SBI・SCHDの買い方|楽天との比較と配当金の受け取り方

SBI・SCHDの買い方|楽天との比較と配当金の受け取り方

「SBI・SCHDを買いたいけど、SBI証券で検索しても出てこない…」と困っていませんか。

SBI・SCHDは、米国の高配当株に投資できる投資信託として注目を集めています。

しかし、検索方法にコツがあり、正式名称で探さないと見つからないという問題があります。

この記事では、SBI証券での具体的な買い方から、楽天SCHDとの比較、配当金の受け取り方まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

読み終える頃には、自分に合った高配当投資の方法が明確になり、安心して投資を始められるでしょう。

この記事の要約
  • SBI・SCHDはSBI証券で検索する際、正式名称を使わないと見つからない
  • 楽天SCHDとの主な違いは信託報酬と投信保有ポイント還元率
  • 年4回の分配金を受け取るか再投資するか、購入時に選択できる
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

SBI・SCHDとは|米国高配当株に投資できる投資信託

SBI・SCHDは、米国の高配当株に投資できる投資信託です。

正式には「SBI・シュワブ U.S. 配当株式 インデックス・ファンド(年4回決算型)」という名称で、SBIアセットマネジメントが運用しています。

SBI・SCHDの正式名称と愛称

正式名称は「SBI・シュワブ U.S. 配当株式 インデックス・ファンド(年4回決算型)」ですが、一般的には「SBI・SCHD」という愛称で呼ばれています。

SBI証券の検索画面では、この愛称では出てこないことがあるため、正式名称の一部である「SBI シュワブ」や「配当株式」で検索する必要があります。ファンドコードは「9444」です。

本家SCHD(米国ETF)の特徴

SBI・SCHDが投資対象とする本家SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)は、米国の高配当株約100銘柄に分散投資する人気のETFです。

配当利回りは年3~4%程度で、配当貴族銘柄(連続増配企業)を中心に組み入れているため、増配期待も高いのが特徴です。

運用資産は600億ドルを超える大型ETFで、経費率は0.06%と非常に低コストです。組入上位銘柄には、コカ・コーラやメルク、ペプシコなどの優良企業が並びます。

投資信託で買うメリット

本家SCHDを直接買うのではなく、投資信託を通じて買うメリットは主に3つあります。

  • 100円から少額投資ができる点です。本家SCHDは1株単位での購入が必要ですが、投資信託なら100円から積立可能です。
  • 自動積立設定ができるため、毎月決まった金額を自動で投資できます。
  • 新NISAの成長投資枠で非課税投資ができる点です。円貨決済のため為替手数料を気にせず投資でき、分配金の再投資も自動で行えます。

基本スペック|信託報酬・純資産・分配金

項目 内容
正式名称 SBI・シュワブ U.S. 配当株式 インデックス・ファンド(年4回決算型)
愛称 SBI・SCHD
ファンドコード 9444
信託報酬 年0.1238%(税込)
純資産総額 約596億円(設定時)
決算頻度 年4回(3月、6月、9月、12月)
最低投資額 100円
新NISA対応 成長投資枠のみ

SBI・SCHDは、信託報酬が年0.1238%と低コストで、本家SCHDの経費率0.06%に運用コストを上乗せした水準です。

SBIアセットマネジメント:SBI・シュワブ U.S. 配当株式 インデックス・ファンド

SBI証券でのSBI・SCHDの買い方|5つのステップ

SBI証券でSBI・SCHDを購入する手順を、実際の画面に沿って解説します。

検索で見つからないという問題も含めて、確実に購入できる方法をご紹介します。

ステップ1:SBI証券にログインする

まず、SBI証券の公式サイトにアクセスし、ユーザーネームとパスワードを入力してログインします。

まだ口座を持っていない方は、事前に口座開設が必要です。SBI証券の口座開設は最短翌営業日で完了し、オンラインで手続きが完結します。ログイン後、トップ画面から「投信」メニューを選択します。

ステップ2:投資信託を検索する(注意点あり)

投資信託の検索画面で、「SBI・SCHD」と入力しても出てこないことがあります。これは愛称での検索に対応していないためです。

確実に見つける方法は3つあります。

1.正式名称の一部である「SBI シュワブ」で検索する方法
2.「配当株式」というキーワードで検索する方法
3.ファンドコード「9444」を直接入力する方法(最も確実)

検索結果に表示されたら、「SBI・シュワブ U.S. 配当株式 インデックス・ファンド(年4回決算型)」をクリックして詳細画面に進みます。

ステップ3:買付金額・口数を指定する

ファンド詳細画面で「買付」ボタンをクリックすると、注文画面が表示されます。

買付方法は「金額指定」と「口数指定」の2種類から選べます。初心者の方には「金額指定」がおすすめです。最低100円から1円単位で指定でき、積立設定も金額指定が分かりやすいためです。

ステップ4:分配金コースを選ぶ

SBI・SCHDでは、分配金の受け取り方を「受取型」と「再投資型」から選択できます。

受取型
分配金が証券口座に現金で入金されるコースです。配当金収入を実感したい方や、生活費の一部に充てたい方に向いています。
再投資型
分配金が自動的に同じファンドの買付に使われるコースです。複利効果で資産を効率的に増やしたい方におすすめです。

注意点として、SBI証券では一度選択した分配金コースは変更できません。購入前によく検討しましょう。

ステップ5:注文内容を確認して購入

注文内容の確認画面で、以下の項目をチェックしましょう。

  • ファンド名が「SBI・シュワブ U.S. 配当株式 インデックス・ファンド(年4回決算型)」であること
  • 買付金額または口数が正しいこと
  • 分配金コース(受取型/再投資型)が希望通りであること
  • 買付区分(NISA口座/特定口座)が正しいこと
  • 決済方法(預り金/クレジットカード)が選択されていること

すべて確認したら、取引パスワードを入力して「注文」ボタンをクリックします。

注文が完了すると、注文受付画面が表示され、登録メールアドレスに確認メールが届きます。約定は通常、注文日の翌営業日以降に行われます。

SBI・SCHDと楽天SCHDを比較|どちらを選ぶべき?

SBI・SCHDと楽天SCHDは、どちらも本家SCHDに投資する投資信託ですが、信託報酬やポイント還元に違いがあります。

どちらを選ぶべきか、詳しく比較していきます。

基本スペックの比較表

項目 SBI・SCHD 楽天SCHD
正式名称 SBI・シュワブ U.S. 配当株式 インデックス・ファンド 楽天・シュワブ U.S. 配当株式 インデックス・ファンド
信託報酬 年0.1238%(税込) 年0.192%(税込)
決算頻度 年4回 年4回
最低投資額 100円 100円
新NISA対応 成長投資枠のみ 成長投資枠のみ
分配金コース変更 不可 可能
主な販売会社 SBI証券、楽天証券など 楽天証券、SBI証券など

両ファンドとも本家SCHDに投資する点は同じですが、信託報酬に約0.07%の差があります。

また、楽天SCHDは分配金コースを後から変更できる点が異なります。

信託報酬の違い|0.05%の差は大きい?

SBI・SCHDの信託報酬は年0.1238%、楽天SCHDは年0.192%で、その差は約0.07%です。

一見小さな差に見えますが、長期投資では大きな影響があります。例えば、100万円を20年間運用した場合、年率5%のリターンを想定すると、信託報酬0.07%の差は約3万円の差になります。1,000万円の運用なら約30万円の差です。

長期投資を前提とするなら、信託報酬が低いSBI・SCHDの方が有利です。ただし、後述する投信保有ポイントも考慮する必要があります。

投信保有ポイントの比較|20年で○万円の差

SBI証券では、投資信託の保有残高に応じて投信マイレージサービスとしてポイントが貯まります。

SBI・SCHDの場合、年率0.022%相当のポイントが付与されます(通常銘柄、月間平均保有金額1,000万円未満の場合)。

一方、楽天証券では、一定の残高到達時にポイントが付与される仕組みです。例えば、SBI証券で100万円を20年間保有した場合、約4,400円相当のポイントが貯まります。1,000万円なら約44,000円相当です。

分配金コース変更の可否

SBI証券でSBI・SCHDを購入する場合、一度選択した分配金コース(受取型/再投資型)は変更できません。

これは、SBI証券の仕様によるものです。一方、楽天証券で楽天SCHDを購入する場合は、分配金コースを後から変更できます。

ライフステージの変化に柔軟に対応したい方は、楽天SCHDの方が使い勝手が良いでしょう。

結論:どちらがおすすめ?

どちらを選ぶべきかは、利用する証券会社と投資スタイルによります。

  • SBI証券をメインで使っている方:SBI・SCHDがおすすめ(信託報酬が低く、投信マイレージでポイントが貯まる)
  • 楽天証券をメインで使っている方:楽天SCHDがおすすめ(楽天ポイントとの連携が便利)
  • 分配金コースを将来変更したい方:楽天SCHDがおすすめ
  • 長期保有でコストを最小化したい方:SBI・SCHDがおすすめ

信託報酬の差は長期では無視できない金額になるため、基本的にはSBI・SCHDの方がコスト面で有利です。

ただし、楽天経済圏を活用している方は、楽天SCHDの方がトータルでメリットがある場合もあります。

SBI・SCHDのメリット5つ|高配当投資の魅力

SBI・SCHDに投資する具体的なメリットを、5つの観点から解説します。

なぜ多くの投資家が注目しているのか、その理由が分かります。

高い配当利回り|年3-4%の分配金

SBI・SCHDが投資する本家SCHDの配当利回りは、年3~4%程度です。

これは、日本の銀行預金金利(0.001~0.3%程度)と比べて圧倒的に高い水準です。例えば、100万円を投資した場合、年間3~4万円の分配金が期待できます。1,000万円なら年間30~40万円です。

ただし、分配金は運用状況により変動し、保証されるものではありません。また、分配金が支払われると基準価額が下がるため、トータルリターンで考える必要があります。

増配期待|配当貴族銘柄中心の組入れ

本家SCHDは、配当貴族銘柄(10年以上連続で増配している企業)を中心に組み入れています。

組入上位には、コカ・コーラ(60年以上連続増配)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(60年以上連続増配)、ペプシコ(50年以上連続増配)などの優良企業が並びます。

これらの企業は、景気が悪化しても配当を維持・増配する傾向があるため、長期保有で配当金が増えていく期待があります。過去10年間で、SCHDの配当金は約2倍に成長しています。

信託報酬が低い|0.1238%

SBI・SCHDの信託報酬は年0.1238%(税込)と、高配当株ファンドの中では低水準です。

一般的なアクティブファンドの信託報酬は1~2%程度ですから、大幅に低コストです。信託報酬は保有期間中ずっとかかるコストなので、長期投資では大きな差になります。

新NISA対応|成長投資枠で非課税

SBI・SCHDは、新NISAの成長投資枠で購入できます。

成長投資枠の年間投資上限は240万円、非課税保有限度額は1,200万円(総枠1,800万円のうち)です。通常、投資信託の分配金や売却益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座なら非課税です。

例えば、年間10万円の分配金を受け取る場合、通常は約2万円が税金で引かれますが、NISA口座なら10万円全額を受け取れます。長期投資で大きな節税効果が期待できます。

金融庁:新しいNISA

少額から積立可能|100円から始められる

SBI・SCHDは100円から購入でき、積立設定も100円から可能です。

本家SCHDを直接買う場合、1株あたり約80ドル(約12,000円、1ドル=150円換算)が必要ですが、投資信託なら少額から始められます。例えば、毎月1,000円ずつ積み立てることも可能です。

SBI・SCHDで気をつけたい3つのこと|デメリットとリスク

SBI・SCHDにはメリットだけでなく、注意すべきリスクもあります。

投資判断の前に、必ず確認しておきましょう。

為替リスク|円高時は評価額が下がる

SBI・SCHDは米国株に投資するため、為替変動の影響を受けます。

円高になると、ドルベースでは値上がりしていても、円ベースでは評価額が下がることがあります。例えば、1ドル=150円の時に100万円投資し、その後1ドル=130円に円高が進んだ場合、米国株が変動しなくても評価額は約87万円に減少します。

為替リスクを完全に避けることはできませんが、長期投資で時間分散することで、為替変動の影響を平準化できます。

米国経済への依存|景気後退の影響を受ける

SBI・SCHDは100%米国株に投資するため、米国経済の動向に大きく影響されます。

米国が景気後退に入ると、株価や配当金が減少する可能性があります。2020年のコロナショックでは、SCHDも一時的に約30%下落しました。

分散投資の観点から、SBI・SCHDだけでなく、全世界株式や日本株にも投資することを検討しましょう。

S&P500より値上がり率が低い可能性

高配当株は、成長株と比べて値上がり率が低い傾向があります。

過去のデータを見ると、SCHDのトータルリターンはS&P500に近い水準ですが、値上がり益(キャピタルゲイン)だけで比較するとS&P500の方が高いことが多いです。

期間 SCHD S&P500
過去5年 約70% 約90%
過去10年 約180% 約220%

値上がり益を重視する方は、S&P500連動型のファンド(eMAXIS Slim 米国株式など)の方が適している場合があります。

SBI・SCHDは、配当収入を重視する方や、ボラティリティ(価格変動)を抑えたい方に向いています。

配当金はいつ・いくらもらえる?|分配金の仕組み

SBI・SCHDの分配金について、支払時期や金額、仕組みを詳しく解説します。

初めて高配当投資をする方が疑問に思うポイントを網羅しています。

年4回の決算日と支払日

SBI・SCHDは年4回決算を行い、分配金を支払います。

決算日は3月、6月、9月、12月の各10日(休業日の場合は翌営業日)です。分配金の支払日は、決算日から約1週間後が目安です。

分配金の実績|過去の支払額

SBI・SCHDは2024年に設定されたばかりのファンドのため、分配金実績はまだ限定的です。

本家SCHDの配当実績を参考にすると、以下のような水準が期待されます。

年度 SCHD配当金(1株あたり) 配当利回り
2024年 約2.8ドル 約3.5%
2023年 約2.5ドル 約3.3%
2022年 約2.3ドル 約3.0%

ただし、SBI・SCHDの分配金は、本家SCHDの配当金から信託報酬等を差し引いた金額になるため、若干低くなります。また、為替変動の影響も受けます。分配金は運用状況により変動し、保証されるものではありません。

分配金が出ると基準価額が下がる理由

投資信託で分配金が支払われると、その分だけ基準価額が下がります。

これは、ファンドの資産から分配金を支払うためです。例えば、基準価額が10,000円で1口あたり100円の分配金が出た場合、分配後の基準価額は9,900円になります。

「損をしたのでは?」と心配になるかもしれませんが、トータルの資産価値は変わりません。分配前の資産10,000円が、分配後は「基準価額9,900円+現金100円」になっただけです。

再投資と受取の選び方

分配金の再投資と受取、どちらを選ぶべきかは、投資目的によります。

再投資型がおすすめの人
資産を効率的に増やしたい方、まだ配当金収入が不要な方、複利効果を最大化したい方
受取型がおすすめの人
配当金収入を生活費に充てたい方、配当金を受け取る実感がほしい方、リタイア後の収入源として活用したい方

一般的に、資産形成期(20~50代)は再投資型、資産活用期(60代以降)は受取型が適していると言われます。

ただし、SBI証券では一度選択したコースは変更できないため、長期的な視点で慎重に選びましょう。

新NISAでSBI・SCHDを買う方法|対象枠と注意点

SBI・SCHDは新NISA対応ですが、利用できる枠に制限があります。

新NISA制度の仕組みと、SBI・SCHDの活用方法を解説します。

成長投資枠で購入可能

SBI・SCHDは、新NISAの「成長投資枠」で購入できます。

成長投資枠の年間投資上限は240万円、非課税保有限度額は1,200万円(生涯投資枠1,800万円のうち)です。

SBI・SCHDを新NISA口座で購入すれば、分配金も売却益も非課税になります。例えば、毎月10万円ずつ積み立てる場合、年間120万円の投資となり、成長投資枠の範囲内で非課税投資が可能です。

つみたて投資枠で買えない理由

SBI・SCHDは、新NISAの「つみたて投資枠」では購入できません。

つみたて投資枠で購入できるのは、金融庁が定めた基準を満たす投資信託のみです。この基準には「信託報酬が一定以下」「毎月分配型でないこと」などがあります。

SBI・SCHDは年4回決算型(分配型)のため、つみたて投資枠の対象外となっています。

金融庁:新しいNISA

新NISA口座での購入手順

新NISA口座でSBI・SCHDを購入する手順は、以下の通りです。

1.SBI証券にログインし、「投信」メニューを選択
2.SBI・SCHDを検索(ファンドコード「9444」が確実)
3.ファンド詳細画面で「買付」ボタンをクリック
4.買付区分で「NISA(成長投資枠)」を選択
5.買付金額または口数を指定
6.分配金コース(受取型/再投資型)を選択
7.注文内容を確認して「注文」ボタンをクリック

NISA口座をまだ開設していない方は、事前にNISA口座開設手続きが必要です。

SBI証券のNISA口座開設は、オンラインで完結し、最短数日で完了します。

配当金生活に必要な投資額を逆算|月10万円の分配金を得るには

「配当金で生活したい」という夢を持つ方も多いでしょう。

月3万円、5万円、10万円の分配金を得るには、いくら投資が必要なのか、具体的に計算します。

月3万円の配当金に必要な投資額

月3万円の分配金を得るには、年間36万円の分配金が必要です。

SBI・SCHDの分配金利回りを年3.5%と仮定すると、必要な投資額は約1,029万円です(36万円÷0.035)。

ただし、NISA口座以外で保有する場合、分配金には20.315%の税金がかかるため、手取りで月3万円を得るには、税引前で年間約45万円の分配金が必要です。この場合、必要な投資額は約1,286万円になります。NISA口座なら非課税のため、約1,029万円で済みます。

月5万円の配当金に必要な投資額

月5万円の分配金を得るには、年間60万円の分配金が必要です。

分配金利回り3.5%と仮定すると、必要な投資額は約1,714万円です。NISA口座以外で保有する場合、税引後で月5万円を得るには、税引前で年間約75万円の分配金が必要で、必要な投資額は約2,143万円になります。

新NISAの非課税保有限度額1,800万円の範囲内であれば、全額非課税で保有できます。

月10万円の配当金に必要な投資額

月10万円の分配金を得るには、年間120万円の分配金が必要です。

分配金利回り3.5%と仮定すると、必要な投資額は約3,429万円です。NISA口座以外で保有する場合、税引後で月10万円を得るには、税引前で年間約151万円の分配金が必要で、必要な投資額は約4,314万円になります。

新NISAの非課税保有限度額1,800万円を超えるため、一部は課税口座での保有となります。

20年積立シミュレーション

月10万円の配当金を得るために必要な約3,400万円を、20年間の積立で達成できるかシミュレーションします。

毎月の積立額 年間積立額 20年後の元本 20年後の資産(年率5%想定)
5万円 60万円 1,200万円 約2,055万円
10万円 120万円 2,400万円 約4,110万円
15万円 180万円 3,600万円 約6,165万円

毎月10万円を20年間積み立てた場合、年率5%で運用できれば約4,110万円に達します。

この資産から年3.5%の分配金を得ると、年間約144万円(月12万円)の配当金収入が期待できます。

VYMなど他の高配当ETFとの比較|どれを選ぶべき?

米国高配当ETFには、SCHD以外にもVYM、HDV、SPYDなどがあります。

それぞれの特徴を比較し、どれを選ぶべきか解説します。

SCHDとVYMの違い|配当利回りと銘柄数

SCHDとVYMは、どちらも米国高配当株に投資するETFですが、投資方針が異なります。

項目 SCHD VYM
組入銘柄数 約100銘柄 約450銘柄
配当利回り 約3.5% 約2.8%
経費率 0.06% 0.06%
投資方針 配当の質を重視(配当貴族中心) 幅広く分散(時価総額加重)
過去10年リターン 約180% 約150%

SCHDは配当の質を重視し、連続増配企業を中心に約100銘柄に厳選投資します。

配当利回りが高く、過去のリターンも優れています。VYMは約450銘柄に幅広く分散投資するため、個別企業リスクが低い反面、配当利回りはやや低めです。

HDV・SPYDとの比較

HDVとSPYDは、さらに高い配当利回りを追求するETFです。

HDVは財務健全性を重視した約75銘柄に投資し、配当利回りは約3.8%です。エネルギーセクターの比率が高いのが特徴です。

SPYDはS&P500の中で配当利回りが高い上位80銘柄に均等投資し、配当利回りは約4.5%と最も高いです。ただし、景気敏感セクターの比率が高く、価格変動が大きい傾向があります。

複数の高配当ETFを組み合わせる方法

複数の高配当ETFを組み合わせることで、リスク分散と配当の安定化が図れます。

おすすめの組み合わせ例を紹介します。

  • バランス型:SCHD 50% + VYM 50%(安定性と利回りのバランス)
  • 高配当重視型:SCHD 40% + HDV 30% + SPYD 30%(配当利回り最大化)
  • 安定重視型:SCHD 70% + VYM 30%(ボラティリティ抑制)
  • セクター分散型:SCHD 50% + HDV 25% + SPYD 25%(セクター分散)

投資信託で購入する場合、SBI・SCHDを軸に、他のETFは直接購入するか、対応する投資信託を組み合わせる方法があります。

ただし、複数のファンドを保有すると管理が複雑になるため、初心者の方はまずSBI・SCHD単独で始めることをおすすめします。

よくある質問|SBI・SCHDの疑問を解決

よくある質問
検索で「SBI・SCHD」が出てこないのはなぜ?

SBI証券の検索機能が、愛称「SBI・SCHD」に対応していないためです。正式名称の一部である「SBI シュワブ」や「配当株式」で検索するか、ファンドコード「9444」を直接入力すれば確実に見つかります。今後、検索機能が改善される可能性もありますが、現時点ではこの方法が最も確実です。

SBI証券以外でも買える?

はい、SBI・SCHDはSBI証券以外でも購入できます。楽天証券、マネックス証券、松井証券などの主要ネット証券で取り扱っています。ただし、証券会社によって投信保有ポイントの還元率が異なるため、長期保有を考えるなら還元率の高い証券会社を選ぶことをおすすめします。

本家SCHDを直接買う方が有利?

投資額が大きい場合(1,000万円以上)は、本家SCHDを直接買う方がコスト面で有利になる可能性があります。本家SCHDの経費率は0.06%で、SBI・SCHDの信託報酬0.1238%より低いためです。ただし、直接購入には為替手数料や海外ETFの管理の手間がかかります。投資額が少ない場合や、手間を省きたい場合は、投資信託の方が便利です。

外国税額控除は使える?

SBI・SCHDは投資信託のため、外国税額控除の対象にはなりません。本家SCHDを直接保有する場合は、米国で源泉徴収された税金(10%)の一部を、確定申告で取り戻せる可能性があります。ただし、NISA口座で保有する場合は、そもそも日本の税金がかからないため、外国税額控除のメリットは限定的です。

暴落時はどうすればいい?

株式市場が暴落した時は、慌てて売却せず、長期投資の視点を保つことが重要です。高配当株は、暴落時も配当金を支払い続ける傾向があるため、配当金を再投資することで、低い価格で買い増しができます。むしろ、暴落時は「安く買えるチャンス」と捉え、積立を継続することをおすすめします。過去のデータでは、暴落後に回復し、長期では上昇しています。

オルカンと併用してもいい?

はい、オルカン(全世界株式)とSBI・SCHDを併用するのは良い戦略です。オルカンは世界中の株式に分散投資するため、地域リスクを分散できます。SBI・SCHDは米国高配当株に特化しているため、配当収入を得ながら、オルカンで成長も狙うというバランスの取れたポートフォリオになります。例えば、オルカン70% + SBI・SCHD 30%といった配分が考えられます。

まとめ

SBI・SCHDは、米国の高配当株に投資できる投資信託として、多くの投資家から注目を集めています。

信託報酬が年0.1238%と低コストで、100円から投資できる手軽さが魅力です。

SBI証券で購入する際は、愛称では検索できないため、ファンドコード「9444」を使うのが確実です。楽天SCHDとの比較では、信託報酬の低いSBI・SCHDの方が長期投資ではコスト面で有利ですが、分配金コースの変更可否など、使い勝手の違いも考慮する必要があります。

配当金生活を目指す場合、月10万円の分配金を得るには約3,400万円の投資が必要ですが、20年間の積立で達成可能な水準です。新NISAの成長投資枠を活用すれば、分配金を非課税で受け取れるため、効率的な資産形成ができます。

一方で、為替リスクや米国経済への依存、S&P500より値上がり率が低い可能性といったデメリットもあります。これらのリスクを理解した上で、長期投資の視点で取り組むことが大切です。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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