証券会社の難易度ランキング|就職偏差値と内定獲得のポイント

証券会社の難易度ランキング|就職偏差値と内定獲得のポイント

証券会社への就職を目指しているけれど、「自分の学歴で狙える企業はどこなのか」「どの証券会社が入社難易度が高いのか」と悩んでいませんか。

証券業界は外資系トップティアから国内大手、中堅証券まで幅広い企業があり、就職偏差値も大きく異なります。

この記事では、証券会社の就職偏差値ランキングをSSランクからDランクまで詳しく解説し、高偏差値企業への内定獲得のポイントをお伝えします。

また、学歴フィルターの実態や証券業界で求められる人物像、さらには激務やノルマといったデメリットについても正直にお伝えします。

この記事を読めば、自分が目指すべき企業レベルが明確になり、効率的な就職活動の戦略を立てられるようになるでしょう。

この記事の要約
  • 外資系トップティア(ゴールドマン・サックス等)は就職偏差値74以上の最難関
  • 国内大手(野村・大和・SMBC日興等)は就職偏差値66~72で高学歴層が中心
  • 学歴フィルターは存在するが、中堅大学からでも国内準大手は狙える
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

証券会社の就職偏差値とは?|入社難易度を知る指標

就職偏差値とは、企業への入社難易度を数値化した指標のことです。採用倍率、採用大学、選考の厳しさ、企業のブランド力などを総合的に評価して算出されます。

証券業界の就職偏差値は、外資系投資銀行が最も高く、次いで国内大手証券の投資銀行部門、そして総合職、準大手、中堅証券という順になります。就職偏差値が高い企業ほど、選考の難易度が高く、求められるスキルや学歴のレベルも上がる傾向にあります。

就職偏差値はあくまで参考指標であり、個人の適性や努力次第で結果は大きく変わります。しかし、自分の実力と志望企業のレベルを客観的に把握するためには、非常に有用な情報と言えるでしょう。

証券業界では、外資系証券>日系投資銀行部門>国内大手総合職>準大手>中堅証券>ネット証券という難易度の傾向があります。外資系証券は日本だけでなく海外からも優秀な人材が集まるため、ダントツの難易度を誇ります。

証券会社の難易度ランキング|就職偏差値別に紹介

ここでは、証券会社を就職偏差値別にSSランクからDランクまで詳しく紹介します。各企業の特徴や平均年収、求められる人物像を理解し、自分が目指すべき企業レベルを見極めましょう。

SSランク(就職偏差値74以上)|外資系トップティア

SSランクは外資系投資銀行のトップティアで、世界経済を動かすエリート中のエリートが集まる企業群です。旧帝大・早慶レベルの学生でも内定獲得は極めて困難で、英語力・論理的思考力・金融知識のすべてが最高水準で求められます。

SSランク企業の特徴

採用大学:東京大学・京都大学・一橋大学・慶應義塾大学・早稲田大学が中心

必須スキル:TOEIC900点以上、金融知識、論理的思考力

年収水準:初任給1,000万円超、20代後半で3,000万円も視野

ゴールドマン・サックス証券

ゴールドマン・サックス証券は、世界有数の外資系投資銀行です。初任給が1,000万円を超えるとされ、20代後半で年収3,000万円も視野に入る超高年収企業として知られています。投資銀行業務、セールス&トレーディング、資産運用など幅広い金融サービスを提供しています。

採用大学は東京大学・慶應義塾大学・早稲田大学などの最難関大学が中心で、TOEIC900点以上の英語力と金融知識が必須です。インターンシップの通過率は約0.9%とされ、選考の厳しさは証券業界でも極めて高いレベルです。

JPモルガン証券

JPモルガン証券は、アメリカ最大級の金融機関JPモルガン・チェースの日本法人です。M&Aアドバイザリー、資金調達支援、トレーディング業務などで高い実績を誇ります。ゴールドマン・サックスと並ぶ外資系トップティアとして、就活生から絶大な人気を集めています。

採用では高い英語力に加えて、論理的思考力とコミュニケーション能力が重視されます。チームワークを重視する企業文化があり、個人の能力だけでなく協調性も求められる点が特徴です。

モルガン・スタンレー

モルガン・スタンレーは、投資銀行業務とウェルスマネジメントで世界的に高い評価を受ける外資系証券会社です。日本では三菱UFJフィナンシャル・グループとの合弁会社「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」も展開しており、日系企業との強いネットワークを持っています。

採用では金融への深い理解と高い分析力が求められます。特に投資銀行部門では長時間労働が常態化しており、体力とメンタルの強さも重要な選考基準となります。

Sランク(就職偏差値72以上)|外資系・国内大手トップ

Sランクには外資系証券の準トップティアと、国内大手証券の投資銀行部門・グローバルマーケッツ部門が含まれます。SSランクには及ばないものの、極めて高い入社難易度を誇る企業群です。

野村證券(グローバル・マーケッツ)

野村證券のグローバル・マーケッツ部門は、債券・株式・為替などのトレーディング業務を担当する花形部門です。日系証券でありながら、高い専門性と年収水準で知られています。採用人数は少なく、選考難易度は外資系トップティアに迫るレベルです。

金融市場への深い理解と瞬時の判断力が求められ、理系出身者も多く活躍しています。数学や統計学のバックグラウンドがある学生は有利に働く傾向があります。

UBS証券

UBS証券は、スイス最大の金融機関UBSグループの日本法人です。ウェルスマネジメントと投資銀行業務の両輪で事業を展開しており、特に富裕層向けのプライベートバンキングで高い評価を受けています。

採用では英語力に加えて、顧客との信頼関係を構築できるコミュニケーション能力が重視されます。長期的な視点で顧客の資産形成をサポートする姿勢が求められます。

Aランク(就職偏差値70以上)|国内大手証券

Aランクには国内大手証券の総合職が含まれます。外資系ほどではないものの、高い就職偏差値と人気を誇る企業群で、旧帝大・早慶を中心に幅広い大学から採用が行われています。

野村證券(総合職)

野村證券は、日本最大手の証券会社で、営業収益・預かり資産ともに国内トップを誇ります。リテール営業、ホールセール営業、投資銀行部門など幅広い事業を展開しており、証券業界を目指す学生にとっては憧れの企業です。

採用大学ランキングでは慶應義塾大学・東京大学・早稲田大学が上位を占めていますが、中堅大学からの採用実績もあり、明確な学歴フィルターはないとされています。採用人数は年間200~300名程度で、倍率は約10~30倍と推定されます。

野村證券では、コミュニケーション能力と向上心が特に重視されます。顧客の資産形成をサポートする使命感と、困難な目標にも挑戦する姿勢が求められます。

大和証券

大和証券は、野村證券に次ぐ国内第2位の独立系証券会社です。創業110年以上の歴史を持ち、安定した経営基盤と全国47都道府県に展開する店舗網が強みです。一時期三井住友フィナンシャルグループと合併していた経緯もあり、銀行系のノウハウも兼ね備えています。

採用大学ランキングでは慶應義塾大学・早稲田大学が上位ですが、日本大学や東洋大学などの中堅大学からも多数採用されており、学歴フィルターは比較的緩やかです。採用人数は年間400~500名と多く、幅広い人材を求めています。

大和証券では、入社意欲と企業への理解度が重視されます。「なぜ大和証券なのか」を明確に説明できることが選考突破の鍵となります。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループとモルガン・スタンレーの共同出資により誕生した証券会社です。日系企業でありながら外資系のネットワークを持つという独自のポジションが強みで、近年就活生の間で人気が高まっています。

投資銀行部門では大型M&Aや資金調達案件を多数手がけており、専門性の高い業務に携われる点が魅力です。採用では金融知識と論理的思考力が重視され、ケース面接が実施されることもあります。

Bランク(就職偏差値66以上)|準大手証券

Bランクには準大手証券が含まれます。メガバンク系列の証券会社が中心で、安定性と成長機会のバランスが取れた企業群です。MARCH・関関同立レベルの学生が多く志望しています。

SMBC日興証券

SMBC日興証券は、三井住友フィナンシャルグループ傘下の証券会社で、銀行系証券の中ではトップの知名度と規模を誇ります。リテール営業に強みを持ち、全国の支店網を通じて幅広い顧客にサービスを提供しています。

採用では幅広い大学から人材を募集しており、学歴フィルターは比較的緩やかです。日東駒専・産近甲龍レベルからの採用実績もあり、学歴に自信がない学生でもチャンスがあります。採用人数は年間200~300名程度です。

SMBC日興証券で求められる人物像

向上心と粘り強さ:ノルマ達成に向けて努力を続けられる姿勢

コミュニケーション能力:顧客との信頼関係を構築する力

精神的タフネス:困難な状況でも諦めない精神力

みずほ証券

みずほ証券は、みずほフィナンシャルグループの証券部門を担う企業です。投資銀行業務とリテール営業の両面で事業を展開しており、特に投資銀行部門では大型案件を多数手がけています。

採用大学は早慶・旧帝大が中心ですが、中堅大学からの採用実績もあります。採用人数は年間150~200名程度で、部門別採用も実施されています。金融への関心と論理的思考力が選考で重視されます。

Cランク(就職偏差値61以上)|中堅証券

Cランクには中堅証券会社が含まれます。大手ほどの知名度はありませんが、地域密着型の営業や特定分野に強みを持つ企業が多く、安定した就職先として人気があります。

岡三証券、東海東京証券、いちよし証券などが代表的な企業です。これらの企業は採用人数が比較的多く、幅広い大学から人材を募集しています。学歴フィルターはほとんどなく、人物重視の選考が行われる傾向があります。

中堅証券では、地域への貢献意欲と顧客との信頼関係を築ける人間性が重視されます。大手証券ほどの高年収は期待できませんが、ワークライフバランスが取りやすい企業も多く、長期的なキャリア形成を考える学生に適しています。

Dランク(就職偏差値60以下)|ネット証券・地方証券

Dランクにはネット証券と地方証券が含まれます。入社難易度は比較的低めですが、成長性のある企業も多く、穴場の就職先として注目されています。

SBI証券、楽天証券、松井証券などのネット証券は、オンライン取引の拡大により急成長しています。店舗を持たないビジネスモデルのため、システム開発やマーケティングなど、従来の証券会社とは異なるスキルが求められます。

地方証券は、地元経済への貢献と地域密着型の営業が特徴です。転勤が少なく、地元で長く働きたい学生に適しています。採用では地域への愛着と顧客との関係構築力が重視されます。

ネット証券・地方証券では、学歴よりも実務能力と人物重視の選考が行われます。ITスキルや営業力など、具体的なスキルをアピールできれば、学歴に関係なく内定を獲得できる可能性が高まります。

証券業界の仕事内容|営業職と専門職の違い

証券業界には、リテール営業、ホールセール営業、投資銀行部門、専門職など、さまざまな職種があります。自分に合った職種を理解し、適性を見極めることが就職活動の成功につながります。

リテール営業(個人向け営業)

リテール営業は、個人顧客を対象に株式や投資信託、債券などの金融商品を提案・販売する仕事です。証券会社の営業職の中で最も人数が多く、新卒採用の大半がこの職種に配属されます。

顧客の資産状況やライフプランをヒアリングし、最適な投資商品を提案します。ノルマが設定されることが多く、目標達成に向けた粘り強い営業活動が求められます。コミュニケーション能力と提案力が重視される職種です。

リテール営業では、新規顧客の開拓と既存顧客のフォローの両方が重要です。飛び込み営業や電話営業も行われるため、精神的なタフネスも必要とされます。

ホールセール営業(法人向け営業)

ホールセール営業は、企業や機関投資家を対象に金融サービスを提供する仕事です。リテール営業と比べて1件あたりの取引金額が大きく、高度な金融知識と提案力が求められます。

企業の資金調達支援、M&Aアドバイザリー、機関投資家向けの投資商品の提案などが主な業務です。顧客との長期的な信頼関係を構築し、企業の成長をサポートする役割を担います。

ホールセール営業では、経済動向や業界トレンドへの深い理解が必要です。また、経営者や財務担当者と対等に議論できるビジネススキルも求められます。

投資銀行部門(IBD)

投資銀行部門は、企業のM&A、資金調達、IPO支援などを手がける花形部門です。証券業界の中で最も専門性が高く、高年収が期待できる職種として人気があります。

大型M&A案件では数百億円から数兆円規模の取引をサポートし、企業の成長戦略を支援します。財務分析、企業価値評価、契約交渉など、高度な専門知識とスキルが必要です。

投資銀行部門は激務で知られており、深夜までの残業や休日出勤が常態化しています。体力とメンタルの強さ、そして仕事への強い情熱が求められます。

専門職(アナリスト・トレーダー)

アナリストは企業や業界を調査・分析し、投資判断の根拠となるレポートを作成する仕事です。財務諸表の分析、経営陣へのインタビュー、業界動向の調査などを行い、投資家に有益な情報を提供します。

トレーダーは、株式・債券・為替などの金融商品を売買する仕事です。市場の動きを瞬時に判断し、最適なタイミングで取引を実行します。数字への強さと冷静な判断力が求められます。

専門職では、金融知識と分析力が重視されます。理系出身者や金融工学を学んだ学生が活躍する傾向があります。

証券会社で求められる人物像|5つのポイント

証券業界で評価される人材像を理解し、自己分析や自己PRに活かしましょう。以下の5つのポイントが特に重視されます。

コミュニケーション能力と営業力

証券業界では、顧客との信頼関係を構築するコミュニケーション能力が最も重要です。顧客のニーズを正確に把握し、適切な提案を行うためには、高い傾聴力と説明力が必要です。

営業職では、初対面の顧客に対しても臆することなく話しかけられる積極性が求められます。また、断られても諦めずに粘り強く営業活動を続ける精神力も重要です。

面接では、サークルやアルバイトでのコミュニケーション経験をアピールしましょう。具体的なエピソードを交えて、どのように人間関係を構築したかを説明できると効果的です。

数字への強さと論理的思考力

証券業界では、株価や経済指標などの数字を扱う機会が多く、数字への強さが求められます。財務諸表を読み解く力や、データから傾向を分析する力が重要です。

論理的思考力も欠かせません。顧客に投資を提案する際には、なぜその商品が最適なのかを論理的に説明する必要があります。また、市場の動きを分析し、投資判断の根拠を明確にする力も求められます。

理系出身者や数学が得意な学生は、この点をアピールポイントにできます。文系出身者でも、ゼミでのデータ分析経験や統計学の学習経験があれば、積極的に伝えましょう。

ストレス耐性とメンタルの強さ

証券業界は、ノルマや市場の変動によるプレッシャーが大きい業界です。目標未達成が続いても諦めずに努力を続けられるメンタルの強さが求められます。

特に投資銀行部門やトレーディング部門では、長時間労働が常態化しており、体力とメンタルの両面でタフネスが必要です。厳しい環境でも前向きに働き続けられる姿勢が評価されます。

面接では、困難な状況を乗り越えた経験をアピールしましょう。部活動での挫折と復活、アルバイトでの困難な課題の克服など、具体的なエピソードが効果的です。

金融知識と経済への関心

証券業界を志望するなら、金融知識と経済への関心は必須です。日経新聞を毎日読み、経済ニュースに関心を持つ習慣をつけましょう。面接では時事問題について質問されることも多く、経済への理解度が評価されます。

証券外務員資格やFP資格を取得していると、金融への本気度をアピールできます。資格取得に向けた勉強を通じて、金融の基礎知識を体系的に学ぶこともできます。

大学のゼミで金融や経済を専攻している学生は、その学習内容を具体的に説明できるようにしましょう。卒業論文のテーマが金融に関連していれば、大きなアピールポイントになります。

英語力とグローバル志向(外資系の場合)

外資系証券を志望する場合、高い英語力は必須です。TOEIC900点以上が目安とされ、ビジネスレベルの英語でコミュニケーションできることが求められます。

面接では英語面接が実施されることも多く、英語で自己PRや志望動機を説明できる準備が必要です。留学経験や英語を使ったインターンシップ経験があれば、積極的にアピールしましょう。

国内大手証券でも、グローバル展開を強化している企業では英語力が評価されます。海外勤務を希望する学生や、グローバルな環境で働きたい学生は、英語力を磨いておくことが重要です。

高偏差値企業に内定するための5つの対策

高偏差値の証券会社に内定するためには、戦略的な準備が必要です。以下の5つの対策を実践し、内定獲得の可能性を高めましょう。

早期から業界研究を徹底する

証券業界の業界研究は、早ければ早いほど有利です。大学3年生の春から業界研究を始め、証券業界の仕組み、主要企業の特徴、業界動向などを深く理解しましょう。

業界研究では、各証券会社の強みや企業文化の違いを把握することが重要です。野村證券と大和証券、SMBC日興証券とみずほ証券など、似たような企業でも戦略や社風は異なります。企業の違いを明確に説明できるようになることが、選考突破の鍵です。

日経新聞や業界専門誌を読み、証券業界の最新トレンドをキャッチアップしましょう。新NISAの影響、金融DXの進展、ESG投資の拡大など、業界を取り巻く環境変化を理解することが大切です。

インターンシップに必ず参加する

高偏差値企業では、インターンシップ参加者に優遇措置があることが多く、本選考で有利に働きます。特に外資系証券では、インターンシップからの採用が中心で、本選考からの内定は極めて困難です。

インターンシップでは、実際の業務を体験できるだけでなく、社員との交流を通じて企業文化を肌で感じることができます。また、インターンシップでの評価が高ければ、早期選考の案内や特別ルートでの選考が受けられることもあります。

インターンシップの選考も本選考と同様に厳しいため、ES対策やグループディスカッション対策をしっかり行いましょう。複数の証券会社のインターンシップに応募し、チャンスを広げることも重要です。

金融知識・資格を身につける

証券外務員資格は、証券業界で働くために必須の資格です。入社後に取得を求められますが、就活段階で取得していると金融への本気度をアピールできます。特に一種外務員資格を取得していると、高く評価されます。

FP(ファイナンシャルプランナー)資格も、顧客の資産形成をサポートする上で有用な資格です。FP2級以上を取得していると、金融知識の幅広さをアピールできます。

簿記2級以上を取得していると、財務諸表を読み解く力があることを示せます。投資銀行部門やアナリスト職を志望する学生には特に有効です。

OB・OG訪問で生の情報を集める

OB・OG訪問は、企業の実態を知る最も効果的な方法です。採用サイトや説明会では得られない、現場のリアルな情報を聞くことができます。仕事のやりがい、厳しさ、キャリアパス、社内の雰囲気など、具体的な質問を準備して訪問しましょう。

OB・OG訪問では、「なぜその企業を選んだのか」「入社後のギャップはあったか」「どのようなスキルが必要か」など、踏み込んだ質問をすることが大切です。複数の社員に会うことで、企業の多面的な姿を理解できます。

OB・OGがいない企業でも、ビズリーチ・キャンパスやマッチャーなどのサービスを活用すれば、社員とつながることができます。積極的に活用し、情報収集の機会を増やしましょう。

自己分析と企業研究で志望動機を固める

高偏差値企業の選考では、「なぜこの業界なのか」「なぜこの企業なのか」「入社後に何をしたいのか」が厳しく問われます。表面的な志望動機では通用せず、深い自己分析と企業研究に基づいた説得力のある志望動機が必要です。

自己分析では、自分の強み・弱み、価値観、キャリアビジョンを明確にしましょう。過去の経験を振り返り、なぜ証券業界に興味を持ったのか、どのような仕事にやりがいを感じるのかを深掘りします。

企業研究では、各社の事業戦略、強み、企業文化を徹底的に調べます。その上で、「自分の強みをどう活かせるか」「その企業でなければ実現できないことは何か」を明確にし、オリジナリティのある志望動機を作り上げましょう。

学歴フィルターと採用大学の実態

証券業界における学歴フィルターの実態を正直にお伝えします。自分の学歴で狙える企業を見極め、効率的な就職活動を進めましょう。

外資系・国内大手の学歴フィルター

外資系トップティア(ゴールドマン・サックス、JPモルガン、モルガン・スタンレー)では、事実上の学歴フィルターが存在します。採用大学は東京大学・京都大学・一橋大学・慶應義塾大学・早稲田大学などの最難関大学がほとんどで、それ以外の大学からの採用は極めて少数です。

国内大手証券(野村證券、大和証券)の総合職では、明確な学歴フィルターはないとされていますが、採用大学ランキングを見ると旧帝大・早慶が上位を占めています。ただし、MARCH・関関同立や日東駒専・産近甲龍からの採用実績もあり、学歴以外の要素で評価される可能性は十分にあります。

準大手証券(SMBC日興証券、みずほ証券)では、学歴フィルターは比較的緩やかです。採用人数が多く、幅広い大学から人材を募集しているため、中堅大学からでもチャンスがあります。

中堅大学から狙える証券会社

MARCH・関関同立レベルの学生は、国内大手証券の総合職と準大手証券を中心に狙うのが現実的です。野村證券や大和証券でも採用実績がありますが、倍率が高いため、徹底的な対策が必要です。

日東駒専・産近甲龍レベルの学生は、準大手証券(SMBC日興証券、みずほ証券)と中堅証券(岡三証券、東海東京証券)が狙い目です。これらの企業は学歴よりも人物重視の選考を行っており、コミュニケーション能力や営業力をアピールできれば内定の可能性があります。

MARCH・関関同立レベル
国内大手証券の総合職と準大手証券を中心に狙う。野村證券や大和証券も採用実績あり。
日東駒専・産近甲龍レベル
準大手証券(SMBC日興証券、みずほ証券)と中堅証券が狙い目。人物重視の選考が中心。
地方国立・地方私立大学
地元の地方証券会社が有力な選択肢。地域への愛着と地元で働く意欲を強くアピール。

学歴以外で評価されるポイント

学歴に自信がない学生でも、以下のポイントをアピールすることで内定獲得のチャンスを広げられます。

  • 営業力とコミュニケーション能力:アルバイトや部活動でのリーダーシップ経験、顧客対応経験を具体的に説明
  • 金融知識と資格:証券外務員資格やFP資格の取得で金融への本気度をアピール
  • インターンシップ経験:実務経験があると即戦力として評価される可能性が高まる

証券会社のデメリットと気をつけたいこと

証券業界への就職を考える上で、デメリットやリスクを正直に理解しておくことが重要です。入社後のミスマッチを防ぐため、厳しい現実も知っておきましょう。

激務・長時間労働の実態

証券業界、特に投資銀行部門やトレーディング部門は激務で知られています。深夜までの残業や休日出勤が常態化しており、月の残業時間が100時間を超えることも珍しくありません。

外資系証券では、朝7時出社・深夜2時退社といった過酷な勤務が続くこともあります。体力とメンタルの両面で強靭さが求められ、ワークライフバランスを重視する学生には向いていません。

リテール営業でも、顧客対応や営業活動で夜遅くまで働くことが多く、プライベートの時間を確保しにくい傾向があります。証券業界を志望するなら、激務を覚悟する必要があります。

ノルマと成果主義のプレッシャー

証券会社の営業職では、厳しいノルマが設定されることが一般的です。月次・四半期・年間の目標が明確に定められ、達成度が評価に直結します。ノルマ未達成が続くと、上司からのプレッシャーや同僚との競争で精神的に追い込まれることもあります。

成果主義が徹底されており、成果を出せない社員は評価が低くなります。ボーナスや昇進にも大きく影響するため、常に結果を求められるプレッシャーがあります。

営業が得意で、競争環境で力を発揮できる学生には向いていますが、プレッシャーに弱い学生には厳しい環境です。

転勤・配属リスク

国内大手証券では、全国に支店があるため転勤の可能性があります。入社後の配属先は希望通りにならないことも多く、地方の支店に配属されるケースもあります。

総合職として採用された場合、数年ごとに転勤を繰り返すことが一般的です。家族がいる場合や、特定の地域に住み続けたい場合は、キャリアプランに影響する可能性があります。

配属部門も希望通りにならないことがあります。投資銀行部門を希望していても、リテール営業に配属されることもあり、入社後のギャップを感じる社員も少なくありません。

離職率と早期退職の可能性

証券業界は離職率が高い業界として知られています。特に外資系証券では、3年以内に半数以上が退職するとも言われています。激務、ノルマのプレッシャー、成果主義の厳しさなどが理由です。

国内大手証券でも、リテール営業の厳しさから早期退職する社員が一定数います。入社後のギャップや、想像以上の厳しさに耐えられず、転職を選択するケースも多いです。

証券業界を志望するなら、厳しい環境でも働き続ける覚悟が必要です。入社前に業界の実態を十分に理解し、自分に適性があるかを慎重に判断しましょう。

まとめ

証券会社の就職偏差値ランキングと内定獲得のポイントについて解説しました。外資系トップティアは就職偏差値74以上の最難関で、国内大手証券も高い入社難易度を誇ります。学歴フィルターは存在しますが、中堅大学からでも準大手証券や中堅証券は十分に狙えます。

高偏差値企業に内定するためには、早期からの業界研究、インターンシップ参加、金融知識の習得、OB・OG訪問、そして深い自己分析と企業研究が必要です。コミュニケーション能力、数字への強さ、ストレス耐性、金融知識、英語力の5つが証券業界で求められる人物像です。

一方で、証券業界には激務、ノルマのプレッシャー、転勤リスク、高い離職率といったデメリットもあります。これらの現実を理解した上で、自分に適性があるかを慎重に判断することが大切です。

就職偏差値は参考指標であり、個人の適性や努力次第で結果は変わります。ご自身の目標と適性に合わせて、慎重にご検討ください。なお、就職活動には厳しい競争や精神的なプレッシャーが伴います。最終的な企業選択はご自身の責任で行ってください。企業情報・採用情報は変更される可能性があります。最新情報は各社採用サイトでご確認ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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