野村スリーゼロ先進国株式投信の評価|メリット・デメリットを解説

2024年から始まった新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が用意されています。この2つの枠にはどのような違いがあるのか、どちらを選べばいいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
新NISAでは、この2つの枠を併用できるようになり、投資の自由度が大きく広がりました。
年間投資枠や投資対象商品、購入方法など、それぞれに異なる特徴があります。
この記事では、つみたて投資枠と成長投資枠の違いを詳しく解説し、あなたに合った使い分け方をご紹介します。
自分の投資スタイルや目的に合わせて、新NISAを最大限に活用しましょう。
目次
成長投資枠と積立投資枠の違いは?
新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠には、主に3つの大きな違いがあります。年間投資枠の規模、投資対象商品の範囲、そして購入方法の柔軟性です。
この3つのポイントを理解することで、自分に合った投資枠を選べるようになります。まずは基本的な違いを表で確認しましょう。
| 比較項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円(成長投資枠と合算) | 1,200万円(つみたて投資枠と合算で1,800万円) |
| 投資対象商品 | 金融庁認定の投資信託・ETF | 投資信託・株式・ETF・REITなど |
| 購入方法 | 積立のみ | 積立・一括どちらも可能 |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 併用 | 可能 | 可能 |
つみたて投資枠の年間投資枠は120万円、成長投資枠は240万円です。つまり、成長投資枠の方が年間で2倍の金額を投資できます。
月々の投資額で考えると、つみたて投資枠は月10万円まで、成長投資枠は月20万円までとなります。両方を併用すれば、年間で最大360万円まで非課税で投資することが可能です。
非課税保有限度額の総額は1,800万円で、そのうち成長投資枠で使えるのは1,200万円までという制限があります。残りの600万円分は、つみたて投資枠を活用する必要があります。
つみたて投資枠で購入できる商品は、長期・積立・分散投資に適していると金融庁が認めた投資信託とETFに限定されています。具体的には、購入手数料が無料で、信託報酬も低めに設定された商品が対象です。
一方、成長投資枠では、つみたて投資枠の対象商品に加えて、より幅広い投資信託や個別株式、ETF、REITなどに投資できます。ただし、整理・監理銘柄、信託期間20年未満の投資信託、毎月分配型の投資信託、デリバティブ取引を用いたレバレッジ型ファンドなどは除外されています。
成長投資枠でも、つみたて投資枠の対象商品を購入することができます。つまり、つみたて投資枠で年間120万円を使い切った後、同じ商品をさらに成長投資枠で購入することも可能です。
つみたて投資枠は、その名の通り「積立投資専用」の枠です。毎月や毎週など、定期的に一定額を購入する方法でのみ投資できます。
成長投資枠では、積立投資だけでなく、自分の好きなタイミングで一括投資することも可能です。「今が買い時」と判断したときに、まとまった資金を一度に投資できる柔軟性があります。
また、成長投資枠でも積立投資を選択できるため、つみたて投資枠と同じように定期的にコツコツ投資することもできます。購入方法の自由度が高いのが、成長投資枠の大きな特徴と言えるでしょう。
積立投資枠とは?
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資による資産形成を目的とした非課税投資枠です。2023年までのつみたてNISAを引き継ぐ枠として、2024年からの新NISAに設けられました。
投資初心者でも始めやすいように設計されており、金融庁が定めた基準を満たす商品のみが対象となっています。ここでは、つみたて投資枠の基本情報と特徴を詳しく見ていきましょう。
つみたて投資枠の年間投資枠は120万円で、非課税保有期間は無期限です。2023年までのつみたてNISAでは年間40万円、非課税保有期間20年という制限がありましたが、新NISAでは大幅に拡充されました。
非課税保有限度額は、成長投資枠と合わせて1,800万円です。つみたて投資枠だけを使う場合は、月10万円を15年間積み立てることで、1,800万円の非課税枠を使い切ることができます。
NISA口座内の商品を売却すると、購入時の買値分の非課税投資枠が翌年以降に復活します。この「枠の再利用」ができる点も、新NISAの大きなメリットです。
つみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁が定める基準を満たした投資信託とETFに限られています。具体的には、購入手数料がかからず(ノーロード)、信託報酬が一定水準以下で、分配頻度が毎月でないものなどが条件です。
これらの基準により、長期投資に適した低コストの商品が厳選されています。投資信託の本数は証券会社によって異なりますが、主要なネット証券では200本以上の商品から選べます。
対象商品が限定されているため、「どの商品を選べばいいか分からない」という投資初心者の方でも、比較的選びやすいのが特徴です。インデックスファンドを中心に、バランス型ファンドなども含まれており、自分の投資目的に合った商品を見つけやすくなっています。
つみたて投資枠では、定期的に一定額を購入する「ドルコスト平均法」という投資手法を活用できます。この方法では、価格が高いときには少ない口数を、価格が安いときには多い口数を自動的に購入することになります。
結果として、購入価格が平準化され、高値掴みのリスクを軽減できます。市場のタイミングを読む必要がないため、投資の知識や経験が少ない方でも始めやすい投資方法と言えます。
また、一度設定すれば自動で積立が継続されるため、日々の値動きに一喜一憂せず、長期的な視点でコツコツと資産を増やしていけます。時間を分散することで、市場の短期的な変動の影響を受けにくくなるのが、ドルコスト平均法の大きなメリットです。
成長投資枠は、2023年までの一般NISAを引き継ぐ形で設けられた非課税投資枠です。つみたて投資枠よりも年間投資枠が大きく、投資対象商品も幅広いのが特徴です。
積立投資だけでなく一括投資もできるため、市場の状況を見ながら自分の判断で投資したい方に適しています。ここでは、成長投資枠の基本情報と特徴を詳しく解説します。
成長投資枠の年間投資枠は240万円で、つみたて投資枠の2倍の規模です。非課税保有期間は無期限で、非課税保有限度額は1,200万円までとなっています。
ただし、この1,200万円は、つみたて投資枠と合算した総額1,800万円の一部です。つまり、成長投資枠だけを使う場合は1,200万円が上限ですが、つみたて投資枠と併用すれば合計1,800万円まで非課税で投資できます。
2023年までの一般NISAでは年間投資枠が120万円、非課税保有期間が5年間という制限がありましたが、新NISAでは年間投資枠が2倍に拡大され、非課税保有期間も無期限になりました。これにより、より長期的な視点で投資戦略を立てられるようになりました。
成長投資枠では、つみたて投資枠の対象商品に加えて、より幅広い投資信託や個別株式、ETF、REITなどに投資できます。国内株式だけでなく、米国株式や中国株式などの外国株式も購入可能です。
投資信託では、つみたて投資枠で選べない商品も対象になります。例えば、積極的な運用を目指すアクティブファンドや、特定のテーマに投資するテーマ型ファンドなども選択肢に含まれます。
個別株式に投資できる点も、成長投資枠の大きな特徴です。自分が応援したい企業の株式を購入したり、配当金や株主優待を楽しんだりすることもできます。IPO(新規公開株式)やPO(公募増資・売出)も対象となっており、投資の選択肢が大きく広がります。
このように、成長投資枠では自分の投資スタイルや目的に合わせて、より自由度の高い投資が可能になっています。
成長投資枠は幅広い商品に投資できますが、新NISAの目的である「安定的な資産形成」に適さない一部の商品は除外されています。
購入できない商品の例
これらは長期保有に不向きと判断されています。特にレバレッジ型ファンドは値動きが非常に激しくなる傾向があるため、成長投資枠の対象外となっています。
積立投資枠のメリット・デメリット
つみたて投資枠には、投資初心者でも始めやすいメリットがある一方で、投資の自由度が制限されるというデメリットもあります。ここでは、つみたて投資枠の長所と短所を詳しく見ていきましょう。
つみたて投資枠の3つのメリット
少額から無理なく始められる
購入手数料無料・低コストで運用できる
ドルコスト平均法でリスクを軽減
つみたて投資枠の最大のメリットは、少額から無理なく投資を始められる点です。多くの証券会社では、月100円や月1,000円といった少額から積立投資を設定できます。まとまった資金がなくても、毎月の余裕資金で資産形成を始められます。
また、対象商品は購入手数料が無料で、信託報酬も低めに設定されています。投資コストを抑えながら運用できるため、長期投資において有利です。金融庁が定めた基準を満たす商品のみが対象なので、初心者でも安心して選びやすいのも魅力です。
さらに、一度設定すれば自動で積立が継続されるため、投資のタイミングを考える必要がありません。ドルコスト平均法により、購入価格が平準化され、高値掴みのリスクを軽減できます。日々の値動きに一喜一憂せず、長期的な視点でコツコツと資産を増やしていける点が、つみたて投資枠の大きなメリットと言えるでしょう。
非課税保有期間が無期限なので、時間をかけてじっくりと資産を育てることができます。
つみたて投資枠のデメリットは、年間投資枠が120万円と、成長投資枠の半分である点です。まとまった資金を一度に投資したい場合や、年間で多額の投資を行いたい場合には、つみたて投資枠だけでは不十分な可能性があります。
また、投資対象商品が金融庁認定の投資信託とETFに限定されているため、個別株式やREIT、幅広い投資信託には投資できません。自分で銘柄を選んで投資したい方や、より積極的な運用を目指したい方には、選択肢が限られていると感じるでしょう。
さらに、購入方法が積立投資のみに限定されている点も、デメリットの1つです。「今が買い時」と判断したタイミングで一括投資することができないため、市場の状況を見ながら柔軟に投資したい方には不向きな可能性があります。
これらのデメリットは、成長投資枠と併用することで補うことができます。つみたて投資枠で安定的な積立投資を行いながら、成長投資枠で個別株式やより幅広い商品に投資するという使い分けが可能です。
成長投資枠のメリット・デメリット
成長投資枠には、投資の自由度が高く幅広い商品に投資できるメリットがある一方で、商品選びの難しさや一括投資のタイミングが難しいというデメリットもあります。ここでは、成長投資枠の長所と短所を詳しく見ていきましょう。
成長投資枠の3つのメリット
年間240万円の大きな投資枠
個別株式・ETF・REITなど幅広い商品に投資可能
積立・一括どちらも選べる柔軟性
成長投資枠の最大のメリットは、年間投資枠が240万円と大きく、つみたて投資枠の2倍の金額を投資できる点です。まとまった資金を投資したい方や、年間で多額の投資を行いたい方にとって、大きな魅力となります。
また、投資対象商品が幅広い点も大きなメリットです。投資信託だけでなく、個別株式、ETF、REITなど、多様な商品に投資できます。自分が応援したい企業の株式を購入したり、配当金や株主優待を楽しんだりすることも可能です。
購入方法の柔軟性も魅力の1つです。積立投資だけでなく、自分の好きなタイミングで一括投資することもできます。市場の状況を見ながら「今が買い時」と判断したときに、まとまった資金を投資できる自由度があります。
さらに、成長投資枠でもつみたて投資枠の対象商品を購入できるため、つみたて投資枠で年間120万円を使い切った後、同じ商品をさらに購入することも可能です。投資の選択肢が広がり、自分の投資スタイルに合わせた運用ができる点が、成長投資枠の大きなメリットと言えるでしょう。
成長投資枠のデメリットは、商品選択の自由度が高い分、どの商品を選べばいいか判断が難しい点です。個別株式やETF、幅広い投資信託から選ぶ必要があるため、投資の知識や経験が少ない方には、選択が難しく感じられる可能性があります。
また、一括投資ができる点は自由度が高い一方で、投資のタイミングを見極める必要があります。高値で購入してしまうと、その後の価格下落で含み損を抱えるリスクがあります。市場の動向を読むのは専門家でも難しいため、投資初心者にとってはハードルが高いでしょう。
さらに、成長投資枠だけを使う場合、非課税保有限度額が1,200万円までに制限される点もデメリットです。つみたて投資枠と併用しなければ、1,800万円の非課税枠を最大限に活用できません。
これらのデメリットは、つみたて投資枠と併用したり、成長投資枠でも積立投資を選択したりすることで軽減できます。一括投資のタイミングが難しいと感じる場合は、成長投資枠でも積立投資を活用することで、ドルコスト平均法のメリットを享受できます。
どっちを選べばいい?
つみたて投資枠と成長投資枠、どちらを選べばいいのか迷っている方も多いでしょう。実は、新NISAでは両方を併用できるため、「どちらか一方を選ぶ」必要はありません。
ここでは、あなたの投資スタイルや目的に合わせて、どの枠をどのように活用すればいいのかをご紹介します。自分に当てはまるタイプを確認してみましょう。
つみたて投資枠が向いているのは、投資初心者の方や、リスクを抑えながら安定的に資産形成したい方です。金融庁認定の商品のみが対象なので、「どの商品を選べばいいか分からない」という方でも、比較的選びやすくなっています。
また、少額から始めたい方にも適しています。月1,000円や月3,000円といった無理のない金額から積立投資を始められるため、まとまった資金がなくても資産形成をスタートできます。
さらに、日々の値動きに一喜一憂したくない方や、投資に時間をかけたくない方にもおすすめです。一度設定すれば自動で積立が継続されるため、手間がかかりません。長期的な視点でコツコツと資産を増やしていきたい方に、つみたて投資枠は最適な選択肢と言えるでしょう。
成長投資枠が向いているのは、まとまった資金を投資したい方や、年間で多額の投資を行いたい方です。年間240万円まで投資できるため、ボーナスや退職金などのまとまった資金を非課税で運用できます。
また、個別株式に投資したい方や、自分で銘柄を選んで投資したい方にも適しています。配当金や株主優待を楽しみたい方、応援したい企業の株式を購入したい方にとって、成長投資枠は魅力的な選択肢です。
さらに、投資の知識や経験がある程度ある方や、市場の状況を見ながら柔軟に投資したい方にもおすすめです。一括投資のタイミングを自分で判断できる方にとって、成長投資枠の自由度の高さは大きなメリットとなります。
実は、多くの方にとって、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を併用するのが最もおすすめです。両方を活用することで、それぞれのメリットを享受しながら、デメリットを補い合うことができます。
例えば、つみたて投資枠で安定的な積立投資を行いながら、成長投資枠で個別株式やより積極的な運用を目指す投資信託に投資するという使い分けができます。リスクとリターンのバランスを取りながら、効率的な資産形成が可能になります。
非課税保有限度額1,800万円を最大限に活用したい方にも、両方の併用が必要です。成長投資枠だけでは1,200万円までしか使えないため、残りの600万円分はつみたて投資枠を活用する必要があります。年間投資枠360万円をフル活用すれば、5年間で1,800万円の非課税枠を使い切ることもできます。
新NISAの大きな特徴は、つみたて投資枠と成長投資枠を同時に併用できる点です。2023年までのNISAでは、つみたてNISAと一般NISAのどちらか一方しか選べませんでしたが、新NISAでは両方を自由に使い分けられます。
ここでは、両方を併用する際の具体的な戦略や活用例をご紹介します。自分のライフステージや投資目的に合わせて、最適な使い分け方を見つけましょう。
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を同時に利用できます。両方を併用すれば、年間で最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで非課税で投資することが可能です。
併用の方法は自由で、両方とも積立投資にすることもできますし、つみたて投資枠で積立投資を行いながら、成長投資枠で一括投資を行うこともできます。また、同じ商品をつみたて投資枠と成長投資枠の両方で購入することも可能です。
非課税保有限度額は、両方合わせて1,800万円です。そのうち成長投資枠で使えるのは1,200万円までなので、1,800万円の非課税枠を最大限に活用するには、つみたて投資枠を少なくとも600万円分は使う必要があります。
20代・30代の方で長期投資が可能な場合、つみたて投資枠を中心に活用する方法がおすすめです。例えば、毎月5万円をつみたて投資枠で積み立てると、年間60万円、30年間で1,800万円の非課税枠を使い切ることができます。
若い世代は投資期間を長く取れるため、時間を味方につけた資産形成が可能です。ドルコスト平均法により、購入価格が平準化され、長期的には市場の短期的な変動の影響を受けにくくなります。
また、最初は月1万円から始めて、収入が増えた段階で積立額を増額していく方法も有効です。新NISAでは非課税保有期間が無期限なので、無理に年間投資枠を使い切る必要はありません。自分の資産状況に応じて、柔軟に積立額を調整できます。
余裕資金がある場合は、成長投資枠で個別株式に投資したり、つみたて投資枠で選べない商品に投資したりすることも検討しましょう。両方を併用することで、バランスの取れた資産形成が可能になります。
ボーナスを投資資金に回せる方は、つみたて投資枠と成長投資枠を組み合わせた活用方法がおすすめです。例えば、毎月5万円をつみたて投資枠で積み立て(年間60万円)、ボーナス月に成長投資枠で15万円ずつ投資する(年間30万円)という方法があります。
この場合、つみたて投資枠で60万円×20年=1,200万円、成長投資枠で30万円×20年=600万円となり、合計1,800万円の非課税枠を20年間で使い切ることができます。
成長投資枠では、つみたて投資枠で選べない商品に投資したり、個別株式を購入したりすることも可能です。ボーナス月にまとまった金額を投資することで、投資の選択肢が広がります。
年間投資枠を必ずしも使い切る必要はありません。その年の状況に合わせて、柔軟に投資額を調整することが大切です。無理のない範囲で、自分のペースで資産形成を進めていきましょう。
旧NISAから新NISAへの変更点
2024年から始まった新NISAは、2023年までの旧NISA(つみたてNISAと一般NISA)から大きく変わりました。制度が恒久化され、非課税保有期間が無期限になるなど、より使いやすい制度に生まれ変わっています。
ここでは、旧NISAから新NISAへの主な変更点を詳しく見ていきましょう。すでに旧NISAを利用している方も、これらの変更点を理解することで、新NISAをより効果的に活用できます。
旧NISAでは、つみたてNISAが20年間、一般NISAが5年間という非課税保有期間の制限がありました。期間終了時には、売却するか課税口座に移管するかを選択する必要がありました。
新NISAでは、この非課税保有期間が無期限になりました。つまり、いつまでも非課税で保有し続けることができます。期間終了を気にせず、長期的な視点でじっくりと資産を育てることが可能になったのです。
この変更により、投資戦略の自由度が大きく広がりました。値上がりを待つ時間的余裕ができたため、短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な資産形成に集中できます。
旧NISAでは、つみたてNISAが年間40万円、一般NISAが年間120万円でした。新NISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円に拡大され、両方を併用すれば年間360万円まで投資できるようになりました。
非課税保有限度額も大幅に拡大されています。旧NISAでは、つみたてNISAが800万円(40万円×20年)、一般NISAが600万円(120万円×5年)でしたが、新NISAでは1,800万円まで非課税で保有できます。
| 項目 | 旧NISA(つみたて) | 旧NISA(一般) | 新NISA(つみたて投資枠) | 新NISA(成長投資枠) |
| 年間投資枠 | 40万円 | 120万円 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額 | 800万円 | 600万円 | 1,800万円(成長投資枠と合算) | 1,200万円(つみたて投資枠と合算で1,800万円) |
| 非課税保有期間 | 20年 | 5年 | 無期限 | 無期限 |
この拡大により、より多くの資産を非課税で運用できるようになり、資産形成の効率が大きく向上しました。
旧NISAでは、つみたてNISAと一般NISAのどちらか一方しか選べませんでした。年ごとに切り替えることはできましたが、同じ年に両方を利用することはできませんでした。
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を同時に併用できるようになりました。これにより、安定的な積立投資と、より積極的な投資を組み合わせた、バランスの取れた資産形成が可能になります。
旧NISAで保有していた商品は、新NISAとは別枠で非課税保有期間が終了するまで保有し続けることができます。ただし、旧NISAから新NISAへのロールオーバー(移管)はできないため、旧NISAの商品と新NISAの商品は別々に管理されます。
具体的な金額でシミュレーション
新NISAの非課税保有限度額1,800万円を使い切るには、何年かかるのでしょうか。ここでは、具体的な投資額でシミュレーションし、どのくらいの期間で非課税枠を活用できるのかを見ていきます。
自分の投資可能な金額に近いケースを参考にして、資産形成の計画を立ててみましょう。
月3万円をつみたて投資枠で積み立てる場合、年間で36万円の投資となります。この場合、1,800万円の非課税枠を使い切るには、1,800万円÷36万円=50年かかる計算です。
ただし、新NISAでは非課税保有期間が無期限なので、50年かけてゆっくりと非課税枠を使い切ることも可能です。若い世代であれば、長期的な視点で資産形成を進められます。
また、途中で収入が増えた段階で積立額を増やすこともできます。例えば、最初の10年間は月3万円、その後は月5万円に増額すれば、より早く非課税枠を活用できます。無理のない範囲で、自分のペースで積立額を調整することが大切です。
月5万円をつみたて投資枠で積み立て(年間60万円)、ボーナス時に成長投資枠で年2回、各15万円を投資する(年間30万円)場合を考えてみましょう。この場合、年間の投資額は合計90万円です。
1,800万円÷90万円=20年となり、20年間で非課税枠を使い切ることができます。つみたて投資枠で60万円×20年=1,200万円、成長投資枠で30万円×20年=600万円という配分です。
この方法では、つみたて投資枠で安定的な積立投資を行いながら、成長投資枠でボーナスを活用した投資ができます。ボーナス月にまとまった金額を投資することで、投資の選択肢が広がり、より柔軟な資産形成が可能になります。
1,800万円の非課税枠を最速で使い切るには、年間投資枠360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)をフル活用する必要があります。この場合、1,800万円÷360万円=5年で非課税枠を使い切ることができます。
具体的には、つみたて投資枠で月10万円を積み立て(年間120万円)、成長投資枠で月20万円を投資する(年間240万円)という方法です。月30万円を投資できる資金力があれば、5年間で非課税枠を最大限に活用できます。
この方法は相当な資金力が必要です。まとまった退職金や相続資産がある方、高収入で投資資金に余裕がある方向けの戦略と言えるでしょう。多くの方にとっては、無理のない範囲で長期的に積み立てていく方が現実的です。
また、非課税枠を早く使い切ることが必ずしも良いわけではありません。自分の資産状況やライフプランに合わせて、無理のない投資計画を立てることが最も重要です。
はい、成長投資枠でも積立投資ができます。成長投資枠は一括投資だけでなく、定期的な積立投資も選択できる柔軟な枠です。
例えば、つみたて投資枠で年間120万円を使い切った後、同じ商品をさらに成長投資枠で積み立てることも可能です。また、つみたて投資枠では購入できない商品を、成長投資枠で積立投資することもできます。
積立投資を選択すれば、ドルコスト平均法のメリットを享受しながら、成長投資枠の幅広い商品ラインナップを活用できます。
はい、途中で投資戦略を変更できます。例えば、つみたて投資枠の積立額を増減したり、成長投資枠での投資を開始・停止したりすることが可能です。
また、保有している商品を売却して、別の商品に投資し直すこともできます。新NISAでは、売却した商品の買値分の非課税枠が翌年以降に復活するため、柔軟な資産運用が可能です。
ライフステージの変化や投資目的の変更に応じて、戦略を見直すことができるのが新NISAの魅力です。
NISA口座内の投資で得た利益は非課税なので、原則として確定申告は不要です。配当金や売却益に対して税金がかからないため、申告の手間がありません。
ただし、配当金を非課税にするには、「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。この方式を選択していない場合、配当金に対して税金がかかる可能性があるため、証券会社で設定を確認しましょう。
また、NISA口座以外の課税口座で投資を行っている場合は、そちらの利益については確定申告が必要になる場合があります。
NISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)は、どちらも税制優遇のある制度ですが、それぞれ特徴が異なります。一般的には、両方を併用するのが理想的ですが、資金に限りがある場合は優先順位を考える必要があります。
iDeCoのメリットは、掛金が全額所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減される点です。一方、60歳まで原則引き出せないという制限があります。老後資金の準備を優先したい方は、iDeCoを優先するのが良いでしょう。
NISAのメリットは、いつでも売却して現金化できる流動性の高さです。教育資金や住宅購入資金など、老後以外の目的でも資金を使いたい方は、NISAを優先するのがおすすめです。
理想的には、まずiDeCoで老後資金の基盤を作り、余裕資金でNISAを活用するという組み合わせが効果的です。
投資には元本割れのリスクが伴います。株式や投資信託は価格が変動するため、購入時よりも価格が下がる可能性があります。特に短期間では、市場の変動により損失が出ることもあるでしょう。
ただし、長期・積立・分散投資を行うことで、リスクを軽減できます。金融庁のデータによると、積立投資を20年間続けた場合、元本割れする確率は大きく低下するとされています。
つみたて投資枠の対象商品は、金融庁が定めた基準を満たす低コストで分散投資に適した商品です。これらの商品を長期的に保有することで、リスクを抑えながら資産形成を目指せます。
NISA口座内で保有している商品を売却しても、税金はかかりません。売却益は非課税です。また、売却した商品の買値分の非課税枠は、翌年以降に復活します。
例えば、100万円で購入した商品が150万円に値上がりして売却した場合、50万円の利益に対して税金はかかりません。そして、翌年以降に100万円分の非課税枠が復活し、再び投資に使えるようになります。
この「枠の再利用」ができる点が、新NISAの大きなメリットです。ただし、枠が復活するのは翌年以降なので、同じ年に売却と再投資を繰り返すことはできません。
新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠には、年間投資枠、投資対象商品、購入方法という3つの大きな違いがあります。つみたて投資枠は年間120万円で金融庁認定の投資信託のみ、積立投資専用です。成長投資枠は年間240万円で幅広い商品に投資でき、積立・一括どちらも選択できます。
投資初心者やリスクを抑えたい方には、つみたて投資枠が適しています。まとまった資金を投資したい方や、個別株式に投資したい方には、成長投資枠がおすすめです。ただし、多くの方にとって、両方を併用するのが最も効果的な資産形成の方法と言えるでしょう。
新NISAでは、非課税保有期間が無期限になり、年間投資枠も大幅に拡大されました。つみたて投資枠と成長投資枠を同時に利用できるため、投資の自由度が大きく広がっています。自分のライフステージや投資目的に合わせて、柔軟に活用することが大切です。
1,800万円の非課税枠を最大限に活用するには、両方の枠を組み合わせた計画的な投資が必要です。月々の積立額やボーナス時の投資額を調整しながら、無理のない範囲で資産形成を進めていきましょう。途中で戦略を変更することもできるため、状況に応じて柔軟に対応できます。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。詳しくは各証券会社や金融機関にご確認いただくか、専門家にご相談されることをおすすめします。
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