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3.2021-2022年の経営方針は攻め?守り?【Tokyo Venture Conference2020|書き起こし】

この記事は、2020年6月24日にオンライン開催されたイベント『Tokyo Venture Conference2020』の書き起こし記事です。

▼イベント概要
主催:U30 CXO COMMUNITY運営事務局
日時:6/24(水) 11:50〜21:00 会場B 14:00-15:00
URL:https://peatix.com/event/1518881

(スピーカー)
中村壮秀氏:アライドアーキテクツ株式会社 代表取締役
飛鳥貴雄氏:株式会社ピアラ CEO
宮崎善輝氏:株式会社ボグダン 代表取締役
北尾崇氏:CyberAgent Capital 投資家

 (モデレーター)
土岐彩花:SOICO株式会社 取締役COO

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1.【書き起こし】Tokyo Venture Conference2020【登壇者紹介】

2.【書き起こし】Tokyo Venture Conference2020【コロナ禍の経営の優先度の変化】

③2021-2022年の経営方針について

土岐:続きまして、2021年-2022年の経営の仕方についてどのように考えているのかお伺いできればと思っております。 まず飛鳥さんからお願いします。

オンライン化されていないニッチな領域を狙う

飛鳥:日本のEC化率はわずか6%で、94%はリアルで物を買っていることを考えると、まだまだデジタル化する余地はあるのかなと思っています。

通販でいうと、テレビCMばかりやっていた企業がデジタル戦略を強化しなければと危機感を覚え、弊社への相談も増えています。

現在オンライン会議やオンライン診療などが目立ってますが、まだまだオンライン化していない領域がたくさんあるので、それらを一つ一つサービス化していくことでイノベーションを起こすチャンスがあると思っています。

僕らはデジタル化されていない「ニッチな領域」を攻めて、新しいDXを作っていければと思っていますね。

また、海外については、今回物の流れがストップしたことで、かえってインターネットを通して早く流通してほしいというニーズも増えたと思うので、海外事業もチャンスですね。

日本全体のデジタル化を進め生産性を上げていく

中村:zoomなどオンラインツールが普及し、さらにEC化率が伸びたり、これほどDXの背中を押してくれた状況はないでしょう。なので、この1,2年はこの波(状況)に乗ってデジタル化を進めていかないと日本の生産性は永遠に上がらないと思っています。

今回のコロナによって、大企業や地方企業もウェブ会議の導入などDX化の流れに乗ってくれたので、こんな千載一遇のチャンスはまたとないでsy。

IT系の企業は今の事業を磨きをかけ、日本全体のデジタル化を進めていくべきだと思います。

デジタル化のチャンスを掴むため攻めの経営を

宮崎:攻めの経営か、守りの経営かでいうと、僕は攻め100%の経営ですね。キャッシュがある前提ですが、今はガンガン攻める時だと思います。

マクロ経済で見ると、コロナの影響で失業率があがり不況の波が来ていますが、ミクロで見ると今回のコロナは強制的な「デジタルシフト装置」という見方もできると思います。

IT業界の人からすると「チャンスが来た!」と思っているはずで、ここで歩を止めるのは非常にもったいないでしょう。

数値面で見てもやはり攻め時かなと思うので紹介しますと、IMFが予想している世界経済の成長率でも、世界全体で見ると-3%、日本は-5%と納得感ある数値予測がされてますが、中国は今年の後半から回復基調で、+1.2%で着地すると言われています。

さらに、来年は世界経済全体で+5.8%の急成長、日本経済は+3.0%の成長が見込まれています。

しかも、これはコロナ前の生活に完全に戻れない中でも、なお経済成長するという見立てなのです。

ちなみに今日の日経平均は22,500円くらいですが、1年前の今日は実は今よりも株価が低いんですね。コロナによって経済の打撃受けましたが、実は株価自体は上がってるんです。

このように数字を見ていくと、攻められるキャッシュフローがあるのであれば、このデジタル化のチャンスを掴んで成長にブーストをかけるべきだなと思いますね。

ベンチャーはプロダクトの磨き込みと濃いファン作りが大切

北尾:スタートアップは赤字経営が前提になっている企業が多いので、この数ヶ月は兎にも角にもキャッシュ確保に動いている企業が多かったですね。

従来のエクイティファイナンスもあれば、制度融資を活用した企業もあり、概ね7月くらいにはキャッシュ確保については落ち着くのかなと見立てています。

ただ、この先の資金調達状況は正直非常に読みづらい状態です。

2017,2018年に組成したファンドの多くは投資をするモードなので、2021,2022年の資金調達状況は大丈夫かと思うのですが、今年組成したファンドの数を見ると、>2023,2024年の資金調達額は読みにくい状況ですね。

先ほどの”モテるスタートアップ”の定義の変化についての話とも重なりますが、BtoBでいうとSaaSのビジネスモデルが多いので、チャーンしないようカスタマーサポートの充実やプロダクト力の向上が求められており、VCもそこを注視しています。

BtoCでいうと、単なるユーザー数が多いサービスでよりも、小数でもいいので”濃いファン”を囲っておりアクティブ率が高いサービスの方が評価されやすいかなと思っております。

④コロナで資金調達の状況はどう変化したのか?

北尾: 弊社はシード・アーリーフェーズの投資がメインですが、投資を控えていることはありません。

ただ、投資社数には気を付けており、これまでよりも一社一社慎重に見ていますね。弊社と同じようにシード・アーリーフェーズの企業に対してアクティブに投資しているファンドも多いと思います。

また、ミドル向けVCの代表格であるJAFCOさんやグロービスキャピタルさんに話を聞くと、コロナ前と同じくらいのペースで投資を続けているようでした。

ただ、ミドル・レイターのVCは事業だけでなく組織もセットで見て総合的に判断するので、オンライン下での意思決定に時間がかかっており、投資までの期間が平時より長くなっていますね。

VCが企業を見るポイントとしては、これまではトラクションのみ見ていたVCも「その企業でしか提供できない価値があるか」「顧客の定着率はどのくらいか」「紹介が生まれるくらい魅力的なプロダクトか」など、よりディープなところまで入って見ることが増えましたね。

⑤質疑応答

土岐:ここで視聴者の方から質問が来ているのでご紹介します。

多くの企業で第一四半期で昨年比で-20%を下回り、DXへの必要性を感じていても大規模投資ができない企業も多いと思うのですが、何か秘策はないでしょうか?

こちらについては、是非中村さんと飛鳥さんにお答えいただければと思うのですが、秘策はあるのでしょうか?

大規模投資しなくてもDXは推進できる

中村:今はSaaSを組み合わせていけば大規模投資を必要ないのではないかなと思います。SaaS各社のサービスはひとつひとつの単価は高くないので。

ただ、それをどのように組み合わせて導入するのが難しいので、そのようなIT人材が企業内にいるのかの方が重要かと思いますね。

お金以外の導入障壁をいかに取っ払うかが大切

飛鳥:いまDX化の追い風なので、昨年比で-20%を下回っていてもDXを推進したい企業も多いと思います。

導入障壁になるのはお金の問題ではなく、スムーズに導入できる連携方法があるか、導入までサポートしてもらえるかどうか、効率化の指標をきちんと数値化できるかどうかなどじゃないですかね。

僕らも経営陣や決裁者にアタックすることも多いのですが、IT・システム担当がいない企業も多く、導入業務の巻き取りなども含めてサービス提供しています。

総括

お時間が残りなりましたので、それぞれの方から経営者の方にメッセージをお願いします!

北尾:これほどわかりやすい流れが来ている状況も少ないと思うので、資金調達中の企業もそうでない企業も、ぜひ今回の状況をチャンスにとらえてほしいですね。

宮崎:今回のコロナショックは、(気合と根性ではなく)考え方によっては千載一遇のゲームチェンジチャンスなので、のし上がることも可能だと思います。私自身、現在ボグダンとは別に4つほど事業立ち上げを進めているので、早く花開けば良いなと思っています。

資金調達面で言うと、デッドファイナンスはもう厳しいと思っているかもしれませんが、諦めずに動いた結果、最終的に億近くの調達に成功した事例もあるので、諦めず行動し続けることが大切かと思っています。

飛鳥:緊急事態宣言前にニトリの会長(似鳥氏)とお話させていただく機会がありましたが、「ピンチはチャンスで僕らも苦労した時が一番伸びた」と言っていましたね。

コロナで色々なことが一気に変わるので、一番のチャンスだと思い取り組めば、生まれる成功もあると思います。

中村:営業のスタイルが変わってくる中、既存顧客の満足度の高さが大切だと思います。それが紹介につながったりチャーンレートの低下にもつながるので。

本質的なサービス価値を高めていくことが、コロナの後の成長に大きく関連してくると思います。

 

土岐:最後駆け足で恐縮ですが、「コロナに負けるな!今がチャンス!」というメッセージをいただきました!本日はありがとうございました!