不動産投資の確定申告やり方|必要書類と経費の全手順2026

不動産投資の確定申告やり方|必要書類と経費の全手順2026

不動産投資を始めたばかりの方や、これから始めようとしている方にとって、確定申告は避けて通れない手続きです。

「家賃収入があるけれど、確定申告は本当に必要なのか」「何から準備すればいいのか分からない」と不安を感じている方も多いでしょう。

確定申告を怠ると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが発生する可能性があります。

一方で、正しく申告すれば税金の還付を受けられるケースもあり、税効果を最大化できる重要な機会でもあります。

この記事では、不動産投資における確定申告の必要性から、青色申告と白色申告の違い、具体的な手順、必要書類、経費計上のポイントまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

記事の要約
📝 この記事の要約
  • 不動産所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要。赤字でも損益通算で還付を受けられる可能性がある
  • 青色申告を選択すると最大65万円の特別控除を受けられるが、白色申告は手続きが簡単。自分の状況に合わせて選択する
  • 減価償却費や管理費、修繕費など、不動産投資に関わる経費を正しく計上することで税効果が見込める
  • e-Taxを利用すれば自宅から申告でき、還付金も早く受け取れる。会計ソフトを活用すれば初心者でも対応しやすい
  • 確定申告の期限は原則3月16日まで。期限後申告はペナルティの対象になるため、早めの準備が重要

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SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

不動産投資で確定申告が必要になるのはどんなとき?

不動産投資を行っている方にとって、確定申告が必要かどうかの判断は重要です。

給与所得者の場合、会社が年末調整を行うため確定申告に馴染みがない方も多いでしょう。

しかし、不動産投資による所得が一定額を超えると、自分で確定申告を行う必要があります。

タイトル: 確定申告が必要になる3つのケース。横並び3カードで: カード1(電卓アイコン)ヘッダー: 不動産所得20万円超、説明: 給与所得者は年間20万円を超えたら申告義務あり。カード2(マイナスアイコン)ヘッダー: 赤字でも申告推奨、説明: 損益通算で給与所得から差し引き、還付を受けられる。カード3(建物アイコン)ヘッダー: 事業的規模到達時、説明: 10室5棟基準で青色申告65万円控除が可能に

年間の不動産所得が20万円を超える場合

給与所得者で年末調整を受けている方は、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が年間20万円を超える場合に確定申告が必要です。
出典: 国税庁 確定申告が必要な方

不動産投資を副業として行っている場合でも、不動産所得が20万円を超えていれば申告義務が生じます。

「不動産収入」と「不動産所得」は異なります。所得は収入から経費を引いた金額です

不動産所得は、家賃収入などの総収入金額から必要経費を差し引いた金額を指します。

たとえば、年間の家賃収入が120万円あっても、管理費や修繕費などの必要経費が100万円かかっていれば、不動産所得は20万円となり、確定申告は不要です。

一方、不動産所得が20万円を1円でも超えた場合は、確定申告が必要になります。

不動産所得の計算式は以下の通りです。

不動産所得 = 総収入金額 − 必要経費

総収入金額には、家賃収入のほか、更新料や礼金、返還義務のない敷金・保証金なども含まれます。

必要経費には、固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費、管理費などが該当します。

赤字でも確定申告すべき理由|損益通算で還付を受ける

不動産所得が赤字になった場合、確定申告の義務はありません。

しかし、赤字でも確定申告をすることで、給与所得など他の所得と損益通算でき、税金の還付を受けられる可能性があります。
出典: 国税庁 損益通算

赤字申告で払いすぎた税金が戻ってくる可能性があります

損益通算とは、黒字の所得から赤字の所得を差し引いて、課税対象となる総所得金額を減らす仕組みです。

たとえば、給与所得が700万円、不動産所得が−100万円の場合、損益通算により課税所得は600万円となります。

給与所得からはすでに源泉徴収で税金が引かれているため、確定申告をすることで払いすぎた税金が還付されます。

土地取得の借入金利子は損益通算の対象外です

ただし、土地を取得するために要した借入金の利子に相当する部分の損失は、損益通算の対象外となる点に注意が必要です。
出典: 国税庁 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算

また、別荘など趣味・娯楽目的で所有する不動産の貸付けに係る損失も、損益通算できません。

不動産所得の計算方法|収入と経費の考え方

不動産所得を正確に計算するには、総収入金額と必要経費の内訳を把握する必要があります。

総収入金額に含まれる主な項目は以下の通りです。

  • 家賃収入
  • 礼金・更新料
  • 返還義務のない敷金・保証金
  • 駐車場使用料
  • 共益費・管理費収入

一方、必要経費として計上できる主な項目は以下の通りです。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 損害保険料(火災保険・地震保険)
  • 減価償却費
  • 修繕費
  • 管理費・管理委託料
  • 借入金利子(建物部分)
  • 税理士報酬
  • 交通費・通信費(不動産事業に関わるもの)

これらの収入と経費を正確に記録し、差し引いた金額が不動産所得となります。

不動産所得の計算や経費判断は個別状況により異なります。詳細は税理士または税務署にご確認ください

タイトル: 不動産所得の計算式。中央に大きな計算式: 不動産所得 = 総収入金額 − 必要経費。左側ボックス(青背景): 総収入金額の内訳: 家賃収入、礼金・更新料、返還不要の敷金、駐車場料、共益費。右側ボックス(オレンジ背景): 必要経費の内訳: 固定資産税、火災保険料、減価償却費、修繕費、管理費、借入金利子、税理士報酬

青色申告と白色申告の違い|どちらを選ぶべき?

確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。

不動産所得がある方は、どちらの申告方法を選ぶかによって、税効果や手続きの負担が大きく変わります。

それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合った申告方法を選択しましょう。

青色申告のメリット|最大65万円の特別控除

青色申告の最大のメリットは、青色申告特別控除を受けられることです。

一定の要件を満たせば、最大65万円または55万円の控除を受けることができ、大きな税効果が見込めます。
出典: 国税庁 青色申告特別控除

65万円控除でe-Tax利用または電子帳簿保存が必要です

65万円の特別控除を受けるには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。

1. 不動産貸付が事業的規模であること(アパート10室以上または貸家5棟以上が目安)
2. 複式簿記で記帳していること
3. 貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付すること
4. e-Taxで申告するか、電子帳簿保存を行うこと

e-Taxまたは電子帳簿保存を行わない場合、控除額は55万円に減額されます。

事業的規模に達していない場合でも、簡易簿記で記帳すれば10万円の特別控除を受けられます。

青色申告のその他のメリットとして、以下が挙げられます。

  • 赤字を3年間繰り越せる(純損失の繰越控除)
  • 青色事業専従者給与を経費に計上できる(事業的規模の場合)
  • 30万円未満の資産を一括で経費計上できる(少額減価償却資産の特例)

白色申告のメリット|手続きが簡単

白色申告は、青色申告の承認を受けていない方が行う申告方法です。

青色申告に比べて提出書類が少なく、簡易簿記での記帳が認められているため、手続きが比較的簡単です。

白色申告で必要な書類は以下の通りです。

  • 確定申告書
  • 収支内訳書(不動産所得用)

記帳方法は簡易簿記でよく、日々の合計金額をまとめて記載する方法が認められています。

白色申告には青色申告特別控除のような税制優遇がありません

ただし、白色申告には青色申告特別控除のような税制上の優遇措置がないため、税効果は限定的です。

不動産投資の規模が小さく、所得額が少ない場合や、簿記の知識がなく手続きを簡単に済ませたい場合は、白色申告が向いている可能性があります。

青色申告と白色申告の比較表

項目 青色申告 白色申告
特別控除 最大65万円(条件により55万円または10万円) なし
記帳方法 複式簿記(10万円控除の場合は簡易簿記) 簡易簿記
赤字の繰越 3年間繰越可能 不可
専従者給与 全額経費計上可能(事業的規模の場合) 配偶者86万円、その他50万円が上限
事前申請 必要(青色申告承認申請書) 不要
提出書類 確定申告書、青色申告決算書 確定申告書、収支内訳書

現在は白色申告でも帳簿付けが義務化されているため、手間の差は以前ほど大きくありません。

税効果を重視するなら、青色申告を選択することをおすすめします。

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青色申告承認申請書の提出期限と手続き

青色申告を行うには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

提出期限は、原則として青色申告を行う年の3月15日までです。
出典: 国税庁 青色申告の承認申請手続

ただし、その年の1月16日以後に新規に不動産貸付を開始した場合は、開始日から2か月以内が期限となります。

たとえば、2026年分から青色申告を行いたい場合、2026年3月15日までに申請書を提出する必要があります。

申請書は、税務署の窓口で入手するか、国税庁のホームページからダウンロードできます。

e-Taxを利用してオンラインで提出することも可能です。

青色申告には開業届の提出も必要です。事業開始から1か月以内に提出しましょう

また、青色申告を行うには、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)の提出も必要です。

開業届は、事業開始日から1か月以内に提出することが原則とされています。

タイトル: 青色申告承認申請のスケジュール。横軸に時間軸: 1月1日〜1月15日(既存事業者)→3月15日までに申請書提出、1月16日以降(新規開始)→開始日から2か月以内に申請書提出。下部に注意書き: 開業届も事業開始から1か月以内に提出が必要

確定申告の手順|初年度から2年目以降まで

確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの所得に対して、翌年2月16日から3月15日までの間に行います。

2025年分の確定申告は、2026年2月16日(月)から3月16日(月)までが申告期間です。

ここでは、確定申告の具体的な手順を5つのステップで解説します。

タイトル: 確定申告の5ステップ。縦に並ぶ5つのステップカード: ステップ1(書類アイコン): 必要書類を準備する - 源泉徴収票、契約書、領収書を集める。ステップ2(帳簿アイコン): 帳簿をつける - 簡易簿記または複式簿記で記帳。ステップ3(電卓アイコン): 決算書を作成する - 青色申告決算書または収支内訳書。ステップ4(フォームアイコン): 確定申告書を作成する - 所得・控除を入力し税額計算。ステップ5(送信アイコン): 提出する - e-Tax、郵送、窓口のいずれかで提出

ステップ1: 必要書類を準備する

確定申告をスムーズに進めるには、事前に必要書類を揃えておくことが重要です。

不動産投資の確定申告で必要になる主な書類は以下の通りです。

  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)
  • 不動産売買契約書・賃貸借契約書
  • 家賃送金明細書(管理会社から入手)
  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書
  • 火災保険・地震保険の証券
  • 修繕費・管理費の領収書
  • 借入金の返済予定表
  • その他の経費の領収書

これらの書類は、確定申告書を作成する際に必要になるだけでなく、税務調査に備えて保管しておく必要があります。

領収書や契約書は原則7年間保管が義務付けられています

領収書や契約書は、原則として7年間保管することが義務付けられています。
出典: 国税庁 記帳や帳簿等保存・青色申告

ステップ2: 帳簿をつける(単式簿記・複式簿記)

確定申告を行うには、日々の収入と支出を記録した帳簿が必要です。

白色申告の場合は簡易簿記、青色申告で65万円控除を受ける場合は複式簿記での記帳が求められます。

簡易簿記は、現金の出入りを記録するシンプルな方法です。

一方、複式簿記は、すべての取引を「借方」と「貸方」に分けて記録する方法で、専門的な知識が必要です。

会計ソフトを使えば簿記の知識がなくても複式簿記が可能です

複式簿記での記帳が難しい場合は、会計ソフトを利用することをおすすめします。

freee、マネーフォワード、弥生会計などの会計ソフトを使えば、簿記の知識がなくても自動で仕訳を作成できます。

ステップ3: 決算書を作成する(青色申告決算書・収支内訳書)

帳簿をもとに、青色申告決算書または収支内訳書を作成します。

青色申告の場合は、「青色申告決算書(不動産所得用)」を作成します。

青色申告決算書は、損益計算書、貸借対照表、減価償却費の計算書などで構成されています。

白色申告の場合は、「収支内訳書(不動産所得用)」を作成します。

収支内訳書は、1年間の収入と経費の内訳を記載する書類で、青色申告決算書よりもシンプルな構成です。

これらの書類は、国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の指示に従って入力するだけで作成できます。

ステップ4: 確定申告書を作成する

決算書または収支内訳書が完成したら、確定申告書を作成します。

確定申告書には、不動産所得のほか、給与所得やその他の所得、各種控除を記載します。

確定申告書は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、オンラインで作成できます。

画面の指示に従って必要事項を入力するだけで、自動的に税額が計算されます。

また、マイナポータル連携を利用すれば、源泉徴収票や各種控除証明書のデータを自動で取得できるため、入力の手間を省けます。

ステップ5: 提出する(e-Tax・郵送・窓口)

確定申告書の提出方法は、以下の3つがあります。

  • e-Tax(電子申告): 自宅からオンラインで提出できます。マイナンバーカードとICカードリーダー、またはスマートフォンがあれば利用可能です。
  • 郵送: 確定申告書を印刷し、所轄の税務署に郵送します。消印の日付が提出日となります。
  • 税務署窓口: 税務署に直接持参します。確定申告期間中は時間外収受箱も利用できます。

e-Taxで提出すると還付金が3週間程度で振り込まれます

e-Taxで提出すると、還付金が早く振り込まれる傾向があります。

e-Taxで提出した場合は3週間程度、郵送・窓口で提出した場合は1か月から1か月半程度で還付金が振り込まれます。
出典: 国税庁 税金の還付

期限後申告は青色申告特別控除が10万円に減額されます

確定申告の期限は原則として3月15日ですが、2026年は3月16日(月)が期限となります。

期限を過ぎると期限後申告となり、青色申告特別控除が65万円から10万円に減額されるなどのデメリットがあるため、早めの準備を心がけましょう。

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確定申告に必要な書類一覧|入手先と準備のコツ

確定申告をスムーズに進めるには、必要な書類を事前に揃えておくことが重要です。

書類の準備は、初心者が最も不安を感じる部分でもあります。

ここでは、不動産投資の確定申告で必要になる書類を、カテゴリ別に詳しく解説します。

不動産関連の書類(売買契約書・賃貸契約書・送金明細)

不動産投資に関わる基本的な書類として、以下のものが必要です。

  • 不動産売買契約書: 物件を購入した際の契約書です。建物と土地の価格内訳、取得日などが記載されています。
  • 賃貸借契約書: 入居者との契約書です。家賃や契約期間、敷金・礼金の金額が記載されています。
  • 家賃送金明細書: 管理会社から毎月送られてくる明細書です。家賃収入や管理費の内訳が記載されています。
  • 更新料・礼金の領収書: 入居者から受け取った更新料や礼金の記録です。

これらの書類は、不動産所得の総収入金額を計算する際に必要です。

管理会社に委託している場合は、年間の収支報告書をもらえることが多いため、それを活用しましょう。

経費関連の書類(領収書・固定資産税通知書・ローン返済表)

必要経費を計上するには、支出を証明する書類が必要です。

  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書: 市区町村から送られてくる通知書です。年間の税額が記載されています。
  • 火災保険・地震保険の証券: 保険料の金額と保険期間が記載されています。
  • 修繕費の領収書: 原状回復工事やリフォーム費用の領収書です。
  • 管理費の領収書・明細: 管理会社に支払う管理委託料の明細です。
  • 借入金の返済予定表: 金融機関から受け取る年間の返済予定表です。元本と利息の内訳が記載されています。
  • その他の経費の領収書: 交通費、通信費、税理士報酬など、不動産事業に関わる経費の領収書です。

借入金の元本返済額は経費になりません。利息のみ経費計上可能です

借入金の利息は経費として計上できますが、元本返済額は経費になりません。

また、土地取得に係る借入金の利息は、不動産所得が赤字の場合、損益通算の対象外となる点に注意が必要です。
出典: 国税庁 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算

給与所得者が準備する書類(源泉徴収票)

給与所得者が不動産投資を行っている場合、給与所得と不動産所得を合算して申告する必要があります。

そのため、勤務先から受け取る源泉徴収票が必要です。

源泉徴収票には、年間の給与収入、給与所得控除後の金額、源泉徴収税額などが記載されています。

マイナポータル連携を利用すれば、源泉徴収票のデータを自動で取得できるため、入力の手間を省けます。

書類の保管方法と保管期間

確定申告に使用した書類は、税務調査に備えて一定期間保管する必要があります。

帳簿や領収書、契約書などは、原則として7年間保管することが義務付けられています。
出典: 国税庁 記帳や帳簿等保存・青色申告

書類の保管方法としては、以下のような方法があります。

  • 年度ごとにファイルにまとめて保管する
  • スキャンしてPDFデータとして保存する(電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります)
  • クラウドストレージに保存する

紙の書類は、日焼けや湿気で劣化する可能性があるため、適切な環境で保管しましょう。

電子データで保存する場合は、バックアップを取っておくことをおすすめします。

タイトル: 確定申告書類の保管期間と方法。左側ボックス: 保管期間 - 帳簿・領収書・契約書: 7年間、申告書控え: 永久保存推奨。右側ボックス: 保管方法 - 紙保管: 年度別ファイリング、湿気・日焼け対策、電子保存: PDF化(電子帳簿保存法対応)、クラウドバックアップ

経費として計上できる項目|税効果を高めるポイント

不動産投資で税効果を最大化するには、認められる経費を漏れなく計上することが重要です。

ここでは、不動産所得の必要経費として計上できる主な項目を詳しく解説します。

減価償却費の計算方法|構造別の耐用年数

減価償却費は、不動産所得の必要経費の中でも金額が大きくなる傾向があり、税効果に大きく影響します。

減価償却とは、建物や設備などの取得費用を、法定耐用年数にわたって分割して経費計上する仕組みです。

減価償却費は実際の支出を伴わず税効果が見込めます

減価償却費は、実際の支出を伴わない経費であるため、キャッシュフローを悪化させずに税効果が見込めます。

減価償却費の計算式は以下の通りです。

減価償却費 = 建物取得価額 × 償却率

償却率は、建物の構造ごとに定められた法定耐用年数によって決まります。

主な建物構造の法定耐用年数と償却率は以下の通りです。
出典: 国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表

構造 法定耐用年数 償却率(定額法)
木造 22年 0.046
軽量鉄骨造(3mm以下) 19年 0.053
軽量鉄骨造(3mm超4mm以下) 27年 0.038
重量鉄骨造 34年 0.030
鉄筋コンクリート造(RC造) 47年 0.022

たとえば、木造アパートを建物価格2,000万円で購入した場合、年間の減価償却費は以下のようになります。

2,000万円 × 0.046 = 92万円

中古物件を購入した場合は、残存耐用年数を計算して償却率を求めます。

法定耐用年数を全部経過している場合は、法定耐用年数 × 20% が耐用年数となります。

法定耐用年数の一部を経過している場合は、(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20% が耐用年数となります。
出典: 国税庁 中古資産の耐用年数

タイトル: 構造別の減価償却費比較。横軸に建物構造(木造、軽量鉄骨、重量鉄骨、RC造)、縦軸に年間減価償却費。建物価格2,000万円の場合の棒グラフ: 木造92万円(22年)、軽量鉄骨106万円(19年)、重量鉄骨60万円(34年)、RC造44万円(47年)。下部に注釈: 耐用年数が短いほど年間償却額が大きくなる

管理費・修繕積立金・修繕費

不動産の維持管理に関わる費用は、必要経費として計上できます。

  • 管理委託料: 管理会社に支払う管理手数料です。家賃の5%程度が相場です。
  • 修繕積立金: 区分マンションの場合、管理組合に支払う修繕積立金は経費として計上できます。
  • 修繕費: 原状回復工事や設備の修理費用です。ただし、資本的支出(建物の価値を高める工事)は減価償却の対象となり、一括で経費計上できません。

修繕費と資本的支出の区別は税務調査で問題になりやすいポイントです

修繕費と資本的支出の区別は、税務調査で問題になりやすいポイントです。

原状回復や維持管理のための支出は修繕費、機能向上や耐用年数延長のための支出は資本的支出として扱われます。
出典: 国税庁 修繕費とならないものの判定

借入金利子の按分計算

不動産購入のための借入金の利息は、必要経費として計上できます。

ただし、土地と建物を一括で購入した場合、借入金利息を土地部分と建物部分に按分する必要があります。

建物部分の利息は全額経費計上できますが、土地部分の利息は不動産所得が赤字の場合、損益通算の対象外となります。
出典: 国税庁 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算

按分計算の方法は、土地と建物の取得価額の比率に応じて行います。

固定資産税・都市計画税

不動産を所有していると、毎年、固定資産税と都市計画税が課されます。

これらの税金は、不動産所得の必要経費として計上できます。
出典: 国税庁 不動産収入を受け取ったとき

固定資産税・都市計画税の納税通知書は、毎年4月頃に市区町村から送られてきます。

経費計上のタイミングは、納付時または発生時のいずれかを選択できますが、一度選択した方法は継続して適用する必要があります。

火災保険料・地震保険料

不動産に掛けた火災保険料や地震保険料は、必要経費として計上できます。

保険料を一括払いした場合は、その年の保険期間に対応する部分のみを経費計上します。

たとえば、5年分の保険料を一括で支払った場合、1年分ずつ按分して経費計上します。

その他の経費(税理士報酬・交通費・通信費)

不動産事業に関わるその他の経費として、以下のようなものが計上できます。

  • 税理士報酬: 確定申告を税理士に依頼した場合の報酬です。
  • 交通費: 物件の視察や管理会社との打ち合わせに要した交通費です。
  • 通信費: 不動産事業に関わる電話代やインターネット料金です。プライベートと兼用の場合は、事業に使用した割合を按分します。
  • 新聞図書費: 不動産投資に関する書籍や専門誌の購入費用です。
  • 接待交際費: 管理会社や入居者との打ち合わせに要した飲食費などです。

これらの経費は、不動産事業に直接関係するものに限られます。

プライベートと兼用のものは、合理的な基準で按分する必要があります。

経費計上の注意点|資本的支出との区別

修繕費として一括で経費計上できるか、資本的支出として減価償却の対象になるかは、支出の内容によって判断されます。

一般的に、以下のような支出は修繕費として扱われます。

  • 原状回復のための工事
  • 壁紙の張り替え
  • 畳の表替え
  • 設備の修理

一方、以下のような支出は資本的支出として扱われます。

  • 建物の増築
  • 設備のグレードアップ
  • 耐用年数を延長する大規模修繕

判断が難しい場合は税理士または税務署に相談しましょう

判断が難しい場合は、税理士または税務署に相談することをおすすめします。

タイトル: 修繕費と資本的支出の区別。左右2カラム比較表: 左側(緑背景)修繕費 - 一括で経費計上可能、対象: 原状回復工事、壁紙張替え、畳表替え、設備修理。右側(オレンジ背景)資本的支出 - 減価償却で分割計上、対象: 建物増築、設備グレードアップ、大規模修繕、耐用年数延長工事

e-Taxでの確定申告の流れ|マイナンバーカード方式

e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用すれば、自宅から確定申告を完結できます。

e-Taxでの申告は、還付金が早く振り込まれるメリットがあります。

ここでは、マイナンバーカードを使ったe-Taxでの確定申告の流れを解説します。

e-Taxの事前準備|マイナンバーカードとICカードリーダー

e-Taxで申告するには、以下のいずれかの方法で電子署名を行う必要があります。

  • マイナンバーカード方式: マイナンバーカードとICカードリーダー、またはマイナンバーカード読み取り対応のスマートフォンを使用します。
  • ID・パスワード方式: 税務署で発行されるID・パスワードを使用します。事前に税務署で本人確認を受ける必要があります。

マイナンバーカード方式なら青色申告65万円控除が受けられます

マイナンバーカード方式が推奨されており、青色申告特別控除65万円を受けるにはマイナンバーカード方式での申告が必要です。
出典: 国税庁 青色申告特別控除

マイナンバーカードの電子証明書には有効期限があり、発行から5回目の誕生日までとなっています。

期限が切れている場合は、市区町村の窓口で更新手続きを行ってください。

収支内訳書・青色申告決算書の入力手順

e-Taxでの申告は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用します。

画面の指示に従って、以下の情報を入力します。

  • 不動産の所在地・種類
  • 年間の家賃収入
  • 必要経費の内訳(減価償却費、修繕費、管理費など)
  • 借入金の利息

マイナポータル連携を利用すれば、源泉徴収票や各種控除証明書のデータを自動で取得できます。

入力が完了すると、自動的に不動産所得が計算されます。

確定申告書の入力と送信

収支内訳書または青色申告決算書の入力が完了したら、確定申告書に必要事項を入力します。

  • 給与所得(源泉徴収票の内容)
  • 不動産所得(収支内訳書・青色申告決算書から自動転記)
  • 各種所得控除(医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除など)

すべての入力が完了すると、自動的に税額が計算されます。

内容を確認したら、マイナンバーカードで電子署名を行い、送信します。

送信が完了すると、受付完了のメッセージが表示されます。

送信データは、PDFとしてダウンロードして保存しておくことをおすすめします。

よくあるエラーと対処法

e-Taxでの申告時によくあるエラーとして、以下のようなものがあります。

  • マイナンバーカードが認識されない: ICカードリーダーのドライバが最新版か確認してください。スマートフォンの場合は、マイナンバーカードをしっかりと密着させてください。
  • 電子証明書の有効期限切れ: 市区町村の窓口で更新手続きを行ってください。
  • 入力内容のエラー: エラーメッセージに従って、該当箇所を修正してください。金額の入力ミスや必須項目の入力漏れがないか確認しましょう。

エラーが解決しない場合は、e-Taxヘルプデスク(0570-01-5901)に問い合わせることができます。

確定申告ソフトの選び方|freee・マネーフォワード・弥生を比較

確定申告を自分で行う場合、会計ソフトを利用すると作業が大幅に効率化されます。

ここでは、不動産所得の確定申告に対応した主要な会計ソフトを比較し、選び方のポイントを解説します。

確定申告ソフトの比較表|料金・機能・サポート

主要な会計ソフトは、いずれも不動産所得に対応しており、青色申告・e-Tax連携・スマホアプリ・銀行口座連携などの機能を備えています。料金プランや機能の詳細は各社の公式サイトでご確認ください。

料金は各社公式サイト(2026年3月時点)を参考にしています。最新の料金プランは各社公式サイトでご確認ください

不動産所得に強いソフトの選び方

不動産所得の確定申告に対応した会計ソフトを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 不動産所得専用の入力画面があるか: 家賃収入や減価償却費などを簡単に入力できる画面があると便利です。
  • 減価償却費の自動計算機能: 建物の構造や取得価額を入力すれば、自動で減価償却費を計算してくれる機能があると便利です。
  • 複数物件の管理: 複数の物件を所有している場合、物件ごとに収支を管理できる機能があると便利です。
  • サポート体制: 初めて確定申告を行う場合は、電話やチャットでサポートを受けられるソフトがおすすめです。

多くの会計ソフトは、無料お試し期間を設けています。

実際に使ってみて、自分に合ったソフトを選ぶことをおすすめします。

会計ソフトへの仕訳入力の実務

会計ソフトを使った仕訳入力の基本的な流れは以下の通りです。

1. 銀行口座やクレジットカードを連携し、取引データを自動取得する
2. 取得したデータを確認し、勘定科目を選択する(多くのソフトはAIが自動で推測してくれます)
3. 家賃収入や経費の領収書をスマホで撮影し、アップロードする
4. 減価償却費などの定期的な仕訳を登録する
5. 月次で収支を確認し、入力漏れがないかチェックする

会計ソフトなら簿記の知識がなくても帳簿が作成できます

会計ソフトを使えば、簿記の知識がなくても、画面の指示に従って入力するだけで帳簿が作成できます。

日々の取引を定期的に入力しておくことで、確定申告時期の負担を軽減できます。

タイトル: 会計ソフトを使った確定申告の流れ。左から右へのフロー図: ステップ1(銀行連携アイコン): 口座連携で取引自動取得 → ステップ2(AIアイコン): AIが勘定科目を自動推測 → ステップ3(スマホアイコン): 領収書をスマホ撮影 → ステップ4(帳簿アイコン): 減価償却費など定期仕訳登録 → ステップ5(チェックアイコン): 月次で収支確認

税理士に依頼する場合の費用相場と選び方

確定申告を自分で行うのが難しい場合や、時間を節約したい場合は、税理士に依頼することも選択肢の一つです。

ここでは、税理士に依頼する場合の費用相場や、自分で行うか依頼するかの判断基準を解説します。

税理士依頼の費用相場|物件数・所得額別

税理士に確定申告を依頼する場合の費用は、物件数や所得額、依頼する業務内容によって異なります。

税理士に不動産所得の確定申告を依頼する場合の一般的な費用相場は、物件の規模や所得額により異なりますが、年間5万円〜30万円程度です。記帳代行を含める場合は、月額1万円〜3万円程度の追加費用がかかります。複数の税理士事務所の公表情報や税理士紹介サイトの相場情報を参考に、見積もりを比較検討することをおすすめします。

税理士に依頼する際は、複数の税理士事務所に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。

自分でやる vs 税理士依頼の判断基準

自分で確定申告を行うか、税理士に依頼するかは、以下の基準で判断するとよいでしょう。

自分で行うのが向いているケース

  • 物件数が1〜2室程度で、取引が少ない
  • 会計ソフトを使いこなせる
  • 確定申告の知識を身につけたい
  • 税理士費用を節約したい

税理士に依頼するのが向いているケース

  • 物件数が多く、取引が複雑
  • 本業が忙しく、確定申告に時間を割けない
  • 税務調査に備えて専門家のサポートを受けたい
  • 税効果を最大化するためのアドバイスが欲しい

税理士に依頼すると費用はかかりますが、正確な申告ができ、税務調査のリスクを軽減できるメリットがあります。

また、税効果を最大化するためのアドバイスを受けられるため、税理士費用以上の効果が見込める場合もあります。

不動産投資に強い税理士の選び方

税理士を選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 不動産投資の実績: 不動産所得の確定申告を多く手がけている税理士を選びましょう。
  • 料金体系の明確さ: 料金が明確で、追加費用が発生しないか確認しましょう。
  • コミュニケーション: 質問に丁寧に答えてくれるか、レスポンスが早いかを確認しましょう。
  • 対応エリア: 対面での相談を希望する場合は、近隣の税理士事務所を選びましょう。オンライン対応の税理士も増えています。

税理士との相性も重要です。

初回相談は無料で受け付けている税理士事務所も多いため、複数の税理士と面談してから決めることをおすすめします。

確定申告で気をつけたいこと|よくある失敗とペナルティ

確定申告では、ミスや期限遅れによってペナルティが発生する可能性があります。

ここでは、よくある失敗例とペナルティの内容、対策方法を解説します。

よくある申告ミス|経費計上・減価償却の間違い

確定申告でよくあるミスとして、以下のようなものがあります。

  • 収入の計上漏れ: 礼金や更新料を忘れて家賃だけを記入してしまう。
  • 経費の二重計上: 固定資産税を自宅分も含めて全額計上してしまう。
  • 減価償却の計算ミス: 耐用年数を間違える、強制適用と知らずに計上しない。
  • 土地の借入金利子を損益通算に含める: 不動産所得が赤字の場合、土地の借入金利子は損益通算の対象外です。
  • 修繕費と資本的支出の区別ミス: 資本的支出を修繕費として一括計上してしまう。

これらのミスを防ぐには、確定申告書を提出する前に、複数回チェックすることが重要です。

会計ソフトを利用すれば、自動でエラーチェックをしてくれるため、ミスを減らせます。

確定申告を忘れた・遅れた場合のペナルティ

確定申告の期限(原則3月15日、2026年は3月16日)を過ぎると、以下のペナルティが発生します。

  • 無申告加算税: 期限内に申告しなかった場合に課される税金です。税額50万円までの部分は15%、50万円を超える部分は20%の税率が適用されます。税務調査前に自主的に申告すれば、税率は5%に軽減されます。
    出典: 国税庁 確定申告を忘れたとき
  • 延滞税: 納付が遅れた日数に応じて課される税金です。延滞日数によって税率が異なります。
    出典: 国税庁 延滞税について
  • 青色申告特別控除の減額: 期限後申告の場合、青色申告特別控除が65万円から10万円に減額されます。

期限後でも気づいた時点で速やかに申告すればペナルティを最小限に抑えられます

期限を過ぎてしまった場合でも、気づいた時点ですぐに申告することで、ペナルティを最小限に抑えられます。

税務調査が入りやすいケースと対策

税務調査は、すべての納税者に入るわけではありませんが、以下のようなケースでは調査が入りやすいとされています。

  • 不動産所得が大幅に赤字になっている
  • 経費の計上額が不自然に多い
  • 収入の計上漏れが疑われる
  • 過去に申告ミスがあった

税務調査に備えて、以下の対策を行っておきましょう。

  • 領収書や契約書を7年間保管する
  • 経費の根拠を説明できるようにしておく
  • 不自然な経費計上を避ける
  • 正確な申告を心がける

税務調査が入った場合は、誠実に対応することが重要です。

税理士に依頼している場合は、税理士が立ち会ってサポートしてくれます。

修正申告・更正の請求の方法

確定申告の内容に誤りがあった場合、以下の方法で訂正できます。

  • 修正申告: 申告した税額が実際より少なかった場合に行います。気づいた時点で速やかに修正申告を行いましょう。
    出典: 国税庁 申告が間違っていたとき
  • 更正の請求: 申告した税額が実際より多かった場合に行います。法定申告期限から5年以内であれば請求できます。
    出典: 国税庁 更正の請求

修正申告や更正の請求は、税務署の窓口またはe-Taxで手続きできます。

手続きが不安な場合は、税理士に相談することをおすすめします。

タイトル: 確定申告のペナルティ一覧。3列の表: ヘッダー行: ペナルティ種類 | 税率・内容 | 対策。行1: 無申告加算税 | 50万円まで15%、超過分20%(自主申告なら5%) | 期限内申告を徹底。行2: 延滞税 | 納付遅延日数に応じて課税 | 早期納付。行3: 青色控除減額 | 65万円→10万円に減額 | 期限厳守

確定申告に関するよくある質問(Q&A)

初年度と2年目以降で申告内容は変わる?

初年度と2年目以降では、計上できる経費の内容が一部異なります。

初年度は、不動産取得税や登記費用、仲介手数料などの取得に関わる費用を計上できます。

2年目以降は、これらの費用は計上できず、減価償却費や管理費、修繕費などの維持管理に関わる費用が中心となります。

また、初年度は物件を取得した日から12月31日までの期間で減価償却費を計算するため、1年分より少なくなります。

住民税の申告は必要?会社にバレない方法は?

所得税の確定申告をすれば、住民税の申告は原則不要です。

確定申告のデータが自動的に市区町村に送られ、住民税が計算されます。

ただし、不動産所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は必要です。

副業の不動産投資を会社に知られたくない場合は、確定申告書の第二表にある「住民税の徴収方法」の欄で、「自分で納付」を選択しましょう。

これにより、不動産所得に係る住民税の納付書が自宅に送られ、会社の給与から天引きされなくなります。

ふるさと納税・医療費控除と併用できる?

ふるさと納税や医療費控除は、不動産所得の確定申告と併用できます。

ふるさと納税のワンストップ特例を利用していない場合は、確定申告で寄附金控除を申請する必要があります。

医療費控除は、年末調整では対応できないため、確定申告で申請します。

これらの控除を併用することで、さらに税効果を高めることができます。

事業的規模(10室5棟)に達したらどうなる?

不動産の貸付が事業的規模に達すると、以下のメリットがあります。
出典: 国税庁 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分

事業的規模の判定基準は、アパート10室以上または貸家5棟以上が目安です。

ただし、これはあくまで目安であり、実際の判定は社会通念上「事業」といえる規模かどうかで行われます。

法人化のタイミングはいつ?

不動産所得が一定額を超えると、法人化による税効果が見込める場合があります。

一般的には、不動産所得が年間800万円〜1,000万円を超えるあたりが、法人化を検討するタイミングとされています。個人の所得税率が法人税率を上回る水準(課税所得900万円超で税率33%)になると、法人化による税効果が見込めます。

法人化のメリットは以下の通りです。

一方、法人化のデメリットとして、設立費用や維持コスト(税理士顧問料、社会保険料など)がかかります。

法人化を検討する際は、税理士にシミュレーションを依頼し、メリット・デメリットを比較することをおすすめします。

還付金はいつ振り込まれる?

確定申告で税金の還付がある場合、申告書に記載した本人名義の金融機関口座に振り込まれます。

還付金が振り込まれるまでの期間は、提出方法によって異なります。

還付金が振り込まれると、税務署から「国税還付金振込通知書」というハガキが届きます。

e-Taxで申告した場合は、処理状況をオンラインで確認することも可能です。

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まとめ|不動産投資の確定申告を正しく完了させるために

不動産投資を行う上で、確定申告は避けて通れない重要な手続きです。

不動産所得が年間20万円を超える場合は申告が必要ですが、赤字の場合でも損益通算により税金の還付を受けられる可能性があります。

青色申告を選択すれば最大65万円の特別控除を受けられるため、税効果を重視する方には青色申告がおすすめです。

ただし、青色申告には複式簿記での記帳や事前申請が必要なため、会計ソフトや税理士のサポートを活用することを検討しましょう。

減価償却費や管理費、修繕費など、認められる経費を漏れなく計上することで、税効果を最大化できます。

経費計上の判断に迷う場合は、税理士に相談することをおすすめします。

e-Taxを利用すれば、自宅から申告でき、還付金も早く受け取れます。

マイナンバーカードとICカードリーダー、またはスマートフォンがあれば利用できるため、積極的に活用しましょう。

確定申告の期限は2026年3月16日です。期限後申告はペナルティの対象になります

確定申告の期限は原則3月15日(2026年は3月16日)です。

期限後申告はペナルティの対象になるため、早めに準備を始めることが重要です。

不動産所得の計算や経費計上の判断は個別の状況により異なるため、詳細は税理士または税務署にご確認ください

不動産所得の計算や経費計上の判断は個別の状況により異なるため、詳細は税理士または税務署にご確認ください。

税制は改正される可能性があるため、最新情報は国税庁ホームページ等でご確認ください。

不動産投資は元本や利益が保証された金融商品ではありません。不動産価格の変動、空室の発生、修繕費の増加、金利の変動等により、投資元本を下回る損失が生じる可能性があります。不動産クラウドファンディングにおいても、運用期間中の途中解約ができない場合があり、元本割れのリスクがあります。投資を行う際は、事業者の登録状況を確認し、契約内容や重要事項説明書をよくお読みのうえ、ご自身の判断と責任で投資判断を行ってください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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