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2.コロナ禍で”経営の優先度”はどう変化したか?【Tokyo Venture Conference2020|書き起こし】

この記事は、2020年6月24日にオンライン開催されたイベント『Tokyo Venture Conference2020』の書き起こし記事です。

▼イベント概要
主催:U30 CXO COMMUNITY運営事務局
日時:6/24(水) 11:50〜21:00 会場B 14:00-15:00
URL:https://peatix.com/event/1518881

(スピーカー)
中村壮秀氏:アライドアーキテクツ株式会社 代表取締役
飛鳥貴雄氏:株式会社ピアラ CEO
宮崎善輝氏:株式会社ボグダン 代表取締役
北尾崇氏:CyberAgent Capital 投資家

 (モデレーター)
土岐彩花:SOICO株式会社 取締役COO

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1.【書き起こし】Tokyo Venture Conference2020【登壇者の紹介】

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3.【書き起こし】Tokyo Venture Conference2020【2021-2022年の経営方針】

①コロナショックによって経営の優先度はどのように変化したのか?

土岐:本日は「コロナ対策」という大きめのお題でいただきましたが、せっかく経営者の先輩方もおられますので、以下のスライドに書いてある4つのアジェンダを用意しております。

まず一通りお話を伺いまして、その中で関連する質問が来ましたらその都度拾っていければと思っております。

はじめに、今回のコロナショックによって経営の優先順位がどう変わったのかについてお話をいただければと思います。

それでは、中村さんからお願いします。

種まきした事業を成長させることが優先

中村:弊社の場合、シード期(コロナ前)から仕込んでいた事業の刈り取りする時期に来ています。

コロナによって、デジタルトランスフォーメーション(以下DX)やグローバル集客のニーズ高まっていますので、ここにさらに集中して事業を伸ばしていければと思ってます。

一方で、with/afterコロナの中でどうやって生産性を高めていくのかの働き方の改革が急がれていますね。

すぐにコストカットと銀行からの資金調達を実施

飛鳥:僕らもEC支援がメインですので、「巣ごもり需要」で伸びていますが、2割くらいはリアルマーケティングをやっている分、出っこみ引っ込みがありますね。

ですので即コスト計算をして、2~3月にはカットできる部分は早急に手を打っていました

また、僕らは2015年に債務超過になったことがあるので、キャッシュフロー視点の経営については強く、すぐ銀行からの調達を始めました。

これからのアフターコロナに向けてかなりの勢いでDXの加速化が進んでおり、リアルに使っていたコストがデジタルに当てられるので、「ピンチはチャンス」だと思っています。

タイなどの海外では、店舗×メディア×ECをやってるのですが、非常に良い立地の店舗が空いたりなどチャンスが訪れてきていますね。

全部署で「どんなチャンスがあるか?」という視点で経営しています。

新規事業への予算が減り、DX化推進への投資が進んでいる

宮崎:マイナスインパクトを受けた企業が多い一方、中村さんや飛鳥さんのように、マイナスよりもプラスインパクトの方が大きい企業もありますので、「業態」と「DX化率」の掛け合わせで、今回のコロナショックの影響があったのか測れると思います。

自分の業態がネガティブであればどうするのか、ポジティブであればどうするのか、という動き方が必要ですね。ネガティブな影響が大きい業態であれば、ひたすらコストカットが急がれるでしょう。

例えば、私が社外取締役をやっている「ベンチャープロパティ」という会社は、オフィスの入退去費用をそれぞれ下げるという業界の常識を打ち破るビジネスをやっており、現在問い合わせが殺到している状態です。

このことからわかるように、出社する人が少なくなったオフィス地代など無駄なコストをとにかくすぐ止めることは必要かなと思います。

また新規事業への予算が減り、足固めをするためのDX化の推進への投資が進んでいる印象です。コロナのマイナスインパクトを受けるだけでなく、それをどう次につなげるのかを考えて行動している企業は前に進んでいる印象がありますね。

”モテるベンチャー企業”の定義が変わってきている

北尾:支援先でも影響が大きい企業も多く、特にインバウンドや飲食系はもろに影響を受けてますね。一方、メディアやエンタメ系のサービスは追い風でした。

いわゆる”モテるベンチャー企業”(=投資したいと思う企業)のテーマが変わっているのを感じます。

これまではマーケティングコストを高めに取ってトラクション(※1)が伸びるビジネスが評価されていましたが、コロナになってからは黒字化できる企業がシード・アーリー期でも評価されるようになりました。

無理にトラクションを伸ばしにいくよりも、自社の強みを水面下で良いので作りに行き、PMF(※2)した後に大きく跳ねる方が望ましいです。

例えば、noteの6500万MAU到達のプレスリリースが出ていましたが、直近2,3年くらいはずっと水面下で、最近一気に伸びましたよね。

小学生だと足が速い人がモテますが、大人になると頭がよくてお金を持っている人がモテるのと同じくらいわかりやすく、”モテるベンチャー”の定義が変わってきているなと思います。

※1 トラクション=顧客数が伸び大きな成長が見込めること
※2 PMF=サービス・プロダクトが市場にフィットすること

②リモート時の営業スタイル・マネジメントや評価はどのように変化したのか?

土岐:ありがとうございます。

本日お話しいただいている経営者の方は、主にBtoBの事業を展開されておりますが、コロナ禍で営業スタイルがどのように変わったのかについてお伺いしたいと思うと同時に、社内でもリモートワークが進んでいる中で、いかにマネジメント・評価をしているのかについてもお聞きできればと思っております。

それでは、中村さんからお願いします。

様々なやり方を試して、自社に合う方針を模索中

中村:4月は新規商談はかなり減りましたね。なのでzoomを活用したりウェビナーを開催するなどの工夫をしています。

一方ポジティブな面でいうと、コロナショックによって社員が在宅ワークとなり商品の撮影ができなくなった企業様向けに、我々の会員であるモニターさん・ブロガーさんが企業の制作を手伝うサービスを開発して出したら伸びました。

このように逆風の中でもチャンスをつかみ、工夫しながら凌いでおります。ただ、やはりコロナ前の方が営業活動はやりやすかったという社員の声は多いですね。

社内面でいうと、正直評価やフィードバックの仕方についてはまだ確立出来ていない状態です。

このうち、「個人かつ具体的な仕事(処理業務など)」「個人かつ抽象的な仕事(経営など)」「チームかつ具体的な仕事(定例ミーティングなど)」についてはテレワークでも生産性を保てますが、「チームかつ抽象的な仕事」については中々難しいなと感じています。

有事でも平時でもない今の段階で色々なケースを試して、次のあり方を模索している状態なので、評価やフィードバックの仕組みを開発するのは次の段階かなと思ってます。

インバウンド集客を強化し問い合わせが増加

飛鳥:対面営業ができなくなったので、すぐに全サービスでインバウンド集客用のページを作り対策しました。

実際にweb経由の反応率はあがっており、BtoBでもwebで情報収集するマーケターも増えているので、問い合わせ数も順調に伸びています。

それと同時に、既存顧客へのクロスセルや紹介でしのぎつつ、インバウンドの準備を進めてるような状態です。

また、コロナによってオンライン化が進むことで、かえって対面営業の価値が上がったとも感じています。

このような状況下でわざわざ会うということは大きい商談や成約に近い商談ということになるので。

評価面だと、元々「結果しか評価しない」というスタンスなのでそれほど変わらないですね。

ただプロジェクトの意思疎通、ブレインストーミングなどはリモートだとやりづらいですね。

なので今は週3出社、週2リモート自由にしており、出社時は皆でコミュニケーションを取って意思疎通やブレインストーミングを行い、リモート時は個人で集中して仕事を進めるなど、なんとなく棲み分けが見えてきたかなと思います。

オンラインのみの関係性からも受注

宮崎:弊社は組織が小さいので変化に適応しやすく、例えば商談はすべてzoom会議やウェビナーに切り替えてました。

それによって、これまでリアルで一度も会ったことがない方から受注することも増えました。

もちろん規模感や業種、サービスの単価にもよるのですが、状況に合わせて変容している企業も周りにも多いので、何もせず足踏みしているともったいないなと思っています。

コミュニケーションの面では、社外はFacebookチャット、社内はSlackとChatworkで行っています。

また最近、「Discord」というツールもいいなと思い、Slackと組み合わせて自然発生的な雑談が始まるような場を作れています。

無料なので、気になる人はググって調べていただければと思います。

状況に合わせて、ツールも含めてコミュニケーションスタイルを柔軟に変えていくのが良いのかなと思います。

オンライン会議やピッチイベントにチャレンジ中

北尾:元々サイバーエージェントには50人×10チームで会社の経営課題や新規事業について考える「明日会議」という仕組みがありますが、弊社においても同じような取り組みを始めました。

zoomを活用しながら、4人×6チームくらいで支援先の企業の経営課題や新規事業について皆でディスカッションしましたが、非常に盛り上がり一体感が出ましたね。

またメンバーにも色々な国籍の人がおり母国語もバラバラなので、SlackのチャンネルにDeepLの機能を組み込み、例えば日本語で送ったらベトナム人にはベトナム語に翻訳されて表示することでコミュニケーションをとりやすくしました。

マンスリーピッチというピッチイベントがオフラインで開催できなくなってしまったので、どうせだったら日本で一番オンラインイベントを上手に開催できるようにしようと意気込んでます。

・本編の続きはこちらからご覧いただけます。以下の記事では2021-2022年の経営方針について、各経営者の方の考えをご紹介しております。

3.【書き起こし】Tokyo Venture Conference2020【2021-2022年の経営方針】