、制度変更後のジュニアNISAの活用方法と注意点について、わかりやすく解説します。

お子さまの教育資金準備を効率的に進めたい方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • 2024年以降のジュニアNISAは払出制限が撤廃され、いつでも非課税で引き出し可能
  • 継続管理勘定により18歳まで非課税運用を継続できる
  • 教育資金準備の新たな戦略として長期投資と新NISA併用が有効

ジュニアNISAとは?2024年以降の変更点

ジュニアNISAは2016年に開始された18歳未満の未成年者向けの少額投資非課税制度です。2024年以降の制度変更により、これまでとは大きく異なる使い方が可能になりました。

制度の基本概要

ジュニアNISAは、0歳から17歳までの未成年者が利用できる投資制度です。年間80万円まで投資でき、最大5年間にわたって運用益や配当金が非課税になります。口座開設や運用管理は親権者が代行し、子どもの将来の教育資金準備を目的としています。

出典:金融庁「NISA(少額投資非課税制度)の概要」

2023年末で新規投資が終了したため、現在は新しくジュニアNISA口座を開設することはできません。ただし、すでに投資している商品については、引き続き非課税の恩恵を受けられます。

2024年以降の主な変更点

最も重要な変更は、払出制限の撤廃です。これまでは18歳になるまで原則として資金を引き出すことができませんでしたが、2024年からは年齢や理由に関係なく、いつでも非課税で払い出しが可能になりました。

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ただし、払い出しを行う場合は一部のみの引き出しはできず、ジュニアNISA口座で保有するすべての商品を払い出し、口座を閉鎖する必要があります。

これにより、教育資金が必要になったタイミングで柔軟に対応できるようになりました。

払出制限の撤廃とその影響

払出制限の撤廃により、ジュニアNISAの使い勝手が大幅に改善されました。以前は18歳になる前に資金が必要になった場合、過去に遡って課税されるペナルティがありましたが、現在はそのような制約がありません。

この変更により、教育資金だけでなく、習い事や塾の費用など、子どもの成長に応じて必要な資金を非課税で活用できるようになりました。

継続管理勘定のしくみ|18歳まで非課税で運用

継続管理勘定は、ジュニアNISAの非課税期間(5年)が終了した後も、18歳になるまで非課税で運用を続けるための特別な勘定です。この仕組みを理解することで、長期的な資産形成戦略を立てることができます。

継続管理勘定とは何か

継続管理勘定は、ジュニアNISAでの非課税期間(5年)経過後、1月1日において18歳になるまで株式や投資信託を非課税のまま保有できる勘定のことです。この勘定では新規の購入はできませんが、既存の投資商品を引き続き非課税で保有できます。

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移行手続きは自動で行われるため、投資家側で特別な手続きは不要です。また、移行時の時価に関わらず、すべての投資信託を継続管理勘定に移管することが可能です。

18歳到達時の手続き方法

お子さまが18歳に到達する年の1月1日時点で、継続管理勘定での保有は終了します。その時点で保有している商品は、特定口座(未開設の場合は一般口座)に自動的に移管されます。

移管時の価格が新たな取得価格となり、それ以降に発生する売却益や配当金は課税対象となります。手続きは自動で行われるため、特別な申請は必要ありません。

成人時の一般NISA移行について

重要な点として、ジュニアNISAで保有していた商品を2024年以降の新NISA制度に移管(ロールオーバー)することはできません。18歳到達時には、すべての商品が課税口座に払い出されます。

ただし、18歳到達と同時に、ジュニアNISA口座を開設していた金融機関で自動的に新NISA口座が開設されます。継続して投資を行いたい場合は、課税口座の商品を売却し、新NISA口座で買い直すことを検討しましょう。

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2024年以降のジュニアNISA活用方法3つ

制度変更により使い勝手が向上したジュニアNISAを、どのように活用すべきでしょうか。ここでは、教育資金準備に効果的な3つの戦略をご紹介します。

教育資金として計画的に活用

最も基本的な活用方法は、子どもの教育資金として計画的に運用することです。大学進学時の学費や受験費用など、まとまった資金が必要になるタイミングに合わせて運用期間を設定します。

例えば、現在10歳のお子さまの場合、大学進学まで8年間の運用期間があります。この期間を活用して、長期・積立・分散投資の原則に基づいた資産形成を行うことで、教育資金の準備効果を高められます。

払出制限が撤廃されたことで、中学・高校進学時の制服代や部活動費など、予期しない支出にも柔軟に対応できるようになりました。ただし、払い出しを行うと口座が閉鎖されるため、本当に必要な時まで運用を続けることが重要です。

18歳まで長期投資で資産形成

継続管理勘定の仕組みを活用して、18歳まで長期投資を継続する戦略です。非課税期間(5年)が終了した商品も、継続管理勘定で引き続き非課税で運用できるため、長期的な資産形成に適しています。

特に、投資信託を活用した分散投資は、長期運用において安定した成果が期待できます。国内外の株式や債券に分散投資することで、リスクを抑えながら資産の成長を目指せます。

この戦略のメリットは、運用期間が長いほど複利効果を享受できることです。早期に投資を開始したお子さまほど、18歳到達時により多くの資産を形成できる可能性があります。

新NISA制度との併用戦略

2024年から開始された新NISA制度と併用することで、より効率的な教育資金準備が可能です。親権者が新NISA制度を活用して教育資金を準備し、ジュニアNISAは子ども名義の資産として長期運用する方法があります。

新NISA制度では年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで投資でき、非課税保有限度額は1,800万円と大幅に拡大されました。この制度を活用することで、ジュニアNISAだけでは不足する教育資金をカバーできます。

出典:金融庁「新しいNISA制度について」

また、お子さまが18歳に到達した際に、ジュニアNISAから払い出された資金で新NISA口座での投資を開始することで、成人後も継続した資産形成を行えます。この連携により、教育資金準備から将来の資産形成まで一貫した投資戦略を構築できます。

ジュニアNISAで気をつけたい注意点とリスク

ジュニアNISAを活用する際には、投資に伴うリスクや制度上の注意点を十分に理解しておくことが重要です。適切なリスク管理により、安全な教育資金準備を行いましょう。

元本割れのリスクと対処法

ジュニアNISAで投資する株式や投資信託は、市場の変動により価格が下落し、元本割れする可能性があります。特に教育資金のように使用時期が決まっている資金の場合、必要な時期に価格が下落していると、予定していた金額を確保できない恐れがあります。

対処法として、投資する商品の分散と時間の分散が重要です。複数の投資信託に分散投資することでリスクを軽減し、積立投資により購入時期を分散することで価格変動の影響を和らげられます。

また、教育資金が必要になる3〜5年前からは、リスクの低い商品への移行を検討することも大切です。確実に必要な資金については、定期預金などの元本保証商品での準備も併用しましょう。

税務上の注意点

ジュニアNISA口座から課税口座に移管される際の税務処理について理解しておく必要があります。継続管理勘定から課税口座に移管される時点の価格が、新たな取得価格として登録されます。

移管後に売却する場合、移管時の価格を基準として譲渡益が計算されるため、実際の投資元本と異なる場合があります。例えば、80万円で購入した投資信託が120万円で移管され、その後130万円で売却した場合、譲渡益は10万円として課税されます。

このような税務上の取り扱いを理解し、売却タイミングを適切に判断することが重要です。複雑な税務処理については、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

資金の帰属と贈与税の関係

ジュニアNISA口座の資金は子ども名義ですが、実際の拠出は親権者が行うため、贈与税の関係を正しく理解しておく必要があります。年間80万円の投資枠は贈与税の基礎控除額(年間110万円)の範囲内のため、通常は贈与税の対象になりません。

ただし、他の贈与と合わせて年間110万円を超える場合や、払い出した資金の使途によっては贈与税の問題が生じる可能性があります。特に、払い出した資金を子ども以外の目的で使用する場合は注意が必要です。

贈与税の取り扱いについては、国税庁の資料を確認するか、税務署や税理士に相談することで、適切な対応を行いましょう。

他の教育資金準備方法との比較

ジュニアNISA以外にも、教育資金を準備する方法は複数あります。それぞれの特徴を理解し、ご家庭の状況に最適な方法を選択しましょう。

学資保険との違い

学資保険は、定期的な保険料の支払いにより、子どもの進学時期に合わせて給付金を受け取れる商品です。元本保証があり、契約者(親)に万一のことがあった場合の保障機能もあります。

項目 ジュニアNISA 学資保険
元本保証なしあり
期待リターン高い(市場次第)低い(1〜2%程度)
流動性いつでも売却可能中途解約は元本割れリスク
保障機能なしあり
税制優遇運用益非課税生命保険料控除

ジュニアNISAは高いリターンが期待できる一方、元本割れのリスクがあります。学資保険は安全性が高いものの、期待リターンは限定的です。リスク許容度と期待する運用成果に応じて選択しましょう。

教育資金贈与の特例との使い分け

教育資金贈与の特例は、祖父母などから孫への教育資金の贈与について、1,500万円まで贈与税が非課税になる制度です。この制度とジュニアNISAを組み合わせることで、より効率的な教育資金準備が可能です。

教育資金贈与の特例は使途が教育費に限定されますが、ジュニアNISAは2024年以降、使途の制限がありません。そのため、確実に教育費として使用する資金は教育資金贈与の特例を活用し、将来の選択肢を広げたい資金はジュニアNISAで運用するという使い分けが効果的です。

どの方法を選ぶべき?

教育資金準備方法の選択は、以下の要素を総合的に考慮して決定しましょう。

リスク許容度
元本割れを許容できるかどうか
期待リターン
どの程度の運用成果を求めるか
資金の必要時期
いつ、どの程度の資金が必要か
家計の状況
毎月の積立可能金額や一括投資の可否

一般的には、複数の方法を組み合わせることで、リスクを分散しながら効率的な教育資金準備を行うことをおすすめします。

よくある質問(Q&A)

ジュニアNISAの制度変更について、よくいただく質問とその回答をまとめました。実際の運用や手続きの参考にしてください。

制度終了に関する質問

Q: ジュニアNISAが終了したら、保有している商品はどうなりますか?

A: 2023年末で新規投資は終了しましたが、すでに保有している商品は引き続き非課税で運用できます。非課税期間(5年)が終了すると、継続管理勘定に自動的に移管され、18歳になるまで非課税で保有を続けられます。

Q: 2024年以降も積立投資は続けられますか?

A: ジュニアNISA口座での新規投資はできませんが、すでに設定している積立投資は課税口座に引き継がれます。継続を希望しない場合は、金融機関で解除手続きが必要です。

運用・手続きに関する質問

Q: 払い出しをする場合の手続きはどうすればよいですか?

A: 払い出しを行う場合は、ジュニアNISA口座で保有するすべての商品を売却または課税口座に移管し、口座を閉鎖する必要があります。手続きは書面で行う必要があり、金融機関から専用の書類を取り寄せて提出します。

Q: 継続管理勘定への移管手続きは必要ですか?

A: 手続きは不要です。非課税期間(5年)が終了した商品は、自動的に継続管理勘定に移管されます。移管時期が近づくと、金融機関から案内が届きます。

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税金・相続に関する質問

Q: ジュニアNISAの資金に相続税はかかりますか?

A: ジュニアNISA口座の資金は子ども名義の財産として扱われるため、親権者が亡くなった場合でも相続財産には含まれません。ただし、子どもが亡くなった場合は相続財産となります。

Q: 18歳到達時の課税口座への移管で税金はかかりますか?

A: 移管時点では税金はかかりません。ただし、移管後に売却した場合は、移管時の価格を取得価格として譲渡所得の計算が行われ、利益に対して税金がかかります。

Q: 分配金の再投資はどうなりますか?

A: 継続管理勘定で保有する投資信託の分配金は引き続き非課税で受け取れます。ただし、再投資型の場合は課税口座での再投資となり、新NISA口座での再投資はできません。

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まとめ

ジュニアNISAは2023年末で新規投資が終了しましたが、2024年以降の制度変更により、既存の投資家にとってはより使いやすい制度になりました。払出制限の撤廃により、教育資金が必要なタイミングで柔軟に対応できるようになったことが最大のメリットです。

継続管理勘定の仕組みを活用することで、18歳まで非課税での運用継続が可能であり、長期投資による資産形成効果を期待できます。また、新NISA制度との併用により、より充実した教育資金準備が実現できるでしょう。

ただし、投資には元本割れのリスクが伴います。教育資金という重要な資金を運用する際は、リスク許容度を十分に検討し、複数の準備方法を組み合わせることをおすすめします。

税務上の取り扱いや具体的な手続きについては、各金融機関や税務の専門家にご相談ください。投資は自己責任であり、元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、詳しくは各金融機関にご確認ください。

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