長期株式投資さんとは|高配当株で年500万円の手法

長期株式投資さんとは|高配当株で年500万円の手法

「給料以外の収入があればいいのに」と思ったことはありませんか?

長期株式投資さんは、高配当株投資で年間配当金471万円(2024年・税引き後)を実現した個人投資家です。

2004年に投資を始め、ライブドアショックやリーマンショックで大きな損失を経験しながらも、累進配当銘柄への長期投資で資産1億9000万円を築き、2023年に45歳で早期退職を実現しました。

この記事では、長期株式投資さんの投資手法、保有銘柄、失敗からの学び、そして初心者が実践するための具体的なステップを詳しく解説します。

配当金で安定収入を得たい方、長期投資で資産形成を目指す方にとって、実践的なヒントが満載です。

この記事の要約
  • 長期株式投資さんは資産1億9000万円・年間配当471万円を達成した個人投資家で、2023年に45歳で早期退職を実現
  • 累進配当・連続増配銘柄を中心に投資し、「ちょこちょこ投資」で少しずつ株数を増やす手法が特徴
  • 初心者は少額から始め、配当金を再投資することで複利効果を活かし、長期的に資産を増やすことが可能
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

長期株式投資さんとは|プロフィールと投資実績

長期株式投資さんは、日本株の高配当株投資を専門とする個人投資家です。1977年熊本県生まれで、2004年から株式投資を開始しました。

2023年3月に資産1億円を達成し、長年勤めた会社を45歳で早期退職。その後も資産は増え続け、2025年時点で資産1億9000万円、年間配当金は471万円(税引き後)に達しています。

投資歴20年超の個人投資家

長期株式投資さんは、2004年に預金金利がほぼつかない状態を見て「貯金だけでは増えない」と痛感し、投資を始めました。

当初は書店で投資雑誌を買い、インターネット掲示板で情報収集するところからスタートしています。

投資歴は20年を超え、その間にライブドアショック(2006年)やリーマンショック(2008年)など、複数の経済危機を経験しながらも、独自の投資手法を確立しました。

現在はX(旧Twitter)やブログで投資初心者向けの情報を発信し、フォロワーは20万人を超えています

資産1億9000万円・年間配当500万円超の実績

長期株式投資さんの投資実績は、着実な右肩上がりの成長を続けています。

2021年の年間配当金は223万円(税引き後)でしたが、2022年には282万円、2023年には378万円、そして2024年には471万円と、毎年過去最高を更新しています。

配当金の推移

2021年:223万円(税引き後)

2022年:282万円(税引き後)

2023年:378万円(税引き後)

2024年:471万円(税引き後)

2023年初に約1億円だった運用資産は、同年6月に1.3億円を突破。2025年現在では1億9000万円に達しており、主力銘柄である三菱商事や三井物産の株価上昇が大きく寄与しています。

103銘柄を保有し、そのうち17銘柄を「永久保有銘柄」として位置づけています。

1級FP技能士の資格と著書出版

長期株式投資さんは1級FP技能士(ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を保有しており、投資だけでなく税金や資産管理にも精通しています。

この専門知識が、配当控除の活用など税制面でも有利な投資戦略につながっています。

著書『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資』(KADOKAWA)は8万部を突破するベストセラーとなりました。

その後も『半オートモードで月に23.5万円が入ってくる「超配当」株投資』『フルオートモードで月に31.5万円が入ってくる「強配当」株投資』など、シリーズ化されています。

投資を始めたきっかけと初期の失敗体験

長期株式投資さんの成功の裏には、数々の失敗と挫折がありました。

投資初期の失敗体験が、現在の堅実な投資スタイルを形作る重要な教訓となっています。

2004年の投資デビュー|最初は短期売買

長期株式投資さんが投資を始めた2004年は、日本でもインターネット取引が普及し始めた時期でした。

当初は「ハイリターン」「一攫千金」を求めて、新興市場の個別銘柄に投資する短期売買を行っていました。

書店で投資雑誌を購入し、インターネット掲示板(当時の2ちゃんねる)で情報収集しながら、話題になっている銘柄に飛びつく投資を繰り返していました。

この時期は、株式投資の基本的な知識も不十分なまま、値上がり益だけを狙う投資をしていたと振り返っています。

ライブドアショックで大きな損失

2006年1月、ライブドアの証券取引法違反事件により株式市場が大混乱に陥りました。

長期株式投資さんも新興市場の銘柄を保有していたため、「痛すぎる損失」を経験することになります。

この失敗を受けて、新興株はリスクが高すぎると判断し、大型株へ投資対象をシフトしました。

投資信託の報告書を見て、どの銘柄が組み入れられているかを確認しながら、財閥系の会社など安定した企業に投資する方針に変更しました。

リーマンショックで資産半減の経験

2008年のリーマンショックは、長期株式投資さんにとって最大の試練となりました。

含み損が600万円まで膨らみ、「退場寸前」「殴られ放題のサンドバッグ状態」となったと語っています。

この経験から「暴落は普通に起こること」と認識し、狼狽売りをせず長期保有を貫く重要性を学びました。

高配当株投資への転換|失敗から学んだこと

リーマンショック後の2009年、長期株式投資さんは投資スタイルを大きく転換します。

この転換が、その後の成功につながる重要な決断となりました。

短期売買から長期保有へ方針転換

2009年、長期株式投資さんはポートフォリオを大型配当株メインにスイッチしました。

この転換のきっかけとなったのが、ジェレミー・シーゲル教授の著書『株式投資の未来』との出会いです。

この本で「株式の長期的なリターンは、増益率そのものではなく、実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる」という言葉に衝撃を受けました。

株価が高い銘柄が必ずしもリターンも高いわけではなく、配当を再投資したときのトータルリターンは、株価の上昇だけでは評価できないことを学んだのです。

配当金を重視する理由

長期株式投資さんが配当金を重視する理由は、相場の低迷期でも安定した収入が得られることです。

株価が下がっても、企業が配当を出し続ける限り、定期的なキャッシュフローが確保できます。

配当金を重視するメリット

株価下落時も収入が得られる

企業の健全性のバロメーターになる

売買のタイミングに悩まない

忙しい会社員でも続けやすい

また、配当金は企業の業績や財務の健全性を示すバロメーターでもあります。配当を継続・増配できる企業は、安定したキャッシュフローと強固な財務基盤を持っている証拠です。

累進配当銘柄との出会い

長期株式投資さんの投資戦略の核となるのが「累進配当銘柄」です。

累進配当とは、企業が減配をしない、もしくは段階的に増配をしていく方針を明示している配当政策のことです。

近年、日本企業でも累進配当を採用する企業が増えてきており、三菱商事、三井物産、花王、NTTなどが代表的な銘柄です。

これらの企業は、業績が一時的に悪化しても配当を維持・増配する方針を掲げているため、長期保有に適しています。

長期株式投資さんは、この累進配当銘柄を中心にポートフォリオを構築し、着実に配当収入を増やしてきました。

長期株式投資さんの投資手法5つのポイント

長期株式投資さんの投資手法は、シンプルでありながら再現性が高いのが特徴です。

ここでは、その核となる5つのポイントを詳しく解説します。

累進配当・連続増配銘柄を選ぶ

最も重要なのが、銘柄選定の基準です。

長期株式投資さんは「累進配当」または「減配の可能性の低い」銘柄を着々と購入しています。

主な保有銘柄

三菱商事

三井物産

NTT

花王

アステラス製薬

JT(減配可能性低いと判断)

累進配当銘柄とは、配当金を減配せずに配当水準を維持し、または利益成長に合わせて増配し続けている銘柄のことです。

連続増配銘柄は、年間の1株あたり配当金額が増加し続けている銘柄を指します。

ちょこちょこ投資で分散購入

長期株式投資さんの特徴的な手法が「ちょこちょこ投資」です。

これは、1株から数株ずつ、ほぼ毎営業日のように少しずつ買い増していく方法です。

この手法のメリットは、購入タイミングを分散することで、高値掴みのリスクを軽減できることです。

また、少額から始められるため、お財布にもメンタル的にも優しく、投資初心者でも始めやすいのが特徴です。

「貯金ならぬ『貯株』」という感覚で、コツコツと株数を増やしていきます。

配当金は再投資で複利効果を狙う

長期株式投資さんは、受け取った配当金をすべて再投資しています。

これにより、複利効果を最大限に活かすことができます。

配当金を再投資することで、保有株数が増え、次回の配当金額も増加します。この循環が繰り返されることで、雪だるま式に資産が増えていきます。

10年以上保有している銘柄も多く、例えばアステラス製薬は2009-2010年頃に投資を始め、株価が約3倍以上になり、配当も増え続けています。

暴落時は買い増しのチャンス

長期株式投資さんは、暴落を恐れるのではなく、買い増しのチャンスと捉えています。

東日本大震災の時もコロナショックの時も、迷わず割安になった目当ての株を追加購入してきました。

株価が下がって損失が発生すると、多くの投資家は狼狽売りをしてしまいますが、長期株式投資さんは「株価の暴落は普通に起こること」と認識しています。

むしろ、暴落や下落相場は「本来の企業価値に比して、一時的に株価が大幅割安になる」重要な買い増しのタイミングです。

そのため、投資資金に余裕を持っておき、「永久」保有に格付けした銘柄を買い増すことが重要だと語っています。

長期保有で配当金生活を実現

長期株式投資さんの最終目標は、配当金だけで生活できる状態を作ることです。

2023年3月に45歳で早期退職を実現したのは、配当収入と資産の取り崩しで支出を賄えるライフプランが見えたためです。

65歳時点でも約6000万円の資産が残る見通しが立ち、「辞めても大丈夫」と判断しました。

配当投資の特徴は、保有するだけで収入が得られるため、売買の必要がなく、忙しい人に最適です。

ただし、1年で「億」とかは無理で、ゆっくりお金持ちになる方法であることを理解することが大切です。

保有銘柄ベスト10|一生持ちたい高配当株

長期株式投資さんが実際に保有している銘柄は、投資判断の参考になります。

ここでは、保有評価額の大きい銘柄を中心に紹介します。

1位:三菱商事|安定成長の総合商社

長期株式投資さんの保有銘柄で最も投資額が大きいのが三菱商事(8058)です。

総合商社の中でも資源事業の資産が厚く、何十年もかけて築き上げてきた経営資源を持っています。

三菱商事は累進配当政策を採用しており、減配をしない方針を明示しています。2023年には株価が急騰し、著者の運用資産増加に大きく寄与しました。

2024年4月には、ウォーレン・バフェット氏が保有比率を増やす意向を表明したことで、さらに注目を集めています。

他の商社とは資産の厚みが違い、経営陣が変わっても変わらず市場をリードできる盤石な企業として、「永久」保有銘柄に位置づけています。

2位:日本たばこ産業(JT)|高配当の代表格

JT(2914)は、高配当株投資の代表的な銘柄です。

たばこという独占事業をグローバルに展開しており、確かな経営資源を持っています。

JTは累進配当を明言していませんが、減配の可能性が低い会社として長期株式投資さんは保有を続けています。

配当利回りが高く、安定したキャッシュフローを生み出す企業です。タバコセクターについては賛否両論ありますが、今後も当面はキャッシュを稼ぎ続け、しっかりと株主に還元してくれると考えられています。

3位:三井物産|累進配当の優等生

三井物産(8031)も、長期株式投資さんの主力銘柄の一つです。

三菱商事と並ぶ総合商社の雄で、累進配当政策を採用しています。

2023年には三菱商事と共に株価が急騰し、著者の運用資産増加に大きく貢献しました。

資源事業の資産が厚く、他社が簡単に追いつけない経営資源を持っています。長期的に業績が安定しており、配当も安定的に実施されているため、「永久」保有銘柄として位置づけられています。

その他の保有銘柄7社の特徴

長期株式投資さんは、上位3銘柄以外にも多数の優良銘柄を保有しています。

NTT(9432)は世界屈指の通信技術を保有する企業で、安定した配当を出し続けています。花王(4452)は生活必需品セクターの代表的な銘柄で、35期連続増配を達成しています。

その他の主要保有銘柄

NTT:世界屈指の通信技術

花王:35期連続増配

アステラス製薬:株価約3倍に成長

三菱HCキャピタル:連続増配+高配当利回り

これらの銘柄に共通するのは、業界トップクラスの企業であること、長期的に業績が安定していること、配当を安定的に実施していることです。

長期株式投資さんは、全部で103銘柄を保有していますが、そのうち17銘柄を「永久保有銘柄」として、業種分散も考慮しながらポートフォリオを構築しています。

銘柄選定の基準|財務指標と選び方

長期株式投資さんがどのように銘柄を選んでいるのか、具体的な基準を見ていきましょう。

配当利回りは3%以上が目安

長期株式投資さんは、配当利回り3%以上を一つの目安としています。

配当利回りは、株価に対する年間配当金の割合を示す指標で、高いほど投資効率が良いことを意味します。

ただし、単に配当利回りが高いだけでは不十分です。配当利回りが異常に高い場合は、株価が大きく下落している可能性があり、企業の業績悪化や減配リスクが潜んでいることもあります。

投資したい銘柄の配当利回りがある程度の水準に達したら躊躇なく買うようにしています。

また、現在のPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)が過去5年平均と比べて下回っている時にも、少しずつ買うようにしています。

配当性向と財務の健全性をチェック

配当性向は、企業の利益のうちどれだけを配当に回しているかを示す指標です。

配当性向が高すぎる場合は、無理に配当を出している可能性があり、将来の減配リスクが高まります。

長期株式投資さんは、配当性向が適正な範囲(一般的には30-50%程度)にあるかをチェックしています。

また、自己資本比率やROE(自己資本利益率)、ROA(総資産利益率)などの財務指標も確認し、企業の財務健全性を総合的に判断しています。

業績の推移、時価総額、財務面、配当実績、配当政策などを考慮しつつ、複合的に見て「自分が納得して投資できるか」を判断することが大切です。

累進配当・連続増配の実績を重視

長期株式投資さんが最も重視するのが、企業の配当政策です。

累進配当を明言している企業、または長期間にわたって連続増配を続けている企業を優先的に選んでいます。

累進配当や連続増配を実現できる企業は、それだけ長期的に業績を伸ばしていたり、一時的に業績が落ちても配当を出せるようにしっかりと利益を蓄積できていたりする「優良企業」と判断できます。

業界首位級の企業、確かな経営資源を持つ企業、長期的に安定したキャッシュフローを生み出せる企業を選ぶことが、長期保有の前提となります。

新NISAでの実践方法|非課税メリットを活かす

2024年から始まった新NISA制度は、高配当株投資にも大きなメリットがあります。

長期株式投資さんの活用法を見ていきましょう。

成長投資枠で個別株を購入

新NISAには、つみたて投資枠(年間120万円まで)と成長投資枠(年間240万円まで)の2種類があります。

長期株式投資さんは、成長投資枠で個別の高配当株を購入することを推奨しています。

成長投資枠では、トヨタ自動車やNTTなどの個別株も買えます。今後も超長期にわたって配当を出し続ける蓋然性が相対的に高い銘柄を選択するのがよいと考えられます。

連続増配銘柄や長期間にわたり減配していない銘柄をリストアップしておいて、少しずつ進めていくのも1つの方法です。

若い方で投資期間が十分に確保できるのであれば、つみたて投資枠と同様に投資信託に投資するのも1つの選択肢です。

配当金も非課税で受け取れる

新NISAの最大のメリットは、配当金が非課税で受け取れることです。

通常、配当金には約20%の税金がかかりますが、新NISAならこの税金がゼロになります。

例えば、年間5000円の配当が通常は約4000円に減りますが、新NISAでは全額が支払われます。給料からは税金や社会保険料がたくさん引かれて手取り額が目減りしますが、新NISAの配当金は満額受け取れるため、資産形成の効率が大幅に向上します。

値上がり益も非課税ですが、高配当株投資の場合は配当金の非課税メリットが特に大きくなります。

長期保有すればするほど、この非課税メリットの恩恵を受けられます。

年間360万円の枠を使い切る戦略

新NISAは、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円を合わせて、年間最大360万円まで投資できます。

非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)です。

長期株式投資さんは、この枠を効率的に使い切ることを推奨しています。つみたて投資枠では、全世界の株式に幅広く投資できる投資信託の積立投資を行い、成長投資枠では個別の高配当株に投資するという使い分けも有効です。

年間360万円の投資を続けることで、5年間で1,800万円の非課税枠を使い切ることができます。この枠を高配当株で埋めることができれば、将来的に大きな配当収入を非課税で受け取ることが可能になります。

配当金生活への道のり|年500万円達成までのステップ

長期株式投資さんのように年間500万円の配当金を得るには、どのような道のりを歩めばよいのでしょうか。

具体的なステップを見ていきます。

年間10万円の配当金から始める

まずは、年間10万円の配当金を目標にスタートしましょう。

配当利回り3%の銘柄に投資する場合、約333万円の投資元本が必要です。

月々5万円を積み立てていけば、約5年半で達成できる計算です。少額から始めて、1株ずつでも買い増していくことで、徐々に配当金が増えていきます。

最初の配当金を受け取ったときの喜びは格別で、「わずか61円ですが、とても嬉しかった」という投資家の声もあります。

この段階では、配当金を受け取る喜びを実感し、投資を継続するモチベーションを高めることが重要です。

年間50万円を目指す投資額

次のステップは、年間50万円の配当金です。

配当利回り3%の場合、約1,667万円の投資元本が必要になります。

月々10万円を積み立てていけば、約14年で達成できます。ただし、配当金を再投資することで、この期間を短縮できます。

年間10万円の配当金を受け取れるようになったら、その配当金も再投資に回すことで、複利効果が働き始めます。

この段階になると、配当金だけで月4万円程度の収入が得られるようになり、生活費の一部を賄えるようになります。

年間100万円突破のポイント

年間100万円の配当金は、一つの大きな節目です。

配当利回り3%の場合、約3,333万円の投資元本が必要です。

この段階になると、配当金だけで月8万円程度の収入が得られます。生活費の相当部分を配当金で賄えるようになり、経済的な安心感が大きく高まります。

長期株式投資さんの場合、10年以上保有している銘柄が多く、株価の上昇と増配により、投資元本以上のリターンを得ています。長期保有することで、企業の成長と共に資産が増えていくのが実感できる段階です。

年間500万円達成に必要な資産額

年間500万円の配当金を得るには、配当利回り3%の場合、約1億6,667万円の投資元本が必要です。

長期株式投資さんは、資産1億9000万円で年間471万円の配当金を得ています。

この水準に到達するには、20年近くの時間がかかりますが、配当再投資の複利効果により、後半になるほど資産の増加スピードが加速します。

10年後には配当再投資だけで資産が加速的に増えていくステージに入ります。

年間500万円の配当金があれば、多くの人にとって生活費を賄うことができ、配当金生活が現実のものとなります。

長期株式投資さんは、この水準に達したことで、45歳での早期退職を決断しました。

初心者が実践するための3つのステップ

長期株式投資さんの手法を初心者が実践するには、どうすればよいのでしょうか。

具体的なアクションプランを紹介します。

証券口座を開設する

まずは、証券口座を開設することから始めましょう。

長期株式投資さんは、1株から購入できる証券会社を推奨しています。

1株投資ができる証券会社

SBI証券:S株

楽天証券:かぶミニ®

マネックス証券:ワン株

1株投資ができる環境が整っていたからこそ、始めの一歩を踏み出せたという投資家も多くいます。

新NISA口座も同時に開設しておくと、非課税メリットを活かした投資ができます。口座開設は、オンラインで完結し、最短で翌営業日から取引を始められます。

少額から高配当株を購入する

口座開設ができたら、少額から高配当株を購入してみましょう。

最初は、長期株式投資さんの著書で紹介されている「永久保有銘柄」を参考にするのもよいでしょう。

まずは1株ずつ買い、どういう会社なのかを把握していきます。株を買うと、中間報告書や株主通信が企業から送られてきますので、それらを見てビジネス展開や見込みを把握していけばよいでしょう。

買っていく中で学びがあり、その会社に投資する理由を見つめ直すことで、自分の考えも出てきます。

その考えのもと、投資をして、うまくいくのかいかないのか、経験値を積み重ねていくことが大切です。

少額から始めることで、リスクを抑えながら投資の実践力を身につけることができます。

配当金を受け取り再投資する

配当金を受け取ったら、それを再投資に回しましょう。

長期株式投資さんは、受け取った配当金をすべて再投資しています。

配当金を再投資することで、保有株数が増え、次回の配当金額も増加します。この循環が繰り返されることで、雪だるま式に資産が増えていきます。

最初は年間数千円の配当金でも、それを再投資し続けることで、10年後、20年後には大きな資産に成長します。

投資を始めてから2年間、地合いに応じて強弱をつけつつも、ほぼ毎営業日、1株から数株ずつ買い続けることで、着実に資産を増やすことができます。

「貯金ならぬ『貯株』」という感覚で、コツコツと株数を増やしていくことが成功への道です。

よくある質問|長期株式投資さんについて

よくある質問
長期株式投資さんのブログやSNSはどこで見られる?

長期株式投資さんは、X(旧Twitter)とブログで情報発信をしています。Xのアカウントは@budoukamailで、フォロワーは20万人を超えています。1日1回、投資した銘柄や相場感をツイートしており、初心者にも分かりやすい140文字以内の情報発信を心がけています。

ブログは「配当再投資で資産形成」というタイトルで、2009年4月頃から運用しています。当初は自分の振り返りのために投資記録を残すことが目的でしたが、現在は初心者が失敗しない投資のやり方の発信がメインとなっています。

著書『オートモードで月18.5万円が入ってくる「高配当」株投資』の内容は?

2022年2月に出版された『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資』(KADOKAWA)は、長期株式投資さんの初の著書で、8万部を突破するベストセラーとなりました。

この本では、18年間の投資経験を通じて構築した仕組みや、銘柄選びのポイント、ポートフォリオの管理術、日本株投資ならではの魅力が詳しく解説されています。「死ぬまで持ちたい銘柄17」も紹介されており、初心者から中級者まで幅広く参考になる内容です。

高配当株投資のリスクは?

高配当株投資にもリスクはあります。最も大きなリスクは、企業の業績悪化による減配や無配転落です。配当利回りが高い銘柄の中には、株価が大きく下落しているために利回りが高くなっている「罠銘柄」も存在します。

また、株価の変動リスクもあります。リーマンショックのような経済危機では、優良企業でも株価が大きく下落します。日経平均が18,297円から6,994円へ、三菱商事が3,950円から923円へと急落した実例があります。

そのため、財務健全性の高い企業を選ぶこと、累進配当や連続増配の実績がある企業を選ぶこと、分散投資をすること、暴落時に買い増しできる資金余力を持つことが重要です。

どのくらいの資金から始められる?

1株から購入できる証券会社を利用すれば、数百円から数千円程度の少額から始められます。例えば、株価1000円の銘柄なら、1株1000円で購入できます。

長期株式投資さんも、元手5万円からスタートしたと語っています。最初は少額から始めて、月々5万円程度を積み立てていけば、5年程度で年間10万円の配当金を得られる水準に到達できます。

重要なのは、金額の大小ではなく、継続することです。「ちょこちょこ投資」で少しずつ株数を増やし、配当金を再投資していくことで、時間をかけて資産を築くことができます。

まとめ

長期株式投資さんは、20年以上の投資経験を通じて、資産1億9000万円・年間配当金471万円を実現した個人投資家です。

その成功の秘訣は、累進配当・連続増配銘柄への長期投資、「ちょこちょこ投資」による分散購入、配当金の再投資による複利効果の活用にあります。

ライブドアショックやリーマンショックで大きな損失を経験しながらも、失敗から学び、堅実な投資スタイルを確立しました。暴落を恐れるのではなく買い増しのチャンスと捉え、長期保有を貫くことで、着実に資産を増やしてきました。

初心者が実践する場合は、1株から購入できる証券口座を開設し、少額から高配当株を購入し、配当金を再投資していくことが基本です。新NISAの非課税メリットを活かすことで、より効率的に資産形成ができます。

年間10万円の配当金から始めて、50万円、100万円、そして500万円へと、段階的に目標を達成していくことが可能です。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社や専門家にご相談されることをおすすめします。

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SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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