仮想通貨の経費で節税|確定申告で認められる項目と按分計算【2026年】

仮想通貨の税金について「いくらから申告が必要なのか」「税率はどのくらいなのか」と不安に感じていませんか。
仮想通貨取引で得た利益は原則として雑所得に分類され、年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。
税率は最大55%と高く、損益計算の複雑さも相まって多くの投資家が頭を悩ませています。
本記事では、確定申告が必要なケースから具体的な計算方法、税金計算を楽にする取引所の選び方まで、仮想通貨の税金に関する疑問を網羅的に解説します。
2026年度税制改正の最新動向や、損益計算ツールの活用方法も紹介しますので、正確な納税と節税対策にお役立てください。
目次
仮想通貨の税金はいくらから?確定申告が必要なケース
仮想通貨取引で利益が出た場合、確定申告が必要になるケースがあります。「20万円基準」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、実はこの基準は職業や収入状況によって異なります。
ここでは、確定申告が必要となる具体的なケースを解説します。自分がどのケースに該当するかを正確に把握しておきましょう。
会社員やパート・アルバイトなど給与所得者の場合、仮想通貨取引による利益が年間20万円を超えると確定申告が必要です。これは給与所得以外の所得(雑所得)が20万円を超える場合に確定申告が義務付けられているためです。
この「20万円基準」は確定申告の要否を判断する基準であり、住民税の申告は別です。
仮想通貨の利益が20万円以下でも、住民税の申告は必要になる場合があるため、お住まいの市区町村に確認しましょう。
また、年末調整済みの給与所得のみで他に収入がない場合に限り、20万円以下なら確定申告は不要です。副業収入や他の雑所得がある場合は、それらと合算して20万円を超えるかどうかで判断します。
個人事業主やフリーランスの方は、仮想通貨の利益額に関わらず確定申告が必要です。事業所得や不動産所得がある方は、もともと確定申告を行う義務があるためです。
仮想通貨の利益は雑所得として、事業所得などと合算して申告します。利益が1円でも発生していれば、確定申告書に記載する必要があります。
個人事業主は仮想通貨取引に関連する経費を適切に計上することで課税所得を抑えられます。
年金受給者の場合、確定申告の要否は公的年金等の収入金額と雑所得の金額によって決まります。公的年金等の収入が400万円以下で、かつ仮想通貨を含む雑所得が20万円以下であれば、確定申告は不要です。
ただし、公的年金等の収入が400万円を超える場合や、仮想通貨の利益を含む雑所得が20万円を超える場合は確定申告が必要になります。
年金受給者でも住民税の申告は別途必要になる場合があります。
年間の給与収入が2,000万円を超える方は、仮想通貨の利益額に関わらず確定申告が必須です。高額所得者は年末調整の対象外となるため、給与所得も含めてすべての所得を確定申告する必要があります。
この場合、仮想通貨の利益が20万円以下でも申告書に記載しなければなりません。高額所得者は税率も高くなるため、税理士に相談することをおすすめします。
仮想通貨取引で得た利益は、原則として「雑所得」に分類されます。株式投資やFX取引とは異なる税制が適用されるため、仕組みを正確に理解しておくことが重要です。
ここでは、雑所得の意味と総合課税の仕組み、そして最大55%という高い税率について詳しく解説します。
雑所得とは、給与所得・事業所得・不動産所得など、他の所得区分に当てはまらない所得のことを指します。仮想通貨取引による利益は、原則としてこの雑所得に分類されます。
雑所得の特徴は、損益通算ができないことです。
たとえば株式投資で損失が出た場合、給与所得から差し引くことはできませんが、同じ株式の譲渡所得内であれば損益を相殺できます。しかし、仮想通貨の雑所得は他の所得区分と損益通算できません。
雑所得には損失の繰越控除もありません。今年損失が出ても、翌年以降の利益と相殺することはできないのです。
これは株式投資(3年間の繰越可能)と比べて不利な点です。
ただし、雑所得内での損益通算は可能です。仮想通貨Aで利益が出て、仮想通貨Bで損失が出た場合、その年の雑所得内で相殺できます。
仮想通貨の雑所得は「総合課税」の対象です。総合課税とは、給与所得や事業所得など、対象となるすべての所得を合算し、その合計額に応じた税率を適用する方式です。
日本の所得税は累進課税制度を採用しており、所得が増えるほど税率が高くなります。所得税率は5%から45%まで7段階に分かれており、これに住民税10%を加えると、最大55%の税率になります。
以下は所得税と住民税を合わせた税率の一覧です。
| 課税所得金額 | 所得税率 | 住民税率 | 合計税率 |
| 195万円以下 | 5% | 10% | 15% |
| 195万円超〜330万円以下 | 10% | 10% | 20% |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 10% | 30% |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 10% | 33% |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 10% | 43% |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 10% | 50% |
| 4,000万円超 | 45% | 10% | 55% |
たとえば、給与所得が500万円で仮想通貨の利益が300万円ある場合、合計800万円の所得に対して税率が適用されます。仮想通貨の利益が大きいほど、高い税率が適用されることになります。
株式投資やFX取引の利益は「申告分離課税」の対象で、所得金額に関わらず一律20.315%の税率が適用されます。
以下の表で、仮想通貨と株式・FXの税制を比較してみましょう。
| 項目 | 仮想通貨 | 株式・FX |
| 所得区分 | 雑所得 | 譲渡所得・雑所得 |
| 課税方式 | 総合課税 | 申告分離課税 |
| 税率 | 最大55%(累進課税) | 一律20.315% |
| 損益通算 | 雑所得内のみ | 同一区分内で可能 |
| 損失繰越 | 不可 | 3年間可能 |
仮想通貨で1,000万円の利益が出た場合、最大550万円が税金として徴収される可能性がありますが、株式であれば約203万円で済みます。
この不公平感から、仮想通貨業界では税制改正を求める声が高まっており、2026年度税制改正大綱では申告分離課税への移行が盛り込まれました。詳しくは後述します。
仮想通貨で課税されるタイミング4つ
仮想通貨は「持っているだけ」では課税されません。課税されるのは、利益が確定したタイミングです。ここでは、具体的にどのような取引で課税されるのかを解説します。
課税タイミングを正確に理解していないと、知らないうちに課税対象の取引をしてしまい、確定申告時に困ることになります。
最も基本的な課税タイミングは、仮想通貨を日本円や外貨に換金したときです。購入時の価格と売却時の価格の差額が利益となり、課税対象になります。
たとえば、50万円で購入したビットコインを80万円で売却した場合、差額の30万円が課税対象の利益です。この30万円が雑所得として計上され、他の所得と合算して税金が計算されます。
取引所の「販売所」で売却した場合も、「取引所」で売却した場合も、いずれも課税対象です。売却方法によって課税の有無が変わることはありません。
見落としがちなのが、仮想通貨同士を交換したときも課税対象になることです。
たとえば、ビットコインでイーサリアムを購入した場合、ビットコインを売却したとみなされ、その時点で利益が確定します。
具体例で説明しましょう。50万円で購入したビットコインの価値が80万円に上がったタイミングで、そのビットコインを使って80万円分のイーサリアムを購入した場合、差額の30万円が課税対象の利益になります。
この仕組みを知らずに仮想通貨同士の交換を繰り返すと、日本円を手にしていないのに多額の税金が発生する「億り人破産」のリスクがあります。
仮想通貨で商品やサービスを購入した場合も、その時点で利益が確定し課税対象になります。これは仮想通貨を売却して日本円に換え、その日本円で商品を購入したとみなされるためです。
たとえば、50万円で購入したビットコインの価値が80万円に上がったタイミングで、80万円相当の商品を購入した場合、差額の30万円が課税対象の利益です。
ビットコイン決済が可能な店舗やオンラインショップが増えていますが、決済のたびに課税が発生することを理解しておく必要があります。
マイニング報酬やステーキング報酬として仮想通貨を取得した場合も、課税対象になります。報酬を受け取った時点の時価が所得金額となり、雑所得として計上されます。
マイニングの場合、報酬から必要経費(電気代、機材の減価償却費など)を差し引いた金額が課税対象です。個人でマイニングを行う場合、経費をきちんと記録しておくことが重要です。
ステーキング報酬も同様に、報酬を受け取った時点で課税されます。年間を通じて少額ずつ報酬を受け取る場合、それぞれの受取時の時価を記録しておく必要があります。
レンディング(貸仮想通貨)の利息収入も、ステーキング報酬と同じく雑所得として課税対象です。
仮想通貨の税金の計算方法
仮想通貨の損益計算は、購入時と売却時の価格差を正確に把握する必要があります。複数回に分けて購入した場合、どの価格で計算するかによって利益額が変わるため、国税庁は2つの計算方法を認めています。
ここでは、移動平均法と総平均法の違いと、どちらを選ぶべきかを解説します。
移動平均法は、仮想通貨を購入するたびに平均取得単価を計算し直す方法です。最も実態に近い正確な損益計算ができますが、取引のたびに計算が必要なため手間がかかります。
具体例で説明しましょう。
このように、購入のたびに平均単価を更新し、売却時にその時点の平均単価を使って利益を計算します。取引が多い場合、計算が非常に複雑になりますが、損益計算ツールを使えば自動で計算できます。
移動平均法のメリットは、年度の途中でも現在の損益状況を正確に把握できることです。
総平均法は、1年間(1月1日〜12月31日)に購入した仮想通貨の平均取得単価を計算し、その単価で損益を算出する方法です。年末にまとめて計算できるため、移動平均法より簡単です。
同じ例で総平均法を見てみましょう。
この例では結果が同じですが、年間を通じて複数回売買した場合、移動平均法と総平均法で損益額が異なることがあります。
総平均法のメリットは計算が簡単なことですが、デメリットは年末まで正確な損益がわからないことです。
移動平均法と総平均法のどちらを選ぶかは、一度選択すると原則として継続適用が求められます。途中で変更する場合は、税務署に届出が必要です。
初めて仮想通貨の確定申告をする場合、特に届出をしなければ総平均法が適用されます。移動平均法を選択したい場合は、確定申告期限までに「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を税務署に提出する必要があります。
損益計算ツール(Gtax、cryptactなど)を使えば、どちらの方法でも自動計算できます。ツールを使う場合は、移動平均法でも手間はかからないため、より正確な移動平均法を選ぶのも良いでしょう。
仮想通貨の税金計算が楽になる取引所の選び方
仮想通貨の税金計算で最も大変なのが、1年間の取引履歴を集めて損益を計算することです。取引所選びを間違えると、確定申告の手間が何倍にも増えてしまいます。
ここでは、税金計算を楽にするための取引所選びのポイントを解説します。
国内の主要取引所は、確定申告に必要な「年間取引報告書」を自動発行しています。この報告書には、1年間の取引履歴や損益の概算が記載されており、確定申告の際に非常に便利です。
年間取引報告書の発行時期は、多くの取引所で1月中旬〜2月上旬です。確定申告の期限(2月16日〜3月15日)に間に合うよう、早めに発行される取引所を選ぶと安心です。
移動平均法・総平均法の両方に対応している取引所や、国税庁の計算書フォーマットに準拠した報告書を発行する取引所を選ぶと、確定申告がスムーズです。
年間取引報告書はあくまで「その取引所内の取引」のみを集計したものです。複数の取引所を利用している場合は、すべての取引所の報告書を統合して計算する必要があります。
複数の取引所を利用している場合や、取引回数が多い場合は、損益計算ツールの利用がほぼ必須です。主要な損益計算ツールには、Gtax(ジータックス)とcryptact(クリプタクト)があります。
これらのツールは、取引所から取引履歴をダウンロードして自動的に損益を計算してくれます。ただし、すべての取引所に対応しているわけではないため、ツールと連携できる取引所を選ぶことが重要です。
主要取引所のGtax/cryptact対応状況は以下の通りです。
API連携機能がある取引所を選べば、手動でCSVファイルをダウンロードする手間も省けます。
損益計算ツールを使わずに自分で計算する場合や、ツールに対応していない取引所を使う場合は、取引履歴をCSV形式でダウンロードできることが重要です。
取引履歴のダウンロード機能は、以下のポイントをチェックしましょう。
一部の取引所では、取引履歴を3ヶ月分ずつしかダウンロードできない、PDF形式でしか出力できないなど、使い勝手が悪い場合があります。
また、取引履歴のダウンロードページが分かりやすい場所にあるかも重要です。確定申告の時期になって慌てて探すことがないよう、口座開設時に確認しておくことをおすすめします。
主要取引所の税務サポート機能を比較
国内の主要取引所は、それぞれ独自の税務サポート機能を提供しています。ここでは、確定申告に役立つサポート機能を比較します。
主要取引所の年間取引報告書の発行状況を比較してみましょう。
| 取引所 | 発行時期 | 計算方法 | 特徴 |
| GMOコイン | 1月中旬 | 移動平均法・総平均法 | 国税庁フォーマット準拠 |
| Coincheck | 1月下旬 | 総平均法 | シンプルで見やすい |
| SBI VCトレード | 1月中旬 | 移動平均法・総平均法 | 詳細な取引明細付き |
| bitFlyer | 1月中旬 | 総平均法 | 取引報告書が充実 |
| bitbank | 1月下旬 | 移動平均法・総平均法 | CSV形式でも提供 |
発行時期が早い取引所を選ぶと、確定申告の準備を早めに始められます。
一部の取引所では、税理士による相談サービスを提供しています。仮想通貨の税務に詳しい税理士に相談できるため、複雑な取引がある場合や高額の利益が出た場合に安心です。
税理士相談サービスの提供状況は、取引所によって異なります。無料相談会を定期的に開催する取引所や、提携税理士を紹介してくれる取引所もあります。
税理士への本格的な依頼は別途費用がかかります。確定申告の代行を依頼する場合、個人で5万円〜20万円程度、法人で20万円〜50万円程度が相場です。
多くの取引所は、公式サイトで確定申告ガイドを公開しています。初心者向けの解説から、具体的な計算例、よくある質問まで、充実した情報を提供している取引所を選ぶと、自力での確定申告もしやすくなります。
一部の取引所では、独自の損益計算ツールを提供している場合もあります。ただし、その取引所内の取引しか計算できないため、複数取引所を利用している場合は、Gtaxやcryptactなどの外部ツールを使う方が便利です。
確定申告時期(2月〜3月)には、多くの取引所がサポート体制を強化します。チャットサポートやメールサポートの対応時間が延長されることもあります。
複数取引所を使う場合の税金計算の注意点
複数の取引所を利用している場合、税金計算はより複雑になります。ここでは、複数取引所利用時の注意点と対策を解説します。
仮想通貨の税金計算では、すべての取引所の取引を統合して損益を計算する必要があります。取引所Aで利益が出て、取引所Bで損失が出た場合、両方を合算して最終的な損益を算出します。
たとえば、GMOコインで30万円の利益、Coincheckで10万円の損失が出た場合、合計20万円の利益として申告します。取引所ごとに別々に申告することはできません。
同じ銘柄を複数の取引所で取引している場合、すべての取引所の取引を統合して平均取得単価を計算する必要があります。
複数の取引所を利用している場合、損益計算ツールなしで正確な計算をするのは極めて困難です。以下のような理由から、ツールの利用を強くおすすめします。
Gtaxやcryptactなどの主要ツールは、複数取引所のデータを一括で取り込み、自動的に統合計算してくれます。
ツールの料金は年間数千円〜数万円程度で、取引件数に応じて選べます。計算ミスによる過少申告や、計算の手間を考えると、十分に元が取れる投資です。
海外取引所を利用している場合、税務上のリスクが高まります。
海外取引所の利益も日本の税法では申告義務がありますが、以下のような問題があります。
特に注意が必要なのは、CRS(共通報告基準)により、海外の金融機関の口座情報が各国の税務当局間で自動的に交換されることです。
「海外取引所ならバレない」という考えは非常に危険です。無申告が発覚した場合、無申告加算税や重加算税が課され、本来の税額の1.5倍〜2倍の税金を支払うことになります。
海外取引所を利用する場合は、取引履歴を確実に保存し、損益計算ツールで正確に計算して申告しましょう。
損益計算ツール(Gtax/cryptact)の使い方
仮想通貨の税金計算を大幅に効率化できるのが、専用の損益計算ツールです。ここでは、代表的なツールであるGtaxとcryptactの特徴と使い方を解説します。
Gtax(ジータックス)は、株式会社Aerial Partnersが提供する仮想通貨の損益計算ツールです。税理士事務所でも利用されており、高い信頼性が特徴です。
【Gtaxの特徴】
Gtaxの料金プランは、年間取引件数に応じて変わります。100件以下は無料、101〜500件は5,500円、501〜5,000件は16,500円となっています。取引件数が多い場合でも、税理士に依頼するよりはるかに安価です。
対応取引所は、GMOコイン、Coincheck、bitFlyer、bitbank、SBI VCトレードなど国内主要取引所はすべてカバーしています。海外取引所もBinance、Bybit、Krakenなど主要な取引所に対応しています。
cryptact(クリプタクト)は、株式会社pafinが提供する損益計算ツールで、国内最大級のユーザー数を誇ります。対応範囲の広さと計算精度の高さが特徴です。
【cryptactの特徴】
cryptactの料金プランは、フリープラン(0円、50件まで)、ベーシックプラン(6,600円、300件まで)、プライムプラン(22,000円、2,000件まで)、プロプラン(38,500円〜、10,000件〜無制限)となっています。
海外取引所やDeFi取引に強く、複雑な取引でも正確に計算
cryptactは特に海外取引所やDeFi取引に強く、複雑な取引でも正確に計算できます。また、ポートフォリオ管理機能も充実しており、保有資産の時価評価や含み損益をリアルタイムで確認できます。
損益計算ツールは、以下のような方に特におすすめです。
【ツール利用をおすすめする人】
逆に、年間の取引回数が数回程度で、1つの取引所しか使っていない場合は、取引所の年間取引報告書だけで確定申告できる可能性があります。
将来的に取引が増える可能性がある場合は早めにツールを導入
ただし、将来的に取引が増える可能性がある場合は、早めにツールを導入して取引履歴を蓄積しておくことをおすすめします。過去の取引データを遡って入力するのは非常に手間がかかるためです。
仮想通貨の利益を正しく申告するための手順を解説します。確定申告は毎年2月16日から3月15日までの期間に行う必要があります。
確定申告を行う前に、以下の書類を準備しましょう。
【必要書類チェックリスト】
すべての取引所の取引履歴を漏れなく集めることが重要
特に重要なのは、すべての取引所の取引履歴を漏れなく集めることです。1つでも取引所の履歴が欠けていると、正確な損益計算ができません。
経費については、仮想通貨取引に直接関係するものだけが認められます。パソコン代や通信費は、仮想通貨取引に使用した割合に応じて按分して計上します。
確定申告の方法は、e-Tax(電子申告)と税務署への持参・郵送の2つがあります。e-Taxを利用すると、自宅から24時間申告でき、還付金の振込も早くなるためおすすめです。
【e-Taxで申告する手順】
仮想通貨の利益は、「雑所得」の「その他」の欄に入力します。所得の種類は「仮想通貨の売却益」などと記載し、収入金額と必要経費を入力すると、自動的に所得金額が計算されます。
税務署で申告する場合は、確定申告期間中は非常に混雑するため、早めに行くか、郵送での提出がおすすめです。
確定申告の期限は毎年2月16日から3月15日までです(土日の場合は翌平日)。この期限を過ぎると、無申告加算税などのペナルティが課されます。
納税期限も3月15日。申告だけして納税しないと延滞税が発生
納税期限も確定申告期限と同じ3月15日です。申告だけして納税しないと、延滞税が発生するため注意が必要です。
【期限を守るためのコツ】
特に注意が必要なのは、仮想通貨で大きな利益が出た場合、納税資金が不足する可能性があることです。利益確定時に税金分を別口座に移すなど、計画的な資金管理が重要です。
確定申告しなかった場合のペナルティ
「バレないだろう」という考えは非常に危険
仮想通貨の利益を申告せずに放置すると、重いペナルティが課されます。「バレないだろう」という考えは非常に危険です。
確定申告が必要なのに申告しなかった場合、無申告加算税が課され、本来納めるべき税額に対して15%〜20%が上乗せされます。
出典:国税庁「加算税の概要」
【無申告加算税の税率】
たとえば、本来100万円の税金を納めるべきだったのに無申告だった場合、50万円×15%+50万円×20%=17.5万円の無申告加算税が追加で課されます。
自主的に期限後申告すれば無申告加算税が5%に軽減
ただし、税務署の調査を受ける前に自主的に申告(期限後申告)した場合は、無申告加算税が5%に軽減されます。申告漏れに気づいたら、できるだけ早く自主申告しましょう。
意図的に所得を隠したり、虚偽の申告をしたりした場合は、重加算税が課され、無申告の場合40%、過少申告の場合35%という非常に重いペナルティです。
重加算税が適用されるのは、以下のような悪質なケースです。
【重加算税が適用されるケース】
海外取引所なら税務署にバレないと考えるのは危険
たとえば、本来100万円の税金を納めるべきだったのに意図的に隠して無申告だった場合、100万円×40%=40万円の重加算税が課されます。本来の税額と合わせて140万円を支払うことになります。
「海外取引所なら税務署にバレない」と考えて無申告にするのは、重加算税の対象となる可能性が高い行為です。
納税が遅れた場合、延滞税も発生します。延滞税は年率約3%〜9%で、納付が遅れるほど金額が増加していきます。
悪質な場合は10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
さらに悪質な場合は、刑事罰の対象となる可能性もあります。所得税法違反で起訴されると、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科されます。
近年、仮想通貨の無申告に対する税務調査が強化されています。国税庁は仮想通貨取引所に対して取引情報の提出を求めており、無申告者の把握が進んでいます。
「少額だからバレない」「取引所が多いから追跡できない」という考えは通用しません。正しく申告して、余計なペナルティを避けましょう。
仮想通貨の税率は高いですが、合法的な節税方法もあります。ここでは、実践できる節税テクニックを紹介します。
仮想通貨は累進課税のため、1年にまとめて大きな利益を確定させると高い税率が適用されます。可能であれば、利益確定のタイミングを複数年に分散させることで、税率を抑えられます。
たとえば、1年で1,000万円の利益を確定させると税率43%〜50%になりますが、2年に分けて500万円ずつ確定させれば税率30%〜33%に抑えられる可能性があります。
価格変動リスクもあるため税金だけで売却時期を決めるのは危険
ただし、価格変動リスクもあるため、税金だけを考えて売却タイミングを決めるのは危険です。投資戦略と税金対策のバランスを考えましょう。
仮想通貨取引に関連する経費を正しく計上することで課税所得を減らせます。以下のような経費が認められます。
【計上できる経費の例】
ただし、経費として認められるのは「仮想通貨取引に直接関係するもの」に限られます。プライベートでも使用するパソコンや通信費は、使用割合に応じて按分する必要があります。
経費計上には必ず領収書やレシートを保管しておく
経費を計上する際は、必ず領収書やレシートを保管しておきましょう。税務調査で経費の根拠を求められた際に必要です。
仮想通貨の損失は同じ年の他の雑所得と相殺できます。たとえば、仮想通貨で50万円の損失が出て、アフィリエイト収入(雑所得)が30万円ある場合、差し引き20万円の損失となり、雑所得の申告は不要です。
雑所得の損失を給与所得や事業所得と相殺することはできない
ただし、雑所得の損失を給与所得や事業所得と相殺することはできません。また、翌年以降に繰り越すこともできません。
年末に含み損を抱えている銘柄がある場合、その年のうちに売却して損失を確定させることで、その年の利益と相殺できます。ただし、価格が回復する可能性もあるため、慎重に判断しましょう。
現行の税制では、仮想通貨の保有期間による税率の優遇はありません。しかし、売却しなければ課税されないため、長期保有することで課税を先延ばしにできます。
早ければ2028年から申告分離課税が導入され税率20.315%に
また、金商法改正を前提に、早ければ2028年から申告分離課税が導入される見込みです。それまで売却を待つことで、税率55%から20.315%に下がる可能性があります。ただし、価格変動リスクもあるため、税制改正を待つべきかどうかは慎重に判断しましょう。
長期保有の間は、ステーキングやレンディングで報酬を得ることもできます。ただし、これらの報酬は受取時に課税されるため注意が必要です。
年間の仮想通貨利益が500万円を超える場合、法人化を検討する価値があります。法人の場合、税率が約30%(法人税・地方税合計)で固定されるため、個人の最高税率55%と比べて有利です。
【法人化のメリット】
【法人化のデメリット】
法人化は年間利益500万円以上で継続的に利益が見込める場合に検討
法人化は年間利益が500万円以上で、継続的に利益が見込める場合に検討しましょう。一時的な利益の場合は、法人化のコストの方が高くつく可能性があります。
2026年度税制改正の動向
2025年12月に公表された2026年度税制改正大綱で、仮想通貨の税制が大きく変わる方向性が示されました。ここでは、最新の税制改正動向を解説します。
金融庁は2025年8月、2026年度税制改正要望で「分離課税の導入を含めた課税の見直し」を正式に要望しました。
この要望の背景には、以下のような問題意識があります。
【税制改正が求められる理由】
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と日本暗号資産取引業協会(JVCEA)も、2025年7月に共同で税制改正要望書を提出しており、業界全体で税制改正を求める動きが強まっています。
申告分離課税が実現すると、以下のように変わります。
【申告分離課税導入後の変更点】
海外取引所やDeFi取引は引き続き総合課税の可能性
ただし、すべての仮想通貨取引が対象になるわけではありません。金融商品取引法上の登録を受けた取引所で取り扱われる「一定の暗号資産」が対象となる見込みです。海外取引所やDeFi取引は引き続き総合課税の可能性があります。
税制改正大綱では、損失の繰越控除についても前向きな方向性が示されています。株式投資と同様に、損失を翌年以降3年間繰り越して利益と相殺できるようになる見込みです。
これにより、以下のような節税が可能になります。
【繰越控除の例】
価格変動の激しい仮想通貨投資でも長期的な視点で投資しやすくなる
この制度により、価格変動の激しい仮想通貨投資でも、長期的な視点で投資しやすくなります。
施行時期は、金融商品取引法の改正と連動する形で、早ければ2028年1月からと見られています。ただし、法案の成立や制度の詳細設計はこれからのため、最新情報を注視する必要があります。
いいえ、仮想通貨を保有しているだけでは税金はかかりません。売却や交換など、利益が確定したタイミングで初めて課税されます。
はい、海外取引所で得た利益も日本の税法では申告義務があります。CRS(共通報告基準)により海外口座の情報が税務署に共有されるため、無申告はリスクが高いです。
給与所得者で他に申告すべき所得がない場合、損失だけなら確定申告は不要です。ただし、他の雑所得がある場合は損益通算のために申告する意味があります。
はい、NFTの売買で得た利益も原則として雑所得として課税されます。ただし、趣味で作成したNFTの販売は譲渡所得になる場合もあり、ケースバイケースです。
ステーキング報酬は、報酬を受け取った時点で課税されます。受取時の時価が所得金額となり、雑所得として申告します。
DeFi取引は非常に複雑なため、DeFi対応の損益計算ツール(Gtax、cryptactなど)の利用を強くおすすめします。手動での計算は困難です。
年間利益が500万円を超える場合、複数の所得がある場合、DeFi取引が多い場合、法人化を検討している場合は、税理士への相談をおすすめします。
できるだけ早く自主的に修正申告または期限後申告をしましょう。税務調査を受ける前に自主申告すれば、ペナルティが軽減されます。
取引所の倒産により資産を失った場合、雑損失として計上できる可能性があります。ただし、判断が難しいため税理士に相談しましょう。
年間利益が500万円以上の場合、法人税率約30%の方が個人の最高税率55%より有利です。ただし、設立費用や税理士費用がかかるため、総合的に判断しましょう。
仮想通貨の税金は、給与所得者の場合は年間20万円を超える利益で確定申告が必要です。現行の税制では最大55%という高い税率が適用されますが、金商法改正を前提に、早ければ2028年から20.315%の申告分離課税に移行する見込みです。
税金計算の複雑さを軽減するには、年間取引報告書を自動発行し、損益計算ツール(Gtax、cryptact)と連携できる取引所を選ぶことが重要です。GMOコイン、Coincheck、SBI VCトレード、bitFlyer、bitbankなどの主要取引所は、いずれも税務サポート機能が充実しています。
年間取引件数が100件を超える場合は損益計算ツールの利用がほぼ必須
複数の取引所を利用している場合や、年間取引件数が100件を超える場合は、損益計算ツールの利用がほぼ必須です。正確な損益計算により、税務リスクを減らし、適切な節税対策を行いましょう。
確定申告の期限は毎年3月15日です。無申告や過少申告には重いペナルティが課されるため、早めに準備を始め、正しく申告することをおすすめします。税制改正の動向も注視しながら、賢く仮想通貨投資を続けていきましょう。
| 順位 | 取引所 | 手数料 | 通貨数 | 特徴 | 口座開設 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | GMOコイン | 無料 | 26種類 |
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口座開設 |
| 2 | コインチェック | 無料 | 29種類 |
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| 3 | SBI VCトレード | 無料 | 23種類 |
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