マネックス証券のdポイント活用術|貯め方と使い方を完全解説

ETFで配当金を受け取りたいと考えているけれど、仕組みがよく分からない。
そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
ETFの配当金は正確には「分配金」と呼ばれ、株式の配当金とは少し異なる仕組みで支払われます。
この記事では、ETFの分配金の基本的な仕組みから、受け取り方、利回りの見方、税金の扱いまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
高配当ETFのメリット・デメリットや選び方も紹介するので、自分に合ったETFを見つける参考にしてください。
目次
ETFの配当金について理解するには、まず「分配金」という仕組みを知ることが大切です。
ETFは株式と同じように取引所で売買できる投資信託ですが、配当金の呼び方や支払われる仕組みが個別株とは異なります。ここでは、ETFの分配金の基本的な仕組みを4つのポイントに分けて解説します。
個別株を保有している場合に受け取れるのが「配当金」、ETFを保有している場合に受け取れるのが「分配金」です。
呼び方が違うだけでなく、その原資や支払いの仕組みにも違いがあります。個別株の配当金は、企業が得た利益の一部を株主に還元するものです。一方、ETFの分配金は、ETFが保有している株式から受け取った配当金を、ETF保有者に分配するものなんです。
つまり、ETFは複数の企業の株式をまとめて保有しているため、それらの企業から受け取った配当金を集めて、ETF保有者に再分配する仕組みになっています。この違いを理解しておくと、ETFの分配金の性質がより明確になります。
ETFの分配金の原資は、ETFが保有している株式から得られる「インカムゲイン」です。
インカムゲインとは、株式を保有することで定期的に得られる配当金や利息のことを指します。例えば、高配当株式ETFの場合、配当利回りの高い複数の企業の株式を保有しており、それらの企業から支払われる配当金が分配金の原資となります。
運用会社は、これらの配当金を集めて、一定の頻度(年1回、年2回、年4回など)でETF保有者に分配します。
分配金の金額は、保有している株式の配当金の総額や、ETFの運用方針によって決まります。したがって、構成銘柄の配当金が多ければ分配金も多くなり、逆に配当金が少なければ分配金も少なくなるという関係があります。
ETFの分配金の原資はインカムゲインであり、「キャピタルゲイン」は基本的に分配されません。
キャピタルゲインとは、株式の値上がりによって得られる利益のことです。ETFが保有している株式の価格が上昇しても、その値上がり益は分配金として支払われるのではなく、ETFの基準価額(株価)の上昇として反映されます。つまり、株価が上がった分の利益は、ETFを売却した時に受け取ることになるんです。
一部の投資信託では、キャピタルゲインを含めて分配する「タコ足配当」と呼ばれるケースもありますが、ETFでは一般的にこのような分配は行われません。
分配金はあくまで配当金などのインカムゲインから支払われるため、分配金が多いからといって必ずしもETF全体のパフォーマンスが良いとは限らない点に注意が必要です。
分配金の支払い頻度は、ETFによって異なります。
年1回のETFもあれば、年2回、年4回(四半期ごと)、毎月分配型のETFもあります。例えば、国内の高配当株式ETFの多くは年1回または年2回の分配が一般的ですが、米国ETFでは年4回(四半期ごと)や毎月分配型が多く見られます。
分配頻度が多いほど定期的な現金収入が得られるため、生活費の一部に充てたい方には魅力的に感じるかもしれません。ただし、分配頻度が多いからといって年間の分配金総額が多いとは限りません。
重要なのは「分配金利回り」、つまり投資額に対してどれだけの分配金が得られるかという点です。各ETFの目論見書や運用会社の公式サイトで、分配金の支払い頻度と過去の実績を確認できます。
ETFの分配金を受け取る3つのステップ
ETFの分配金を受け取るには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
特に「権利確定日」や「権利付最終日」といった日付が関係してくるため、初心者の方は少し複雑に感じるかもしれません。ここでは、分配金を確実に受け取るための3つのステップを、具体的に解説します。
分配金を受け取るための第一のステップは、「権利確定日」までにETFを保有していることです。
権利確定日とは、そのETFの分配金を受け取る権利が確定する日のことを指します。この日にETFを保有している投資家が、次回の分配金を受け取る権利を得られます。権利確定日は、各ETFの決算日に設定されることが一般的です。
例えば、決算日が7月10日のETFであれば、7月10日が権利確定日となります。この日の取引終了時点でETFを保有していれば、分配金を受け取る権利が得られるということです。
権利確定日は、ETFの目論見書や運用会社の公式サイト、証券会社の銘柄情報ページで確認できます。分配金を目的にETFを購入する場合は、必ず事前に権利確定日をチェックしておきましょう。
分配金を受け取るために本当に重要なのは、実は「権利付最終日」です。
権利付最終日とは、この日までにETFを購入すれば分配金を受け取る権利が得られる、最後の日のことを指します。日本の株式市場では、株式の受渡しに2営業日かかるため、権利確定日の2営業日前が権利付最終日となります。
権利付最終日の計算例
権利確定日が7月10日(金曜日)の場合
→ 権利付最終日は7月8日(水曜日)
7月9日(木曜日)以降の購入では分配金を受け取れません
7月8日の取引終了時点でETFを保有していれば、分配金を受け取る権利が得られます。逆に、7月9日(木曜日)に購入した場合は、受渡しが7月11日(月曜日)になるため、7月10日の権利確定日には間に合わず、分配金を受け取ることができません。
この7月9日は「権利落ち日」と呼ばれ、この日以降に購入しても次回の分配金は受け取れないため注意が必要です。
権利確定日にETFを保有していれば、後は支払日を待つだけです。
分配金の支払日は、権利確定日から通常1~3ヶ月後に設定されることが多く、ETFによって異なります。支払日になると、分配金は自動的に証券口座に入金されます。特別な手続きは必要ありません。
証券口座にログインして、入出金履歴や配当金受取履歴を確認すれば、分配金が入金されているのを確認できます。
なお、分配金には税金がかかるため、実際に受け取れる金額は、分配金から税金を差し引いた額になります(NISA口座を除く)。
税金については後ほど詳しく解説しますが、通常は20.315%の税金が源泉徴収されます。支払日も、ETFの目論見書や運用会社の公式サイトで確認できるので、事前にチェックしておくと安心です。
ETFを選ぶ際に重要な指標の一つが「分配金利回り」です。
分配金利回りは、投資額に対してどれだけの分配金が得られるかを示す数値で、高配当ETFを比較する際の基準となります。ただし、利回りだけで判断すると思わぬ落とし穴にはまることもあります。ここでは、分配金利回りの正しい見方と、注意すべきポイントを解説します。
分配金利回りは、以下の計算式で求められます。
分配金利回りの計算式
分配金利回り(%)= 年間分配金 ÷ ETFの価格 × 100
例:ETF価格10,000円、年間分配金300円の場合
→ 300円 ÷ 10,000円 × 100 = 3.0%
この3.0%という数字は、10,000円投資すると年間で300円の分配金が得られることを意味します。
証券会社のETF情報ページや運用会社の公式サイトでは、通常この分配金利回りが表示されています。ただし、表示されている利回りは「直近の分配金実績」をもとに計算されていることが多いため、将来も同じ利回りが続くとは限りません。あくまで参考値として捉え、過去の分配金推移も併せて確認することが大切です。
分配金利回りが高いETFは魅力的に見えますが、利回りが高いからといって必ずしも良いETFとは限りません。
利回りが高い理由として、以下のようなケースがあります。
まず、ETFの価格が大きく下落している場合です。分配金の額が変わらなくても、ETFの価格が下がれば計算上の利回りは高くなります。しかし、これは株価下落によって投資元本が減少している状態なので、トータルではマイナスになっている可能性があります。
また、一時的に高い分配金を出しているが、継続性がない場合もあります。特定の年だけ配当金が多かった企業が含まれていたり、特別配当があったりすると、一時的に利回りが高くなることがあります。
さらに、高配当を維持するために無理をしている企業が多く含まれている場合、将来的に減配リスクが高まる可能性もあります。利回りだけでなく、ETFの価格推移、構成銘柄の安定性、運用会社の信頼性なども総合的に判断することが重要です。
ETFを選ぶ際には、過去の分配金実績を確認することが非常に重要です。
過去の実績を見ることで、分配金が安定して支払われているか、増配傾向にあるか、それとも減配しているかが分かります。過去の分配金実績は、運用会社の公式サイトで確認できます。多くの運用会社は、各ETFの詳細ページに過去3~5年分の分配金履歴をグラフや表で掲載しています。
また、証券会社のETF情報ページでも、分配金の履歴が確認できることがあります。
確認する際のポイント
✓ 分配金が毎年安定して支払われているか
✓ 大きな変動がないか
✓ 減配の傾向がないか
例えば、ある年だけ極端に高い分配金が出ている場合は、特別な要因があった可能性が高く、継続性に疑問が残ります。逆に、毎年少しずつ分配金が増えている場合は、構成銘柄の業績が安定して成長していることを示唆しています。過去の実績を丁寧に確認することで、より信頼できるETFを選ぶことができます。
分配金利回りを見る際に忘れてはいけないのが、税金の存在です。
分配金には20.315%の税金がかかるため(NISA口座を除く)、実際に手元に残る金額は表示されている利回りよりも少なくなります。
税引後実質利回りの計算
税引後実質利回り = 分配金利回り × 0.79685
例:分配金利回り3.0%の場合
→ 3.0% × 0.79685 = 約2.39%
つまり、10,000円投資した場合、税引前では300円の分配金が得られますが、税引後の手取りは約239円になるということです。この差は決して小さくありません。
特に、複数のETFを比較する際には、税引後の実質利回りで比較することで、より正確な判断ができます。ただし、NISA口座で保有している場合は非課税なので、表示されている利回りがそのまま手取りとなります。このため、高配当ETFをNISA口座で運用することは、税制面で非常に有利なんです。
高配当ETFの種類
高配当ETFと一口に言っても、投資対象によっていくつかのタイプに分かれます。
主に、高配当株式ETF、REIT ETF、債券ETFの3つがあり、それぞれ特徴やリスク・リターンの性質が異なります。ここでは、これら3つのタイプを比較しながら、どのような違いがあるのかを解説します。
高配当株式ETFは、配当利回りの高い株式を集めて構成されたETFです。
国内ETFであれば、日経高配当株50指数やMSCI高配当利回り指数などをベンチマークとするものが多く、米国ETFではS&P500高配当指数などが代表的です。
高配当株式ETFの特徴は、株式市場全体の成長による値上がり益(キャピタルゲイン)と、配当金(インカムゲイン)の両方を狙える点です。
ただし、高配当銘柄は成熟企業が多く、成長株に比べると株価の上昇余地は限定的な傾向があります。また、景気後退期には企業業績の悪化により減配リスクがあるため、経済環境の変化には注意が必要です。
分配金利回りは、国内ETFで2~4%程度、米国ETFで3~5%程度のものが多く見られます。株式市場の値動きに連動するため、価格変動リスクは比較的高めです。
REIT(リート)ETFは、不動産投資信託(REIT)を集めて構成されたETFです。
REITは、投資家から集めた資金でオフィスビル、商業施設、住宅、物流施設などの不動産を購入・運用し、その賃料収入を投資家に分配する仕組みです。
REIT ETFの特徴
✓ 分配金利回りが比較的高い(3~5%程度)
✓ REITは法律上、利益の90%以上を分配
✓ 株式とは異なる値動きで分散効果
ただし、不動産市況や金利動向の影響を受けやすく、金利上昇局面では価格が下落しやすいというリスクがあります。また、テナントの退去や空室率の上昇、自然災害などのリスクも考慮する必要があります。株式とは異なる値動きをするため、ポートフォリオの分散投資先として活用されることも多いです。
債券ETFは、国債や社債などの債券を集めて構成されたETFです。
債券は、国や企業が資金調達のために発行する借用証書のようなもので、定期的に利息が支払われ、満期には元本が返済されます。
債券ETFの特徴は、価格変動が株式やREITに比べて小さく、安定した分配金が期待できる点です。
特に国債を中心とした債券ETFは、リスクが低く、安全資産としての性格が強いです。分配金利回りは、金利水準によって変動しますが、一般的に1~3%程度です。
株式ETFやREIT ETFに比べると利回りは低めですが、その分リスクも抑えられています。
ただし、金利が上昇すると債券価格は下落するという「金利リスク」があります。また、社債の場合は発行企業の信用リスク(倒産リスク)も考慮する必要があります。
安定した収入を重視し、リスクを抑えたい方に適したETFと言えます。
どのタイプの高配当ETFを選ぶべきかは、投資目的やリスク許容度によって異なります。
また、これらを組み合わせてポートフォリオを構築することで、リスク分散を図ることも有効な戦略です。
ETFの分配金にかかる税金
ETFの分配金を受け取る際には、税金がかかることを理解しておく必要があります。
ただし、NISA口座を活用すれば分配金を非課税で受け取ることができます。ここでは、分配金にかかる税金の仕組みと、NISA口座を活用した節税方法について詳しく解説します。
ETFの分配金は、税法上「配当所得」として扱われ、20.315%の税金がかかります。
この税率の内訳は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%です。
税金の計算例
分配金10,000円の場合
税金:2,031円(10,000円 × 20.315%)
手取り:7,969円
この税金は、分配金が支払われる際に自動的に源泉徴収されるため、投資家が手続きをする必要はありません。証券口座に入金される時点で、すでに税金が差し引かれた金額が振り込まれます。
年間で受け取る分配金が多くなると、税金の額も無視できない金額になります。例えば、年間30万円の分配金を受け取る場合、税金は約6万円にもなります。この税負担を軽減する方法として、NISA口座の活用が非常に有効です。
NISA(少額投資非課税制度)口座で保有しているETFの分配金は、非課税で受け取ることができます。
2024年から始まった新NISA制度では、つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の2つの枠があり、非課税保有限度額は合計1,800万円です。
高配当ETFは成長投資枠で購入できます(一部のETFはつみたて投資枠でも購入可能)。
NISA口座で保有している限り、分配金には一切税金がかからず、受け取った分配金の全額を自由に使うことができます。先ほどの例で言えば、10,000円の分配金をそのまま10,000円受け取れるということです。年間30万円の分配金であれば、約6万円の節税効果があります。
この差は長期投資になるほど大きくなるため、高配当ETFへの投資を考えている方は、NISA口座の活用を強くおすすめします。ただし、NISA口座には年間の投資枠に上限があるため、計画的に活用することが大切です。
NISA口座以外でETFを保有する場合、特定口座または一般口座を選ぶことになります。
特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があります。
初心者の方には、手続きが簡単な特定口座(源泉徴収あり)がおすすめです。
特定口座(源泉徴収あり)やNISA口座で取引している場合、基本的に確定申告は不要です。
ただし、以下のようなケースでは確定申告が必要になる、または確定申告をすることでメリットが得られる場合があります。
確定申告の要否や方法については、税務署や税理士に相談することをおすすめします。
高配当ETFのメリット5つ
高配当ETFは、多くの投資家から支持を集めています。
その理由は、定期的な収入が得られることや、分散投資によるリスク軽減など、さまざまなメリットがあるためです。ここでは、高配当ETFが人気を集める5つの主なメリットを詳しく解説します。
高配当ETFの最大のメリットは、定期的な現金収入(分配金)が得られることです。
株価の値上がりを待つキャピタルゲイン狙いの投資とは異なり、ETFを保有しているだけで年に1~4回の分配金を受け取ることができます。
この定期的な収入は、生活費の一部に充てたり、再投資に回したりと、自由に活用できます。特に、老後の生活費を補いたい方や、働かなくても入ってくる収入(不労所得)を増やしたい方にとって、大きな魅力となります。
また、分配金を受け取ることで、投資の成果を目に見える形で実感できるため、モチベーションの維持にもつながります。株価が下落している時期でも分配金は支払われることが多く、心理的な安心感も得られます。
ただし、分配金は企業業績や運用状況によって変動するため、必ずしも一定額が保証されているわけではない点には注意が必要です。
高配当ETFは、複数の高配当銘柄に分散投資できるため、個別株に投資するよりもリスクを抑えることができます。
個別株の場合、投資した企業が業績不振に陥ったり、減配や無配になったりすると、大きな損失を被る可能性があります。一方、ETFは数十から数百の銘柄に分散投資しているため、一部の企業が減配しても、他の企業の配当金でカバーできる可能性が高いです。
例えば、日経高配当株50指数に連動するETFであれば、50社の高配当銘柄に分散投資していることになります。このため、1社が減配しても全体への影響は限定的です。
また、ETFは定期的に構成銘柄の見直しが行われるため、業績が悪化した企業は除外され、新たな高配当銘柄が組み入れられます。このメンテナンス機能により、常に一定の配当水準を維持しやすくなっています。
分散投資の効果により、個別株投資に比べて安定した分配金収入が期待できるのです。
ETFは、投資信託に比べて信託報酬(運用管理費用)が低い傾向があり、コストパフォーマンスに優れています。
信託報酬とは、ETFを保有している間、運用会社に支払う手数料のことで、年率で表示されます。一般的な高配当株式ETFの信託報酬は、年率0.1~0.3%程度です。
例えば、100万円分のETFを保有している場合、年間のコストは1,000~3,000円程度ということになります。これは、アクティブ運用の投資信託(信託報酬が年率1~2%程度)に比べると、非常に低い水準です。
長期投資では、このコストの差が大きな違いを生みます。例えば、20年間保有した場合、信託報酬0.2%のETFと1.5%の投資信託では、手数料の総額に数十万円の差が出ることもあります。低コストであるほど、より多くのリターンを手元に残すことができるため、長期的な資産形成においてETFは有利な選択肢と言えます。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
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