野村ネット&コールの評判は?|手数料とIPOのメリット

野村ネット&コールの評判は?|手数料とIPOのメリット

野村ネット&コールは、野村證券が提供するネット専用口座です。

「手数料が高いと聞くけど、実際どうなの?」「IPO投資に有利って本当?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、野村ネット&コールは手数料は確かに高めですが、IPO投資の主幹事実績や信用取引の低金利など、他社にはない強みがあります。

この記事では、野村ネット&コールの手数料体系、IPO投資での優位性、SBI証券・楽天証券との比較を詳しく解説します。

野村ネット&コールが自分に合っているか、この記事を読めば判断できるようになります。

この記事の要約
  • 野村ネット&コールは手数料が高めだが、IPO主幹事実績がトップクラス
  • 信用取引の金利0.85%は業界最低水準で、信用取引メインの人におすすめ
  • IPO投資目的なら野村證券、手数料重視ならSBI証券・楽天証券との使い分けが有効
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

野村ネット&コールとは?|特徴を3分で理解

野村ネット&コールは、野村證券が提供するインターネット専用の証券口座です。大手証券会社の信頼性を保ちながら、ネット取引の利便性を兼ね備えています。

ここでは、野村ネット&コールの基本情報と本支店口座との違いを解説します。

野村證券のネット専用口座

野村ネット&コールは、野村證券の中でもインターネット取引に特化した口座です。1925年創業の野村證券は、日本最大手の証券会社として長い歴史と実績を持っています。

野村ネット&コールでは、株式、投資信託、債券、IPOなど幅広い商品をネット上で取引できます。

野村ネット&コールの特徴

口座開設は最短5営業日で完了

口座維持費用は無料

Webアプリで24時間取引可能

口座数は約550万口座

取引ツールはWebアプリで提供され、パソコンやスマートフォンから24時間いつでもアクセスできます。野村證券の豊富な商品ラインナップを、ネット証券並みの手軽さで利用できるのが大きな特徴です。

野村證券:野村ネット&コール

本支店口座との違い

野村證券には、野村ネット&コール(ネット専用口座)と本支店口座(対面サービス)の2種類があります。最も大きな違いは、担当者によるサポートの有無です。

本支店口座では、専任の営業担当者が投資相談や商品提案を行いますが、野村ネット&コールでは基本的にすべての取引を自分で行います。

項目 野村ネット&コール 本支店口座
担当者サポート なし あり
手数料 152円~78,571円 さらに高額
IPO抽選 完全平等抽選 担当者配分あり

手数料面でも大きな差があります。野村ネット&コールの現物取引手数料は152円~78,571円ですが、本支店口座はさらに高額になります。

一方で、本支店口座では債券や仕組債など、ネット口座では取り扱っていない商品も購入できます。自分で投資判断ができる方や、手数料を抑えたい方には野村ネット&コールが、専門家のアドバイスを受けたい方には本支店口座が向いています。

どんな人に向いている?

野村ネット&コールは、次のような方に特におすすめです。

IPO投資に力を入れたい方
  • 主幹事実績が業界トップクラス
  • 前受金不要で資金効率が良い
信用取引をメインで行う方
  • 信用取引の金利が0.85%と業界最低水準
大手証券会社の安心感を重視する方
  • 100年近い歴史と投資者保護基金加入

一方、手数料を最優先で考える方や、つみたてNISAで多くの銘柄から選びたい方には、SBI証券や楽天証券のほうが適しているかもしれません。

自分の投資スタイルや優先順位に合わせて、証券会社を選ぶことが大切です。

野村ネット&コールの手数料|他社と比べて高い?

野村ネット&コールの手数料は、ネット証券の中では高めの水準です。しかし、手数料だけで証券会社を選ぶのは早計です。

ここでは、現物取引と信用取引の手数料体系、他社との比較、そして手数料が高くても選ばれる理由を詳しく解説します。

現物取引の手数料

野村ネット&コールの現物取引手数料は、約定代金に応じて変動します。

20万円以下の取引で152円、50万円以下で524円、100万円以下で1,048円、300万円以下で3,143円、500万円以下で5,238円、1,000万円以下で10,476円、3,000万円以下で31,429円、5,000万円以下で52,381円、5,000万円超で78,571円となっています。

50万円分の株式を購入する場合、手数料は524円です。SBI証券や楽天証券では現物取引手数料が原則無料となっているため、コスト面では大きな差があります。

例えば、50万円分の株式を購入する場合、手数料は524円です。これは1回の取引ごとに発生するため、頻繁に売買を繰り返す方にとっては負担が大きくなります。

ただし、野村ネット&コールでは取扱商品の豊富さや、IPO投資での優位性など、手数料以外の付加価値があります。手数料だけでなく、総合的なサービス内容を比較することが重要です。

野村證券:野村ネット&コール 手数料

信用取引の手数料

野村ネット&コールの信用取引手数料は、1注文あたり524円(税込)です。約定代金に関わらず定額となっているため、大口取引をする方にとっては割安に感じられるかもしれません。

一方、少額取引では割高になる可能性があります。

野村ネット&コールの信用取引金利は0.85%と、業界最低水準となっています。信用取引をメインで行う方にとっては大きなメリットです。

信用取引で特に注目すべきは、金利の低さです。野村ネット&コールの信用取引金利は0.85%と、業界最低水準となっています。

これは後ほど詳しく解説しますが、信用取引をメインで行う方にとっては大きなメリットです。手数料だけでなく、金利も含めたトータルコストで比較することが重要です。

野村證券:信用取引 金利・貸株料

SBI証券・楽天証券との比較

野村ネット&コール、SBI証券、楽天証券の手数料を比較すると、違いが明確になります。以下の表をご覧ください。

証券会社 現物取引(50万円) 信用取引手数料 信用取引金利
野村ネット&コール 524円 524円 0.85%
SBI証券 原則無料 原則無料 2.80%
楽天証券 原則無料 0円~1,385円 2.80%

この表から分かるように、現物取引の手数料ではSBI証券・楽天証券が圧倒的に有利です。一方、信用取引の金利では野村ネット&コールが最も低く設定されています。

信用取引を頻繁に利用する方にとっては、金利の低さが手数料の高さを補って余りあるメリットとなります。

100万円を1ヶ月間信用買いした場合、野村ネット&コールでは金利が約708円、SBI証券では約2,333円となり、その差は約1,625円です。

SBI証券:手数料

手数料が高くても選ぶ理由

野村ネット&コールの手数料は高めですが、それでも多くの投資家に選ばれています。その理由は、手数料以外の付加価値にあります。

IPO投資における主幹事実績の多さ
  • 当選すれば手数料以上のリターンが期待できる
大手証券会社としての信頼性
  • 100年近い歴史と安定した財務基盤
  • 投資者保護基金加入で1,000万円まで補償
取扱商品の豊富さ
  • 債券や仕組債など、ネット証券では少ない商品も購入可能

また、将来的に本支店口座へ切り替えて、担当者のサポートを受けることも可能です。手数料だけでなく、総合的なサービス内容を考えると、野村ネット&コールは十分に選択肢となる証券会社です。

IPO投資での3つの強み|野村證券を選ぶ理由

野村ネット&コールの最大の魅力は、IPO投資における優位性です。

IPO(新規公開株)は、企業が初めて株式市場に上場する際に発行する株式のことで、公募価格から初値が上昇することが多いため、人気の投資手法です。ここでは、野村證券がIPO投資で選ばれる3つの理由を解説します。

主幹事実績が業界トップクラス

野村證券は、IPOの主幹事実績が業界トップクラスです。2024年には46銘柄のIPOを取り扱い、そのうち16社で主幹事を務めました。

主幹事とは、IPOの引受業務を主導する証券会社のことで、主幹事証券には最も多くのIPO株が配分されます。そのため、主幹事実績が多い証券会社ほど、IPO当選のチャンスが高まります。

野村證券は大型IPOの主幹事を務めることも多く、注目度の高い銘柄に参加できるチャンスがあります。

野村證券の主幹事実績は、SMBC日興証券やみずほ証券と並んで業界トップクラスです。SBI証券はIPO取扱銘柄数が最も多いものの、主幹事数では野村證券に及びません。

IPO投資で当選確率を高めたい方にとって、野村證券は外せない選択肢です。

日本証券業協会:IPO統計

前受金不要で資金効率が良い

野村ネット&コールの大きなメリットは、IPO申込時に前受金が不要という点です。

多くの証券会社では、IPOに申し込む際に購入代金を事前に入金しておく必要があります。しかし、野村ネット&コールでは当選後に入金すればよいため、資金を効率的に活用できます。

複数のIPOに同時に申し込む場合、前受金が必要な証券会社では申込数分の資金を用意しなければなりませんが、野村ネット&コールでは当選した分だけ入金すればよいため、少ない資金で多くのIPOに挑戦できます。

また、前受金不要のため、他の投資に資金を回しながらIPO抽選に参加できます。資金効率を最大化したい方にとって、野村ネット&コールは非常に魅力的な選択肢です。

野村證券:IPO申込ルール

完全平等抽選で当選チャンスあり

野村ネット&コールのIPO抽選は、完全平等抽選方式を採用しています。

これは、申込者全員に平等に当選のチャンスがある仕組みです。口座残高や取引実績に関係なく、初心者でもベテラン投資家と同じ確率で抽選に参加できます。

完全平等抽選であっても、申込者数が多ければ当選確率は低くなります。IPO投資で当選確率を高めるには、野村ネット&コール以外にも、SBI証券やSMBC日興証券など複数の証券会社で口座を開設し、同時に申し込むことが有効です。

一部の証券会社では、取引実績や口座残高に応じて当選確率が優遇される仕組みを採用していますが、野村ネット&コールではそのような優遇はありません。

そのため、野村證券で取引経験が少ない方でも、IPO当選のチャンスがあります。

野村證券:IPO抽選方法

信用取引の金利0.85%|活用方法を解説

野村ネット&コールのもう一つの強みは、信用取引の金利が0.85%と業界最低水準である点です。

信用取引を活用することで、少ない資金で大きな取引ができますが、金利コストが利益を圧迫することもあります。ここでは、野村ネット&コールの信用取引金利の優位性と活用方法を解説します。

業界最低水準の金利

野村ネット&コールの信用取引金利は0.85%です。これは、主要ネット証券の中でも最低水準の金利です。

SBI証券や楽天証券の信用取引金利は2.80%ですから、野村ネット&コールの金利は約3分の1です。この金利差は、信用取引を頻繁に利用する方にとって大きなコスト削減につながります。

100万円を1年間信用買いした場合、野村ネット&コールでは金利が8,500円、SBI証券では28,000円となり、その差は19,500円です。

また、信用取引の貸株料も重要なコストです。野村ネット&コールの貸株料は1.15%で、こちらも業界最低水準です。

信用売り(空売り)を行う方にとっても、コスト面で有利な証券会社と言えます。

野村證券:信用取引 金利・貸株料

信用取引メインの人におすすめ

野村ネット&コールは、信用取引をメインで行う方に特におすすめです。信用取引では、手数料だけでなく金利が大きなコストとなります。

野村ネット&コールの金利0.85%は、長期間ポジションを保有する方にとって大きなメリットです。

デイトレード・スイングトレード
手数料無料のSBI証券や楽天証券が有利
数週間~数ヶ月単位の保有
金利の低い野村ネット&コールが有利

また、信用取引の建玉を複数持つ方にとっても、金利の低さは大きなメリットです。複数の銘柄を同時に信用買いする場合、金利コストが積み重なりますが、野村ネット&コールなら金利負担を最小限に抑えられます。

信用取引を本格的に活用したい方は、野村ネット&コールを検討する価値があります。

気をつけたいリスクと注意点

信用取引は、少ない資金で大きな取引ができる反面、リスクも大きい投資手法です。

信用取引では、株価が予想と反対に動いた場合、損失が拡大しやすくなります。特に、レバレッジをかけた取引では、損失が元本を超える可能性もあります。

信用取引では、株価が予想と反対に動いた場合、損失が拡大しやすくなります。特に、レバレッジをかけた取引では、損失が元本を超える可能性もあります。

信用取引を行う際は、リスクを十分に理解した上で、慎重に判断することが重要です。

信用取引では追証(追加保証金)が発生することがあります。株価が大きく下落し、保証金維持率が一定水準を下回ると、追加で保証金を入金しなければなりません。追証が発生した場合、期限までに入金できないと、保有している株式が強制的に売却されることもあります。

信用取引を行う際は、余裕を持った資金管理が不可欠です。保証金維持率に余裕を持たせ、相場の急変にも対応できるようにしておくことが大切です。

また、損切りルールを事前に決めておき、損失が拡大する前に決済することも重要です。信用取引は上級者向けの投資手法ですので、初心者の方は現物取引から始めることをおすすめします。

金融庁:信用取引のリスク

つみたてNISAは厳選7本|銘柄が少ないのは問題?

野村ネット&コールのつみたてNISA(つみたて投資枠)は、取扱銘柄が約7本と非常に少ないのが特徴です。

SBI証券や楽天証券が200本以上の銘柄を取り扱っているのと比べると、選択肢が限られています。しかし、銘柄が少ないことは必ずしもデメリットではありません。

ここでは、野村ネット&コールのつみたてNISAの特徴を解説します。

厳選7本のラインナップ

野村ネット&コールのつみたてNISAで取り扱っている銘柄は、約7本に厳選されています。主な銘柄は以下の通りです。

  • 野村スリーゼロ先進国株式投信
  • 野村6資産均等バランス
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
  • ニッセイ外国株式インデックスファンド
  • ひふみプラス

これらの銘柄は、いずれも低コストで運用実績が良好なファンドです。特に、eMAXIS Slimシリーズは信託報酬が業界最低水準で、長期投資に適しています。

また、野村スリーゼロ先進国株式投信は、一定期間信託報酬が実質ゼロになる独自のファンドです。

銘柄数は少ないものの、株式型、バランス型、アクティブ型とバリエーションがあり、投資初心者が選びやすいラインナップになっています。

野村證券:つみたてNISA 取扱銘柄

初心者には選びやすい

つみたてNISAの銘柄数が少ないことは、投資初心者にとってはメリットになります。

SBI証券や楽天証券では200本以上の銘柄から選べますが、逆に選択肢が多すぎて迷ってしまう方も少なくありません。野村ネット&コールでは、厳選された7本の中から選ぶだけなので、迷わず投資を始められます。

野村證券が厳選した銘柄ですから、どれを選んでも大きく失敗することは少ないでしょう。特に、eMAXIS Slim 全世界株式やeMAXIS Slim 米国株式は、長期投資の定番ファンドとして多くの投資家に選ばれています。

一方で、投資経験が豊富な方や、特定のテーマやセクターに投資したい方にとっては、銘柄数の少なさが物足りなく感じられるかもしれません。

その場合は、SBI証券や楽天証券でつみたてNISAを利用し、野村ネット&コールはIPO投資専用口座として使い分けるのも一つの方法です。

野村スリーゼロ先進国株式投信の特徴

野村ネット&コールのつみたてNISAで注目すべき銘柄が、野村スリーゼロ先進国株式投信です。

この投資信託は、信託報酬が実質ゼロになる期間限定のキャンペーンを実施しています。通常、投資信託には信託報酬(運用管理費用)がかかりますが、野村スリーゼロ先進国株式投信では一定期間この手数料が無料になります。

投資対象は、日本を除く先進国の株式です。MSCIコクサイ・インデックスに連動するため、米国を中心とした先進国株式に分散投資できます。

信託報酬ゼロのキャンペーンには期限があるため、キャンペーン終了後の信託報酬を確認しておくことが重要です。

また、野村スリーゼロ先進国株式投信は野村證券独自のファンドですので、他の証券会社では購入できません。野村ネット&コールでつみたてNISAを始める方は、この独自ファンドを活用するのも一つの選択肢です。

野村證券:野村スリーゼロ先進国株式投信

野村ネット&コールのメリット5つ

野村ネット&コールには、手数料の高さを補って余りあるメリットがあります。ここでは、野村ネット&コールを選ぶ5つのメリットを詳しく解説します。

大手証券会社の安心感

野村證券は、1925年創業の日本最大手の証券会社です。100年近い歴史と実績があり、財務基盤も安定しています。

東証プライム市場に上場している野村ホールディングスの傘下であり、企業としての信頼性は非常に高いと言えます。

野村證券は投資者保護基金に加入しており、万が一証券会社が破綻した場合でも、1,000万円までの資産が補償されます。

また、野村證券は国内外に広いネットワークを持ち、情報収集力にも優れています。市場動向や企業分析など、質の高い情報を提供しているため、投資判断の参考にできます。

野村ホールディングス:会社情報

IPO投資に有利

前述の通り、野村ネット&コールはIPO投資において大きな優位性があります。

主幹事実績が業界トップクラスで、IPO当選のチャンスが多いことに加え、前受金不要で資金効率が良いのも大きなメリットです。IPO投資を本格的に行いたい方にとって、野村ネット&コールの口座は必須と言えます。

信用取引の金利が安い

野村ネット&コールの信用取引金利0.85%は、業界最低水準です。

信用取引をメインで行う方にとって、この金利の低さは大きなメリットです。長期間ポジションを保有する場合や、複数の銘柄を同時に信用買いする場合、金利コストを大幅に抑えられます。

取扱商品が豊富

野村ネット&コールでは、株式、投資信託、債券、IPO、外国株式など、幅広い商品を取り扱っています。

特に、債券や仕組債など、ネット証券では取り扱いが少ない商品も購入できるのが大きな特徴です。

外国株式は、米国、中国、香港、シンガポールの4カ国に対応しており、約850銘柄の米国株を取引できます。

野村證券:取扱商品

野村信託銀行との連携

野村ネット&コールは、野村信託銀行と連携しており、資金管理が便利です。

野村信託銀行の口座を開設すると、野村ネット&コールとの間で資金を手数料無料で移動できます。また、野村信託銀行は他行宛振込手数料が月3回まで無料になるサービスもあり、資金移動のコストを抑えられます。

野村信託銀行:サービス内容

野村ネット&コールのデメリット3つ

野村ネット&コールにはメリットが多い一方で、デメリットもあります。ここでは、野村ネット&コールの主なデメリットを正直に解説します。

手数料が高め

野村ネット&コールの最大のデメリットは、手数料の高さです。

現物取引手数料は、50万円の取引で524円、100万円で1,048円と、SBI証券や楽天証券の原則無料と比べると大きな差があります。頻繁に売買を繰り返す方にとっては、手数料負担が大きくなります。

特に、少額取引を繰り返すデイトレーダーや、短期売買を行う方にとっては、手数料の高さがネックになります。手数料を最優先で考える方には、SBI証券や楽天証券のほうが適しているでしょう。

ただし、IPO投資や信用取引をメインで行う方にとっては、手数料の高さを補うメリットがあります。自分の投資スタイルに合わせて、証券会社を選ぶことが重要です。

つみたてNISA銘柄が少ない

野村ネット&コールのつみたてNISA銘柄は約7本と、他社と比べて非常に少ないのがデメリットです。

SBI証券や楽天証券では200本以上の銘柄から選べるため、選択肢の広さでは大きく劣ります。

特定のテーマやセクターに投資したい方や、複数のファンドを組み合わせてポートフォリオを構築したい方にとっては、銘柄数の少なさが物足りなく感じられるでしょう。

一方で、投資初心者にとっては、厳選された銘柄から選べることがメリットになる場合もあります。自分の投資経験や目的に合わせて、証券会社を選ぶことが大切です。

ポイント還元がない

野村ネット&コールには、ポイント還元プログラムがありません。

SBI証券ではVポイントやPontaポイント、楽天証券では楽天ポイントが貯まりますが、野村ネット&コールではそのようなポイント還元がありません。

ポイント還元を重視する方にとっては、この点がデメリットになります。特に、楽天経済圏を活用している方や、ポイント投資を行いたい方にとっては、楽天証券のほうが魅力的でしょう。

ただし、野村ネット&コールはIPO投資や信用取引での優位性があるため、ポイント還元がなくても十分に価値がある証券会社です。ポイント還元だけでなく、総合的なサービス内容を比較することが重要です。

口座開設の手順|5ステップで完了

野村ネット&コールの口座開設は、オンラインで簡単に手続きできます。ここでは、口座開設の具体的な手順を5つのステップで解説します。

必要書類を準備する

口座開設に必要な書類は、本人確認書類とマイナンバー確認書類の2種類です。

本人確認書類は、運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、健康保険証などが利用できます。マイナンバー確認書類は、マイナンバーカード、通知カード、マイナンバー記載の住民票などです。

マイナンバーカードがあれば、本人確認書類とマイナンバー確認書類の両方を兼ねることができるため、手続きがスムーズです。

公式サイトから申し込む

野村證券の公式サイトにアクセスし、「野村ネット&コール 口座開設」ページから申し込みを開始します。

メールアドレスを登録すると、確認メールが届きますので、メール内のリンクから本申込画面に進みます。

申込画面では、氏名、住所、生年月日、職業、投資経験などの情報を入力します。入力内容に誤りがないか、よく確認してから送信しましょう。

野村證券:口座開設

本人確認書類を提出する

申込完了後、本人確認書類とマイナンバー確認書類を提出します。

提出方法は、スマートフォンで撮影してアップロードする方法と、郵送する方法の2種類があります。スマートフォンでアップロードする方が、口座開設までの時間が短縮されるためおすすめです。

書類の画像は、文字がはっきり読めるように撮影しましょう。ぼやけていたり、一部が切れていたりすると、再提出が必要になる場合があります。

審査完了を待つ

書類提出後、野村證券による審査が行われます。審査には通常3~5営業日程度かかります。

審査が完了すると、口座開設完了の通知がメールで届きます。

審査中に不備があった場合は、野村證券から連絡が来ますので、指示に従って対応しましょう。審査が完了すると、口座番号やログインIDが記載された書類が郵送されます。

初期設定をして取引開始

口座開設完了後、野村ネット&コールの公式サイトにログインし、初期設定を行います。

取引パスワードの設定、出金先銀行口座の登録、NISA口座の開設申込(希望する場合)などを行います。

初期設定が完了したら、入金して取引を開始できます。入金方法は、銀行振込、野村信託銀行からの即時入金などがあります。

野村證券:口座開設の流れ

IPO投資におすすめの証券会社3社

IPO投資で当選確率を高めるには、複数の証券会社で口座を開設し、同時に申し込むことが有効です。

ここでは、IPO投資におすすめの証券会社3社を比較し、それぞれの特徴を解説します。

野村證券|主幹事実績トップクラス

野村証券のLP画像
項目 内容
口座数約550万口座
取引手数料現物取引:152円~78,571円
信用取引:1注文あたり524円
投資信託約900本
ミニ株(単元未満株)対応(まめ株)
※詳細不明
NISA対応対応(つみたて投資枠・成長投資枠)
外国株4カ国
米国株:約850銘柄
IPO取扱実績年間46銘柄(2024年実績)
IPO主幹事件数年間16社(2024年実績)
ポイントサービス野村ポイント
口座開設スピード最短5営業日
取引ツール(PC)Webアプリ
スマホアプリWebアプリ

野村證券は、IPO投資において最も重要な証券会社の一つです。2024年には46銘柄のIPOを取り扱い、そのうち16社で主幹事を務めました。

主幹事実績が多いということは、配分されるIPO株も多いため、当選確率が高まります。

野村證券は大型IPOの主幹事を務めることも多く、注目度の高い銘柄に参加できるチャンスがあります。IPO投資で利益を狙いたい方にとって、野村證券は外せない選択肢です。

日本証券業協会:IPO統計

SBI証券|IPO取扱数No.1

SBI証券の画像
項目 内容
口座数 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む)
取引手数料 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。
NISA対応
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点
成長投資枠対象商品 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点)
投資信託 約2,550本 ※2025年3月3日時点
外国株 8カ国/米国株式(5,000銘柄)
取引ツール(PC) HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー
スマホアプリ SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD
提携銀行口座 SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行
ポイント投資・付与 Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立)
口座開設スピード 最短 翌営業日

SBI証券は、IPO取扱銘柄数が業界No.1です。2024年には78銘柄のIPOを取り扱い、主幹事も12社務めました。

取扱銘柄数が多いということは、それだけIPO抽選に参加できるチャンスが多いということです。

SBI証券のIPO抽選は、70%が完全平等抽選、30%がIPOチャレンジポイント枠となっています。IPOチャレンジポイントは、IPO抽選に外れるたびに貯まるポイントで、ポイントを使うことで当選確率を高められます。

また、SBI証券は現物取引手数料が原則無料で、つみたてNISAの銘柄数も豊富です。IPO投資以外の取引でも使い勝手が良いため、メイン口座として活用できます。

SBI証券:IPO情報

SMBC日興証券|主幹事数が多い

SMBC日興証券のLP画像
項目 内容
口座数約400万口座
取引手数料ダイレクトコース:137円~27,500円
総合コース:1,925円〜192,500円
投資信託約1,000本
ミニ株(単元未満株)非対応
NISA対応対応(つみたて投資枠・成長投資枠)
外国株2カ国以上
米国株:約2,200銘柄
IPO取扱実績年間52銘柄(2024年実績)
IPO主幹事件数年間22社(2024年実績)
ポイントサービスVポイント / dポイント
口座開設スピード最短即日
取引ツール(PC)パワートレーダー / BRiSK
スマホアプリSMBC日興証券アプリ

SMBC日興証券は、主幹事数が業界トップクラスです。2024年には52銘柄のIPOを取り扱い、そのうち22社で主幹事を務めました。

主幹事数では野村證券を上回り、業界トップです。

SMBC日興証券のIPO抽選は、10%が完全平等抽選、残りは取引実績に応じたステージ制となっています。取引実績が豊富な方ほど当選確率が高まる仕組みですが、完全平等抽選枠もあるため、初心者にもチャンスがあります。

また、SMBC日興証券はダイレクトコースを選択すると、手数料が比較的安くなります。IPO投資と並行して、現物取引も行いたい方にとって、使い勝手の良い証券会社です。

SMBC日興証券:IPO情報

よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)
野村ネット&コールから本支店口座に切り替えられる?

はい、野村ネット&コールから本支店口座への切り替えは可能です。資産が増えて、担当者のアドバイスを受けたくなった場合や、債券や仕組債など本支店口座限定の商品を購入したい場合に切り替えを検討できます。切り替え手続きは、野村證券の支店窓口または電話で行えます。

口座維持費用はかかる?

野村ネット&コールの口座維持費用は無料です。口座を開設しても、取引をしなければ費用は一切かかりません。そのため、IPO投資専用のサブ口座として開設しておくのもおすすめです。

単元未満株(まめ株)の手数料は?

野村ネット&コールでは、単元未満株(まめ株)の取引も可能です。まめ株の手数料は、約定代金の1.1%(税込、最低手数料550円)です。少額から株式投資を始めたい方にとって、まめ株は便利なサービスですが、手数料は割高になります。

野村證券:まめ株

IPO申込に前受金は必要?

野村ネット&コールでは、IPO申込時に前受金は不要です。当選後に購入代金を入金すればよいため、資金効率が良好です。複数のIPOに同時に申し込む場合でも、当選した分だけ入金すればよいため、少ない資金で多くのIPOに挑戦できます。

野村信託銀行との連携メリットは?

野村信託銀行の口座を開設すると、野村ネット&コールとの間で資金を手数料無料で移動できます。また、野村信託銀行は他行宛振込手数料が月3回まで無料になるサービスもあり、資金移動のコストを抑えられます。証券口座と銀行口座を一体的に管理したい方にとって、この連携は便利です。

他社から株式を移管できる?

はい、他の証券会社から野村ネット&コールへ株式を移管することは可能です。移管手続きは、野村ネット&コールの公式サイトから申し込めます。ただし、移管元の証券会社によっては手数料がかかる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

特定口座(源泉徴収あり)は選べる?

はい、野村ネット&コールでは特定口座(源泉徴収あり)を選択できます。特定口座(源泉徴収あり)を選択すると、証券会社が自動的に税金を計算・納付してくれるため、確定申告が不要になります。投資初心者の方には、特定口座(源泉徴収あり)がおすすめです。

国税庁:特定口座制度

サポート体制はどう?

野村ネット&コールでは、電話やメールでのサポートを提供しています。コールセンターの営業時間は平日8:40~17:00で、土日祝日は休業です。取引に関する疑問や、操作方法が分からない場合は、コールセンターに問い合わせることができます。大手証券会社ならではの、丁寧なサポート体制が整っています。

まとめ

野村ネット&コールは、手数料が高めではあるものの、IPO投資の主幹事実績や信用取引の低金利など、他社にはない強みがあります。

特に、IPO投資を本格的に行いたい方や、信用取引をメインで利用する方にとっては、非常に魅力的な証券会社です。

一方で、手数料を最優先で考える方や、つみたてNISAで多くの銘柄から選びたい方には、SBI証券や楽天証券のほうが適しているかもしれません。野村ネット&コールをIPO投資専用のサブ口座として活用し、メイン口座はSBI証券や楽天証券にするという使い分けも有効です。

証券会社選びで最も重要なのは、自分の投資スタイルや目的に合った会社を選ぶことです。野村ネット&コールの特徴を理解した上で、自分に合っているかどうかを判断してください。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは野村證券の公式サイトでご確認ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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