仮想通貨の積立とは|始め方とおすすめ取引所を比較

仮想通貨の積立とは|始め方とおすすめ取引所を比較

仮想通貨に興味はあるけれど、価格の変動が激しくて怖い。

そんな不安を抱えている方におすすめなのが、仮想通貨の積立投資です。

積立投資は、毎月一定額を自動的に購入する仕組みで、価格が高い時も安い時も定期的に買い続けることで、購入価格を平均化できます。

この記事では、仮想通貨積立の仕組みやメリット・デメリット、おすすめの取引所、始め方まで詳しく解説します。

少額から始められる積立投資で、無理なく仮想通貨投資をスタートしましょう。

この記事の要約
  • 仮想通貨積立はドルコスト平均法で価格変動リスクを分散できる投資方法
  • 500円から始められて自動購入で感情に左右されないのが大きなメリット
  • 取引所選びは積立手数料・スプレッド・最低金額・金融庁登録を確認することが重要
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

仮想通貨の積立投資とは|ドルコスト平均法の仕組み

仮想通貨の積立投資は、毎月または毎週など定期的に一定額の仮想通貨を自動購入する投資方法です。

この仕組みは「ドルコスト平均法」と呼ばれ、価格変動が激しい仮想通貨投資において、リスクを抑えながら資産形成を目指せる手法として注目されています。

定期的に一定額を購入する投資方法

仮想通貨の積立投資では、あらかじめ設定した金額を定期的に自動で購入します。

例えば、毎月1万円ずつビットコインを購入する設定にすれば、価格に関係なく毎月同じ金額が投資されます。

価格が高い月は少ない数量を、価格が安い月は多い数量を購入することになるため、結果的に購入単価が平均化されるのです。

多くの取引所では500円や1,000円といった少額から積立を始められます。

まとまった資金がなくても、毎月のお小遣いや余剰資金の範囲内で無理なく投資を続けられるのが特徴です。

ドルコスト平均法で価格変動リスクを分散

ドルコスト平均法は、定額で定期購入することで平均購入単価を抑える投資手法です。

仮想通貨の価格は短期間で大きく変動しますが、高値の時も安値の時も同じ金額を投資し続けることで、極端な高値掴みを避けられます。

具体的な例を見てみましょう(架空の例)。

毎月1万円ずつビットコインを3ヶ月間積立した場合、1ヶ月目に1BTC=100万円、2ヶ月目に1BTC=80万円、3ヶ月目に1BTC=120万円だったとします。

この場合、購入できた数量は1ヶ月目0.01BTC、2ヶ月目0.0125BTC、3ヶ月目0.00833BTCとなり、合計0.03083BTCを3万円で購入したことになります。

平均購入単価は約97.3万円となり、単純平均の100万円よりも低く抑えられます。

ただし、価格が一方的に下落し続ける場合は損失が拡大する可能性もあります。

一括投資との違い

一括投資は、まとまった資金を一度に投資する方法です。

価格が底値の時に一括購入できれば大きなリターンが期待できますが、購入タイミングの判断が難しく、高値掴みのリスクも高くなります。

一方、積立投資は購入タイミングを分散させることで、一度の判断ミスによる大きな損失を避けられます。

ただし、価格が右肩上がりで上昇し続ける相場では、早めに一括投資した方が利益は大きくなります。

仮想通貨積立の5つのメリット

仮想通貨の積立投資には、投資初心者から経験者まで幅広い層にとって魅力的なメリットがあります。

ここでは代表的な5つのメリットを詳しく見ていきましょう。

少額から始められる(500円〜1,000円)

仮想通貨積立の最大の魅力は、少額から投資を始められる点です。

多くの取引所では月額500円や1,000円から積立設定が可能で、まとまった資金がなくても気軽にスタートできます。

少額積立の具体例

Coincheckでは月々1万円から

GMOコインでは500円から積立が可能

毎日のコーヒー代を節約するだけで、仮想通貨投資を始められる計算になります。

少額から始めることで、仮想通貨の値動きに慣れながら徐々に投資額を増やしていくこともできます。

自動購入で感情に左右されない

積立投資では、あらかじめ設定した金額が自動的に購入されるため、感情に左右されずに投資を続けられます。

仮想通貨の価格は日々大きく変動するため、手動で購入しようとすると「もう少し下がってから買おう」「今は高すぎる」と迷ってしまい、結局購入タイミングを逃すことがよくあります。

自動積立なら、価格が急騰している時も急落している時も、淡々と定額を購入し続けます。

価格下落時に「損をしたくない」という恐怖で売却してしまったり、価格上昇時に「乗り遅れたくない」という焦りで高値掴みをしてしまったりする失敗を防げます。

購入タイミングを迷わなくていい

「今が買い時なのか」という判断は、プロの投資家でも難しいものです。

仮想通貨の価格は株式以上に変動が激しく、適切な購入タイミングを見極めるには高度な知識と経験が必要になります。

積立投資では、購入タイミングを考える必要がありません。

毎月決まった日に自動的に購入されるため、チャートを毎日チェックしたり、ニュースに一喜一憂したりする必要がなくなります。

高値掴みのリスクを軽減できる

一括投資の場合、購入したタイミングが価格のピークだった場合、大きな含み損を抱えることになります。

特に仮想通貨は価格変動が激しいため、高値掴みのリスクは無視できません。

積立投資では購入タイミングが分散されるため、一度に大量の資金を高値で投入してしまうリスクを避けられます。

価格が高い時期には少なく、安い時期には多く購入することで、平均購入単価を抑える効果があります。

長期投資に向いている

仮想通貨積立は、短期的な価格変動に惑わされず、長期的な資産形成を目指す投資スタイルです。

ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨は、短期的には大きく価格が変動しますが、長期的には成長が期待されています。

毎月コツコツと積み立てることで、5年後、10年後の資産形成につなげられます。

複利効果も期待でき、保有数量が増えるほど価格上昇時の利益も大きくなります。

仮想通貨積立で気をつけたい5つのこと

仮想通貨積立には多くのメリットがある一方で、注意すべきリスクやデメリットも存在します。

投資を始める前に、しっかりと理解しておきましょう。

元本割れのリスクがある

仮想通貨積立は元本保証の商品ではありません。積み立てた金額よりも評価額が下回る「元本割れ」のリスクが常に存在します。

仮想通貨の価格は株式以上に変動が激しく、短期間で50%以上下落することも珍しくありません。

例えば、ビットコインは2021年11月に約770万円の最高値を記録した後、2022年11月には約220万円まで下落しました。

この期間に積立を続けていた場合、一時的に大きな含み損を抱えることになります。

投資する際は、生活に必要な資金ではなく、余剰資金の範囲内で行うことが重要です。

日本暗号資産取引業協会:暗号資産への投資に関する注意喚起

販売所のスプレッドでコストがかかる

多くの取引所の積立サービスは「販売所」形式で提供されており、スプレッド(買値と売値の差)が実質的な手数料となります。

このスプレッドは通常2〜5%程度で、取引所形式よりもコストが高くなる傾向があります。

スプレッドの具体例

ビットコインの実際の価格が100万円の場合

販売所での購入価格は102万円、売却価格は98万円

この4万円の差がスプレッド

スプレッドは取引所によって異なるため、できるだけスプレッドの狭い取引所を選ぶことが重要です。

利益が出るまで時間がかかる

積立投資は長期的な資産形成を目的とした投資手法のため、短期間で大きな利益を得ることは期待できません。

ドルコスト平均法で購入単価を平準化するには、ある程度の期間が必要です。

特に相場が横ばいや下落トレンドにある時期は、含み損の状態が続くこともあります。

数ヶ月から1年程度では利益が出ないことも珍しくなく、3年以上の長期的な視点で取り組む必要があります。

相場急落時も自動購入される

積立投資は自動購入が便利な反面、相場が急落している時でも設定どおりに購入が実行されます。

例えば、大きなニュースで仮想通貨市場全体が暴落している時でも、積立は止まりません。

これは一見デメリットに思えますが、実は長期的にはメリットにもなります。価格が下落している時こそ、より多くの数量を購入できるチャンスだからです。

相場急落時に積立を停止してしまうと、ドルコスト平均法の効果が薄れてしまうため、冷静に継続することが重要です。

税金は雑所得で最大55%の税率

仮想通貨の利益は「雑所得」として扱われ、給与所得などと合算して総合課税の対象となります。

税率は所得額に応じて5%〜45%の累進課税で、住民税10%を合わせると最大55%の税率が適用されます。

株式投資の譲渡益が一律20.315%の申告分離課税であるのに対し、仮想通貨は所得が増えるほど税率が高くなります。

また、年間20万円を超える利益が出た場合は確定申告が必要になります。

国税庁:暗号資産に関する税務上の取扱い

仮想通貨積立におすすめの取引所5社

仮想通貨積立を始めるには、まず取引所を選ぶ必要があります。

ここでは、積立サービスに力を入れている主要な取引所5社を紹介します。

Coincheck(コインチェック)

Coincheckは、アプリダウンロード数が多く人気の国内大手の仮想通貨取引所です。

積立サービスは「Coincheckつみたて」という名称で提供されており、初心者でも使いやすいシンプルな設計が特徴です。

Coincheckの特徴

最低積立金額は月々1万円から

毎日積立と毎月積立の2つのプランから選べる

取扱銘柄はビットコインやイーサリアムなど主要仮想通貨に対応

Coincheckは金融庁登録済みの暗号資産交換業者で、セキュリティ対策も充実しています。

口座開設は最短即日で完了し、すぐに積立を始められます。

GMOコイン

GMOコインは、GMOインターネットグループが運営する仮想通貨取引所です。

積立サービスは「つみたて暗号資産」として提供されており、業界最低水準の500円から積立を始められるのが大きな特徴です。

特筆すべきは、販売所形式だけでなく取引所形式での積立にも対応している点で、スプレッドを抑えたコスト効率の良い積立が可能です。

GMOコインは入出金手数料が無料で、取引コストを抑えたい方に適しています。

また、スマホアプリも使いやすく、外出先でも簡単に積立状況を確認できます。

bitFlyer(ビットフライヤー)

bitFlyerは、ビットコイン取引量が多い老舗の仮想通貨取引所です。

積立サービスは「かんたん積立」として提供されており、最低1円から積立が可能という驚異的な少額設定が特徴です。

bitFlyerの積立頻度

毎日1回

毎週1回

毎月2回(1日と15日)

毎月1回

bitFlyerは2014年から運営されている実績があり、セキュリティ対策も充実しています。

Tポイントで仮想通貨を購入できるサービスもあり、ポイント投資から始めたい方にもおすすめです。

BITPOINT(ビットポイント)

BITPOINTは、東証プライム上場企業のSBIホールディングスの子会社が運営する仮想通貨取引所です。

積立サービスは「つみたてプラン」として提供されており、手数料の安さが魅力です。

最低積立金額は月々5,000円からで、毎月積立に対応しています。

BITPOINTの特徴は、取引手数料や入出金手数料が無料である点で、コストを抑えた積立投資が可能です。

SBIグループの信頼性とセキュリティ体制が強みで、安心して長期投資に取り組めます。

SBI VCトレード

SBI証券の画像
項目 内容
口座数 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む)
取引手数料 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。
NISA対応
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点
成長投資枠対象商品 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点)
投資信託 約2,550本 ※2025年3月3日時点
外国株 8カ国/米国株式(5,000銘柄)
取引ツール(PC) HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー
スマホアプリ SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD
提携銀行口座 SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行
ポイント投資・付与 Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立)
口座開設スピード 最短 翌営業日

SBI VCトレードは、金融大手のSBIグループが運営する仮想通貨取引所です。

積立サービスは「積立暗号資産」として提供されており、グループの信頼性と充実したサポート体制が特徴です。

最低積立金額は月々500円からで、毎日積立と毎月積立の2つのプランから選べます。

SBI VCトレードは、SBIグループの金融ノウハウを活かした高いセキュリティ水準と、充実したカスタマーサポートが魅力です。

また、住信SBIネット銀行との連携により、入金がスムーズに行えます。

取引所を選ぶ5つのポイント

仮想通貨積立を始める際、取引所選びは非常に重要です。

自分に合った取引所を選ぶために、以下の5つのポイントをチェックしましょう。

積立手数料とスプレッドの安さ

積立投資で最も重要なのが、手数料とスプレッドのコストです。

多くの取引所では積立手数料自体は無料ですが、販売所形式のスプレッド(買値と売値の差)が実質的なコストになります。

スプレッドは取引所によって大きく異なり、2%〜5%程度の幅があります。

スプレッドコストの比較

毎月1万円を積み立てる場合

スプレッド3%なら300円、5%なら500円のコストが毎回発生

年間では3,600円〜6,000円の差

取引所形式での積立に対応している取引所を選ぶか、スプレッドの狭い販売所を選ぶことで、コストを抑えられます。

最低積立金額(500円〜1万円)

取引所によって最低積立金額は大きく異なります。

少額から始めたい初心者には、500円や1円から積立できる取引所が適しています。

最低積立金額が低い取引所では、複数の銘柄に分散投資することも可能です。

例えば、月5,000円の予算で、ビットコインに3,000円、イーサリアムに2,000円といった分散投資ができます。

積立できる銘柄の種類

取引所によって積立できる銘柄数は異なります。

ビットコインとイーサリアムはほとんどの取引所で積立できますが、その他のアルトコインは取引所によって対応状況が異なります。

初心者にはビットコインとイーサリアムの積立がおすすめですが、将来的に他の銘柄にも投資したい場合は、取扱銘柄の多い取引所を選んでおくと便利です。

ただし、マイナーなアルトコインは価格変動が激しく、リスクも高いため、慎重に判断しましょう。

積立頻度(毎日・毎週・毎月)

積立頻度は、毎日・毎週・毎月から選べる取引所が多いです。

それぞれにメリットがあり、自分の投資スタイルに合わせて選ぶことが重要です。

毎日積立
最も分散効果が高く、価格変動の影響を最小限に抑えられます
毎週積立
バランス型で、毎日ほど細かくないものの十分な分散効果があります
毎月積立
管理がシンプルで、給料日後に設定すれば資金管理がしやすくなります

金融庁登録業者かどうか

仮想通貨取引所を選ぶ際、最も重要なのが金融庁への登録状況です。

日本で仮想通貨交換業を行うには、金融庁の登録が必須となっています。

登録業者は一定のセキュリティ基準や顧客資産の分別管理などが義務付けられており、安全性が担保されています。

金融庁に登録されていない海外取引所や無登録業者を利用すると、トラブル発生時に十分な保護を受けられない可能性があります。

この記事で紹介している取引所はすべて金融庁登録済みの業者です。

金融庁:暗号資産交換業者登録一覧

仮想通貨積立の始め方|3つのステップ

仮想通貨積立を始めるのは意外と簡単です。

ここでは、初心者でもスムーズに始められるよう、3つのステップで具体的な手順を解説します。

取引所で口座を開設する

まずは、仮想通貨取引所で口座を開設します。

口座開設には、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)が必要です。

多くの取引所では、スマートフォンで本人確認を完結できる「eKYC」に対応しており、最短即日で口座開設が完了します。

1.メールアドレスとパスワードの登録
2.基本情報(氏名・住所・生年月日など)の入力
3.本人確認書類の提出
4.審査完了の通知受取

口座開設は無料で、維持費もかからないため、複数の取引所で口座を開設しておくのもおすすめです。

日本円を入金する

口座開設が完了したら、積立に使う日本円を入金します。

入金方法は、銀行振込、インターネットバンキング、コンビニ入金などがあり、取引所によって対応している方法が異なります。

銀行振込は最も一般的な方法で、取引所が指定する口座に振り込みます。

多くの取引所では、特定の銀行からの振込手数料が無料になるサービスを提供しています。

入金額は、積立金額の数ヶ月分をまとめて入金しておくと便利です。例えば、毎月1万円の積立なら、3〜6ヶ月分の3万〜6万円を入金しておけば、毎月入金する手間が省けます。

積立設定をする(銘柄・金額・頻度)

入金が完了したら、いよいよ積立設定を行います。

設定する項目は、①積立する銘柄、②積立金額、③積立頻度の3つです。

まず、積立する銘柄を選びます。

初心者にはビットコインまたはイーサリアムがおすすめです。

次に、毎月の積立金額を設定します。

無理のない範囲で、余剰資金から捻出できる金額を設定しましょう。

最後に、積立頻度を毎日・毎週・毎月から選びます。

設定が完了すると、指定した日時に自動的に購入が実行されます。購入履歴はアプリやウェブサイトで確認でき、いつでも設定の変更や停止が可能です。

積立におすすめの銘柄|ビットコインとイーサリアム

仮想通貨積立を始める際、どの銘柄を選ぶかは重要な判断ポイントです。

初心者には、時価総額が大きく流動性の高いビットコインとイーサリアムがおすすめです。

ビットコイン(BTC)|時価総額1位の安定性

ビットコインは、2009年に誕生した世界初の仮想通貨で、現在も時価総額1位を維持しています。

「デジタルゴールド」とも呼ばれ、価値の保存手段として世界中で認知されています。

ビットコインの最大の特徴は、発行上限が2,100万BTCと決まっている点です。この希少性が価値を支えており、長期的な価格上昇が期待されています。

また、機関投資家の参入も進んでおり、市場の成熟度が高まっています。

2024年には米国でビットコイン現物ETFが承認され、さらなる資金流入が見込まれています。

積立投資の観点では、ビットコインは最も流動性が高く、取引量も多いため、安定した取引が可能です。

イーサリアム(ETH)|スマートコントラクトの将来性

イーサリアムは、時価総額2位の仮想通貨で、スマートコントラクト機能を持つプラットフォームです。

単なる決済手段ではなく、分散型アプリケーション(DApps)やNFT、DeFi(分散型金融)など、様々なサービスの基盤として利用されています。

イーサリアムの強みは、技術的な進化が続いている点です。

2022年には大型アップデート「The Merge」が実施され、エネルギー消費量が大幅に削減されました。

積立投資の対象としては、ビットコインよりもボラティリティ(価格変動)が高い傾向がありますが、その分リターンも大きくなる可能性があります。

アルトコインへの積立は慎重に

ビットコインとイーサリアム以外の仮想通貨は「アルトコイン」と呼ばれます。

アルトコインには、リップル(XRP)、カルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)など多数の銘柄がありますが、積立投資には慎重な判断が必要です。

アルトコインは価格変動が非常に激しく、プロジェクトが失敗すれば価値がゼロになるリスクもあります。初心者は、まずビットコインとイーサリアムから始め、十分な知識と経験を積んでからアルトコインを検討することをおすすめします。

積立頻度はどう選ぶ?|毎日・毎週・毎月の比較

仮想通貨積立では、購入頻度を毎日・毎週・毎月から選べます。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の投資スタイルに合わせて選びましょう。

毎日積立|最も分散効果が高い

毎日積立は、設定した金額を30日や31日で割り、毎日少しずつ購入する方法です。

最も購入タイミングが分散されるため、ドルコスト平均法の効果を最大限に活かせます。

例えば、月3万円の積立なら、1日あたり約1,000円ずつ購入します。

価格が高い日も安い日も均等に購入するため、極端な高値掴みを避けられます。

デメリットは、購入回数が多いため、スプレッドコストが毎日発生する点です。ただし、1回あたりの購入金額が小さいため、スプレッドの絶対額は抑えられます。

毎週積立|バランス型

毎週積立は、毎週決まった曜日に購入する方法です。

月4〜5回の購入となり、毎日積立と毎月積立の中間的な位置づけです。

例えば、月3万円の積立なら、毎週約7,500円ずつ購入します。

毎日積立ほど細かくはありませんが、十分な分散効果があります。

毎週積立は、価格変動への対応とコストのバランスが良く、多くの投資家に選ばれています。迷った場合は、毎週積立を選ぶのが無難です。

毎月積立|管理がシンプル

毎月積立は、月1回決まった日に購入する方法です。

最もシンプルで管理しやすく、給料日直後に設定すれば資金繰りも楽になります。

例えば、毎月25日に3万円を購入する設定にすれば、給料が入った直後に自動的に投資されます。

購入回数が月1回なので、スプレッドコストは最も抑えられます。

デメリットは、購入タイミングが月1回に集中するため、その日の価格に大きく影響される点です。たまたま高値の日に購入してしまうリスクがあります。

仮想通貨積立の税金|確定申告の注意点

仮想通貨で利益が出た場合、税金の申告が必要になります。

株式投資とは税制が異なるため、事前にしっかり理解しておきましょう。

仮想通貨の利益は雑所得扱い

仮想通貨の売却益や交換益は「雑所得」として扱われます。

雑所得は給与所得などと合算して総合課税の対象となり、所得税率は5%〜45%の累進課税です。

これに住民税10%が加わるため、最大で55%の税率が適用されます。

株式投資の譲渡益が一律20.315%の申告分離課税であるのに対し、仮想通貨は所得が多いほど税率が高くなります。

また、仮想通貨には株式投資のような損失の繰越控除制度がないため、損失が出た年に他の雑所得と相殺できるのみです。翌年以降に繰り越すことはできません。

国税庁:暗号資産に関する税務上の取扱い

取得価額の計算方法(移動平均法・総平均法)

仮想通貨の利益を計算するには、取得価額を正確に把握する必要があります。

取得価額の計算方法には「移動平均法」と「総平均法」の2種類があり、どちらかを選択できます。

移動平均法は、購入の都度、平均取得価額を計算する方法です。

より正確な計算ができますが、取引回数が多いと計算が複雑になります。

総平均法は、1年間の購入総額を購入総数量で割って平均取得価額を算出する方法です。

計算がシンプルで管理しやすいですが、年末まで正確な取得価額が確定しません。

年間20万円超の利益で確定申告が必要

会社員の場合、給与所得以外の所得(仮想通貨の利益など)が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。

20万円以下の場合は申告不要ですが、住民税の申告は必要です。

確定申告の期限は、翌年の2月16日〜3月15日です。

期限内に申告しないと、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課される可能性があります。また、意図的に申告しなかった場合は、重加算税の対象となることもあります。

積立投資の場合、保有しているだけでは課税されず、売却または他の仮想通貨と交換した時点で利益が確定します。

税金計算ツールの活用

仮想通貨の税金計算は複雑で、手作業で行うのは大変です。

多くの取引所では、取引履歴をCSVファイルでダウンロードできるため、税金計算ツールを活用することをおすすめします。

クリプタクトやGtaxなどの専門ツールを使えば、自動的に損益計算ができます。

複雑な税務処理が不安な場合は、税理士に相談することも検討しましょう。

よくある質問(Q&A)

よくある質問
積立は意味ないと言われるのはなぜ?

「仮想通貨の積立は意味ない」という意見を目にすることがありますが、これは短期的な視点や特定の相場状況を前提にした意見です。確かに、価格が右肩上がりで上昇し続ける相場では、早めに一括投資した方が利益は大きくなります。また、価格が一方的に下落し続ける相場では、積立を続けても損失が拡大します。しかし、仮想通貨のように価格変動が激しい資産では、購入タイミングを完璧に予測することは不可能です。積立投資は「いつ買うべきか」という判断から解放され、長期的に資産を積み上げていく手法として有効です。

相場が下落したら積立を停止すべき?

相場が大きく下落すると、積立を停止したくなる気持ちは理解できます。しかし、積立投資の最大のメリットは、価格が下落している時こそ多くの数量を購入できる点です。下落時に積立を停止してしまうと、ドルコスト平均法の効果が薄れてしまいます。むしろ、下落時は「安く買えるチャンス」と捉え、積立を継続することが重要です。ただし、相場が長期的に下落トレンドにあり、将来的な回復が見込めないと判断した場合は、積立を見直すことも必要です。

販売所と取引所の違いは?

販売所は、取引所が保有する仮想通貨を直接売買する方式です。価格が明示されており、すぐに購入できる利便性がありますが、スプレッド(買値と売値の差)が大きく、コストが高くなります。一方、取引所は、ユーザー同士が売買する方式で、スプレッドが狭くコストを抑えられますが、注文方法が複雑で初心者には難しい面があります。多くの積立サービスは販売所形式で提供されていますが、一部の取引所では取引所形式での積立も可能です。

複数の取引所で分散積立すべき?

複数の取引所で分散積立することには、リスク分散のメリットがあります。万が一、一つの取引所がハッキング被害やシステム障害に遭った場合でも、他の取引所で保有している資産は守られます。また、取引所ごとに取扱銘柄や手数料が異なるため、それぞれの強みを活かした投資が可能です。ただし、複数の取引所を管理する手間が増え、税金計算も複雑になります。初心者はまず一つの取引所で積立を始め、慣れてきたら分散を検討するのが良いでしょう。

積立を途中でやめてもいい?

積立投資は、いつでも停止や再開が可能です。生活状況の変化や投資方針の見直しで積立を停止することは問題ありません。ただし、短期的な価格変動に反応して頻繁に停止・再開を繰り返すと、ドルコスト平均法の効果が薄れてしまいます。積立を停止する場合は、明確な理由があるか冷静に判断しましょう。また、積立を停止しても、すでに購入した仮想通貨は保有し続けることができます。

まとめ

仮想通貨積立は、ドルコスト平均法を活用して価格変動リスクを分散しながら、長期的な資産形成を目指す投資方法です。

500円から始められる少額投資、自動購入による感情排除、購入タイミングの悩み解消など、多くのメリットがあります。

一方で、元本割れのリスク、販売所のスプレッドコスト、利益が出るまでの時間、相場急落時の自動購入、高い税率など、注意すべき点も存在します。

取引所選びでは、積立手数料とスプレッドの安さ、最低積立金額、積立できる銘柄の種類、積立頻度の選択肢、金融庁登録業者かどうかを確認しましょう。

初心者にはビットコインとイーサリアムの積立がおすすめで、アルトコインへの投資は慎重に判断する必要があります。

積立頻度は、毎日積立が最も分散効果が高く、毎週積立はバランス型、毎月積立は管理がシンプルです。

仮想通貨の利益は雑所得として扱われ、年間20万円を超える利益が出た場合は確定申告が必要です。

仮想通貨積立を始めるには、取引所で口座を開設し、日本円を入金し、銘柄・金額・頻度を設定するだけです。

少額から始めて、徐々に投資額を増やしていくことで、無理なく資産形成を続けられます。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各取引所の公式サイトでご確認いただくか、専門家にご相談ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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