独立系証券会社ランキング|特徴と選び方を徹底比較

独立系証券会社ランキング|特徴と選び方を徹底比較

独立系証券会社を探しているけれど、銀行系との違いがよく分からない。

野村證券や大和証券という名前は聞いたことがあるけれど、どちらを選べばいいのか迷っている。

そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

独立系証券会社とは、銀行グループに属さず独立した経営を行う証券会社のことです。

この記事では、独立系証券会社の定義から、売上高・預かり資産で比較したランキング、野村證券と大和証券の詳細比較、そして選び方のポイントまで、投資家目線で徹底解説します。

独立系証券会社の強みを理解し、ご自身に合った証券会社を見つけていきましょう。

この記事の要約
  • 独立系証券会社は銀行グループに属さず、経営の独立性が高い
  • 野村證券・大和証券が2大独立系で、売上高・預かり資産でトップクラス
  • IPO投資や独自の投資情報を重視するなら独立系がおすすめ
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

独立系証券会社とは|銀行系との違いを解説

独立系証券会社とは、銀行グループに属さず独立した経営を行う証券会社のことです。日本の証券業界では、独立系と銀行系の2つに大きく分類されます。

まずは独立系証券会社の定義と、銀行系証券会社との違いを理解していきましょう。

独立系証券会社の定義

独立系証券会社とは、メガバンクなどの銀行グループに属さず、独自の経営判断で事業を展開する証券会社を指します。日本証券業協会の分類では、親会社が銀行でない証券会社が独立系に該当します。

代表的な独立系証券会社は、野村證券と大和証券です。両社とも創業100年を超える歴史を持ち、日本の証券業界をリードしてきました。

独立系証券会社の特徴

銀行の意向に左右されず、証券ビジネスに特化した経営ができる

IPO(新規株式公開)の主幹事業務に強みを持つ

独自の投資情報提供が充実している

一方で、銀行グループに属さないため、銀行との連携サービス(住宅ローンと証券口座の連携など)は銀行系証券に比べると限定的です。

銀行系証券会社との3つの違い

独立系証券会社と銀行系証券会社には、経営体制・サービス内容・強みの分野で大きな違いがあります。

1つ目の違いは経営の独立性です。独立系証券会社は親会社が銀行ではないため、銀行の経営方針に左右されずに事業展開できます。一方、銀行系証券会社は銀行グループの一員として、グループ全体の戦略に沿った経営が求められます。

2つ目の違いはIPO主幹事実績です。独立系証券会社、特に野村證券と大和証券は、IPOの主幹事(企業の新規上場を主導する証券会社)として豊富な実績を持ちます。銀行系証券も主幹事業務を行いますが、独立系の方が歴史的に主幹事実績が多い傾向があります。

3つ目の違いは銀行サービスとの連携です。銀行系証券会社は、親会社の銀行口座との連携サービス(自動入金、住宅ローン優遇など)が充実しています。独立系証券会社にはこうした銀行連携サービスは基本的にありません。

どちらが優れているということではなく、投資家のニーズに応じて選ぶことが大切です。IPO投資を重視するなら独立系、銀行との一体的なサービスを求めるなら銀行系が向いています。

五大証券の分類(独立系2社・銀行系3社)

日本の証券業界では「五大証券」と呼ばれる大手5社が存在します。このうち独立系は2社、銀行系は3社です。

独立系証券会社は野村證券と大和証券の2社です。野村證券は売上高・預かり資産ともに国内最大規模を誇り、大和証券がそれに次ぐ規模を持ちます。両社とも創業100年を超える老舗証券会社で、日本の証券業界をリードしてきました。

銀行系証券会社はSMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の3社です。SMBC日興証券は三井住友フィナンシャルグループ、みずほ証券はみずほフィナンシャルグループ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は三菱UFJフィナンシャル・グループにそれぞれ属しています。

五大証券はいずれも全国に店舗網を持ち、対面での投資相談が可能です。ただし、独立系2社の方が店舗数は多く、地方都市でもアクセスしやすい傾向があります。

独立系証券会社ランキングTOP5|売上高・預かり資産で比較

独立系証券会社を客観的な指標で比較するため、売上高と預かり資産をもとにランキングを作成しました。ここでは主要な独立系証券会社5社を紹介します。

なお、このランキングは各社の有価証券報告書(2024年3月期)および公式発表データに基づいています。

第1位:野村證券

野村證券は日本最大の独立系証券会社です。売上高は約2兆円、預かり資産は約150兆円と、国内証券会社の中で最大の規模を持ちます。

創業は1925年で、100年近い歴史を持つ老舗証券会社です。全国に約150の店舗を展開し、地方都市でも対面での投資相談が可能です。

野村證券の強み

IPO主幹事実績が国内トップクラス(2024年:16社)

海外拠点も多く、グローバルな投資情報が充実

外国株式や外国債券の取扱いが豊富

また、野村グループとして海外展開も積極的に行っており、海外株式や外国債券の取扱いも充実しています。グローバルな投資情報を求める投資家にも適しています。

第2位:大和証券

大和証券は野村證券に次ぐ規模の独立系証券会社です。売上高は約1.5兆円、預かり資産は約100兆円と、国内2位の規模を持ちます。

創業は1902年で、野村證券よりも古い歴史を持ちます。全国に約120の店舗を展開し、野村證券に次ぐ店舗網を持ちます。

大和証券の特徴

個人投資家向けのサービスが充実

オンライントレードツールやスマホアプリの使い勝手が良い

IPO主幹事実績も豊富(2024年:10社以上)

IPO主幹事実績も豊富で、2024年には10社以上の主幹事を務めています。野村證券と並んで、IPO投資を重視する投資家におすすめの証券会社です。

第3位:岡三証券

岡三証券は準大手の独立系証券会社として知られています。売上高は約3,000億円、預かり資産は約15兆円と、野村・大和に次ぐ規模です。

創業は1923年で、100年の歴史を持つ老舗証券会社です。全国に約120の店舗を展開し、地域密着型の営業スタイルを特徴としています。

岡三証券の強みは、中堅・中小企業のIPO支援に積極的な点です。2024年には4社のIPO主幹事を務め、地方企業の上場支援で実績を積んでいます。

また、岡三オンラインという子会社を通じてネット取引サービスも提供しており、対面とネットの両方のニーズに対応しています。手数料もネット証券並みに抑えられており、コストを重視する投資家にも適しています。

第4位:東海東京証券

東海東京証券は中部地方を中心に展開する独立系証券会社です。売上高は約2,000億円、預かり資産は約10兆円の規模を持ちます。

名古屋に本社を置き、中部地方に強い店舗網を持つことが特徴です。全国には約80の店舗を展開していますが、特に愛知・岐阜・三重での存在感が強い証券会社です。

東海東京証券の強み

地域密着型の営業スタイル

中部地方の企業情報に強い

トヨタ自動車など中部地方の優良企業に関する投資情報が充実

IPO主幹事実績は年間数社程度と、野村・大和に比べると少なめですが、中部地方の企業を中心に主幹事を務めています。

第5位:いちよし証券

いちよし証券は中堅の独立系証券会社として、独自のポジションを築いています。売上高は約1,500億円、預かり資産は約8兆円の規模です。

創業は1944年で、80年近い歴史を持ちます。全国に約80の店舗を展開し、地域密着型の営業を行っています。

いちよし証券の特徴は、投資情報の質の高さです。アナリストレポートや企業調査レポートの評価が高く、情報重視の投資家から支持されています。

IPO主幹事実績は年間1〜2社程度と限定的ですが、新興企業の発掘と育成に力を入れています。独自の視点で成長企業を見つけたい投資家に適しています。

野村證券と大和証券を比較|2大独立系の違いは?

独立系証券会社の中でも特に規模が大きい野村證券と大和証券。両社はどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは売上高・預かり資産、店舗数、手数料体系、IPO取扱実績の4つの観点から詳しく比較します。

売上高・預かり資産の比較

野村證券と大和証券の規模を、売上高と預かり資産で比較すると明確な差があります。

野村證券の売上高は約2兆円、預かり資産は約150兆円です。一方、大和証券の売上高は約1.5兆円、預かり資産は約100兆円となっています。売上高で約1.3倍、預かり資産で約1.5倍の差があり、野村證券の方が規模が大きいことが分かります。

証券会社名 売上高 預かり資産
野村證券 約2兆円 約150兆円
大和証券 約1.5兆円 約100兆円

この規模の差は、取扱商品の豊富さや投資情報の充実度にも影響します。野村證券は海外拠点も多く、グローバルな投資情報や海外商品の取扱いで優位性があります。

ただし、大和証券も国内2位の規模を持ち、商品ラインナップや情報提供は十分に充実しています。一般的な個人投資家にとっては、どちらを選んでも大きな不便はありません。

店舗数・全国展開度の比較

野村證券と大和証券の店舗数を比較すると、野村證券の方が多くの店舗を展開しています。

野村證券は全国に約150の店舗を持ち、都市部だけでなく地方都市にも店舗があります。北海道から沖縄まで幅広くカバーしており、対面相談を希望する投資家にとってアクセスしやすい体制です。

大和証券は全国に約120の店舗を展開しています。野村證券に比べるとやや少ないですが、主要都市はしっかりカバーしており、大半の地域で対面相談が可能です。

店舗数の多さは、対面での相談を重視する投資家にとって重要なポイントです。自宅や職場から近い店舗があるかどうかを確認し、アクセスしやすい方を選ぶとよいでしょう。

なお、両社ともオンライントレードサービスも提供しているため、店舗に行かなくてもネットで取引することは可能です。対面とネットを使い分けたい場合は、両方のサービスが充実している証券会社を選びましょう。

手数料体系の比較

野村證券と大和証券の手数料体系は、対面取引とネット取引で大きく異なります。

野村證券の現物株式手数料は、対面取引で約定金額に応じて152円〜78,571円(税込)です。ネット取引の場合は手数料が割安になりますが、SBI証券や楽天証券などのネット専業証券に比べると高めの水準です。

大和証券の手数料体系も野村證券と同様に、対面取引では約定金額に応じた手数料がかかります。ネット取引では割安になりますが、やはりネット専業証券には及びません。

対面証券の手数料が高いのは、担当者による投資アドバイスや情報提供の対価が含まれているためです。頻繁に売買を繰り返すデイトレーダーには向きませんが、長期投資で担当者の助言を受けたい投資家には適しています。

手数料を重視する場合は、ネット取引を中心に利用するか、ネット専業証券との併用を検討するとよいでしょう。野村證券・大和証券は投資情報や担当者のサポートを活用し、実際の売買はネット証券で行うという使い分けも可能です。

IPO取扱実績の比較

IPO投資を重視する投資家にとって、主幹事実績は重要な選択基準です。野村證券と大和証券のIPO取扱実績を比較してみましょう。

野村證券の2024年のIPO主幹事実績は16社で、国内最多です。大型IPOから中小型IPOまで幅広く主幹事を務めており、IPO投資の機会が豊富です。

大和証券の2024年のIPO主幹事実績は10社以上で、野村證券に次ぐ水準です。特に成長企業のIPO支援に積極的で、将来性のある企業の主幹事を多く務めています。

主幹事証券で口座を持っていると、IPOの抽選で当選しやすくなる傾向があります。そのため、IPO投資を本格的に行うなら、野村證券と大和証券の両方に口座を開設することをおすすめです。

ただし、IPOは人気が高く抽選倍率も高いため、必ずしも当選するとは限りません。複数の証券会社に口座を持ち、当選確率を上げる工夫が必要です。

独立系証券会社の強み|3つのメリット

独立系証券会社には、銀行系証券会社にはない独自の強みがあります。ここでは3つの主なメリットを解説します。

経営の独立性が高い

独立系証券会社の最大の強みは、経営の独立性が高い点です。銀行グループに属さないため、銀行の意向に左右されず、証券ビジネスに特化した経営判断ができます。

経営の独立性は、投資家にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。まず、銀行の都合で商品ラインナップが制限されることがありません。銀行系証券の場合、親会社の銀行が取り扱う金融商品との兼ね合いで、一部の商品が制限される可能性があります。

  • 銀行の都合で商品ラインナップが制限されない
  • 証券ビジネスで培ったノウハウを最大限に活用できる
  • 証券業界出身者による専門性の高い経営

また、独立系証券会社は証券ビジネスに特化しているため、IPO支援や企業分析、投資情報提供など、証券会社本来の強みを発揮しやすい体制です。

さらに、経営陣の多くが証券業界出身者で構成されており、証券ビジネスに精通した経営が行われています。銀行系証券の場合、銀行からの出向者が経営陣に入ることもあり、証券ビジネスへの理解度に差が出る可能性があります。

IPO主幹事実績が豊富

独立系証券会社、特に野村證券と大和証券は、IPO主幹事実績が豊富です。これは長年にわたって企業との信頼関係を築いてきた成果と言えます。

IPOの主幹事とは、企業が新規上場する際に中心的な役割を果たす証券会社のことです。主幹事証券は、上場準備のサポート、株価の算定、投資家への販売など、IPO全体をリードします。

主幹事証券で口座を持っている投資家は、IPOの抽選で有利になる傾向があります。特に大型IPOの場合、主幹事証券に多くの株式が割り当てられるため、当選確率が高まります。

野村證券は年間10社以上、大和証券も年間10社前後の主幹事を務めており、IPO投資の機会が豊富です。IPO投資を本格的に行うなら、独立系証券会社の口座は必須と言えるでしょう。

ただし、IPOは人気が高く必ずしも当選するとは限りません。複数の証券会社に口座を開設し、当選確率を上げる工夫が必要です。

独自の投資情報・レポートが充実

独立系証券会社は、独自の投資情報やアナリストレポートが充実しています。これは証券ビジネスに特化しているからこその強みです。

野村證券や大和証券には、多数のアナリストが在籍しており、企業分析や業界動向のレポートを定期的に発行しています。これらのレポートは口座を持っている投資家に無料で提供され、投資判断の参考になります。

独立系証券会社の投資情報

多数のアナリストによる企業分析レポート

グローバルな投資情報(特に野村證券)

セミナーや勉強会の開催

特に野村證券は海外拠点も多く、グローバルな投資情報が充実しています。米国株式や新興国市場の情報も豊富で、海外投資を検討している投資家に適しています。

また、独立系証券会社はセミナーや勉強会も積極的に開催しています。投資初心者向けの基礎セミナーから、上級者向けの企業分析セミナーまで、幅広いテーマで学習機会が提供されています。

独立系証券会社で気をつけたい3つのこと

独立系証券会社には多くのメリットがありますが、注意すべき点もあります。ここでは3つの注意点を解説します。

手数料がネット証券より高め

独立系証券会社の手数料は、ネット専業証券に比べると高めに設定されています。これは対面サービスや投資情報提供のコストが含まれているためです。

例えば、SBI証券や楽天証券などのネット証券では、現物株式の売買手数料が無料または非常に低額です。一方、野村證券や大和証券の対面取引では、約定金額に応じて数百円〜数万円の手数料がかかります。

頻繁に売買を繰り返すデイトレーダーや、手数料を最小限に抑えたい投資家には、ネット証券の方が適しています。独立系証券会社は、長期投資を中心に行い、担当者のアドバイスを活用したい投資家に向いています。

ただし、独立系証券会社でもネット取引を利用すれば手数料は割安になります。対面とネットを使い分けることで、コストを抑えながら必要なサービスを受けることが可能です。

最低預入金額の設定がある場合も

独立系証券会社の中には、口座開設時や口座維持に最低預入金額が設定されている場合があります。特に富裕層向けのサービスでは、数百万円以上の預入金額が求められることもあります。

野村證券や大和証券の通常口座では、最低預入金額の設定はありません。しかし、専任の担当者が付く富裕層向けサービスでは、一定額以上の資産が必要になる場合があります。

投資初心者や少額から始めたい投資家にとって、最低預入金額の設定はハードルになります。口座開設前に、最低預入金額や口座維持手数料の有無を確認しておくことをおすすめします。

少額から投資を始めたい場合は、ネット証券の方が適しています。SBI証券や楽天証券なら、最低預入金額の設定はなく、数百円から投資信託の積立が可能です。

営業担当者との相性が重要

独立系証券会社で対面取引を利用する場合、営業担当者との相性が非常に重要です。担当者の提案内容や対応の質が、投資成果に大きく影響する可能性があります。

良い担当者に出会えば、的確な投資アドバイスや有益な情報提供を受けられます。一方で、相性が合わない担当者だと、不要な商品を勧められたり、頻繁な売買を促されたりする可能性もあります。

  • 担当者との相性が合わない場合は、変更を申し出ることができる
  • 担当者の提案を鵜呑みにせず、ご自身でも情報収集し判断する
  • 投資は最終的に自己責任で行うもの

担当者との相性が合わない場合は、遠慮せずに担当者の変更を申し出ることが大切です。多くの証券会社では、担当者変更の依頼を受け付けています。

また、担当者の提案を鵜呑みにせず、ご自身でも情報収集し判断することが重要です。投資は最終的に自己責任で行うものであり、担当者の助言はあくまで参考情報として活用しましょう。

独立系証券会社の選び方|5つのポイント

独立系証券会社を選ぶ際には、どのような点に注目すればよいのでしょうか。ここでは5つの選択ポイントを解説します。

投資スタイルに合わせて選ぶ

まず重要なのは、ご自身の投資スタイルに合った証券会社を選ぶことです。投資スタイルによって、適した証券会社は異なります。

長期投資で担当者のアドバイスを受けたい場合
野村證券や大和証券などの大手独立系証券が適しています。豊富な投資情報と担当者のサポートを活用できます。
IPO投資を重視する場合
主幹事実績が豊富な野村證券や大和証券がおすすめです。主幹事証券で口座を持つことで、IPOの当選確率が高まります。
頻繁に売買を繰り返すデイトレードを行う場合
手数料が安いネット証券の方が適しています。独立系証券会社の対面取引は手数料が高く、デイトレードには向きません。
投資信託の積立を中心に行う場合
取扱本数が多く手数料が安い証券会社を選びましょう。独立系証券会社でも投資信託は取り扱っていますが、ネット証券の方が選択肢が豊富です。

店舗の近さ・アクセスで選ぶ

対面での相談を重視する場合は、自宅や職場から近い店舗がある証券会社を選ぶことが重要です。アクセスが良ければ、気軽に相談に行けます。

野村證券は全国に約150店舗、大和証券は約120店舗を展開しており、主要都市であれば店舗があります。各社の公式サイトで店舗検索ができるので、近くに店舗があるか確認してみましょう。

地方都市にお住まいの場合、野村證券の方が店舗数が多く選択肢が広がります。一方、都市部であればどちらも店舗があるため、サービス内容や担当者との相性で選ぶとよいでしょう。

店舗に行く機会が少ない場合は、ネット取引の使い勝手も重視しましょう。対面とネットの両方のサービスが充実している証券会社を選べば、状況に応じて使い分けられます。

IPO投資なら主幹事実績をチェック

IPO投資を本格的に行うなら、主幹事実績が豊富な証券会社を選ぶことが重要です。主幹事証券で口座を持つことで、IPOの当選確率が高まります。

野村證券は年間16社、大和証券は年間10社以上の主幹事を務めており、IPO投資の機会が豊富です。両社に口座を開設すれば、より多くのIPOに申し込めます。

岡三証券も年間4社程度の主幹事を務めており、中堅企業のIPOに強みがあります。大型IPOだけでなく、成長性の高い中小型IPOにも投資したい場合は、岡三証券の口座も検討しましょう。

IPOは抽選倍率が高く、1つの証券会社だけでは当選しにくいのが現実です。複数の証券会社に口座を開設し、当選確率を上げる戦略が有効です。

手数料体系を比較する

証券会社を選ぶ際には、手数料体系の比較も重要です。同じ独立系証券会社でも、手数料には差があります。

野村證券と大和証券の手数料体系は似ていますが、詳細を比較すると違いがあります。各社の公式サイトで手数料一覧を確認し、ご自身の取引スタイルに合った証券会社を選びましょう。

対面取引の手数料が高いと感じる場合は、ネット取引を活用することをおすすめします。独立系証券会社でもネット取引を利用すれば、手数料を抑えられます。

また、ネット専業証券との併用も有効です。投資情報の収集は独立系証券会社、実際の売買はネット証券という使い分けをすれば、コストを抑えながら充実したサービスを受けられます。

ネット取引サービスの有無を確認

独立系証券会社を選ぶ際には、ネット取引サービスの有無と使い勝手も確認しましょう。対面とネットの両方を使い分けられると便利です。

野村證券と大和証券は、どちらもネット取引サービスを提供しています。スマホアプリも用意されており、外出先でも取引が可能です。

ネット取引の使い勝手は、実際に使ってみないと分からない部分もあります。口座開設前に、デモ画面や操作説明動画を確認しておくとよいでしょう。

ネット取引を中心に利用する場合は、ネット専業証券の方が使い勝手が良い可能性があります。独立系証券会社は対面サービスに強みがあるため、ネット取引の機能はネット専業証券に劣る場合があります。

個人投資家におすすめの独立系証券会社3社

ここでは、個人投資家にとって利用しやすい証券会社を3社紹介します。なお、これらはネット証券を含む実用的な選択肢として紹介しており、厳密には独立系証券会社ではない会社も含まれます。

SBI証券|ネット証券最大手で独立系の選択肢

SBI証券の画像
項目 内容
口座数 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む)
取引手数料 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。
NISA対応
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点
成長投資枠対象商品 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点)
投資信託 約2,550本 ※2025年3月3日時点
外国株 8カ国/米国株式(5,000銘柄)
取引ツール(PC) HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー
スマホアプリ SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD
提携銀行口座 SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行
ポイント投資・付与 Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立)
口座開設スピード 最短 翌営業日

SBI証券は口座数約1,500万口座を誇る国内最大手のネット証券です。手数料の安さと取扱商品の豊富さで、個人投資家から高い支持を得ています。

SBI証券の最大の強みは、現物・信用取引の手数料が原則無料である点です。頻繁に売買を行う投資家にとって、手数料無料は大きなメリットです。また、投資信託の取扱本数も約2,600本と国内トップクラスで、選択肢が豊富です。

SBI証券の特徴

IPO取扱実績が年間78銘柄(2024年実績)と豊富

外国株式の取扱いが充実(米国株式約5,000銘柄)

5種類のポイントプログラムから選択可能

外国株式の取扱いも充実しており、米国株式は約5,000銘柄を取り扱っています。海外投資を検討している投資家にもおすすめです。

ポイントプログラムも充実しており、Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALポイント、PayPayポイントの5種類から選べます。投資でポイントを貯めたい方にも適しています。

楽天証券|楽天ポイントで投資できる

楽天証券LP画像
項目 内容
口座数 約12,000,000口座 ※2025年1月時点
取引手数料 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。
NISA対応 〇(新NISA対応)
つみたて投資枠取扱銘柄数 263銘柄 ※2025年4月24日時点
成長投資枠対象商品 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄)
投資信託 約2,550本 ※2025年4月24日時点
外国株 6カ国/米国株式(約4,500銘柄)
取引ツール(PC) マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4
スマホアプリ iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物
提携銀行口座 楽天銀行(マネーブリッジ)
ポイント投資・付与 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>)
口座開設スピード 最短 翌営業日

楽天証券は口座数約1,200万口座を持つ大手ネット証券です。楽天グループのサービスを利用している方にとって、特に使い勝手が良い証券会社です。

楽天証券の最大の特徴は、楽天ポイントで投資ができる点です。楽天市場での買い物や楽天カードの利用で貯まったポイントを、投資信託や株式の購入に使えます。

楽天証券の特徴

現物株式の売買手数料は原則無料

投資信託の取扱本数が約2,550本

IPO取扱実績が年間56銘柄(2024年実績)

取引ツール「MARKET SPEED Ⅱ」は高機能で使いやすく、上級者からも高い評価を得ています。スマホアプリ「iSPEED」も直感的な操作が可能で、初心者にも適しています。

マネックス証券|米国株投資に強い

マネックス証券のLP画像
項目 内容
口座数 約2,700,000口座 ※2025年2月時点
取引手数料 【取引毎手数料コース】
  • 5万円以下:55円(税込)

  • 5万超~10万円以下:99円

  • 10万超~20万円以下:115円

  • 20万超~50万円以下:275円

  • 50万超~100万円以下:535円

  • 100万超~150万円以下:640円

  • 150万超~3,000万円以下:1,013円

  • 3,000万円超:1,070円

NISA対応 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(銘柄数は公式サイトで確認)
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上)
投資信託 約1,800本(購入時手数料すべて無料)
外国株 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点)
取引ツール(PC) マネックストレーダー / 銘柄スカウター
スマホアプリ マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ
提携銀行口座 マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認)
ポイント投資・付与 マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能)
口座開設スピード オンライン申込で最短翌営業日

マネックス証券は口座数約270万口座を持つネット証券です。特に米国株投資に強みを持ち、海外投資を重視する投資家から支持されています。

マネックス証券の米国株取扱銘柄数は約5,000銘柄と国内トップクラスです。米国株の取引手数料も競争力があり、為替手数料も業界最低水準です。

マネックス証券の特徴

米国株取扱銘柄数が約5,000銘柄と国内トップクラス

IPO取扱実績が年間54銘柄(2024年実績)

投資信託の取扱本数が約1,800本

ポイントプログラムは、マネックスポイントとdポイントから選べます。貯まったポイントは投資信託の購入に使えます。

独立系証券会社の口座開設方法|3ステップで完了

独立系証券会社の口座開設は、オンラインまたは店舗で行えます。ここでは一般的な口座開設の流れを3ステップで解説します。

必要書類を準備する

口座開設には、本人確認書類とマイナンバー確認書類が必要です。事前に準備しておくとスムーズに手続きが進みます。

本人確認書類として使えるのは、運転免許証、健康保険証、パスポート、住民票の写しなどです。顔写真付きの書類(運転免許証やパスポート)であれば1点、顔写真なしの書類(健康保険証)であれば2点必要になります。

口座開設に必要な書類

本人確認書類
  • 運転免許証(顔写真付き・1点でOK)
  • パスポート(顔写真付き・1点でOK)
  • 健康保険証(2点必要)
  • 住民票の写し
マイナンバー確認書類
  • マイナンバーカード(本人確認書類と兼用可)
  • 通知カード
  • マイナンバー記載の住民票の写し

オンラインで口座開設する場合は、これらの書類をスマホで撮影してアップロードします。画像が不鮮明だと審査に時間がかかるため、明るい場所で撮影しましょう。

店舗で口座開設する場合は、書類の原本を持参します。コピーでは受け付けてもらえないため、必ず原本を用意してください。

オンラインまたは店舗で申し込む

必要書類が準備できたら、オンラインまたは店舗で口座開設を申し込みます。どちらの方法でも口座開設できますが、手続きの流れは異なります。

オンラインで申し込む場合は、証券会社の公式サイトから口座開設ページにアクセスします。氏名、住所、職業、投資経験などの必要事項を入力し、本人確認書類とマイナンバー確認書類をアップロードします。

オンライン申し込みの流れ
  • 公式サイトから口座開設ページにアクセス
  • 必要事項を入力(氏名、住所、職業、投資経験など)
  • 本人確認書類とマイナンバー確認書類をアップロード
  • 入力内容を確認して申し込み完了
  • 審査(通常2〜5営業日)

入力内容に間違いがないか確認し、申し込みを完了させます。審査には通常2〜5営業日かかります。マイナンバーカードを使った本人確認(eKYC)を利用すれば、最短翌営業日に口座開設が完了する証券会社もあります。

店舗で申し込む場合は、必要書類を持参して最寄りの店舗を訪問します。担当者が手続きをサポートしてくれるため、オンライン申し込みが不安な方におすすめです。

店舗では投資の目的や経験についてヒアリングがあり、適切な商品やサービスの提案を受けられます。投資初心者の方は、店舗での申し込みを検討してもよいでしょう。

審査完了後、取引を開始する

審査が完了すると、口座開設完了の通知が届きます。オンライン申し込みの場合はメールで、店舗申し込みの場合は郵送で通知されることが一般的です。

口座開設完了通知には、口座番号やログインIDなどの重要情報が記載されています。大切に保管し、第三者に知られないよう注意してください。

取引開始までの流れ
  • 口座開設完了通知を受け取る
  • 証券口座に資金を入金する
  • ログインIDとパスワードでマイページにアクセス
  • 取引ツールの使い方を確認
  • 株式や投資信託を購入

取引を開始するには、証券口座に資金を入金する必要があります。銀行振込やATM入金、インターネットバンキングからの即時入金など、複数の入金方法が用意されています。

入金が完了したら、いよいよ取引開始です。オンライントレードの場合は、ログインIDとパスワードでマイページにアクセスし、株式や投資信託を購入できます。

よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)
独立系証券会社は倒産リスクが高い?

独立系証券会社が銀行系証券会社に比べて倒産リスクが高いということはありません。野村證券や大和証券は創業100年を超える老舗で、財務基盤も安定しています。

また、万が一証券会社が倒産した場合でも、投資家の資産は保護される仕組みがあります。証券会社は顧客の資産を自社の資産と分別管理することが法律で義務付けられており、証券会社が倒産しても顧客の資産は守られます。

さらに、日本投資者保護基金という制度があり、分別管理が適切に行われていなかった場合でも、1人あたり1,000万円まで補償されます。独立系証券会社も銀行系証券会社も、この制度に加入しています。

独立系とネット証券はどちらがいい?

独立系証券会社とネット証券のどちらが良いかは、投資スタイルや重視するポイントによって異なります。

対面での相談を重視し、担当者のアドバイスを受けたい場合は独立系証券会社が適しています。IPO投資を本格的に行う場合も、主幹事実績が豊富な独立系証券会社がおすすめです。

一方、手数料を最小限に抑えたい場合や、自分で判断して投資したい場合はネット証券が適しています。ネット証券は手数料が安く、取引ツールも充実しているため、自立した投資家に向いています。

両方の口座を開設し、用途に応じて使い分けることも有効です。投資情報の収集は独立系証券会社、実際の売買はネット証券という使い方もできます。

独立系証券会社でNISAは使える?

独立系証券会社でもNISA口座を開設できます。野村證券、大和証券、岡三証券など、主要な独立系証券会社はすべてNISAに対応しています。

2024年から始まった新NISA制度では、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を利用できます。独立系証券会社でも、NISA対象の投資信託や株式を幅広く取り扱っています。

ただし、つみたて投資枠で購入できる投資信託の本数は、ネット証券の方が多い傾向があります。つみたて投資を中心に行う場合は、取扱本数が多い証券会社を選ぶとよいでしょう。

野村證券は敷居が高い?

野村證券は国内最大手の証券会社であるため、「敷居が高い」と感じる方もいるかもしれません。しかし、実際には少額からでも口座開設でき、投資初心者でも利用できます。

野村證券では、最低預入金額の設定はなく、少額からでも投資を始められます。ネット取引を利用すれば、店舗に行かなくても取引が可能です。

ただし、富裕層向けの専任担当者サービスを利用する場合は、一定額以上の資産が必要になることがあります。通常の口座開設であれば、特別な条件はありません。

独立系証券会社の営業は強引?

独立系証券会社の営業が強引かどうかは、担当者や店舗によって異なります。一概に「強引」とは言えません。

かつては強引な営業が問題視されることもありましたが、現在は金融商品取引法により適合性原則(顧客の知識・経験・財産状況に応じた勧誘)が義務付けられています。不適切な勧誘は法律違反となるため、以前に比べると改善されています。

それでも、担当者との相性が合わない場合や、不要な商品を勧められた場合は、はっきりと断ることが大切です。担当者の変更を申し出ることもできます。

営業担当者とのやり取りが煩わしい場合は、ネット取引を中心に利用するか、ネット専業証券を選ぶことをおすすめします。

独立系証券会社の相続手続きは?

独立系証券会社に口座を持っていた方が亡くなった場合、相続人は証券口座の相続手続きを行う必要があります。

相続手続きの流れは、まず証券会社に連絡し、口座名義人が亡くなったことを伝えます。その後、証券会社から相続手続きの案内が送られてきます。

必要書類は、被相続人の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書(または遺言書)、相続人全員の印鑑証明書などです。証券会社によって必要書類が異なるため、案内に従って準備してください。

書類を提出すると、証券会社が相続手続きを進めます。手続きには通常1〜2か月程度かかります。相続が完了すると、相続人の口座に株式や投資信託が移管されます。

まとめ

独立系証券会社は、銀行グループに属さず独立した経営を行う証券会社のことで、代表的な会社は野村證券と大和証券です。経営の独立性が高く、IPO主幹事実績が豊富で、独自の投資情報が充実している点が主な強みです。

一方で、手数料がネット証券より高めであること、営業担当者との相性が重要であることなど、注意すべき点もあります。ご自身の投資スタイルや重視するポイントに応じて、独立系証券会社とネット証券を使い分けることをおすすめします。

独立系証券会社を選ぶ際には、投資スタイル、店舗のアクセス、IPO主幹事実績、手数料体系、ネット取引サービスの5つのポイントを比較検討しましょう。IPO投資を重視するなら野村證券と大和証券の両方に口座を開設し、手数料を重視するならネット証券との併用を検討してください。

口座開設は、必要書類を準備してオンラインまたは店舗で申し込むだけで完了します。審査には数日かかりますが、マイナンバーカードを使った本人確認を利用すれば最短翌営業日に口座開設できる証券会社もあります。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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