会社設立のミチシルベ

半導体製造に欠かせない超純水装置メーカーとして注目される野村マイクロ・サイエンス（証券コード：6254）。

東証プライム市場に上場し、半導体業界の成長とともに業績を伸ばしている企業です。

この記事では、野村マイクロ・サイエンスの事業内容、業績動向、株価の特徴、投資リスクまで詳しく解説します。半導体関連銘柄への投資を検討している方、個別株投資で成長企業を探している方に役立つ情報をまとめました。

投資判断の参考として、ぜひ最後までお読みください。

野村マイクロ・サイエンスとは

野村マイクロ・サイエンス株式会社は、神奈川県厚木市に本社を置く超純水製造装置メーカーです。

半導体産業やフラットパネルディスプレイの生産工程に使用される超純水製造装置の設計・施工・販売やメンテナンスを主要業務としています。

企業概要と上場の経緯

2020年5月に東京証券取引所第二部、2021年6月に同一部、2022年4月からはプライム市場に変更されています。

証券コードは6254で、業種分類は機械セクターに属します。

主要事業と製品

同社の主力事業は水処理装置事業で、売上の大部分を占めています。

超純水とは、不純物を極限まで取り除いた高純度の水のことで、半導体製造には欠かせない材料です。半導体チップの洗浄工程では、わずかな不純物も製品不良の原因となるため、極めて高い水質が求められます。

同社は超純水製造装置の設計から施工、メンテナンス、消耗品販売まで一貫したサービスを提供しています。

事業の特徴と強み

半導体業界との強い結びつき

半導体製造工場の新設や増設に伴い、超純水装置の需要も増加するため、半導体業界の設備投資動向が同社の業績に直結します。

近年の半導体需要の高まりを受けて、同社の受注も増加傾向にあります。

海外市場への展開

韓国市場への進出を果たし、アジア地域での事業拡大を積極的に推進しています。

台湾、韓国、中国、ベトナムなど各国に子会社や拠点を設立し、グローバルな供給体制を構築してきました。

半導体製造の主要拠点である東アジア地域でのプレゼンス向上が、今後の成長戦略の鍵となります。

技術開発力

同社は独自の技術開発に力を入れており、環境負荷を軽減する排水処理システムや、高効率な超純水製造技術の研究開発を継続しています。

顧客ニーズに応じたカスタマイズ対応力も強みの一つです。

株価の動向と特徴

最近の株価推移

2024年12月時点で、野村マイクロ・サイエンスの株価は3,000円前後で推移しています。

半導体業界の設備投資サイクルに連動して、株価も大きく変動する傾向があります。半導体需要が旺盛な時期には株価が上昇し、設備投資が一巡すると調整局面を迎えるというパターンが見られます。

配当利回りと株主還元

配当利回り（予想）は2.68%、1株配当（予想）は70.00円となっています。

年2回（中間・期末）の配当を実施しており、業績に応じた株主還元を行っています。配当性向は業績変動に応じて調整されますが、安定的な配当を維持する方針です。

株価指標の特徴

時価総額は約1,136億円、ROEは28.2%と高い収益性を示しています。

PER（株価収益率）は業績予想によって変動しますが、半導体関連銘柄として市場の期待が反映された水準となっています。

機械セクターの中では成長性の高い銘柄として評価されています。

業績動向と今後の見通し

直近の業績状況

売上高は964億円、総資産は1,040億円の規模となっています。

半導体製造装置への旺盛な需要を背景に、受注残高も高水準を維持しています。ただし、半導体業界の設備投資は景気サイクルの影響を受けやすく、業績も変動する特性があります。

成長ドライバー

今後の成長を支える要因として、以下の点が挙げられます。

特に、AI関連の半導体需要が急拡大しており、製造装置メーカーへの追い風となっています。

事業リスクと課題

一方で、以下のようなリスク要因も存在します。

特に、半導体業界は好不況の波が激しく、設備投資が急減速する局面では同社の受注も大きく影響を受ける可能性があります。

投資判断のポイント

野村マイクロ・サイエンスに向いている投資家

以下のような投資スタイルの方におすすめです。

半導体関連銘柄として、業界の成長とともに恩恵を受けやすい特性があります。

投資する際の注意点

投資を検討する際は、以下の点に注意が必要です。

決算発表時には、受注残高や今後の見通しに特に注目することをおすすめします。

証券会社の選び方

野村マイクロ・サイエンスの株式を購入するには、証券口座の開設が必要です。

現物株式の取引手数料が無料または低水準のネット証券を選ぶと、コストを抑えて投資できます。

投資情報の充実度や取引ツールの使いやすさも、証券会社選びの重要なポイントです。

まとめ

野村マイクロ・サイエンスは、半導体製造に不可欠な超純水装置で高いシェアを持つ専業メーカーです。

半導体業界の成長とともに事業を拡大しており、特にアジア地域での展開が今後の成長の鍵となります。高いROEと安定的な配当も魅力的なポイントです。

一方で、半導体業界の設備投資サイクルに業績が大きく左右される景気敏感株であることを理解しておく必要があります。株価のボラティリティも比較的高く、短期的な値動きに一喜一憂しない投資姿勢が求められます。

投資を検討する際は、半導体業界全体の動向、同社の受注状況、業績予想などを総合的に判断することが大切です。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。株価は市場環境や業績動向により大きく変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しい財務情報や最新の業績については、同社の公式IRサイトや証券会社の投資情報をご確認ください。