JPYCとは?日本のステーブルコイン完全ガイド|発行方法から税金まで【2026年】

JPYCとは?日本のステーブルコイン完全ガイド|発行方法から税金まで【2026年】
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この記事の要約
  • JPYCは日本円と1:1で交換できる国内初の資金移動業型ステーブルコイン
  • 専用プラットフォーム「JPYC EX」で発行・償還が手数料無料で可能
  • LINE NEXTとの協業でLINEアプリでの利用環境構築が進行中

「ビットコインは価格変動が激しくて怖い」「暗号資産に興味はあるけど、投資リスクは避けたい」そんな悩みを抱えていませんか。

日本初の円建てステーブルコインJPYCなら、常に1円=1JPYCで価値が安定しており、価格変動リスクを気にせず利用できます。

2025年10月27日に金融庁の承認を受けて正式発行が開始され、資金移動業者として登録された国内唯一のステーブルコインです。

出典:JPYC株式会社「JPYCおよび発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」

この記事では、JPYCの基本的な仕組みから発行方法、実際の使い方、税金の扱いまでを初心者にもわかりやすく解説します。

記事を読めば、JPYCを安全に発行・利用する方法が理解でき、新しいデジタル決済の世界に一歩踏み出せるようになります。

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SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

JPYCとは?日本円と1:1で交換できる国産ステーブルコイン

JPYCは、日本円と常に1:1の価値で交換できる国産のステーブルコインです。2025年10月27日に正式発行が開始され、金融庁に登録された資金移動業者であるJPYC株式会社が運営しています。ビットコインやイーサリアムのような価格変動リスクがなく、1JPYC=1円の価値が維持される設計になっています。

出典:JPYC株式会社「JPYCおよび発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」

価格変動リスクなしで暗号資産を利用可能

ステーブルコインとは、法定通貨や金などの資産に価値を連動させることで、価格の安定性を保つように設計された暗号資産の一種です。海外ではドル建てのUSDTやUSDCが広く利用されていますが、JPYCは日本円に連動する点が大きな特徴となっています。

日本円と1:1で連動する仕組み

JPYCが1円=1JPYCの価値を維持できる理由は、発行されたJPYCと同額の日本円を裏付け資産として保全しているためです。具体的には、日本円預金と国債によって100%の裏付けを行っており、利用者はいつでも1JPYC=1円で償還(日本円への払い戻し)が可能です。

出典:JPYC株式会社「JPYCおよび発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」

発行・償還手数料が完全無料

専用プラットフォーム「JPYC EX」では、銀行振込で日本円を入金すると、同額のJPYCが発行される仕組みになっています。逆に、JPYCを日本円に戻したい場合は、JPYC EXで償還手続きを行うことで、登録した銀行口座に日本円が振り込まれます。発行・償還ともに手数料は無料です。

出典:JPYC株式会社「JPYCおよび発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」

電子決済手段としての法的位置づけ

JPYCは法律上「電子決済手段」として分類されており、暗号資産(仮想通貨)とは明確に区別されています。2023年6月1日に施行された改正資金決済法により、法定通貨の価値に連動するステーブルコインは「電子決済手段」として定義され、その発行は銀行、信託会社、登録を受けた資金移動業者に限定されました。

出典:金融庁「暗号資産関連」

暗号資産交換業の規制対象外で柔軟な決済が可能

この法的位置づけにより、JPYCは暗号資産交換業の規制対象外となり、より柔軟な決済手段として利用できるようになっています。また、発行者には利用者財産の分別管理や裏付け資産の保全が義務付けられており、利用者保護の観点からも安心して利用できる仕組みが整備されています。

資金移動業者登録と金融庁の承認

JPYC株式会社は、2025年8月18日付で資金決済法に基づく資金移動業者として正式に登録されました。登録番号は「関東財務局長 第00099号」で、国内初の円建てステーブルコイン発行事例となります。

出典:JPYC株式会社「国内初 日本円建ステーブルコイン発行へ-資金移動業者の登録を取得」

資金移動業者として登録されるためには、厳格な審査をクリアする必要があります。JPYC株式会社は2023年6月に登録申請を行い、約2年間にわたる準備期間を経て承認を得ました。この間、金融機関と同等のマネーロンダリング対策やシステムリスク管理、200種類以上の規定・マニュアル類を整備したと報告されています。

1回あたりの発行・償還は100万円まで

第二種資金移動業者としての登録のため、1回あたりの発行・償還額は100万円までという制限がありますが、ウォレットに保有できるJPYCの上限はなく、個人間送金や決済においても金額制限はありません。

出典:JPYC株式会社「国内初 日本円建ステーブルコイン発行へ-資金移動業者の登録を取得」

JPYCの5つの特徴|他のステーブルコインとの違い

JPYCには、他のステーブルコインと比較して独自の特徴があります。ここでは、JPYCを利用する上で知っておきたい5つの主要な特徴を詳しく解説します。

発行・償還手数料が完全無料

JPYCの最大の特徴の一つが、発行・償還手数料が完全無料である点です。JPYC EXで日本円からJPYCを発行する際も、JPYCを日本円に償還する際も、手数料は一切かかりません。必要なのは銀行振込の際の振込手数料と、ブロックチェーン上で送金する際のガス代(ネットワーク手数料)のみです。

出典:JPYC株式会社「JPYCおよび発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」

国債利息収入で手数料無料を実現

この無料モデルが実現できる理由は、JPYCの収益構造にあります。JPYC株式会社は、裏付け資産として保有している国債から得られる利息収入を主な収益源としているため、利用者から手数料を徴収する必要がないのです。岡部典孝代表取締役によると、「足元の金利で1兆円分を発行できれば、約50億円の金利収入が得られる」とされています。

出典:日経マネー「円連動のステーブルコイン「JPYC」を買ってみた カード支払いにも」

複数のブロックチェーンに対応

JPYCは、Ethereum(イーサリアム)、Polygon(ポリゴン)、Avalanche(アバランチ)の3つのブロックチェーンで発行されています。利用者は発行時にどのブロックチェーンでJPYCを受け取るかを選択でき、それぞれのブロックチェーンの特性に応じた使い分けが可能です。

出典:JPYC株式会社「JPYCおよび発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」

Ethereumは最も広く利用されているブロックチェーンで、対応サービスが豊富ですが、ガス代が0.5〜5ドル程度と比較的高めです。Polygonは高速処理が可能で、ガス代は数円程度と低コストです。Avalancheは約2秒で取引が確定し、ガス代も0.1ドル程度と安価です。

今後はさらに対応ブロックチェーンを拡大予定

今後はさらに対応ブロックチェーンを拡大していく予定とされており、より多様な利用シーンに対応できるようになることが期待されています。

日本円預金と国債で裏付け

JPYCの価値を支えているのが、日本円預金と日本国債による100%の裏付け資産です。発行されたJPYCと同額以上の資産を常に保全することが法律で義務付けられており、利用者はいつでも1JPYC=1円で償還できる仕組みになっています。

出典:JPYC株式会社「JPYCおよび発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」

裏付け資産は約8割を国債、2割を現預金で構成

裏付け資産の構成は、約8割を国債、残り2割を現預金として供託しています。この構成により、安全性を確保しながら利息収入を得ることができ、それが発行・償還手数料無料というサービスを支えています。裏付け資産は分別管理が義務付けられており、JPYC株式会社の自己資産とは完全に分離されています。

ノンカストディ型で自己管理

JPYCは「ノンカストディ型」と呼ばれる仕組みを採用しており、JPYC株式会社が利用者の資産を預かることはありません。発行されたJPYCは、利用者自身が管理するWeb3ウォレット(MetaMaskなど)に直接送付され、利用者が秘密鍵を使って完全に自己管理します。

事業者破綻時の資産喪失リスクを根本から排除

この仕組みには、事業者による不正流出や破綻時の資産喪失といったリスクを根本から排除できるというメリットがあります。一方で、秘密鍵を紛失すると資産にアクセスできなくなるため、利用者自身が責任を持って管理する必要があります。

秘密鍵の紛失には十分注意が必要

従来の銀行や暗号資産取引所のように事業者が顧客資産を保管する仕組みとは異なり、JPYC EXでは資産の保有・操作がすべてブロックチェーン上で完結します。これにより、第三者に頼ることなく、自らの資産を安全にコントロールすることが可能です。

日本企業が運営する安心感

JPYCは、日本企業であるJPYC株式会社が運営しており、日本の法律に完全に準拠したサービスです。問い合わせやサポートもすべて日本語で対応しており、何かトラブルが発生した際も安心して相談できる体制が整っています。

また、JPYC株式会社は2019年に設立され、2021年から前払式支払手段としてのステーブルコイン発行の実績を持っています。金融庁との調整を2020年から開始し、約5年間にわたる準備期間を経て資金移動業者としての登録を実現しました。この長期的な取り組みは、サービスの信頼性を示す重要な要素となっています。

大手企業との資本業務提携も進行中

さらに、アステリア株式会社(東証プライム上場)やLINE NEXTなど、大手企業との資本業務提携や協業も進んでおり、国内におけるステーブルコインのエコシステム構築に向けた取り組みが加速しています。

出典:JPYC株式会社「アステリア株式会社との資本業務提携に関するお知らせ」

JPYCと他のステーブルコインを比較|USDT・USDC・GYENとの違い

ステーブルコイン市場には複数の選択肢があり、それぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、JPYCと主要なステーブルコインを比較し、どのような違いがあるのかを明確にします。

海外ステーブルコイン(USDT・USDC)との比較

世界最大のステーブルコインであるUSDT(テザー)とUSDCは、いずれも米ドルに連動しています。USDTの時価総額は約1,832億ドル(約27兆円)に達し、ステーブルコイン市場全体の約63%を占めています。USDCも主要なステーブルコインとして広く利用されています。

項目JPYCUSDTUSDC
連動通貨日本円米ドル米ドル
発行体JPYC株式会社(日本)Tether社(香港)Circle社(米国)
裏付け資産日本円預金・国債米ドル・債券等米ドル・米国債
規制日本の資金決済法規制不明確米国の規制準拠
為替リスクなし(円建て)あり(ドル/円変動)あり(ドル/円変動)

日本人にとっては為替リスクがない点が最大のメリット

日本人にとってのJPYCの最大のメリットは、為替リスクがない点です。USDTやUSDCを保有する場合、ドル円の為替変動により円換算での価値が変動します。例えば、1ドル=150円の時に100USDCを保有していた場合、円換算では15,000円相当ですが、1ドル=140円に円高になると14,000円相当に目減りしてしまいます。

また、JPYCは日本の法律に完全に準拠しており、金融庁の監督下にあるため、規制面での不確実性が低いという利点もあります。海外のステーブルコインは、日本での法的位置づけが不明確な場合があり、将来的な規制変更のリスクも考慮する必要があります。

国内ステーブルコイン(GYEN・ZPG)との比較

日本円に連動するステーブルコインとしては、GYEN(GMOコイン発行)やZPG(Zaif発行)などがありましたが、これらは前払式支払手段として発行されていたもので、現在は新規発行が終了しています。JPYCも以前は「JPYC Prepaid」として前払式支払手段で発行していましたが、2025年6月1日に新規発行を終了し、資金移動業型の「JPYC」に移行しました。

項目JPYCJPYC Prepaid(旧)
法的位置づけ電子決済手段前払式支払手段
償還可能(1円=1JPYC)原則不可
利用範囲制限なし自社サービス内のみ
規制資金移動業前払式支払手段

資金移動業型は1JPYC=1円で償還可能

資金移動業型の最大の違いは、1JPYC=1円で日本円に償還できる点です。前払式支払手段の場合、原則として現金への払い戻しが認められず、利用範囲も限定的でした。電子決済手段となったことで、資金の信頼性や流動性が大幅に向上し、より幅広い用途で利用できるようになっています。

メガバンク発行予定のステーブルコインとの違い

三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行の3メガバンクも、ステーブルコインの発行を検討していると報じられています。また、デジタル資産のインフラ基盤を手掛けるProgmat(プログマ)も、信託型でのステーブルコイン発行を目指しています。Progmatには3メガバンクをはじめとする国内の金融事業者が複数出資しており、複数の事業者がステーブルコインを発行できる金融インフラを築いていく計画です。

出典:野村総合研究所「米国で進むステーブルコインの規制整備(10):日本では初の円建てステーブルコインが発行へ」

メガバンクが発行するステーブルコインは、銀行としての信用力や既存の顧客基盤を活かせる点が強みとなります。一方、JPYCは先行者として既にエコシステムの構築を進めており、Web3サービスとの連携やDeFi分野での利用実績を持っています。また、ノンカストディ型という仕組みにより、利用者が自分で資産を管理できる点も差別化要素となっています。

複数のステーブルコインが共存する市場環境へ

今後は、複数のステーブルコインが共存し、それぞれの特性に応じて使い分けられる市場環境が形成されると予想されます。JPYCは、Web3やDeFi分野での利用に強みを持つステーブルコインとして、独自のポジションを確立していく可能性があります。

JPYCの発行方法|JPYC EXでの具体的な手順

JPYCを入手するには、専用プラットフォーム「JPYC EX」で発行手続きを行う必要があります。ここでは、初めての方でも迷わず発行できるよう、具体的な手順を詳しく解説します。

STEP1: JPYC EXでアカウント登録

まず、JPYC EXの公式サイト(https://jpyc.co.jp/)にアクセスし、アカウント登録を行います。メールアドレスを入力して確認メールを送信し、届いたメール内のリンクをクリックしてログインパスワードを設定すれば、登録の第一段階は完了です。

アカウント登録自体は5分程度で完了する簡単な手続きです。入力するのはメールアドレスとパスワードのみで、この段階では本人確認書類の提出は不要です。ただし、実際にJPYCを発行するには、次のステップで本人確認(eKYC)を完了する必要があります。

STEP2: 本人確認(eKYC)を完了

JPYC EXでは、マイナンバーカードを用いた公的個人認証(JPKI)による本人確認を採用しています。「LIQUID eKYC」アプリを使用し、マイナンバーカードと署名用電子証明書のパスワード(マイナンバーカードを受け取った際に設定したパスワード)を用意して手続きを進めます。

出典:株式会社Liquid「国内初の日本円建ステーブルコイン「JPYC」の発行・償還サービスに「ICおまかせパック」で公的個人認証(JPKI)を提供」

1.JPYC EXのマイページから「オンライン本人確認」をタップ
2.LIQUID eKYCアプリが自動で開く
3.マイナンバーカードをスマートフォンで読み取る
4.署名用電子証明書のパスワードを入力

写真のアップロード不要で最短数分で完了

この方法では、写真のアップロードが不要で、最短数分で本人確認が完了します。審査状況によって所要時間は異なりますが、通常は数日以内に承認されます。本人確認が完了すると、メールで通知が届き、JPYCの発行が可能になります。

STEP3: Web3ウォレットを接続

JPYCを受け取るには、Web3ウォレットが必要です。JPYC EXでは、WalletConnect機能に対応したウォレットアプリを使用できます。代表的なものはMetaMask(メタマスク)で、ブラウザ拡張機能またはスマホアプリとして無料で利用できます。JPYC公式では、大阪・関西万博でも利用されたHashPort Walletも推奨されています。

1.JPYC EXにログインし、マイページから「ウォレット接続」をタップ
2.WalletConnectのボタンをオンにし、QRコードを表示
3.MetaMaskなどのウォレットアプリでQRコードを読み取る
4.受け取るネットワーク(Ethereum、Polygon、Avalancheのいずれか)を選択
5.メールアドレスでワンタイムコード認証を行う

ウォレットアドレスは必ず最初と最後の4文字を確認

ウォレットアドレスは、あなたのウォレットに割り当てられた受け取り番号のようなもので、「0x」で始まる42文字の英数字です。MetaMaskの場合、アプリを開いて画面上部のアドレスをタップするとコピーできます。最初と最後の4文字を確認して、正しいアドレスが登録されているか必ず確認しましょう。

STEP4: 銀行振込でJPYCを発行

ウォレット接続が完了したら、実際にJPYCを発行します。まず、JPYC EXのマイページから「出金先口座の登録」を選択し、償還時に日本円を受け取る銀行口座情報を登録します。次に、「発行を予約する」を選択し、以下の3つの情報を入力します。

1.ネットワーク(Ethereum、Polygon、Avalancheのいずれか)
2.受取アドレス(登録済みのウォレットアドレス)
3.注文額(発行したいJPYCの数量、1JPYC=1円)

内容を確認してメール認証を行い、「発行予約を確定する」をタップすると、振込口座情報が表示されます。指定された銀行口座に、予約した金額と完全に一致する金額を振り込みます。振込名義は、JPYC EXに登録した口座名義と完全に一致している必要があります。

入金確認後、数分でJPYCがウォレットに送付

入金が確認されると、数分後にJPYCが発行され、登録したウォレットアドレスに自動的に送付されます。実際には、メール通知が届く前にMetaMaskなどのウォレットアプリで残高を確認できることが多いようです。

出典:CoinPost「JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?今後の活用法・注意点を徹底解説」

発行にかかる時間と最低発行額

JPYCの発行にかかる時間は、銀行振込の処理時間に依存します。平日の営業時間内であれば、振込から20分程度でJPYCが発行されることが多いようです。楽天銀行など一部のネット銀行からの振込では、祝日でも比較的短時間で処理されることがあります。

最低発行額は3,000JPYC(3,000円)

最低発行額は、日経マネーの記事によると「3,000JPYC(3,000円)」とされています。ただし、公式サイトには明確な記載がないため、実際に発行する際は最新の情報を確認することをおすすめします。1回あたりの発行上限は、第二種資金移動業者としての制限により100万円までとなっていますが、1日あたりの取引制限は毎日0時にリセットされるため、繰り返し購入が可能です。

出典:日経マネー「円連動のステーブルコイン「JPYC」を買ってみた カード支払いにも」

入金額が指定金額と一致しない場合は返金扱い

発行時の注意点として、以下の点に気をつけましょう。入金期日を過ぎて入金した場合、または入金額が指定金額と完全に一致しない場合は、発行が成立せず全額返金扱いとなります。また、入金に利用する口座名義が、JPYC EXに登録した口座名義カナと完全に一致しない場合も、発行は成立せず全額返金扱いとなるため注意が必要です。

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Web3ウォレットの準備|MetaMaskの設定方法

JPYCを利用するには、Web3ウォレットの準備が不可欠です。ここでは、最も広く利用されているMetaMask(メタマスク)の設定方法を詳しく解説します。

MetaMaskのインストールと初期設定

MetaMaskは、ブラウザ拡張機能またはスマートフォンアプリとして無料で利用できるWeb3ウォレットです。MetaMask公式サイト(https://metamask.io/)からダウンロードできます。Google Chrome、Firefox、Brave、Edgeなどの主要ブラウザに対応しており、iOS・Androidのモバイルアプリも提供されています。

インストール後、「ウォレットを作成」を選択し、パスワードを設定します。次に、12個の英単語からなる「シークレットリカバリーフレーズ」が表示されます。これは、ウォレットを復元するために絶対に必要な情報です。必ず紙に書き写して、安全な場所に保管してください。スクリーンショットで保存すると、デバイスがハッキングされた際に盗まれるリスクがあるため推奨されません。

シークレットリカバリーフレーズの紛失は資産喪失に直結

シークレットリカバリーフレーズを紛失すると、ウォレット内の資産に永久にアクセスできなくなります。また、他人にこのフレーズを知られると、資産を盗まれる可能性があります。MetaMaskの運営者やサポートを名乗る人物から、シークレットリカバリーフレーズを尋ねられることは絶対にありません。そのような問い合わせがあった場合は、詐欺ですので絶対に教えないでください。

対応ブロックチェーンの追加方法

MetaMaskをインストールした直後は、Ethereumメインネットのみが設定されています。JPYCはPolygonやAvalancheでも発行されているため、これらのネットワークを追加する必要があります。

Polygonネットワークを追加するには、MetaMaskを開いて画面上部のネットワーク名(最初は「Ethereum Mainnet」と表示されています)をクリックし、「ネットワークを追加」を選択します。Polygonの情報を入力する画面が表示されるので、以下の情報を入力します。

  • ネットワーク名: Polygon Mainnet
  • 新しいRPC URL: https://polygon-rpc.com/
  • チェーンID: 137
  • 通貨記号: MATIC
  • ブロックエクスプローラーのURL: https://polygonscan.com/

ネットワークを間違えて送金すると資産が表示されなくなる

同様に、Avalancheネットワークも追加できます。各ネットワークの正確な設定情報は、公式サイトで確認することをおすすめします。ネットワークを間違えて送金すると、資産が表示されなくなるトラブルの原因となるため、送金前に必ずネットワークを確認しましょう。

秘密鍵のバックアップと復元手順

シークレットリカバリーフレーズは、ウォレット全体を復元するために使用します。デバイスを紛失したり、MetaMaskを誤って削除してしまった場合でも、このフレーズがあれば新しいデバイスでウォレットを復元できます。

1.新しいデバイスにMetaMaskをインストール
2.「既存のウォレットをインポート」を選択
3.12個の英単語を正しい順序で入力
4.新しいパスワードを設定

復元されたウォレットには、元のウォレットに保管されていたすべての資産が表示されます。

複数の紙に書き写して別々の場所に保管すると安全

セキュリティを高めるために、以下の点に注意しましょう。シークレットリカバリーフレーズは、複数の紙に書き写して別々の場所に保管すると安全です。デジタルデータとして保存する場合は、パスワード管理ソフト(1PasswordやBitwardenなど)を使用し、必ずマスターパスワードを設定してください。また、定期的にバックアップが正しく保管されているか確認することも重要です。

ガス代の準備|必要な暗号資産と購入方法

JPYCをブロックチェーン上で送金する際には、「ガス代」と呼ばれるネットワーク手数料が必要です。初心者が見落としがちなこのガス代について、詳しく解説します。

ガス代とは?なぜ必要なのか

ガス代とは、ブロックチェーン上でトランザクション(取引)を処理するために必要な手数料のことです。ブロックチェーンは、世界中のコンピュータ(ノード)が分散して取引を検証・記録する仕組みになっており、その処理を行うノードに対して支払う報酬がガス代です。

JPYC発行時のガス代はJPYC株式会社が負担

JPYCの発行時には、JPYC株式会社からあなたのウォレットへJPYCが送付されるため、この時のガス代はJPYC株式会社が負担します。しかし、あなたがJPYCを他のウォレットに送金したり、償還手続きを行う際には、あなた自身がガス代を支払う必要があります。

ガス代は、使用するブロックチェーンの種類と、ネットワークの混雑状況によって変動します。Ethereumメインネットでは0.5〜5ドル程度、Polygonでは数円程度、Avalancheでは0.1ドル程度が目安です。混雑時にはこれより高くなることもあります。

ブロックチェーン別のガス代比較

JPYCが対応している3つのブロックチェーンで、ガス代の特徴を比較してみましょう。

ブロックチェーンガス代の目安支払い通貨取引確定時間
Ethereum0.5〜5ドルETH約12秒
Polygon数円MATIC約2秒
Avalanche約0.1ドルAVAX約2秒

初めての発行はガス代が安いPolygonまたはAvalancheがおすすめ

Ethereumは最も広く利用されているブロックチェーンで、対応サービスが豊富ですが、ガス代が比較的高いのが欠点です。Polygonは低コストで高速処理が可能なため、頻繁に送金する場合に適しています。Avalancheも低コストで高速ですが、対応サービスはEthereumやPolygonと比べるとやや少ない傾向にあります。

初めてJPYCを発行する場合は、ガス代が安いPolygonまたはAvalancheを選択することをおすすめします。ただし、利用したいDeFiサービスやNFTマーケットプレイスが特定のブロックチェーンにしか対応していない場合は、そのブロックチェーンを選択する必要があります。

国内取引所でガス代用の暗号資産を購入

ガス代を支払うには、それぞれのブロックチェーンのネイティブトークンが必要です。Ethereumの場合はETH、PolygonはMATIC、AvalancheはAVAXです。これらの暗号資産は、国内の暗号資産取引所で購入できます。

GMOコインは各種手数料が無料

GMOコインは、ETHを取り扱っており、各種手数料が無料という特徴があります。入金手数料、出金手数料、暗号資産の送付手数料がすべて無料なため、ガス代用の暗号資産を購入してMetaMaskに送る際のコストを抑えられます。

1.GMOコインで口座開設を行い、本人確認を完了
2.日本円を入金
3.ETHまたはMATICを購入
4.購入した暗号資産をMetaMaskのウォレットアドレス宛に送付

送付時はネットワークを間違えないよう注意

送付する際は、ネットワークを間違えないよう注意してください。

ガス代として必要な金額は少額で十分

ガス代として必要な金額は少額で十分です。Polygonの場合、10MATIC(約500円相当)あれば、数十回の送金が可能です。Ethereumの場合は、ガス代が高めなので、0.01ETH(約3,000円相当)程度を準備しておくと安心です。

当サイト運営者の見解

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※2社の選定と使い分けは当サイト運営者の見解です。取扱銘柄・手数料は2026年10月2日時点の各社公式サイトの情報に基づきます。送付手数料は暗号資産を外部へ送るときの手数料です。取扱銘柄は変更される場合があります。

対応ブロックチェーンの選び方|Ethereum・Polygon・Avalancheの違い

JPYCは3つのブロックチェーンで発行されており、それぞれ異なる特徴を持っています。どのブロックチェーンを選ぶべきか、判断基準を解説します。

Ethereum(イーサリアム)の特徴

Ethereumは、スマートコントラクトを実装した最初のブロックチェーンであり、最も広く利用されています。DeFiプロトコル、NFTマーケットプレイス、DAOなど、多くのWeb3サービスがEthereum上で構築されています。JPYCをEthereumで発行すれば、これらのサービスで幅広く利用できます。

Ethereumの取引確定時間は約12秒で、比較的高速です。ただし、ガス代は0.5〜5ドル程度と比較的高めで、ネットワークが混雑している時間帯にはさらに高くなることがあります。頻繁に送金する場合は、ガス代の負担が大きくなる可能性があります。

対応サービスが最も豊富

Ethereumを選ぶべきケースは、以下の通りです。利用したいDeFiサービスがEthereumにしか対応していない場合、NFTをEthereumのマーケットプレイスで購入したい場合、長期保有が目的で頻繁に送金しない場合などです。

Polygon(ポリゴン)の特徴

Polygonは、Ethereumのレイヤー2ソリューションとして開発されたブロックチェーンです。Ethereumと互換性がありながら、高速処理と低コストを実現しています。ガス代は数円程度と非常に安く、取引確定時間も約2秒と高速です。

高速処理と低コストを両立

Polygonは、多くのDeFiプロトコルやNFTマーケットプレイスで対応が進んでおり、Ethereumに次いで利用できるサービスが豊富です。また、Ethereumとのブリッジ機能を使えば、Polygon上の資産をEthereumに移動させることも可能です。

初めてJPYCを発行する方におすすめ

Polygonを選ぶべきケースは、以下の通りです。頻繁に送金する予定がある場合、ガス代を抑えたい場合、高速な取引確定を重視する場合、Polygon対応のDeFiサービスを利用したい場合などです。初めてJPYCを発行する方には、低コストで使いやすいPolygonがおすすめです。

Avalanche(アバランチ)の特徴

Avalancheは、高速処理と低コストを特徴とするブロックチェーンです。取引確定時間は約2秒、ガス代は約0.1ドル程度とPolygonと同等の性能を持っています。独自のコンセンサスアルゴリズムにより、高いスケーラビリティを実現しています。

Avalancheは、DeFiエコシステムが急速に成長しており、Trader JoeやPangolinなどの分散型取引所(DEX)が活発に利用されています。また、Avalanche上で発行されたJPYCは、これらのDeFiサービスで円建ての取引が可能になるという利点があります。

対応サービスの数はEthereumやPolygonより少ない

Avalancheを選ぶべきケースは、以下の通りです。Avalanche上のDeFiサービスを利用したい場合、低コストと高速処理の両方を重視する場合、Avalancheエコシステムに興味がある場合などです。ただし、対応サービスの数はEthereumやPolygonと比べるとやや少ないため、利用したいサービスがAvalancheに対応しているか事前に確認しましょう。

JPYCの使い方4選|実際の活用シーン

JPYCを発行したら、どのように活用できるのでしょうか。ここでは、具体的な使い方を4つ紹介します。

個人間送金|低コスト・即時送金

JPYCの最も基本的な使い方が、個人間送金です。銀行振込の場合、振込手数料がかかり、特に他行宛ての送金では数百円の手数料が発生します。また、営業時間外や土日祝日の振込は、翌営業日まで着金しないこともあります。

JPYCを使えば、24時間365日いつでも即時送金が可能です。送金にかかるコストは、ブロックチェーンのガス代のみで、Polygonなら数円、Avalancheなら約0.1ドル程度です。送金先の相手もJPYCを受け取れるウォレットを持っていれば、数秒で送金が完了します。

低コストで即時送金でき、海外送金も簡単

特に有用なのが、海外にいる家族や友人への送金です。例えば、留学中の子供に生活費を送る場合、銀行の国際送金では手数料が数千円かかり、着金まで数日かかることがあります。JPYCなら、低コストで即時に送金でき、受け取った相手がドル建てのステーブルコイン(USDC)に交換すれば、現地で買い物などができるようになります。

出典:日経マネー「円連動のステーブルコイン「JPYC」を買ってみた カード支払いにも」

VISA決済|nudgeカードで実店舗でも利用

JPYCで直接決済できる場面は、2026年2月時点ではまだ限定的です。しかし、ナッジ(東京・千代田)が発行するクレジットカード「ナッジカード」を使えば、VISA加盟店でJPYCを実質的に利用できます。

ナッジカードは、購入額の返済をJPYCで行うことができるクレジットカードです。通常のクレジットカードと同様にVISA加盟店で買い物をし、後日JPYCで返済すれば、実質的にJPYCで決済したことになります。これにより、コンビニやスーパー、オンラインショッピングなど、幅広い店舗でJPYCを活用できます。

京都・岡崎のKryptoKyotoでは直接決済も可能

また、京都・岡崎の能舞台のあるサロンバー「KryptoKyoto」では、2025年11月21日からJPYCによる直接決済が可能になっています。参加費やドリンク代などの支払いにJPYCを利用でき、12月末までは50%OFFの特別優待も提供されています。このような実店舗での決済対応は、今後さらに拡大していくことが期待されます。

DeFi運用|Secured Financeでレンディング

JPYCは、DeFi(分散型金融)サービスでの運用も可能です。Secured Financeは、JPYCに対応したレンディングプラットフォームで、JPYCを貸し出すことで利息収入を得ることができます。

レンディングとは、暗号資産を貸し出して利息を得る仕組みです。Secured Financeでは、JPYCを一定期間貸し出すことで、年利数%程度の利息を受け取ることができます。銀行預金の金利が0.001%程度であることを考えると、比較的高い利回りが期待できます。

DeFi運用にはリスクも伴います

ただし、DeFi運用にはリスクも伴います。スマートコントラクトの脆弱性により資産を失うリスク、プラットフォームが破綻するリスク、利率が変動するリスクなどがあります。DeFi運用を行う際は、リスクを十分に理解した上で、余剰資金の範囲内で行うことが重要です。

暗号資産交換|DEXでの利用

JPYCは、分散型取引所(DEX)で他の暗号資産と交換することもできます。例えば、Uniswap(Ethereum)、QuickSwap(Polygon)、Trader Joe(Avalanche)などのDEXで、JPYCを他の暗号資産に交換できます。

DEXを使えば、中央集権的な取引所を介さずに、直接暗号資産を交換できます。例えば、JPYCをUSDC(ドル建てステーブルコイン)に交換したり、JPYCでビットコインやイーサリアムを購入したりすることが可能です。

スリッページに注意が必要です

ただし、DEXでの交換には「スリッページ」と呼ばれる価格のずれが発生することがあります。特に流動性が低い通貨ペアでは、想定より不利なレートで交換されてしまう可能性があります。大きな金額を交換する際は、複数回に分けて交換するなど、スリッページを抑える工夫が必要です。

JPYCの税金|確定申告と課税のタイミング

JPYCを利用する際に気になるのが税金の扱いです。ここでは、JPYCに関する税務上の取り扱いを詳しく解説します。

JPYCの発行・償還は課税対象か

JPYCの発行と償還は、原則として課税対象にはなりません。1円=1JPYCで等価交換されるため、この時点では利益が発生しないからです。

例えば、10,000円を銀行振込してJPYC EXで10,000JPYCを発行した場合、この時点では課税されません。同様に、10,000JPYCを償還して10,000円を受け取った場合も、課税されません。これは、円を別の銀行口座に移動させるのと同様の扱いになります。

他の暗号資産に交換した場合は課税対象になります

ただし、JPYCを他の暗号資産に交換したり、JPYCで商品を購入したりした場合は、その時点で課税対象となる可能性があります。詳しくは次のセクションで解説します。

他の暗号資産に交換した場合の税金

JPYCを他の暗号資産(ビットコイン、イーサリアム、USDCなど)に交換した場合、その時点で利益が発生していれば課税対象となります。暗号資産の税制では、暗号資産同士の交換も課税対象とされているためです。

出典:国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱い」

例えば、10,000JPYCでビットコインを購入し、そのビットコインの価値が12,000円相当になった場合、2,000円の利益が発生します。この2,000円は「雑所得」として課税対象となり、他の所得と合算して総合課税されます。雑所得の税率は、所得金額に応じて5%〜45%(住民税10%を含めると15%〜55%)です。

損失の繰越控除は認められていません

重要な点は、暗号資産の利益は「雑所得」に分類されるため、株式投資のような損失の繰越控除が認められていないことです。ある年に大きな損失を出しても、翌年の利益と相殺することはできません。また、雑所得は総合課税のため、給与所得などと合算して税率が決まります。

確定申告が必要になる基準

給与所得者の場合、暗号資産取引を含む雑所得が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。この20万円は、給与所得以外の所得の合計額であり、暗号資産取引だけでなく、副業収入なども含まれます。

例えば、JPYCを他の暗号資産に交換して15万円の利益を得て、さらに副業で6万円の収入があった場合、合計21万円となり確定申告が必要です。一方、暗号資産取引の利益が15万円のみで、他に雑所得がない場合は、確定申告は不要です。

住民税の申告は別途必要な場合があります

確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要です。住民税には20万円の基準がないため、雑所得が1円でも発生していれば、市区町村に申告する必要があります。ただし、確定申告を行った場合は、その情報が自動的に市区町村に送られるため、別途住民税の申告を行う必要はありません。

暗号資産取引の記録は、取引履歴として保存しておくことが重要です。JPYC EXでは、アカウント内の「取引履歴」から確認・ダウンロードが可能です。DEXでの取引については、ブロックチェーン上の取引履歴を確認できるツール(Etherscan、PolygonscanなどのBlockchain Explorer)を活用しましょう。

JPYCで気をつけたい5つのリスクと注意点

JPYCは便利なステーブルコインですが、利用する際には注意すべきリスクもあります。ここでは、5つの主要なリスクと対策を解説します。

秘密鍵を失うと資産を永久に失う

JPYCはノンカストディ型のため、利用者自身が秘密鍵(シークレットリカバリーフレーズ)を管理する必要があります。秘密鍵を紛失すると、ウォレット内のJPYCに永久にアクセスできなくなり、資産を失うことになります。

秘密鍵の紛失は救済手段がありません

銀行口座の場合、パスワードを忘れても本人確認を行えば再発行できますが、ブロックチェーン上のウォレットには「パスワードリセット」という機能がありません。秘密鍵を知っている人だけがウォレットにアクセスできるという仕組みのため、紛失した場合の救済手段は一切ないのです。

対策として、シークレットリカバリーフレーズは必ず紙に書き写して、安全な場所に保管してください。できれば複数の場所に分散して保管し、火災や盗難のリスクにも備えましょう。デジタルデータとして保存する場合は、パスワード管理ソフトを使用し、マスターパスワードを忘れないようにしてください。

ペッグ割れリスクと発生メカニズム

ステーブルコインには「ペッグ割れ」と呼ばれるリスクがあります。これは、1JPYC=1円という価値が維持できなくなり、価格が乖離してしまう現象です。過去には、アルゴリズム型ステーブルコインのTerraUSD(UST)が、1ドル=1USTのペッグを維持できず、ほぼ無価値になるという事件がありました。

JPYCの場合、日本円預金と国債による100%の裏付けがあり、法律で分別管理が義務付けられているため、ペッグ割れのリスクは比較的低いと考えられます。また、JPYC EXでは常に1円=1JPYCで発行・償還が可能なため、仮に二次市場(DEX)で価格が乖離しても、JPYC EXを通じて1円で償還できます。

発行者の破綻リスクには注意が必要です

ただし、JPYC株式会社が破綻した場合や、裏付け資産の管理に問題が発生した場合は、ペッグが維持できなくなる可能性があります。また、DEXで大量のJPYCが売却された場合、一時的に価格が下落することもあります。大きな金額を保有する場合は、このようなリスクも考慮しておく必要があります。

ガス代高騰で送金コストが上昇

ブロックチェーンのガス代は、ネットワークの混雑状況によって変動します。特にEthereumメインネットでは、NFTの大型セールやDeFiプロトコルの人気イベントがある際に、ガス代が通常の数倍から数十倍に高騰することがあります。

例えば、通常は1ドル程度のガス代が、混雑時には10ドル以上になることもあります。少額のJPYCを送金する場合、ガス代の方が高くついてしまうこともあるため注意が必要です。

PolygonやAvalancheを利用すればガス代を抑えられます

対策として、ガス代が安いPolygonやAvalancheを利用することをおすすめします。また、Ethereumを使う場合は、ガス代の安い時間帯(日本時間の早朝など)を狙って送金するという方法もあります。ガス代の現在価格は、Etherscanなどのサイトで確認できます。

規制変更リスクと今後の法整備

ステーブルコインに関する規制は、世界的に整備が進んでいる段階です。日本では2023年6月に改正資金決済法が施行され、ステーブルコインの法的枠組みが整備されましたが、今後さらなる規制強化が行われる可能性もあります。

例えば、2027年には犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正が予定されており、本人確認の要件がさらに厳格化される可能性があります。また、税制についても、現在は暗号資産と同様の扱いですが、将来的に電子決済手段として独自の税制が設けられる可能性もあります。

規制変更により利用方法が制限される可能性があります

規制変更により、JPYCの利用方法が制限されたり、新たな義務が発生したりする可能性があります。JPYC株式会社の公式サイトやSNSで最新情報をチェックし、規制動向に注意を払うことが重要です。

流動性が低く対応サービスが限定的

JPYCは2025年10月に正式発行が開始されたばかりで、まだ流動性が低く、対応サービスも限定的です。DEXでJPYCを他の暗号資産に交換する際、流動性が低いと大きなスリッページ(価格のずれ)が発生する可能性があります。

また、JPYCで直接決済できる店舗やサービスも、2026年2月時点では限られています。今後、LINE NEXTとの協業によりLINEアプリでの利用が可能になることや、三井住友カードとの実証実験でマイナンバーカードを使ったタッチ決済が実現することが発表されており、対応サービスは徐々に拡大していくと期待されます。

出典:JPYC株式会社「LINE NEXTとLINEを活用した新規ステーブルコインウォレットでのJPYC活用に関する協業検討開始のお知らせ」

当面は、JPYCを長期保有するよりも、必要な時に発行して利用し、余った分は償還するという使い方が現実的かもしれません。エコシステムが成熟するまでは、大きな金額を保有することは避け、様子を見ながら利用することをおすすめします。

JPYCの将来性|3年で10兆円の市場規模を目指す

JPYCは、日本におけるステーブルコイン市場の先駆者として、今後の成長が期待されています。ここでは、JPYCの将来性について解説します。

LINE NEXTとの協業で普及加速

2026年1月20日、JPYC株式会社はLINEヤフーのグループ会社であるLINE NEXTと、JPYCの活用に向けた協業検討を開始する基本合意書(MOU)を締結しました。 LINEアプリ上で提供予定の新規ステーブルコインウォレットにおいて、JPYCの流通、リワード活用、日常決済での利便性向上を実現する計画です。

出典:JPYC株式会社「LINE NEXTとLINEを活用した新規ステーブルコインウォレットでのJPYC活用に関する協業検討開始のお知らせ」

LINEの9,500万人以上のユーザーにリーチ可能

LINEは日本国内で9,500万人以上が利用する生活密着型のメガアプリです。このLINEアプリ上でJPYCが利用できるようになれば、ステーブルコインの普及が大きく加速する可能性があります。リワード配布や日常決済といった分かりやすい利用シーンから、Web3技術を身近に体験できる環境が整備されることが期待されます。

LINE NEXT代表のYOUNGSU KO氏は「日本市場におけるWeb3普及のためには、円建てステーブルコインを活用した分かりやすい価値体験が不可欠」とコメントしており、JPYCとの協業を重要な一歩と位置づけています。

企業導入事例と今後の展開

JPYCは、複数の企業での導入が進んでいます。主な事例として、以下のようなものがあります。

電算システムは、JPYCへの出資企業として、小売店やEコマースプラットフォーム向けの決済システム開発を進めています。アステリア株式会社(東証プライム上場)は、2026年2月4日にJPYCと資本業務提携を行い、企業の基幹システムやクラウドサービスとJPYCをノーコードで連携できる「JPYCアダプター」を開発すると発表しました。 10,000社を超える導入実績を持つ「ASTERIA Warp」を通じて、一般企業へのステーブルコイン普及を促進する計画です。

出典:JPYC株式会社「アステリア株式会社との資本業務提携に関するお知らせ」

HashPort Walletは、大阪・関西万博の公式デジタルウォレットアプリ「EXPO2025 デジタルウォレット」がリニューアルしたもので、70万人以上(2025年8月時点)の利用者がいます。 このウォレットでJPYCが利用可能になることで、多くのユーザーにJPYCの利用体験を提供できます。

出典:JPYC株式会社「JPYCおよび発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」

三井住友カードとマイナンバーカード決済の実証実験も開始

三井住友カードは、マイナンバーカードを活用したJPYCタッチ決済の実証実験を開始すると発表しています。専用アプリ不要で簡単に決済できる仕組みを実現し、ステーブルコインの日常利用を促進する取り組みです。

IPO構想と電子決済手段等取引業ライセンス

JPYC株式会社は、3年間で発行残高10兆円規模の実現を目標に掲げています。 岡部典孝代表取締役は「足元の金利で1兆円分を発行できれば、約50億円の金利収入が得られる」と述べており、裏付け資産から得られる利息収入を基盤としたビジネスモデルの拡大を目指しています。

出典:JPYC株式会社「JPYCおよび発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」

また、将来的にはIPO(株式上場)も視野に入れているとされています。上場によって資金調達を行い、さらなる事業拡大やエコシステムの構築を加速させる計画です。

現在、JPYCは資金移動業者として登録されていますが、今後は電子決済手段等取引業(電取業)のライセンス取得も検討課題となります。電取業ライセンスを取得することで、JPYCの流通を担う取引業者としての業務も展開できるようになり、より包括的なサービス提供が可能になります。

ステーブルコイン市場は、世界的に急成長しています。2025年第1四半期には、世界全体のステーブルコインの取引量が国際ブランドのVISAの決済額を上回ったとされています。日本でも、JPYCを皮切りに円建てステーブルコイン市場が拡大し、クレジットカード決済や銀行の送金ネットワークを大きく上回るような規模になる可能性があると期待されています。

企業がJPYCを導入する方法|法人向けガイド

JPYCは、企業の資金移動や決済業務の効率化にも活用できます。ここでは、企業がJPYCを導入する際の方法と注意点を解説します。

法人口座開設と大口発行の流れ

企業がJPYCを利用するには、JPYC EXで法人アカウントを開設する必要があります。法人アカウントの開設には、取引責任者のマイナンバーカードが必要です。さらに、追加確認書類をメールで提出する必要があります。具体的な必要書類は、法人の形態によって異なるため、JPYC EXの公式サイトで確認してください。

第二種資金移動業者としての制限により、1回あたりの発行・償還額は100万円までとなっていますが、1日あたりの取引制限は毎日0時にリセットされるため、繰り返し発行が可能です。大口の取引が必要な場合は、複数回に分けて発行することで対応できます。

将来的には送金上限のない大口取引も可能になる見込み

将来的に、第一種資金移動業者のライセンスを取得した発行者が登場すれば、送金上限のない大口取引も可能になると期待されています。企業間決済でのステーブルコイン利用が広がるには、このような制度整備が重要な課題となっています。

API連携と業務システムへの統合

JPYCは、APIを提供しており、企業の既存システムと連携することが可能です。アステリア株式会社が開発する「JPYCアダプター」を使えば、「ASTERIA Warp」を通じて財務会計システム、基幹システム、クラウドサービスとJPYCをノーコードで連携できます。

出典:JPYC株式会社「アステリア株式会社との資本業務提携に関するお知らせ」

API連携により、以下のような業務の自動化が実現できます。取引先への支払いを自動化し、請求書の発行と同時にJPYCで送金する仕組みを構築できます。給与支払いにJPYCを活用し、従業員のウォレットに直接送金する仕組みも検討されています。EC事業での返金処理を自動化し、顧客のウォレットにJPYCで返金する仕組みも可能です。

API連携の詳細は公式サイトで確認できます

API連携の詳細や技術仕様については、JPYC株式会社の公式サイトで開発者向けドキュメントが提供されています。企業での導入を検討する場合は、システム部門と連携して技術的な実現可能性を確認することをおすすめします。

会計処理と税務上の注意点

企業がJPYCを保有・利用する際の会計処理については、2023年7月に企業会計基準委員会が公表した「実務対応報告第45号『電子決済手段の会計処理及び開示に関する当面の取扱い』」に従います。

電子決済手段は、原則として取得原価で計上し、期末に時価評価は行いません。JPYCの場合、1円=1JPYCで価値が安定しているため、取得原価と時価がほぼ一致します。ただし、二次市場で取得した場合や、ペッグ割れが発生した場合は、減損処理が必要になる可能性があります。

顧問税理士や会計士との相談が必要です

税務上の扱いについては、電子決済手段の売却益は法人税の課税対象となります。ただし、JPYCの場合、1円=1JPYCで発行・償還されるため、JPYC EXを通じた取引では利益が発生せず、課税されません。他の暗号資産に交換した場合や、商品を購入した場合は、その時点で利益が発生していれば課税対象となります。

企業での導入を検討する際は、顧問税理士や会計士と相談し、適切な会計処理と税務処理を確認することをおすすめします。

よくある質問(Q&A)

JPYCは暗号資産ですか?

いいえ、JPYCは暗号資産ではありません。法律上・会計上は「電子決済手段」として分類されており、暗号資産交換業ライセンスも不要です。資金決済法に基づく資金移動業者が発行する電子決済手段として、暗号資産とは明確に区別されています。

取引所でJPYCを購入できますか?

いいえ、JPYCは暗号資産取引所では購入できません。JPYCを入手するには、専用プラットフォーム「JPYC EX」でアカウント登録と本人確認を行い、銀行振込で発行する必要があります。暗号資産取引所で購入できるのは、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産のみです。

ウォレットを間違えて送金してしまったら?

間違ったウォレットアドレスに送金してしまった場合、基本的に取り戻すことはできません。ブロックチェーン上の取引は取り消しができないため、送金前に必ずアドレスを確認することが重要です。また、間違ったネットワーク(例えば、Ethereum用のアドレスにPolygonで送金)に送ってしまった場合も、資産が表示されなくなります。この場合、技術的には資産は失われていませんが、取り出すには高度な技術知識が必要になります。

JPYCの価格が1円から乖離することはありますか?

JPYC EXでは常に1円=1JPYCで発行・償還が可能ですが、DEX(分散型取引所)などの二次市場では、需給によって一時的に価格が変動する可能性があります。ただし、JPYC EXで1円で償還できるため、大きく乖離した場合は裁定取引(アービトラージ)により価格が1円に戻る仕組みが働きます。

JPYC株式会社が倒産したらどうなりますか?

JPYC株式会社は、発行したJPYCと同額の裏付け資産(日本円預金・国債)を分別管理することが法律で義務付けられています。万が一倒産した場合でも、裏付け資産は保全されており、利用者は1JPYC=1円で償還できる仕組みになっています。ただし、実際の償還手続きには時間がかかる可能性があります。

海外の取引所にJPYCを送金できますか?

技術的には可能ですが、おすすめしません。海外の取引所がJPYCに対応していない場合、送金したJPYCが表示されなくなったり、取り出せなくなったりする可能性があります。JPYCを送金する際は、送金先がJPYCに対応しているか必ず確認してください。

JPYCに利息はつきますか?

いいえ、JPYCを保有しているだけでは利息はつきません。ただし、Secured FinanceなどのDeFiプラットフォームでJPYCを貸し出すことで、利息収入を得ることは可能です。

JPYCに関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

まとめ

JPYCは、日本円と1:1で交換できる国内初の資金移動業型ステーブルコインです。2025年10月27日に正式発行が開始され、金融庁に登録された資金移動業者であるJPYC株式会社が運営しています。 発行・償還手数料が完全無料で、Ethereum、Polygon、Avalancheの3つのブロックチェーンに対応しており、日本円預金と国債による100%の裏付けがあるため、安心して利用できます。

出典:JPYC株式会社「JPYCおよび発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」

JPYCを利用するには、専用プラットフォーム「JPYC EX」でアカウント登録と本人確認を行い、Web3ウォレットを準備する必要があります。発行手順は、マイナンバーカードによる本人確認、ウォレット接続、銀行振込の3ステップで完了し、最短数分でJPYCが発行されます。利用シーンとしては、個人間送金、VISA決済(nudgeカード)、DeFi運用、暗号資産交換などがあり、今後LINE NEXTとの協業によりLINEアプリでの利用も可能になる予定です。

出典:JPYC株式会社「LINE NEXTとLINEを活用した新規ステーブルコインウォレットでのJPYC活用に関する協業検討開始のお知らせ」

秘密鍵の紛失やペッグ割れなどのリスクに注意

注意すべきリスクとしては、秘密鍵を紛失すると資産を永久に失うこと、ペッグ割れの可能性、ガス代高騰、規制変更リスク、流動性の低さなどがあります。税務面では、JPYCの発行・償還自体は課税対象にはなりませんが、他の暗号資産に交換した場合は雑所得として課税されます。給与所得者の場合、雑所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。

JPYCは、日本におけるステーブルコイン市場の先駆者として、3年で10兆円の発行残高を目指しています。 LINE NEXTとの協業、企業導入の拡大、メガバンクとの競争など、今後の展開が注目されます。ステーブルコインは、銀行を介さずに低コスト・即時送金ができる新しい決済手段として、今後の普及が期待されています。興味を持った方は、まずは少額からJPYC EXでの発行を試してみてはいかがでしょうか。

出典:JPYC株式会社「JPYCおよび発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」

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SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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