つみたてNISAの売却方法|タイミングと注意点を解説

証券会社選びで迷っている方にとって、銀行系証券は安心感のある選択肢です。
メガバンクのグループ企業として、対面相談や銀行口座との連携など、独自のメリットがあります。
しかし、手数料の高さやデジタルツールの使いやすさなど、気になる点も存在します。
本記事では、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の3社を詳しく比較し、それぞれの特徴や選び方を解説します。
あなたの投資スタイルや目的に合った証券会社を見つけるための参考にしてください。
目次
銀行系証券とは?独立系証券との違い
銀行系証券とは、メガバンクなどの銀行グループに属する証券会社のことです。SMBC日興証券(三井住友フィナンシャルグループ)、みずほ証券(みずほフィナンシャルグループ)、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャル・グループ)が代表的です。
親銀行との連携により、入出金の利便性や住宅ローン優遇などの特典を受けられる点が大きな特徴です。対面での相談体制も充実しており、投資初心者でも安心して利用できる環境が整っています。
銀行系証券は、銀行グループの一員として証券業務を担う金融機関です。金融庁に登録された第一種金融商品取引業者であり、株式や投資信託、債券などの金融商品を取り扱っています。
銀行本体は銀行法により証券業務を直接行うことができないため、グループ内に証券会社を設立する形態をとっています。これにより、銀行の信用力と証券会社の専門性を組み合わせたサービスを提供できるのです。
銀行系証券の主なメリット
銀行口座からの即時入金や振込手数料の優遇
住宅ローン金利の引き下げなどの特典
全国に展開する店舗網での対面相談
投資者保護基金により1,000万円まで補償
親銀行との連携により、銀行口座からの即時入金や振込手数料の優遇、住宅ローン金利の引き下げなど、銀行グループならではのメリットを享受できます。また、全国に展開する店舗網を活用し、対面での投資相談やセミナーなども積極的に実施しています。
顧客の資産は分別管理されており、万が一証券会社が破綻しても、投資者保護基金により1,000万円まで補償される仕組みになっています。
銀行系証券と独立系証券(野村證券、大和証券など)には、主に3つの違いがあります。
1つ目は親銀行との連携メリットです。銀行系証券では、メインバンクの口座から即時入金できたり、証券口座の残高を銀行口座に自動的に振り替えられたりする便利な機能があります。振込手数料が無料または優遇される場合も多く、資金移動のコストを抑えられます。
2つ目は住宅ローンや預金金利などの優遇サービスです。証券口座を開設し一定額以上の資産を預けることで、親銀行の住宅ローン金利が引き下げられたり、定期預金の金利が優遇されたりするケースがあります。これは銀行グループならではの強みと言えるでしょう。
3つ目は店舗網とサポート体制の違いです。銀行系証券は親銀行の店舗網を活用できるため、全国各地で対面相談を受けやすい環境にあります。一方、独立系証券は独自の営業拠点を持ち、富裕層向けのコンサルティングサービスなどに特化している場合が多いです。
ただし、手数料面では独立系証券も銀行系証券も、ネット専業証券と比較すると高めに設定されている傾向があります。対面サービスの充実度を重視するか、コストを優先するかで選択肢が変わってきます。
銀行系証券3社の基本情報を比較
ここでは、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の3社について、口座数や取扱商品、サポート体制などの基本情報を比較します。それぞれの証券会社の規模感や強みを理解することで、自分に合った選択ができるでしょう。
銀行系証券3社の口座数と預かり資産を見ると、それぞれの規模感が分かります。SMBC日興証券は約400万口座、みずほ証券は約170万口座、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は約1,800万口座を有しています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の口座数が突出して多いのは、旧三菱UFJ証券と旧カブドットコム証券(現三菱UFJeスマート証券)の顧客基盤を引き継いでいるためです。SMBC日興証券は対面営業に強みを持ち、富裕層を中心とした顧客層を抱えています。
預かり資産については各社とも公表していない部分もありますが、いずれも数十兆円規模の資産を管理しており、国内でもトップクラスの証券会社として位置づけられています。大手銀行グループの信用力を背景に、安定した経営基盤を持っている点は共通しています。
取扱商品の豊富さは証券会社選びの重要なポイントです。SMBC日興証券は投資信託約1,000本、外国株は米国と中国の約2,200銘柄を取り扱っています。IPO(新規公開株)の取扱実績も豊富で、2024年は52銘柄を取り扱いました。
みずほ証券は投資信託約100本と他の2社より少なめですが、外国株は6カ国・約6,500銘柄と幅広く対応しています。IPOは2024年に43銘柄を取り扱い、主幹事実績は19社と高い水準です。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は投資信託約750本、外国株は14カ国・約650銘柄を取り扱っています。外資系金融機関モルガン・スタンレーとの提携により、グローバルな投資機会にアクセスできる点が特徴です。IPOは2024年に21銘柄、主幹事実績は9社となっています。
いずれの証券会社もNISA(つみたて投資枠・成長投資枠)に対応しており、税制優遇を活用した資産形成が可能です。
銀行系証券の大きな強みは、全国に展開する店舗網と充実したサポート体制です。SMBC日興証券は全国に約100の支店を展開し、対面での投資相談に力を入れています。担当者制度を採用しており、資産運用の相談から商品提案まで一貫したサポートを受けられます。
みずほ証券も全国約100店舗を展開し、親銀行であるみずほ銀行の店舗と連携したサービスを提供しています。富裕層向けのプライベートバンキングサービスも充実しており、相続や資産承継の相談にも対応しています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJ銀行の店舗網を活用し、全国で相談サービスを展開しています。オンラインでの相談予約システムも整備されており、店舗に行かなくても電話やビデオ通話で専門家に相談できる体制を構築しています。
いずれの証券会社も、投資初心者向けのセミナーや勉強会を定期的に開催しており、投資の基礎知識を学べる機会を提供しています。コールセンターも充実しており、平日だけでなく土日も対応している証券会社もあります。
近年、銀行系証券もデジタル化に力を入れており、スマートフォンアプリやWebツールの充実度が向上しています。SMBC日興証券は「SMBC日興証券アプリ」を提供し、株価チェックや取引、資産状況の確認がスマホで完結します。また、PC向けには「パワートレーダー」という高機能ツールも用意されています。
みずほ証券は「みずほ証券 株アプリ」を提供しており、シンプルな操作性で初心者でも使いやすい設計になっています。リアルタイムの株価情報やニュース配信機能も備えており、外出先でも投資判断に必要な情報を入手できます。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、Webアプリケーションを中心としたサービスを展開しています。専用アプリのダウンロードは不要で、ブラウザ上で取引や情報収集が可能です。シンプルな設計で、デジタルツールに不慣れな方でも使いやすいインターフェースになっています。
ただし、ネット専業証券と比較すると、機能面やUIの洗練度ではやや劣る部分もあります。頻繁にトレードを行うアクティブ投資家よりも、長期的な資産形成を目指す投資家に適したツールと言えるでしょう。
手数料を比較
証券会社を選ぶ際、手数料は重要な比較ポイントです。銀行系証券3社の手数料体系を、現物株式、投資信託、NISA口座の3つの観点から詳しく見ていきましょう。
SMBC日興証券の現物株式取引手数料は、ダイレクトコース(オンライン取引)で137円~27,500円、総合コース(対面取引)で1,925円~192,500円となっています。約定代金が大きくなるほど手数料も上がる仕組みです。
みずほ証券の現物取引手数料は1,045円~84,480円で、信用取引は無料です。約定代金に応じた段階的な手数料体系を採用しており、高額取引ほど手数料率が下がる設計になっています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の手数料は、約定金額の0.055%~0.99%で、最低手数料は2,750円からとなっています。100万円以上の取引では約定金額の0.869%+3,520円、5,000万円超では0.055%+212,520円と、取引金額に応じた料率設定です。
3社とも、ネット専業証券(SBI証券や楽天証券など)の手数料無料や数十円~数百円という水準と比較すると、かなり高めに設定されています。頻繁に売買を繰り返すトレーダーにとっては、手数料負担が大きくなる可能性があります。
投資信託の購入時手数料(販売手数料)は、商品によって異なりますが、銀行系証券3社とも一部の投資信託では購入時手数料が無料(ノーロード)の商品を取り扱っています。
SMBC日興証券では、約1,000本の投資信託のうち、多くの商品でノーロードまたは低コストの商品を選択できます。特につみたてNISA対象商品は購入時手数料が無料となっています。
みずほ証券は約100本と取扱本数は少なめですが、厳選された商品ラインナップとなっており、ノーロード商品も含まれています。対面での相談を通じて、自分に合った商品を選べる点がメリットです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は約750本の投資信託を取り扱っており、ノーロード商品も豊富に用意されています。つみたてNISA対象商品は約30本と他社より少なめですが、厳選された低コスト商品が中心です。
購入時手数料だけでなく、信託報酬(運用管理費用)も長期的なコストに影響します。低コストのインデックスファンドを選ぶことで、トータルコストを抑えることができます。
NISA口座での取引手数料は、3社とも優遇措置を設けています。SMBC日興証券では、NISA口座での国内株式の買付手数料が無料です。成長投資枠を活用して個別株に投資する場合、コストを抑えて取引できます。
みずほ証券もNISA口座での国内株式買付手数料を無料としており、つみたて投資枠・成長投資枠の両方で税制優遇を活用できます。つみたてNISA対象商品は約10本と少なめですが、低コストのインデックスファンドが中心です。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券もNISA口座での国内株式買付手数料を無料としています。つみたてNISA対象商品は約30本で、バランス型ファンドなども含まれており、分散投資がしやすいラインナップです。
NISA制度では、年間投資枠(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)の範囲内で非課税の恩恵を受けられます。銀行系証券でNISA口座を開設すれば、対面での相談を受けながら税制優遇を活用した資産形成が可能です。
親銀行との連携メリットは?
銀行系証券を選ぶ最大の理由の一つが、親銀行との連携によるメリットです。入出金の利便性、住宅ローン金利の優遇、ポイント連携など、具体的なメリットを見ていきましょう。
銀行系証券では、親銀行の口座と証券口座を連携させることで、資金移動がスムーズになります。SMBC日興証券では、三井住友銀行の口座から証券口座への入金が即時反映され、振込手数料も無料です。取引のタイミングを逃さず、コストも抑えられます。
みずほ証券とみずほ銀行の連携では、「みずほダイレクト」を利用することで、銀行口座と証券口座間の資金移動が即座に完了します。わざわざATMや窓口に行く必要がなく、オンラインで完結できる点が便利です。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、三菱UFJ銀行の口座と連携することで、自動入出金サービスを利用できます。証券口座の残高が不足した場合、自動的に銀行口座から資金を補充する設定も可能です。資金管理の手間を省けるため、忙しい方にも適しています。
他行からの入金の場合は通常の振込手数料がかかるため、親銀行の口座を持っている方が圧倒的に有利です。メインバンクが三大メガバンクのいずれかであれば、対応する銀行系証券を選ぶことで、コストと利便性の両面でメリットを享受できます。
銀行系証券の大きな魅力の一つが、住宅ローン金利の優遇です。SMBC日興証券で一定額以上の資産を運用している場合、三井住友銀行の住宅ローン金利が引き下げられるケースがあります。具体的な条件や優遇幅は時期によって異なるため、詳しくは各社に確認が必要です。
みずほ証券でも、みずほ銀行の住宅ローンを利用している方が証券口座を開設し、一定額以上の資産を預けることで金利優遇を受けられる場合があります。住宅ローンは長期にわたる借入のため、わずかな金利差でも総返済額に大きな影響を与えます。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券と三菱UFJ銀行の連携でも、同様の優遇制度が設けられています。住宅購入を検討している方や、既に住宅ローンを組んでいる方にとっては、資産運用と住宅ローンの両面でメリットを得られる可能性があります。
優遇を受けるための条件(最低預入額や対象商品など)は各社で異なるため、事前に確認することをおすすめします。住宅ローンの借り換えを検討している方にとっても、銀行系証券の活用は有力な選択肢となるでしょう。
銀行系証券では、親銀行グループのポイントプログラムと連携している場合があります。SMBC日興証券では、Vポイント(旧Tポイント)やdポイントが貯まるサービスを提供しています。投資信託の保有残高に応じてポイントが付与され、貯まったポイントは買い物や他のサービスで利用できます。
みずほ証券では、独自のポイントプログラムは現時点で提供していませんが、みずほ銀行の「みずほマイレージクラブ」との連携により、銀行取引での優遇を受けられる場合があります。ATM手数料の無料回数が増えるなど、間接的なメリットがあります。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、Pontaポイントとの連携サービスを提供しています。投資信託の月間平均保有額に応じてPontaポイントが貯まり、貯まったポイントは提携店舗での買い物やサービスに利用できます。
ポイント還元率はネット専業証券と比較すると低めですが、普段から利用しているポイントサービスと連携できる点は便利です。ポイントを投資に回せる「ポイント投資」のサービスを提供している証券会社もあるため、少額から投資を始めたい方にも適しています。
IPO投資におすすめの銀行系証券3社
IPO(新規公開株)投資は、上場前の株式を公募価格で購入し、上場後の値上がり益を狙う投資手法です。銀行系証券3社はいずれもIPO取扱実績が豊富で、主幹事を務めるケースも多いため、IPO投資を検討している方には有力な選択肢となります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約400万口座 |
| 取引手数料 | ダイレクトコース:137円~27,500円 総合コース:1,925円〜192,500円 |
| 投資信託 | 約1,000本 |
| ミニ株(単元未満株) | 非対応 |
| NISA対応 | 対応(つみたて投資枠・成長投資枠) |
| 外国株 | 2カ国以上 米国株:約2,200銘柄 |
| IPO取扱実績 | 年間52銘柄(2024年実績) |
| IPO主幹事件数 | 年間22社(2024年実績) |
| ポイントサービス | Vポイント / dポイント |
| 口座開設スピード | 最短即日 |
| 取引ツール(PC) | パワートレーダー / BRiSK |
| スマホアプリ | SMBC日興証券アプリ |
SMBC日興証券は、国内でもトップクラスのIPO取扱実績を誇ります。2024年は52銘柄のIPOを取り扱い、そのうち22社で主幹事を務めました。主幹事証券は公募株の配分が多いため、当選確率が高まる傾向があります。
SMBC日興証券のIPO抽選方式
配分株数の10%が完全平等抽選
残り90%がステージ制抽選(預かり資産残高や取引実績で優遇)
対面営業でIPO情報や企業分析を入手可能
また、対面営業の強みを活かし、担当者を通じてIPO情報や企業分析を入手できる点もメリットです。上場前の企業情報は限られているため、証券会社からの情報提供は投資判断の助けになります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約170万口座 |
| 取引手数料 | 現物取引:1,045円〜84,480円 信用取引:無料 |
| 投資信託 | 約100本 |
| ミニ株(単元未満株) | 対応(詳細不明) |
| NISA対応 | 対応(つみたて投資枠・成長投資枠) |
| 外国株 | 6カ国 米国株:約6,500銘柄 |
| IPO取扱実績 | 年間43銘柄(2024年実績) |
| IPO主幹事件数 | 年間19社(2024年実績) |
| ポイントサービス | なし |
| 口座開設スピード | 最短3営業日 |
| 取引ツール(PC) | Webアプリ |
| スマホアプリ | みずほ証券 株アプリ |
みずほ証券は、大型IPO案件に強みを持っています。2024年は43銘柄のIPOを取り扱い、主幹事実績は19社でした。特に時価総額の大きい企業のIPOで主幹事を務めることが多く、注目度の高い銘柄に参加できるチャンスがあります。
みずほ証券のIPO抽選方式
配分株数の10%が完全平等抽選
残り90%が優遇抽選(取引実績や預かり資産で優遇)
企業の財務情報や業界動向に関する分析レポートが充実
みずほ銀行との連携により、企業の財務情報や業界動向に関する分析レポートも充実しています。IPO投資では企業の成長性を見極めることが重要なため、質の高い情報を得られる点は大きなメリットです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数(残あり口座) | 約105.3万口座 ※2025年3月末時点 |
| 取引手数料 | 【国内株式】 約定代金 × 最大1.265%(税込) ※最低手数料2,750円(税込) 【米国株式】 約定代金 × 0.495%(税込) ※最低手数料22米ドル(税込) ※手数料は取引チャネルや銘柄により異なります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA:つみたて投資枠・成長投資枠ともに対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 29銘柄 ※2025年時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式(約4,000銘柄) / 米国株式 / 投資信託(約285本) |
| 投資信託 | 約4,054本 ※2025年7月時点 |
| 外国株 | 米国株:約4,500銘柄 その他外国株:取扱限定的 |
| 取引ツール(PC) | オンライントレード(WEB) 専用取引アプリ(PC版) |
| スマホアプリ | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券アプリ(iOS / Android対応) |
| 提携銀行口座 | 三菱UFJ銀行(即時入出金サービス対応) |
| ポイント投資・付与 | なし(ポイント投資制度は未対応) |
| 口座開設スピード | 通常2〜3営業日 ※オンライン申込後、書類提出状況により変動 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、外資系金融機関モルガン・スタンレーとの提携により、グローバルなネットワークを持っています。2024年は21銘柄のIPOを取り扱い、主幹事実績は9社でした。特に外国企業や国際的な事業展開を行う企業のIPOに強みがあります。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券のIPO抽選方式
配分株数の10%が完全平等抽選
残り90%が取引実績や預かり資産に応じた優遇抽選
外資系のノウハウを活かした企業分析レポート
外資系のノウハウを活かした企業分析レポートや、グローバル市場の動向に関する情報提供も充実しています。海外展開を視野に入れた成長企業のIPOに興味がある方には、特に適した証券会社と言えるでしょう。
銀行系証券を選ぶ際は、自分の投資スタイルや目的に合った証券会社を見極めることが大切です。ここでは、5つの選択基準を詳しく解説します。
最も分かりやすい選び方は、自分のメインバンクに対応する銀行系証券を選ぶことです。三井住友銀行を利用している方はSMBC日興証券、みずほ銀行の方はみずほ証券、三菱UFJ銀行の方は三菱UFJモルガン・スタンレー証券を選ぶことで、入出金の利便性や手数料優遇などのメリットを最大限に活用できます。
住宅ローンを組んでいる銀行と同じグループの証券会社を選べば、金利優遇を受けられる可能性もあります。また、銀行のATMやインターネットバンキングを使い慣れている方は、同じグループの証券会社のシステムも直感的に使いやすいでしょう。
複数の銀行口座を持っている場合は、最も利用頻度の高い銀行に対応する証券会社を選ぶことをおすすめします。資金管理がシンプルになり、投資と日常の家計管理を一体的に行えます。
投資経験が少なく、専門家に相談しながら資産運用を始めたい方は、対面サービスが充実した証券会社を選ぶとよいでしょう。SMBC日興証券やみずほ証券は全国に店舗を展開しており、担当者制度も整っています。
一方、自分で情報収集や投資判断ができる方や、手数料を抑えたい方は、オンライン取引を中心に利用する方法もあります。銀行系証券でも、ダイレクトコース(オンライン取引)を選択すれば、対面コースより手数料を抑えられます。
投資スタイルは固定的なものではなく、経験を積むにつれて変化することもあります。最初は対面で相談しながら始め、慣れてきたらオンライン取引に移行するといった柔軟な使い方も可能です。
手数料を重視する方は、3社の手数料体系を比較し、自分の取引スタイルに合った証券会社を選びましょう。頻繁に売買を行う方は、取引手数料の安さが重要です。一方、長期保有を前提とした投資信託の積立を中心に考えている方は、購入時手数料や信託報酬の低い商品が豊富な証券会社を選ぶとよいでしょう。
ただし、銀行系証券の手数料は、ネット専業証券と比較すると全体的に高めです。手数料の安さを最優先するなら、SBI証券や楽天証券などのネット証券を選ぶほうが有利です。銀行系証券は、対面サービスや銀行連携のメリットと手数料のバランスを考えて選択することが大切です。
IPO投資を積極的に行いたい方は、主幹事実績の多い証券会社を選ぶことが重要です。SMBC日興証券は主幹事実績が最も多く、IPO投資を重視する方には第一候補となるでしょう。みずほ証券も大型案件に強みがあり、注目度の高いIPOに参加できる可能性があります。
IPOの当選確率を上げるためには、複数の証券会社で口座を開設し、それぞれから申し込む方法も有効です。銀行系証券1社とネット証券1~2社を組み合わせることで、当選チャンスを増やせます。
ただし、IPOは人気が高く、当選確率は決して高くありません。確実に利益が出るわけでもないため、IPO投資だけに頼らず、分散投資の一環として位置づけることが大切です。
40代以上で、将来的な相続や資産承継を視野に入れている方は、これらのサービスが充実した証券会社を選ぶとよいでしょう。銀行系証券3社はいずれも、相続手続きのサポートや資産承継コンサルティングを提供しています。
相続や資産承継は専門的な知識が必要な分野のため、信頼できる専門家に相談できる環境が整っていることは重要です。銀行系証券は、この分野での実績とノウハウが豊富なため、安心して相談できるでしょう。
ネット証券との使い分け方
銀行系証券とネット証券は、それぞれ異なる強みを持っています。両者を併用することで、それぞれのメリットを最大限に活用できます。ここでは、具体的な使い分け方を解説します。
日常的な株式売買や投資信託の積立など、コストを抑えたい取引はネット証券を利用するのが賢明です。SBI証券や楽天証券では、国内株式の取引手数料が無料または数十円程度で、投資信託も購入時手数料無料(ノーロード)の商品が豊富です。
特に、つみたてNISAを活用した長期積立投資は、低コストのインデックスファンドを選ぶことが重要です。ネット証券では、信託報酬0.1%台の超低コスト商品が多数揃っており、長期的なリターンを最大化できます。
頻繁に売買を繰り返すデイトレードやスイングトレードを行う方も、ネット証券の低コスト構造が有利です。取引回数が多いほど手数料の差が積み重なるため、コスト意識を持つことが大切です。
投資の基礎知識を学びたい時や、まとまった資産の運用方針を決める時など、専門家のアドバイスが必要な場面では銀行系証券の対面サービスを活用しましょう。担当者に相談しながら、自分のリスク許容度や投資目的に合った商品を選べます。
相続や資産承継、税金対策など、複雑な問題に直面した時も、銀行系証券の総合的なコンサルティングサービスが役立ちます。親銀行とも連携し、預金・保険・不動産なども含めた総合的な資産管理の相談ができる点は大きなメリットです。
また、退職金の運用や住宅購入資金の準備など、ライフイベントに関わる大きな資金の運用を考える時も、対面での相談が安心です。長期的な視点でのアドバイスを受けながら、計画的に資産形成を進められます。
IPO投資では、複数の証券会社から申し込むことで当選確率を上げられます。銀行系証券(SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券)とネット証券(SBI証券、楽天証券など)の両方で口座を開設し、それぞれから申し込むことをおすすめします。
主幹事証券は公募株の配分が多いため、主幹事を務める証券会社からの申込は特に重要です。銀行系証券は主幹事実績が豊富なため、IPO投資を本格的に行うなら少なくとも1社は口座を持っておくとよいでしょう。
ただし、IPOの申込には事前に証券口座への入金が必要な場合が多いため、複数口座を管理する手間とコストも考慮する必要があります。自分の投資スタイルや資金力に合わせて、現実的な範囲で口座数を決めましょう。
銀行系証券で気をつけたいこと
銀行系証券には多くのメリットがありますが、注意すべき点もあります。デメリットやリスクを正しく理解した上で、自分に合った証券会社を選びましょう。
銀行系証券の最大のデメリットは、手数料が高めに設定されている点です。現物株式の取引手数料は、ネット専業証券と比較すると数倍から数十倍のコストがかかる場合もあります。頻繁に売買を行う方にとっては、手数料負担が利益を圧迫する可能性があります。
投資信託についても、購入時手数料が有料の商品が多く、信託報酬も高めの商品を勧められるケースがあります。対面での相談サービスを提供するためのコストが手数料に反映されているため、ある程度は仕方ない面もありますが、長期的なリターンに影響することを認識しておく必要があります。
コストを抑えたい方は、オンライン取引(ダイレクトコース)を選択するか、ネット証券との併用を検討しましょう。対面サービスが必要な時だけ銀行系証券を利用し、日常的な取引はネット証券で行うという使い分けも有効です。
銀行系証券のスマホアプリやWebツールは、ネット専業証券と比較すると機能面やUIの洗練度でやや劣る場合があります。特に、リアルタイムの株価チャートや高度なテクニカル分析ツールを求めるアクティブトレーダーにとっては、物足りなさを感じるかもしれません。
また、システムの更新頻度やアプリの使い勝手についても、ネット証券のほうが優れている傾向があります。スマホで頻繁に取引を行いたい方や、最新のデジタルツールを活用したい方は、事前にデモ画面や口コミを確認することをおすすめします。
ただし、銀行系証券も近年はデジタル化に力を入れており、改善が進んでいます。長期投資を前提とした資産形成が目的であれば、現状のツールでも十分に対応できるでしょう。
対面サービスの質は、担当者の知識や経験によって大きく左右されます。優秀な担当者に当たれば、的確なアドバイスや有益な情報を得られますが、そうでない場合は、手数料の高い商品を勧められたり、自分の投資方針に合わない提案を受けたりするリスクもあります。
特に、投資初心者は専門家の意見を鵜呑みにしがちですが、最終的な投資判断は自分自身で行う必要があります。担当者の提案を参考にしつつも、自分でも情報収集を行い、納得できる投資を心がけましょう。
もし担当者との相性が悪いと感じた場合は、支店や担当者の変更を申し出ることも可能です。遠慮せずに自分に合ったサービスを求めることが大切です。
銀行系証券に関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。疑問点を解消し、安心して証券口座を開設しましょう。
はい、銀行系証券は投資初心者にも適しています。対面での相談サービスが充実しており、投資の基礎知識から商品選びまで、丁寧にサポートしてもらえます。セミナーや勉強会も定期的に開催されているため、学びながら投資を始められます。
ただし、手数料が高めなので、コストを抑えたい方はネット証券との併用も検討しましょう。最初は銀行系証券で基礎を学び、慣れてきたらネット証券に移行するという方法もあります。
銀行系証券3社の口座開設にかかる日数は、SMBC日興証券が最短即日、みずほ証券が最短3営業日、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が最短2営業日です。オンラインで申し込み、本人確認書類をアップロードすることで、スムーズに手続きが進みます。
ただし、郵送での手続きを選択した場合や、書類に不備があった場合は、さらに時間がかかることがあります。急ぎの場合は、オンライン申込とマイナンバーカードを使った本人確認を利用するとよいでしょう。
いいえ、親銀行の口座がなくても証券口座は開設できます。ただし、親銀行の口座を持っていない場合、入出金の利便性や手数料優遇などのメリットを受けられないため、銀行系証券を選ぶ意味が薄れてしまいます。
銀行系証券を検討している方は、まず親銀行の口座を開設してから証券口座を開設することをおすすめします。銀行口座と証券口座を同時に申し込めるサービスを提供している場合もあるため、詳しくは各社に確認してください。
はい、他の証券会社から銀行系証券への乗り換えは可能です。株式や投資信託を保有したまま、証券口座を移管する手続きもできます。ただし、移管には手数料がかかる場合があり、手続きにも時間がかかるため、事前に確認が必要です。
乗り換えを検討する際は、現在の証券会社と銀行系証券のメリット・デメリットを比較し、本当に乗り換える価値があるかを慎重に判断しましょう。場合によっては、両方の口座を保有して使い分ける方が便利なこともあります。
基本的な相談は無料ですが、具体的な商品購入や取引を行う際には、通常の手数料が発生します。相談だけで終わる場合は費用はかかりませんが、頻繁に相談を利用する場合は、総合コース(対面取引コース)の手数料体系を確認しておきましょう。
また、富裕層向けのプライベートバンキングサービスや、専門的な資産承継コンサルティングなどは、別途費用が発生する場合があります。詳細は各証券会社に問い合わせてください。
はい、銀行系証券3社ともNISA口座に対応しています。つみたて投資枠と成長投資枠の両方を利用でき、非課税の恩恵を受けながら資産形成ができます。NISA口座での国内株式買付手数料も無料となっているため、コストを抑えて投資できます。
ただし、つみたてNISA対象商品の本数は、ネット証券と比較すると少なめです。商品ラインナップを重視する方は、事前に各社の取扱商品を確認することをおすすめします。
銀行系証券は、親銀行との連携メリットや対面サービスの充実度が大きな強みです。SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の3社は、それぞれIPO投資の実績や取扱商品に特徴があり、自分の投資スタイルに合わせて選ぶことが大切です。
メインバンクが三大メガバンクのいずれかであれば、入出金の利便性や住宅ローン金利の優遇など、銀証連携のメリットを最大限に活用できます。投資初心者で対面相談を重視する方や、IPO投資に興味がある方には特におすすめです。
一方で、手数料が高めである点やデジタルツールの機能面では、ネット専業証券に劣る部分もあります。コストを重視する方は、ネット証券との併用を検討し、それぞれの強みを活かした使い分けをするとよいでしょう。
証券会社選びは、投資の第一歩です。自分の投資目的やライフスタイルに合った証券会社を選び、長期的な資産形成を進めていきましょう。なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
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