証券会社の営業はきつい?|理由と働くメリットを解説

証券会社の営業はきつい?|理由と働くメリットを解説

「証券会社の営業はきついって本当?」「ノルマが厳しくて続けられないのでは?」と不安に感じていませんか。

証券会社の営業は、厳しいノルマや長時間労働があるのは事実ですが、その分高収入が期待でき、金融知識が身につくメリットもあります。

この記事では、証券営業がきついと言われる理由から、働くメリット、向いている人の特徴、ホワイトな証券会社の見分け方まで詳しく解説します。

就職や転職を考えている方は、ぜひ最後まで読んで判断材料にしてください。

この記事の要約
  • 証券営業がきつい理由は、ノルマのプレッシャー、長時間労働、新規開拓の困難さなど5つの要因がある
  • 高収入が期待でき、金融知識が身につき、成果が評価に直結するメリットもある
  • ホワイトな証券会社を見分けるには、離職率・残業時間・口コミサイトをチェックすることが重要
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

証券会社の営業がきついと言われる5つの理由

証券会社の営業は「きつい」「激務」と言われることが多い職業です。その背景には、業務の特性や労働環境に起因する複数の要因があります。ここでは、証券営業がきついと言われる主な理由を5つ解説します。

ノルマのプレッシャーが大きい

証券会社の営業職は、目標やノルマが設定されている場合がほとんどです。相場が悪く保有商品が値下がりしても、基本的には目標とするノルマを達成しなければなりません。新規開拓は難しく、思うような結果が出ないため、つらいと感じることもあるでしょう。

証券営業に課されるノルマの例

国内株式手数料

外国株式手数料

投資信託販売手数料

新規資金導入

口座開設件数

これらすべてを同時に達成しなければならないため、プレッシャーは相当なものです。顧客のニーズを満たす商品を提案していても、目標の数値に到達できないこともあります。

かといって、目標を達成するために高単価の商品ばかり勧めていると、顧客の信頼を失ってしまいます。顧客との信頼関係を維持しながら高い目標数値を達成するのは、容易ではありません。

残業時間が長く労働時間が不規則

証券会社に勤務すると、毎朝出勤前に最新の経済状況や株式の相場確認などをチェックすることが必要になります。出勤も、規定の時間より早く出社しなければいけません。顧客に提出するための資料をそろえる、ミーティングを行うなどの事前準備を万全に整えてから、やっと業務開始になります。

証券マンの一日あたり平均残業時間は2時間超が一般的で、22時を過ぎてようやく退社するケースも珍しくありません。

昼は12時頃に取るものの、忙しい業務の間に急いで済ませることが多く、午後になると顧客との訪問や外回りの営業活動に本格的に移行します。特にノルマ達成のプレッシャーが強く、15時以降も予定を詰めて営業活動を行います。

日によっては、目標を達成するまで会社に帰るわけにはいかず、帰社後も残務処理や電話営業を続けることが多いです。このようなハードスケジュールを毎日こなさなくてはいけないため、証券会社に勤めるうえで大変なこととして、労働時間の長さは多くあげられています。

新規開拓の困難さと精神的負担

新規開拓の営業などに当てはまることになりますが、そもそも相手にされないことが日常茶飯事である職業です。1日中電話でアポイントを取り、加えて直接足を運んで営業を行ったとしても、契約に至らないことが多々あります。

契約が取れないというだけではなく、営業の仕事では門前払いに終わってしまったり、怒鳴られたりすることも珍しいことではありません。証券会社は金融商品の手数料収入から売上を上げるビジネスモデルであり、営業に対するノルマ追及が厳しい会社が多いとよく言われます。

プロセスよりも成果が重要視される世界であるため、大きなプレッシャーやストレスから日々緊張感に満ちた状態で過ごすことも少なくありません。

そのような心理的負荷が積み重なった結果、転職を考える方が一定数いらっしゃいます。営業を断られ続けてもへこたれない打たれ強い人や、叱咤されてもすぐに切り替えられるなど、気持ちの切り替えが得意な人でなければ、精神的に苦痛に感じてしまう可能性が高いのです。

常に最新情報のアップデートが必要

証券会社で働く際は、新しい金融商品や経済の動向など、日々最新の情報をアップデートしなくてはなりません。経済の動向は株価に大きな影響を与えるためです。顧客に適切なタイミングで商品を勧めるためにも、国内外のニュースや主要企業の情報収集は欠かせません。

  • 取り扱う金融商品の正しい情報を理解する
  • 論理的にわかりやすく説明できるようにする
  • 他社の取扱商品についても理解を深める
  • 経済や金融に関する最新の知識を習得する

早起きしてニュースや新聞に目を通したり、通勤時間を利用して情報収集したりと、日々情報に追われることが苦痛に感じる方もいます。市場の動向や金融商品の変化に敏感に対応し、的確なアドバイスを提供するためには、継続的な学習と情報収集が欠かせません。

顧客の損失に対する責任とプレッシャー

株式・投資信託・債券・その他金融商品(保険など)は、ごく一部を除いて、全て元本が保証されない変動制の金融商品です。よかれと思って勧めた結果買ってもらった商品が値下がりし、多額の損失を被らせてしまうのはよくあることです。

証券営業の仕事がキツいのは、保有商品が値下がりするような悪い相場の中で、目標の収益を達成するための売上を求められた時です。

証券のリテール営業はノルマ達成のため、手数料収入が高い金融商品を顧客に提案することを会社に求められますが、これらの金融商品が全て顧客に利得をもたらすモノかと言うと、やはりそうではありません。

その金融商品の価格が下がってしまったり、相場全体が崩れたりすることで、顧客に多額の損失を出させてしまうこともあります。「営業として顧客と関係性を築き、顧客も自分を信頼してくれて商品を購入してくれたのに、結果として大損させてしまった」こういった罪悪感に苛まれて、転職を考える証券営業の方も実際いらっしゃいます。

証券営業に課される4種類のノルマ

証券会社の営業職には、複数の種類のノルマが同時に課されます。それぞれのノルマは達成が容易ではなく、すべてを同時にクリアし続けなければならないことが、証券営業の厳しさの一因となっています。ここでは、証券営業に課される主なノルマの種類を詳しく解説します。

預かり資産の目標額

「預かり資産」とは、顧客が証券会社へ預けている資産のことです。また、預かり資産総額とは、自身が担当する顧客の預かり資産の合計のことを指します。営業は、顧客からいかに多くの資産を新たに導入してもらえたかが問われます。

そのため、新規顧客の開拓をしたり、顧客ごとに定期預金の満期や他社契約商品を管理していたりする営業員もいます。預かり資産の目標額は、証券営業にとって最も重要なノルマの一つです。

顧客との信頼関係を築き、資産を預けてもらうには時間がかかります。既存顧客の資産を維持しながら、新規顧客を開拓して預かり資産を増やしていく必要があります。

預かり資産の目標達成のためには、顧客のライフプランやニーズを深く理解し、長期的な関係を構築することが求められます。単なる商品の販売ではなく、顧客の資産形成のパートナーとしての役割が重要になります。

新規口座開設数

新規口座開設数は、新規顧客を獲得できたかを示す重要な指標です。証券会社にとって、新規顧客の獲得は事業拡大の基盤となるため、営業担当者には厳しい目標が設定されます。

新規口座開設を獲得するためには、飛び込み営業や電話営業(テレアポ)を行い、まだ証券口座を持っていない方や他社で口座を持っている方に対して、自社での口座開設を促す必要があります。しかし、投資に興味がない方や、既に他社で満足している方を説得するのは非常に困難です。

新規口座開設のノルマは月ごとに設定されることが多く、達成できない月が続くと上司からの指導や評価の低下につながります。

そのため、常に新規顧客の開拓に追われることになります。

売買手数料の獲得額

売買手数料の獲得額は、顧客が株式や債券などの金融商品を売買した際に発生する手数料の合計額です。証券会社の主要な収益源の一つであり、営業担当者には月ごとに手数料獲得の目標が設定されます。

売買手数料を増やすためには、顧客に対して頻繁に売買を提案する必要があります。しかし、過度な売買の提案は顧客の利益を損なう可能性があり、信頼関係を壊すリスクもあります。顧客本位の営業と手数料獲得のバランスを取ることが求められます。

市場環境が悪く、顧客が売買を控える時期でも、手数料獲得の目標は変わらないため、営業担当者は常にプレッシャーにさらされることになります。

投資信託・債券の販売額

投資信託や債券などの金融商品の販売額も、重要なノルマの一つです。特に、新発債券や新規設定の投資信託など、募集期限が決まっている商品については、期限内に目標額を達成する必要があります。

募集期限が決まっている商品の例

新発社債

新規公開株

新規設定の投資信託

該当の商品を好む客がいれば、毎回ご案内していきますが、それだけでは達成できないことが多いです。そのためセールストークを用意して、既存顧客全員にセールスをする社員もいます。

投資信託や債券の販売は、商品の特性や仕組みを顧客に分かりやすく説明する能力が求められます。また、顧客のリスク許容度や投資目的に合った商品を提案することが重要です。商品ごとにノルマが設定されるため、複数の商品を同時に販売しなければならず、業務量が増える要因となっています。

証券営業の種類|リテールとホールセールの違い

証券会社の営業職には、大きく分けて「リテール営業」と「ホールセール営業」の2種類があります。同じ証券営業でも、対象とする顧客層や業務内容、働き方が大きく異なります。ここでは、それぞれの特徴と違いを解説します。

リテール営業(個人向け営業)

リテール部門は主に個人を相手に、口座開設の営業や証券の販売・コンサルティングをおこなう部門です。顧客を訪問できない時間帯である深夜や早朝までの残業はありませんが、それでも10時間を超える長時間労働をこなしています。

厳しい個人の販売ノルマが設定されているため、目標達成のためには残業せざるを得ないといった状況に陥りがちです。リテール営業の主な業務内容は、個人投資家に対して株式、投資信託、債券などの金融商品を提案・販売することです。

リテール営業の特徴

飛び込み営業や電話営業が中心

新規顧客の開拓から既存顧客のフォローまで幅広い

顧客一人ひとりのニーズに合わせた提案が必要

月ごとに厳しいノルマが設定される

新規顧客の開拓は非常に困難で、門前払いや断られることも日常茶飯事です。しかし、顧客との信頼関係を築き、長期的な取引につながった時には大きなやりがいを感じられます。

リテール営業では、顧客対応の時間帯が日中から夕方にかけてとなるため、早朝出社や夜間の残業が発生しやすい傾向があります。

ホールセール営業(法人向け営業)

ホールセール営業は、法人顧客を対象とした営業部門です。主な顧客は、事業会社、金融機関、機関投資家などで、大口の取引を扱うことが特徴です。リテール営業と比べて、一件あたりの取引金額が大きく、専門的な知識が求められます。

  • 企業の資金調達支援(株式発行、社債発行など)
  • M&Aのアドバイザリー
  • 機関投資家向けの株式・債券の販売

ホールセール営業の特徴は、リテール営業と比べてノルマの設定方法が異なる点です。個人営業のように月ごとの細かいノルマではなく、四半期や半期単位での目標設定が多い傾向があります。ただし、大型案件を扱うため、一つの案件の成否が業績に大きく影響します。

ホールセール営業では、投資銀行部門(IBD)やマーケット部門などに分かれており、部門によって働き方が異なります。

投資銀行部門は特に激務として知られており、深夜までの残業や休日出勤が発生することもあります。一方で、高い専門性を身につけられ、キャリアアップの機会も多い部門です。

証券会社で働く5つのメリット

証券会社の営業はきつい面がある一方で、他の業界では得られない魅力的なメリットも多くあります。ここでは、証券会社で働く主なメリットを5つ紹介します。

高収入が期待できる

証券会社は成果や能力が求められる仕事ですが、給与が高い傾向があります。マイナビエージェントの調査によると、証券会社の平均年収は513万円で、業種別のランキングでは3位です。

また、20代は414万円、30代は651万円と237万円増えており、経験を積むことで年収アップが期待できる仕事といえるでしょう。

証券会社の営業職は、高収入を目指せる職種として知られています。業界全体の平均年収は700万円~1,000万円程度とされていますが、経験を積んだり成果を上げたりすることで、20代後半から30代にも年収1,000万円に到達するケースが多いです。

証券会社の給与体系は、基本給に加えてインセンティブ(成果報酬)が大きな割合を占めることが特徴です。ノルマを達成し、高い業績を上げれば、それが直接給与に反映されます。若いうちから実力次第で高収入を得られる点は、証券営業の大きな魅力です。

ただし、成果が出なければ収入が伸び悩むこともあります。実力主義の世界であるため、自分の努力と成果が収入に直結する点を理解しておく必要があります。

マイナビエージェント「証券会社の営業はきつい?その理由や働き方、向いている人の特徴について解説」

金融知識が身につく

顧客に最適な金融商品を提案するには、金融に関する知識や取引のタイミングを見極める能力が必要です。証券会社で働くことで、株式や投資信託といった金融の知識が身につくというメリットがあります。業務で得た金融の知識は、資格取得やプライベートで資産運用する際に大いに役立つでしょう。

証券会社で身につく知識

株式、債券、投資信託、デリバティブなどの金融商品の仕組み

各商品のリスクと税制

経済や市場の動向に対する理解

証券外務員資格などの専門資格

証券会社では、幅広い金融商品を扱います。それぞれの商品の仕組みやリスク、税制などを深く理解する必要があるため、実務を通じて高度な金融知識を身につけることができます。

これらの知識やスキルは、証券業界だけでなく、他の金融機関や事業会社の財務部門など、幅広いキャリアで活かすことができます。

成果が評価に直結する

証券会社の営業職は成果主義の側面が大きく、成果を出せばその分給与に反映されます。評価が給与に直結することで、モチベーションが上がったりやりがいを感じたりするのが大きなメリットです。成果を出し続けるのは簡単ではありませんが、頑張り次第で大きく稼げるでしょう。

証券会社では、年功序列ではなく実力主義の評価制度が採用されている企業が多いです。若手でも高い成果を上げれば、昇進や昇給のチャンスがあります。

自分の努力と成果が明確に評価される環境は、向上心の高い人にとって大きなやりがいとなります。また、成果が数字で明確に示されるため、自分の成長を実感しやすい点もメリットです。

目標を達成した時の達成感や、顧客から感謝された時の喜びは、証券営業ならではのやりがいと言えるでしょう。

営業スキルが磨かれる

コミュニケーション能力や交渉力、プレゼンテーション能力といったスキルです。このような対人スキルは証券会社の営業経験で身につくスキルです。目標や販売目標(ノルマ)を達成するために必要なコミットメント力も証券会社の営業経験で身につくスキルです。

  • 初対面の人と信頼関係を築くコミュニケーション能力
  • 顧客のニーズを引き出すヒアリング能力
  • 複雑な金融商品を分かりやすく説明するプレゼンテーション能力
  • 厳しいノルマを達成するための目標設定力や計画力
  • 困難な状況でも諦めずに行動し続ける忍耐力

これらのスキルは、証券業界だけでなく、他の業界の営業職や管理職としても活かすことができる汎用性の高いスキルです。

キャリアの選択肢が広がる

証券会社での営業経験は、その後のキャリアにおいて大きなアドバンテージとなります。金融業界内での転職はもちろん、他業界への転職やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として独立する道も開けます。

証券営業で培った金融知識や営業スキルは、銀行、保険会社、資産運用会社などの金融機関で高く評価されます。また、事業会社の財務部門やM&Aアドバイザリー、コンサルティングファームなど、金融知識を活かせる職種への転職も可能です。

さらに、証券営業の経験を活かしてIFAとして独立する選択肢もあります。IFAは特定の証券会社に所属せず、独立した立場で顧客に資産運用のアドバイスを行う仕事です。証券会社のようなノルマがなく、顧客本位の営業ができる点が魅力です。

このように、証券会社での営業経験は、将来のキャリアの選択肢を大きく広げる貴重な経験となります。

証券営業に向いている人・向いていない人

証券営業に向いている人・向いていない人

証券営業は誰にでも向いている仕事ではありません。適性がある人とない人では、仕事の満足度や継続性に大きな差が出ます。ここでは、証券営業に向いている人と向いていない人の特徴を解説します。

向いている人の3つの特徴

1. 高い目標意識とチャレンジ精神がある人
証券営業では、厳しいノルマが設定され、常に高い目標を追い求める必要があります。困難な状況でも諦めずに挑戦し続けるチャレンジ精神がある人は、証券営業に向いています。成果を出せば高収入が得られるという実力主義の環境を楽しめる人は、大きく成長できるでしょう。
2. コミュニケーション能力が高く、人と接することが好きな人
証券営業の仕事は、顧客との信頼関係を築くことが基本です。初対面の人とも自然に会話ができ、相手のニーズを引き出すコミュニケーション能力が高い人は、証券営業に向いています。また、人と接することが好きで、顧客の資産形成をサポートすることにやりがいを感じられる人は、長く続けられるでしょう。
3. 金融・経済に関心があり、学習意欲が高い人
証券営業では、金融商品の知識だけでなく、経済や市場の動向を常にアップデートする必要があります。金融や経済に興味があり、日々学習を続けられる人は、証券営業に向いています。新しい知識を吸収することを楽しめる人は、専門性を高めながらキャリアを築いていけるでしょう。

向いていない人の3つの特徴

1. プレッシャーに弱く、ストレス耐性が低い人
強い数字プレッシャーやノルマに耐性がない人は、証券営業には向いていません。証券営業では、常にノルマのプレッシャーにさらされ、顧客からのクレームや上司からの指導を受けることもあります。ストレス耐性が低く、プレッシャーに弱い人は、精神的に追い詰められてしまう可能性があります。
2. ワークライフバランスを重視し、安定を求める人
生活の安定や残業の少なさを最重視する人は、証券営業には向いていません。証券営業は長時間労働が常態化しており、休日も顧客対応が発生することがあります。ワークライフバランスを重視し、定時で帰宅したい人や、安定した働き方を求める人には厳しい環境です。
3. 自主性がなく、指示待ちの傾向が強い人
指示待ち傾向が強く、自主性が欠如している人は、証券営業には向いていません。証券営業では、自分で顧客を開拓し、営業計画を立て、行動することが求められます。上司から指示されるのを待つのではなく、自ら考えて行動できる自主性が必要です。受け身の姿勢では、成果を出すことは難しいでしょう。

証券会社別の働き方の違い|大手・中堅・独立系

証券会社と一口に言っても、企業の規模や特性によって働き方は大きく異なります。同じ証券営業でも、大手証券、中堅証券、独立系・ネット証券では、ノルマの厳しさや労働環境、キャリアパスに違いがあります。ここでは、証券会社別の働き方の違いを解説します。

大手証券会社(野村・大和・SMBC日興)

大手証券会社は、野村證券、大和証券、SMBC日興証券などが代表的です。これらの企業は全国に支店網を持ち、個人顧客から法人顧客まで幅広く対応しています。大手証券の特徴は、ブランド力が高く、研修制度や福利厚生が充実している点です。

大手証券の営業職は、厳しいノルマが設定されることが多く、達成へのプレッシャーは大きいです。とにかく厳しく、離職率が高い。新卒採用で5年以内に辞める人がほとんど。営業のノルマも非常に激しく数字が求められます。

特にリテール営業では、新規顧客の開拓に加えて、既存顧客からの預かり資産の拡大が求められます。一方で、大手証券では体系的な研修プログラムが用意されており、金融知識や営業スキルを基礎から学ぶことができます。

また、給与水準も高く、成果を出せば若いうちから高収入を得られる可能性があります。転勤が多い点や、体育会系の社風が残っている点は、人によって向き不向きが分かれるでしょう。

中堅証券会社

中堅証券会社は、岡三証券、いちよし証券、丸三証券などが該当します。大手証券と比べると規模は小さいですが、地域密着型の営業や特定の分野に強みを持つ企業が多いです。

中堅証券の特徴は、大手証券ほど厳しいノルマがない場合が多く、比較的働きやすい環境が整っている企業もあります。ただし、企業によって差が大きく、中には大手証券以上に厳しいノルマを課す企業もあります。

離職率が非常に高く、新卒入社の場合同期が120人ほどおりますが、3年以内に3分の1〜半分が退職する企業もあります。

中堅証券では、大手証券ほど転勤が頻繁ではなく、地域に根ざした営業ができる点がメリットです。また、企業規模が小さい分、若手でも裁量を持って働ける機会が多く、早期にキャリアアップできる可能性もあります。給与水準は大手証券よりやや低めですが、ワークライフバランスを重視する企業も増えています。

独立系・ネット証券

独立系・ネット証券は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券などが代表的です。これらの企業は、インターネットを中心とした取引を提供しており、対面営業を行わない場合が多いです。

ネット証券の営業職は、リテール営業のような飛び込み営業や電話営業ではなく、マーケティングやカスタマーサポート、商品企画などの業務が中心となります。厳しいノルマがない企業も多く、大手証券や中堅証券と比べて働きやすい環境が整っています。

ネット証券の特徴は、IT技術を活用した業務が多く、デジタルマーケティングやデータ分析などのスキルを身につけられる点です。また、リモートワークを導入している企業も多く、柔軟な働き方ができる点も魅力です。給与水準は企業によって異なりますが、大手証券ほど高くはない傾向があります。

独立系・ネット証券は、対面営業の厳しさを避けたい人や、IT・デジタル分野に興味がある人に向いています。ただし、対面営業の経験を積みたい人や、高収入を目指したい人には物足りない可能性もあります。

ホワイトな証券会社を見分ける5つのチェックポイント

証券会社への就職や転職を考える際、ホワイトな企業を見分けることは非常に重要です。同じ証券業界でも、企業によって労働環境は大きく異なります。ここでは、ホワイトな証券会社を見分けるための5つのチェックポイントを解説します。

離職率と平均勤続年数を確認する

証券会社を新卒で入社した人のうち、半分以上の社員が3年以内で離職していきます。そのため1年目から3年目までの若手に絞って離職率を算出すると、相当高い数値になるのではないでしょうか。

証券会社側からの公式な離職率は開示されていないことが多いですが、就職四季報や企業の採用ページで3年後定着率を確認することができます。

離職率が1桁の企業は定着率が高く、安心して働ける環境を意識しています。逆に、離職率が30%を超える企業は、労働環境に問題がある可能性が高いです。

また、平均勤続年数が短い企業も、長く働き続けることが難しい環境である可能性があります。離職率や平均勤続年数は、企業の働きやすさを示す重要な指標です。就職活動や転職活動の際には、必ずチェックしておきましょう。

残業時間と有給取得率をチェックする

証券マンの一日あたり平均残業時間は2時間超が一般的で、厳しいノルマ体制や土日に渡る顧客対応が常態化しています。しかし、働き方改革により、残業時間の削減に取り組む企業も増えています。企業の採用ページや就職四季報で、平均残業時間を確認しましょう。

全国平均・証券業界平均どちらを基準とした場合でも、有給休暇取得率60%以上かどうかを判断基準とできます。有休休暇取得率を会社全体で上げようとしている企業は、「〇日以上必須」と上司に口酸っぱく言われることが多いです。

そうした企業では、「休暇取得はあたりまえ」という雰囲気があるため、精神的なストレスも軽減すると考えられます。有給消化率が高い企業は、社員の満足度・ワークライフバランスにも配慮している場合が多いです。

残業時間が月20時間以内、有給取得率が60%以上の企業は、比較的働きやすい環境が整っていると言えるでしょう。

ノルマ設定の方法を確認する

証券会社のノルマの厳しさは、企業によって大きく異なります。面接や説明会で、ノルマの設定方法や達成率、未達成時の対応について質問してみましょう。具体的な数値を教えてもらえない場合でも、企業の姿勢から働きやすさを推測することができます。

ホワイトな証券会社では、過度なノルマを課さず、顧客本位の営業を推進している企業が多いです。「無理に売らない営業」「顧客の立場に立った提案」などをアピールしている企業は、比較的働きやすい可能性があります。

また、口コミサイトで「ノルマ」「目標」などのキーワードで検索し、実際に働いている社員の声を確認することも有効です。ノルマ未達成時に厳しい叱責がある企業や、達成するまで帰れない企業は避けるべきでしょう。

研修制度とサポート体制を確認する

証券営業は専門性が高い仕事であり、入社後の研修制度やサポート体制が充実しているかは重要なポイントです。体系的な研修プログラムが用意されている企業は、社員の育成に力を入れており、長く働ける環境が整っている可能性が高いです。

  • 新入社員向けの研修プログラム
  • 継続的なスキルアップ支援
  • メンター制度
  • OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)
  • 資格取得支援制度
  • 産業医の配置やカウンセリング制度

特に、新入社員向けの研修だけでなく、継続的なスキルアップ支援やメンター制度、OJTの充実度を確認しましょう。また、資格取得支援制度がある企業は、社員のキャリア形成を支援する姿勢があると言えます。

メンタルヘルスケアの体制も重要です。証券営業は精神的なプレッシャーが大きい仕事なので、サポート体制が整っている企業を選ぶことが大切です。

口コミサイトで現役・元社員の声を見る

口コミサイトで有休取得率や福利厚生・女性の活躍度もチェックできます。SNSでは現役・元社員が職場環境をリアルに発信しています。OpenWork、転職会議、就活会議などの口コミサイトを活用し、実際に働いている社員や元社員の声を確認しましょう。

  • 残業時間
  • ノルマの厳しさ
  • 職場の雰囲気
  • 福利厚生
  • 年収

口コミサイトでは、これらの情報を確認できます。複数の口コミを読むことで、企業の実態をより正確に把握することができます。ただし、口コミはあくまで個人の意見であるため、偏った情報に惑わされないよう注意が必要です。

また、OB/OG訪問を活用して、実際に働いている社員から直接話を聞くことも有効です。大学のキャリアセンターやOB/OG訪問サービスを利用して、現場のリアルな情報を収集しましょう。企業の公式情報だけでなく、多角的に情報を集めることが、ホワイトな証券会社を見分けるポイントです。

証券営業からのキャリアパス|転職先とIFA独立

証券営業の経験は、その後のキャリアにおいて大きな武器となります。証券会社で培った金融知識や営業スキルは、他の業界でも高く評価されます。ここでは、証券営業からの主なキャリアパスを3つ紹介します。

他業界への転職(金融機関・コンサル等)

まずはMA業界や外資生保など営業会社が挙げられます。こうした会社に行く層はトップセールス級の方であり、更なるキャリアアップを目指して挑む方が多いです。次にweb業界やソフトウェア業界の営業職が挙げられます。

証券会社における厳しい縦社会や早朝に起きるカルチャーにうんざりした方にとって、ソフトウェア業界などの働き方はまさにオアシスであり、そうした部分憧れて転職先として考える方が多いです。

証券営業の経験者は、銀行、保険会社、資産運用会社などの金融機関への転職も可能です。特に、富裕層向けのプライベートバンキング業務や、機関投資家向けの営業職では、証券営業の経験が活かせます。

また、M&Aアドバイザリーやコンサルティングファームなど、高度な金融知識を必要とする職種への転職も選択肢の一つです。事業会社の財務部門やIR(投資家向け広報)部門への転職も可能です。

証券営業で培った金融知識や市場分析力は、企業の財務戦略やIR活動において重要なスキルとなります。また、不動産業界やフィンテック企業など、金融知識を活かせる業界への転職も増えています。

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)への独立

さまざまな金融機関と業務提携を結んでいる場合が多いので、幅広い商品の中から提案が可能です。証券会社の営業とは違って、どの商品をいくら販売しなければいけないみたいな販売目標(ノルマ)はないケースが多いです。

お客様の立場に立って本当に良いものを提案出来ますので、それが証券会社とは違うやりがいでしょう。近年は優秀な営業担当ほど、IFAを目指す傾向が強いようです。

IFA(Independent Financial Advisor)は、特定の証券会社に所属せず、独立した立場で顧客に資産運用のアドバイスを行う仕事です。証券会社のようなノルマがなく、顧客本位の営業ができる点が最大の魅力です。IFAとして独立するには、証券外務員資格を保有し、金融商品仲介業の登録を行う必要があります。

IFAのメリットは、自分のペースで働けること、顧客との長期的な関係を築けること、収入の上限がないことなどです。一方で、独立後は自分で顧客を開拓する必要があり、安定した収入を得るまでには時間がかかります。また、コンプライアンスや事務作業も自分で行う必要があるため、独立前に十分な準備が必要です。

証券会社内での部署異動

証券営業を続けることが難しいと感じた場合、証券会社内で他の部署に異動するという選択肢もあります。リテール営業からホールセール営業への異動、営業部門からバックオフィス(事務・管理部門)への異動、リサーチ部門やマーケット部門への異動などが考えられます。

  • コンプライアンス部門
  • 人事部門
  • 経理部門
  • 商品企画部門
  • マーケティング部門

バックオフィス部門では、営業のようなノルマがなく、比較的落ち着いた環境で働けます。営業経験を活かしながらも、プレッシャーの少ない環境で働ける可能性があります。また、商品企画部門やマーケティング部門では、営業現場で得た顧客ニーズを活かした業務ができます。

部署異動を希望する場合は、上司や人事部門に相談してみましょう。企業によっては、社内公募制度やジョブローテーション制度がある場合もあります。証券会社内でキャリアチェンジすることで、証券業界の知識を活かしながら、より自分に合った働き方を見つけられる可能性があります。

まとめ

証券会社の営業は、ノルマのプレッシャー、長時間労働、新規開拓の困難さなど、きつい面があるのは事実です。しかし、高収入が期待でき、金融知識が身につき、成果が評価に直結するメリットもあります。

証券営業に向いているのは、高い目標意識とチャレンジ精神があり、コミュニケーション能力が高く、金融・経済に関心がある人です。一方で、プレッシャーに弱く、ワークライフバランスを重視する人には厳しい環境かもしれません。

証券会社への就職を考える際は、離職率や残業時間、口コミサイトなどをチェックして、ホワイトな企業を見分けることが重要です。また、証券営業の経験は、他業界への転職やIFA独立など、将来のキャリアの選択肢を広げる貴重な財産となります。

自分の適性や価値観をしっかり見極め、証券営業という仕事が本当に自分に合っているかを慎重に判断してください。なお、投資には元本割れのリスクがあります。就職や転職の最終判断はご自身の責任で行ってください。労働条件は各証券会社にご確認ください。この記事の情報は執筆時点のものですので、最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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