iDeCoの節税効果を解説|3つのメリットと活用法

老後資金の準備を考えるとき、株式だけのポートフォリオに不安を感じていませんか。
iDeCoで金(ゴールド)に投資することで、株式市場の暴落時にも資産を守る分散投資が実現できます。
金は、インフレや地政学リスクに強い実物資産として、長期的な資産形成において重要な役割を果たします。
この記事では、iDeCoで金投資を始める具体的な方法から、メリット・デメリット、証券会社の選び方、ポートフォリオでの適切な配分比率まで、実践的な情報を詳しく解説します。
分散投資の一環として金を組み入れることで、より安定した老後資産の形成が可能になります。
目次
iDeCoで金(ゴールド)に投資できる?
iDeCoで金投資は可能です。
金に投資できる投資信託(金ファンド)を運用商品として選択することで、iDeCoの税制優遇を受けながら金への投資が実現できます。
金ファンドは、金地金価格への連動を目指す上場投資信託証券(ETF)に投資を行う投資信託です。 実際に金の現物を保有するのではなく、金価格に連動する金融商品を通じて投資を行います。
主要な金ファンドの例
三菱UFJ純金ファンド(SBI証券)
ステートストリート・ゴールドファンド(楽天証券)
ゴールド・ファンド(マネックス証券)
これらのファンドは、為替ヘッジあり・なしの2タイプから選択できる場合が多く、投資家のニーズに応じて選べます。
金は、通貨への不安感や地政学的リスクが高まった場合などに、「安全資産」として買われる傾向があります。 株式や債券といった伝統的な資産とは異なる値動きをするため、ポートフォリオの分散効果が期待できます。
iDeCoの最大のメリットは、掛金が全額所得控除の対象になることです。これにより、所得税・住民税が軽減され、節税効果が期待できます。 金ファンドに投資する場合も、この税制優遇は同様に適用されます。
通常の証券口座で金投資を行う場合、運用益に対して20.315%の税金がかかりますが、iDeCoでは運用益が非課税となります。
さらに、60歳以降に受け取る際には、退職所得控除または公的年金等控除が適用されるため、受取時にも税制優遇が受けられます。
この3段階の税制優遇(拠出時・運用時・受取時)を活用しながら金投資ができる点が、iDeCoで金ファンドを選択する大きなメリットです。
ただし、60歳まで原則引き出せない点には注意が必要です。
金投資のメリット5つ
金投資には、株式や債券とは異なる特徴があります。
ここでは、iDeCoで金ファンドを組み入れることで得られる5つのメリットを解説します。
金は、インフレ時に価値が上昇しやすい実物資産です。
金はそれ自体の希少性に価値があるため、ドルや円などの貨幣は発行する国の状況によって価値が損なわれる可能性がありますが、金は世界共通の価値を持ちます。 物価が上昇する局面では、現金や債券の実質的な価値が目減りしますが、金は物価上昇に連動して価格が上がる傾向があります。
2020年代に入り世界的にインフレが進行する中、金価格は史上最高値圏で推移しています。長期的な資産形成において、インフレリスクへの備えとして金を組み入れることは有効な選択肢となります。
金は、株式や債券と異なる値動きをする場面が多く、地政学リスクやインフレ、金融不安といった局面でのリスク緩和に有効です。 株式市場が下落する局面で金価格が上昇することが多く、ポートフォリオ全体の値動きを安定させる効果が期待できます。
2008年のリーマンショック以降、ドルや株価が大きく下落する中で、金はリスク資産の逃避先として選好され、金の価格は2011年には2006年対比で約3倍にまで上昇しました。
このように、金融危機時には株式と金が逆の動きをする傾向があります。
株式100%のポートフォリオでは、暴落時に大きな損失を被るリスクがありますが、金を組み入れることでそのリスクを軽減できます。
金は「有事の金」と呼ばれるように、戦争や政治的混乱などの地政学リスクが高まる局面で買われやすい資産です。
国家の信用に依存する通貨や株式と異なり、金は発行体が存在しない実物資産であるため、通貨の信用不安が高まるときに価値の保存手段として機能します。2020年代に入り、ウクライナ情勢や中東情勢など地政学リスクが高まる中、金への資金流入が続いています。
老後資金を準備するiDeCoにおいて、予測困難な国際情勢の変化に備える意味でも、金は重要な役割を果たします。
金は、世界中どこでも価値が認められる資産です。
特定の国や企業の信用に依存しないため、グローバルな資産分散の手段として有効です。金価格は米ドル建てで取引されるため、基軸通貨である米ドルとの関係性も重要ですが、世界中の中央銀行が外貨準備として金を保有していることからも、その普遍的な価値が理解できます。
日本円の価値が長期的に下落するリスクに備える意味でも、世界共通の価値を持つ金への投資は有効です。
iDeCoに限らず、金に投資をする際には、他の投資と組み合わせ、リスクを分散させて保有することが重要です。一定額で定期的に購入する積立投資や毎月積み立てを行うiDeCoなどを利用し、平均購入単価を抑えて価格変動リスクを軽減し、運用していきましょう。
iDeCoは60歳まで引き出せない制度であるため、短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点で金を保有できます。積立投資により高値掴みのリスクを軽減しながら、分散投資の効果を着実に享受できる点が、iDeCoで金投資を行う利点です。
金投資で気をつけたい4つのこと
金投資にはメリットがある一方で、注意すべきデメリットやリスクも存在します。
投資判断を行う前に、以下の4つのポイントを理解しておくことが重要です。
金は株式や投資信託、債券などの金融商品とは違い、配当や利子が付くことはありません。金は「金」そのものの価値に投資をするのです。
株の場合、保有中に受け取れる配当などの「インカムゲイン」、そして買った時よりも高い値で売ると得られる「キャピタルゲイン」の2つの利益が期待できます。金にはインカムゲインがなく、買値より高く売れた時などのキャピタルゲインだけが期待できます。
株式や債券であれば、保有しているだけで定期的な収益が得られますが、金は価格上昇による利益のみが収益源となります。この点は、長期保有を前提とするiDeCoにおいて理解しておくべき重要なポイントです。配当収益を重視する投資家にとっては、金の配分比率を抑えめにすることが適切です。
金は安全資産だからと言って元本が確保されているわけではなく価格変動がある点には要注意です。
元本変動型の投資信託で運用した際に、当初の購入代金を下回ってしまう「元本割れ」を起こすリスクがあります。投資信託の運用成果は、市場環境などによって変動するからです。 金価格は、金の需給関係、金利動向、インフレ率、地政学リスクなど多様な要因で変動します。
2020年から2024年にかけて金価格は大きく上昇しましたが、過去には長期間にわたり価格が低迷した時期もあります。短期的には大きく下落することもあるため、長期的な視点での保有が重要です。
金はドル建ての資産のため、購入する際には為替の影響を受けることには要注意です。
金の価格は1トロイオンス(約31.1グラム)あたりの米ドル建てで表されます。そのため、金に投資を行う際には米ドル建ての金の価格変動リスクに加えて米ドル・円の為替変動の影響を受けることにも留意する必要があります。 円高が進行すると、金価格が上昇していても円ベースでは利益が目減りする可能性があります。
為替ヘッジありのファンドを選択することで為替リスクを軽減できますが、ヘッジコストがかかる点も考慮が必要です。為替ヘッジの有無については、次のセクションで詳しく解説します。
金ファンドを保有する際には、信託報酬(運用管理費用)が継続的にかかります。
金ファンドの信託報酬は年率0.4%~0.6%程度が一般的で、この費用は日々の基準価額から差し引かれます。iDeCoは長期投資が前提となるため、信託報酬の違いが長期的には大きな差となって表れます。
同じ金価格に連動するファンドであれば、信託報酬が低いファンドを選ぶことが運用効率を高めるポイントです。各証券会社が取り扱う金ファンドの信託報酬を比較し、コストを抑えた運用を心がけましょう。
為替ヘッジあり・なしの違い
金ファンドには「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2タイプがあります。
どちらを選ぶかによって、リターンとリスクの特性が大きく異なります。
「為替ヘッジ」を行なうにはコストがかかることがあります。一般的にヘッジコストは相手国との短期金利差(例えば、米ドル・円の場合、米国の短期金利と日本の短期金利の差)が反映されます。
「為替ヘッジあり」を選ぶと、米ドルと日本円の為替変動リスクを実質的に回避することができます。金価格が上昇すると米ドル安・円高方向に振れる傾向があるため、理論上は、「為替ヘッジあり」を選んだ方が、為替変動による負の影響も取り除かれ、資産分散効果を着実に享受できるのです。
為替ヘッジありのファンドは、金価格そのものの値動きをより純粋に反映します。株式との分散投資効果を重視する場合、為替ヘッジありが適しています。
ただし、日米金利差が大きい局面ではヘッジコストが高くなり、運用成績を押し下げる要因となります。
為替ヘッジ「なし」のメリットはヘッジコストがかからない点で、運用コストを抑えることができます。また、為替変動のリスクが大きくなる分、為替差益を得ることができる点が魅力でしょう。
市場のリスクオフ時には、円キャリー取引の巻き戻しなどによる米ドル円の下落(円高ドル安)とリスク回避的なゴールド上昇が同時に起こりやすい。ヘッジなしのゴールドでは米ドル円とゴールドが互いのリターンを打ち消しあうことになるので、「ヘッジなし」のほうが「ヘッジあり」に比べて値動きが小さくなった。
円安が進行する局面では、為替ヘッジなしのファンドは金価格の上昇に加えて為替差益も得られるため、大きなリターンが期待できます。反面、円高局面では金価格が上昇しても円ベースでは利益が減少するリスクがあります。
金投資における為替ヘッジの活用の要否は、為替ヘッジコストの水準のみによって判断すべきものではなく、米ドル・円の為替レートの変動の大きさや見通しなどを踏まえた判断が重要であるといえます。
| 項目 | 為替ヘッジあり | 為替ヘッジなし |
| 為替リスク | 低い(為替変動の影響を軽減) | 高い(為替変動の影響を受ける) |
| ヘッジコスト | あり(日米金利差相当) | なし |
| 円安時 | 金価格上昇のみ反映 | 金価格上昇+為替差益 |
| 円高時 | 金価格変動のみ反映 | 金価格上昇が為替差損で相殺 |
| 向いている人 | 株式との分散効果重視、為替リスクを避けたい | 円安期待、コストを抑えたい |
株式への投資比率が高い投資家ほど、為替ヘッジありの金ファンドを保有することでポートフォリオ全体のリスクを下げる効果が期待できます。一方、為替の値動きも含めて金投資の醍醐味を享受したい場合は、為替ヘッジなしが適しています。
iDeCoで金投資ができる証券会社3社
iDeCoで金ファンドを取り扱っている主要証券会社を紹介します。
各社の特徴と取扱ファンドを比較し、自分に合った証券会社を選びましょう。

SBI証券は、iDeCo口座数が国内最大級のネット証券です。
SBI証券の金ファンド
三菱UFJ純金ファンド(ファインゴールド)
為替ヘッジなしタイプ
信託報酬:年率0.44%(税込)程度
このファンドは、国内の取引所における金価格の値動きをとらえることを目指します。
SBI証券のiDeCoは、運営管理手数料が無料で、投資信託のラインナップも豊富です。Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALポイント、PayPayポイントなど、複数のポイントプログラムに対応している点も特徴です。
金ファンド以外にも、米国株式、先進国株式、新興国株式、債券、REITなど多様な資産クラスに投資できるため、バランスの取れたポートフォリオを構築しやすい環境が整っています。

楽天証券は、国内有数のネット証券で、楽天経済圏との連携が強みです。
楽天証券の金ファンド
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
金価格の値動きをより純粋に反映
信託報酬:年率0.50%程度
楽天証券のiDeCoの最大の特徴は、楽天ポイントを活用できる点です。楽天カードでのクレジット決済により、積立額に応じて楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントは楽天市場などで利用できます。楽天ユーザーにとっては、ポイント還元のメリットが大きい証券会社です。
口座開設は最短翌営業日で可能で、「MARKET SPEED II」などの高機能トレードツールも無料で利用できます。投資信託の取扱本数も豊富で、金ファンド以外の選択肢も充実しています。

マネックス証券は、米国株投資に強みを持つネット証券です。
マネックス証券の金ファンド
ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)
ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)
信託報酬:年率0.41%程度(業界最低水準)
「ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)」は、対円で為替ヘッジを行なうことにより、為替変動リスクの軽減を図ります。「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」との間でスイッチングが可能です。 市場環境に応じて為替ヘッジの有無を変更できる柔軟性があります。
マネックス証券のiDeCoは、運営管理手数料が無料で、米国株式ファンドのラインナップが充実しています。「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」など成長性の高い米国株ファンドと金ファンドを組み合わせることで、高いリターンを狙いつつリスクを分散したポートフォリオを構築できます。
金ファンドの選び方
金ファンドを選ぶ際には、信託報酬だけでなく複数の観点から比較することが重要です。
ここでは、金ファンドを選定する際の5つの重要なポイントを解説します。
信託報酬は、ファンドを保有している間、継続的にかかるコストです。
金ファンドの信託報酬は年率0.4%~0.6%程度が一般的ですが、同じ金価格に連動するファンドであれば、信託報酬が低いほど運用効率が高まります。iDeCoは20年、30年と長期で保有するため、わずかな信託報酬の差が最終的な資産額に大きな影響を与えます。
例えば、100万円を30年間運用した場合、信託報酬が年率0.4%と0.6%では、最終的な資産額に数万円の差が生じます。
目論見書や証券会社のサイトで信託報酬率を確認し、できるだけ低コストのファンドを選びましょう。
純資産総額は、ファンドに集まっている資金の総額を示します。
純資産総額が大きいファンドは、多くの投資家に支持されていることを意味し、償還(運用終了)のリスクが低いと考えられます。一般的には、純資産総額が100億円以上のファンドが望ましいとされています。
純資産総額が小さいファンドは、運用効率が悪化したり、最悪の場合は繰上償還となる可能性があります。iDeCoは長期投資が前提となるため、安定して運用が継続されるファンドを選ぶことが重要です。純資産総額の推移も確認し、増加傾向にあるファンドを選ぶとより安心です。
金ファンドは金価格への連動を目指すインデックスファンドですが、完全に一致するわけではありません。
トラッキングエラーとは、ファンドの基準価額と連動を目指す指数(金価格)との乖離を示す指標です。トラッキングエラーが小さいファンドほど、金価格の値動きを正確に反映していると言えます。運用報告書や月次レポートで、金価格との連動性を確認しましょう。
過去5年、10年の運用実績を確認し、金価格と同様の値動きをしているかチェックすることも重要です。長期的に安定した運用実績があるファンドを選ぶことで、想定通りの分散効果が得られます。
運用会社の信頼性も、ファンド選びの重要な要素です。
三菱UFJアセットマネジメント、ステートストリート・グローバル・アドバイザーズ、日興アセットマネジメントなど、大手の運用会社が運用するファンドは、運用ノウハウや管理体制が整っており、安心感があります。運用会社の運用資産残高が大きいほど、経営基盤が安定していると考えられます。
また、運用会社のウェブサイトで情報開示の充実度を確認することも有効です。月次レポートや運用報告書が分かりやすく、定期的に更新されている運用会社は、投資家への説明責任を果たしていると言えます。
モーニングスターやiDeCoナビなどの第三者評価機関は、ファンドの運用実績やリスク、コストなどを総合的に評価し、レーティング(格付け)を提供しています。
これらのレーティングは、ファンドの相対的な優位性を判断する参考情報として活用できます。
ただし、レーティングは過去の実績に基づくものであり、将来の運用成績を保証するものではありません。レーティングだけに頼らず、自分自身でもファンドの内容を確認することが大切です。
iDeCoナビでは、各ファンドの総合評価や同種ファンドとの比較情報が提供されており、初心者でも分かりやすい情報が得られます。複数の評価機関の情報を参考にしながら、総合的に判断しましょう。
ポートフォリオでの金の配分比率
金をポートフォリオに組み入れる際、適切な配分比率が重要です。
年代やリスク許容度に応じた目安を解説します。
30代は、老後まで30年以上の運用期間があり、リスクを取って高いリターンを狙える年代です。
この年代では、株式を中心としたポートフォリオを構築し、金の配分は5-10%程度に抑えることが一般的です。金の配分を抑えめにすることで、成長性の高い株式からのリターンを最大化しつつ、金による分散効果も得られます。
ただし、株式市場の変動に不安を感じる場合や、インフレリスクを重視する場合は、金の配分を10-15%に引き上げることも選択肢です。30代のうちから金を組み入れることで、長期的な積立効果により平均取得単価を抑えられるメリットがあります。
40代は、老後まで20年前後の運用期間があり、リスクとリターンのバランスを考える年代です。
株式40%、米国株式40%、債券20%といった配分に、金を10-15%程度組み入れることで、高いリターンを狙いつつも、過度なリスクを回避するポートフォリオが構築できます。 40代になると、住宅ローンや教育費など支出が増える時期でもあるため、資産の安定性をより重視する必要があります。
金の配分を10-15%に引き上げることで、株式市場の暴落時にもポートフォリオ全体の下落幅を抑える効果が期待できます。
50代は、老後まで10年前後となり、資産保全を重視する年代です。
この年代では、株式の配分を徐々に減らし、債券や金などの安定資産の比率を高めることが推奨されます。金の配分は10-20%程度が目安となります。
50代後半になると、60歳以降の受取時期が近づくため、大きな価格変動を避けることが重要です。金は株式ほど大きく下落しないため、資産保全の役割を果たします。
ただし、金の配分を過度に高めすぎると、配当収益が得られないデメリットが大きくなるため、20%程度を上限とすることが適切です。
| 年代 | 金の推奨配分 | 株式 | 債券 | 金 | ポイント |
| 30代 | 5-10% | 70% | 20% | 10% | 成長重視、金は最小限 |
| 40代 | 10-15% | 60% | 25% | 15% | バランス重視 |
| 50代 | 10-20% | 50% | 30% | 20% | 安定重視、資産保全 |
スイッチング(預け替え)の手順
既にiDeCoで他のファンドを運用している場合、金ファンドへ変更することができます。
この手続きを「スイッチング(預け替え)」と呼びます。
スイッチングとは、現在保有しているファンドを売却し、その資金で別のファンドを購入する手続きです。
iDeCoでは、毎月の掛金で購入するファンドを変更する「配分変更」と、既に保有しているファンドを別のファンドに変更する「スイッチング」の2つの方法があります。スイッチングは、保有資産の配分を見直したい場合に有効な手段です。
例えば、株式ファンド100%で運用していたが、リスクを下げるために一部を金ファンドに変更したい場合、スイッチングを利用します。
多くの証券会社では、スイッチング手数料は無料ですが、一部の証券会社では手数料がかかる場合があるため、事前に確認しましょう。
スイッチングの手順は、証券会社によって若干異なりますが、基本的な流れは以下の通りです。
スイッチングは、インターネット上で24時間いつでも手続きができます。電話やコールセンターでも対応している証券会社もありますが、インターネットでの手続きが最も簡便です。
スイッチングを行う際には、いくつかの注意点があります。
さらに、一部の証券会社では、スイッチングの回数に制限がある場合や、一定期間内に複数回のスイッチングを行うと手数料がかかる場合があります。自分が利用している証券会社のルールを事前に確認しておきましょう。
iDeCoで金(ゴールド)投資を行うことで、株式や債券とは異なる値動きをする実物資産を組み入れ、ポートフォリオの分散効果を高めることができます。金は、インフレや地政学リスクに強く、株式市場の暴落時にも価値を保ちやすい特性があります。
金ファンドを選ぶ際には、信託報酬の低さ、純資産総額、運用実績、運用会社の信頼性、第三者評価などを総合的に比較することが重要です。為替ヘッジの有無については、株式との分散効果を重視する場合は「為替ヘッジあり」、為替差益も含めたリターンを狙う場合は「為替ヘッジなし」を選択するとよいでしょう。
ポートフォリオでの金の配分比率は、30代で5-10%、40代で10-15%、50代で10-20%程度が目安となります。年齢やリスク許容度に応じて、適切な配分を設定しましょう。既に他のファンドを保有している場合は、スイッチング機能を利用して金ファンドへの変更が可能です。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。金ファンドも価格変動があり、配当や利子がないため、株式や債券とは異なる特性を理解した上で投資判断を行うことが大切です。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。詳しくは各証券会社にご確認いただくことをおすすめします。
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