NISA口座の移管方法|手続きの流れと注意点を解説

貯金がなかなか増えないと悩んでいませんか。
生活費と貯金を同じ口座で管理していると、ついつい使ってしまって貯金が進まないという方は多いんです。
実は、貯金専用の口座を作って生活費と分けて管理すると、無駄遣いを防いで計画的にお金を貯められるようになります。
この記事では、貯金用口座におすすめの銀行8選を金利・手数料・特徴で比較し、効率的に貯金を続けるコツまで詳しく解説します。
自分に合った貯金用口座を選んで、確実に資産を増やしていきましょう。
目次
貯金用口座とは
貯金用口座とは、日常の生活費とは別に、貯金だけを管理するための専用口座のことです。給料が振り込まれる口座とは別に用意して、毎月決まった金額を自動で振り替えることで、確実に貯金を増やしていく仕組みを作れます。
1つの口座で生活費も貯金も一緒に管理していると、残高が分かりにくく、ついつい使いすぎてしまいがちです。貯金専用の口座を持つことで、「使うお金」と「貯めるお金」を明確に分けられ、貯金額が一目で分かるようになります。貯金が増えていく実感を得られるので、モチベーションも維持しやすくなるんです。
貯金用口座を持つメリットは大きく3つあります。まず1つ目は、貯金額が一目で分かることです。生活費と混ざっていると「今いくら貯まっているのか」が分かりにくいですが、専用口座なら残高がそのまま貯金額になるので管理が簡単です。
2つ目は、無駄遣いを防げることです。生活費の口座に余裕があると、つい使ってしまいがちですが、貯金用口座に分けておけば簡単には引き出せません。心理的なハードルが上がるので、衝動買いを防げます。
3つ目は、金利が高い銀行を選べば利息でお金が増えることです。メガバンクの普通預金金利は年0.2%程度ですが、ネット銀行なら年0.5%など高金利の口座もあります。100万円を1年間預けた場合、メガバンクでは約1,600円の利息ですが、金利0.5%の銀行なら約4,000円になります。貯金額が大きくなるほど、この差は広がっていきます。
貯金用口座にもデメリットがあります。まず、複数の口座を管理する手間が増えることです。生活費用の口座と貯金用の口座を分けると、それぞれの残高確認や入出金の管理が必要になります。スマホアプリで一元管理できる銀行を選ぶと、この手間を減らせます。
また、貯金用口座から頻繁にお金を引き出してしまうと、貯金の意味がなくなります。「どうしても必要な時以外は引き出さない」というルールを自分で決めておくことが大切です。自動積立を設定して、最初から貯金分を別口座に移してしまえば、引き出す誘惑も減らせます。
金利が高い銀行でも、インフレ率を考慮すると実質的な資産価値が目減りする可能性があります。日本のインフレ率が年2%の場合、金利0.5%の預金では実質的に年1.5%の価値が減少することになります。長期的な資産形成を考えるなら、貯金だけでなく投資も組み合わせることを検討しましょう。
貯金用口座を選ぶ6つのポイント
貯金用口座を選ぶ際には、金利の高さだけでなく、使いやすさや手数料、自動積立機能など、総合的に判断することが大切です。ここでは、貯金用口座を選ぶ際にチェックすべき6つのポイントを解説します。
貯金用口座を選ぶ上で最も重要なのが金利の高さです。同じ金額を預けても、金利が違えば受け取れる利息に大きな差が出ます。メガバンクの普通預金金利は年0.2%程度ですが、ネット銀行では年0.5%など、2倍以上の金利を提供している銀行もあります。
証券口座と連携することで金利がアップする銀行が多いです。楽天銀行では楽天証券と連携すると最大年0.18%、住信SBIネット銀行ではSBI証券と連携すると年0.21%に金利がアップします。証券口座を開設するだけで金利が上がる場合もあるので、投資をしない方でも検討する価値があります。
貯金を続けるには、給料日に自動で貯金用口座にお金を移す仕組みを作ることが重要です。自動入金サービスや定額自動入金サービスがある銀行なら、毎月決まった日に決まった金額を自動で振り替えてくれます。
住信SBIネット銀行や楽天銀行、東京スター銀行などは、他行からの自動入金サービスを無料で提供しています。給料が振り込まれる口座から、自動的に貯金用口座へ移してくれるので、「先取り貯金」が簡単に実現できます。手動で振り替える手間もなく、貯金を忘れることもありません。
貯金用口座でも、急にお金が必要になった時のためにATM手数料や振込手数料の安さは確認しておきましょう。せっかく金利で利息を得ても、手数料で相殺されてしまっては意味がありません。
ネット銀行の多くは、コンビニATMの入出金手数料が月数回無料になる優遇プログラムを提供しています。住信SBIネット銀行なら月2回以上、楽天銀行なら最大月7回まで無料です。また、他行あて振込手数料も、条件によって月数回無料になる銀行が多いので、自分の利用頻度に合わせて選びましょう。
貯金の目的が複数ある場合、目的別に管理できる機能があると便利です。「旅行資金」「車の購入資金」「緊急予備資金」など、目的ごとに口座を分けて管理できる銀行もあります。
みんなの銀行では「Box」という機能があり、1つの口座の中で最大20個まで目的別の貯金箱を作れます。それぞれに目標金額と期限を設定でき、進捗状況が一目で分かるので、モチベーション維持にも役立ちます。イオン銀行や住信SBIネット銀行でも、目的別口座の機能が提供されています。
貯金用口座を選ぶ際には、銀行の安全性も重要です。日本では預金保険制度(ペイオフ)により、1つの金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護されています。万が一銀行が破綻しても、この範囲内であれば預金は守られます。
ネット銀行も、金融庁に登録された正規の銀行であれば預金保険制度の対象です。ただし、1,000万円を超える貯金がある場合は、複数の銀行に分散して預けることでリスクを軽減できます。
貯金用口座の管理をスマホで行うなら、アプリの使いやすさも重要なポイントです。残高照会や入出金履歴の確認、定期預金の申し込みなどが、スマホアプリで簡単にできる銀行を選びましょう。
住信SBIネット銀行や楽天銀行、みんなの銀行などは、スマホアプリの評価が高く、直感的な操作で各種手続きができます。指紋認証やFace IDでログインできる銀行も多く、セキュリティと利便性を両立しています。定期的に残高をチェックして貯金の進捗を確認する習慣をつけるためにも、使いやすいアプリは重要です。
貯金用口座におすすめの銀行8選
ここからは、貯金用口座におすすめの銀行8選を紹介します。それぞれの金利、手数料、特徴を詳しく比較しながら解説していきますので、自分に合った銀行を見つけてください。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同出資で設立したネット専業銀行です。普通預金金利は年0.2%ですが、SBI証券の口座と連携する「SBIハイブリッド預金」を利用すると年0.21%にアップします。証券口座を開設するだけで金利が上がるので、投資をしない方でも検討する価値があります。
住信SBIネット銀行の特徴
ATM手数料は月2回以上無料、他行あて振込手数料も月1回以上無料
スマートプログラムで取引状況に応じて最大月15回まで無料回数が増える
定額自動入金サービスを無料で利用でき、先取り貯金の仕組みを簡単に作れる
「アプリでATM」機能でセブン銀行とローソン銀行のATMで入出金手数料が回数無制限で無料
スマホアプリも使いやすく、「アプリでATM」機能を使えばセブン銀行とローソン銀行のATMで入出金手数料が回数無制限で無料になります。総合的なバランスが良く、貯金用口座としておすすめの銀行の1つです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天銀行は、楽天グループが運営するネット銀行で、楽天経済圏を利用している方に特におすすめです。普通預金金利は通常年0.02%ですが、楽天証券の口座と連携する「マネーブリッジ」を設定すると年0.1%にアップし、さらに楽天カードの引き落とし口座に設定すると年0.12%になります。
楽天銀行の特徴
取引ごとに楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントは楽天市場での買い物や手数料の支払いに使える
ATM手数料は最大月7回まで無料、他行あて振込手数料も最大月3回まで無料
ハッピープログラムで預金残高や取引件数に応じて優遇が受けられる
スマホアプリが見やすく、直感的に操作できるので初心者にもおすすめ
楽天銀行の大きな特徴は、取引ごとに楽天ポイントが貯まることです。振込や口座振替、給与受取などでポイントが貯まり、貯まったポイントは楽天市場での買い物や手数料の支払いに使えます。楽天サービスをよく利用する方なら、ポイントでさらにお得になります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
SBI新生銀行は、独自のステージプログラムが特徴の銀行です。普通預金金利は通常年0.03%ですが、ダイヤモンドステージになると年0.15%にアップします。ダイヤモンドステージの条件は、SBI証券との口座連携、28歳以下、60歳以上のいずれかを満たせば達成できるので、比較的簡単です。
SBI新生銀行の特徴
定期預金の金利も高く、新規口座開設者限定で3カ月もの定期預金が年1.0%になるキャンペーンを実施
2週間満期の定期預金もあり、長期で預けるのが不安な方にも利用しやすい
シルバーステージ以上で提携コンビニATMの出金手数料が何度でも無料
ダイヤモンドステージなら他行あて振込手数料が月10回まで無料
シルバーステージ以上になると、提携コンビニATMの出金手数料が何度でも無料になります。セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップのATMが対象なので、利便性も高いです。
あおぞら銀行BANKは、普通預金の金利の高さが最大の魅力です。預入金額100万円までは年0.5%、100万円を超える部分は年0.35%の金利が適用されます。他のネット銀行のように証券口座との連携や給与受取の設定などの条件は一切なく、口座を開設するだけでこの高金利が適用されるのが大きなメリットです。
あおぞら銀行BANKの特徴
100万円を1年間預けた場合、税引後で約3,985円の利息を受け取れる
ゆうちょ銀行ATMが365日手数料無料で利用できる(一部の郵便局を除く)
全国約32,000台のゆうちょ銀行ATMが使えるので、地方にお住まいの方でも便利
利用時間が8:00〜21:00に限られているので、夜間の利用が多い方は注意が必要です。
イオン銀行は、イオングループが運営する銀行で、イオンでよく買い物をする方におすすめです。普通預金金利は通常年0.001%ですが、イオンカードセレクト(クレジットカード一体型キャッシュカード)を持ち、イオン銀行Myステージのシルバーステージ以上になると年0.03%〜0.1%にアップします。
イオン銀行の特徴
イオンカードセレクトの引き落とし口座をイオン銀行に設定すると、イオングループでの買い物でWAON POINTが貯まりやすくなる
毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」では、イオンでの買い物が5%オフ
イオン銀行ATMならいつでも無料で、全国約6,000台のATMが利用できる
マネックス証券と連携すると、投資信託の購入もできるようになり、資産運用の幅も広がる
東京スター銀行は、自動入金サービス「スターワン自動入金」が便利な銀行です。他行の口座から毎月自動で資金を移動できるので、給料が振り込まれる口座から貯金用口座への振替を自動化できます。この自動入金サービスは手数料無料で利用できます。
東京スター銀行の特徴
給与振込口座に指定すると「給与振込プラス」という優遇プログラムが適用
ATM手数料が月8回まで無料、他行あて振込手数料が月3回まで無料
「スターワン1週間円預金」という商品があり、1週間ごとに満期を迎える定期預金として利用できる
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)は、日本初のインターネット専業銀行として2000年に開業した歴史ある銀行です。普通預金金利は「ステップアップ円預金」で年0.2%〜0.4%と、預金残高や年齢に応じて金利が変わる仕組みになっています。
PayPay銀行の特徴
29歳以下の方は、預金残高10万円未満で年0.2%、10万円以上100万円未満で年0.3%、100万円以上で年0.4%
PayPayアプリと連携すると、口座開設申込が最短1分で完了
Yahoo!ショッピングやPayPayでの買い物をよく利用する方なら、ポイント連携などのメリットもある
ATM手数料は月1回無料、3万円以上の入出金なら何度でも無料
みんなの銀行は、ふくおかフィナンシャルグループが運営するデジタルバンクです。スマホアプリだけで完結するサービス設計が特徴で、口座開設から各種取引まですべてアプリで行えます。
みんなの銀行の特徴
「Box」という目的別貯金機能で、1つの口座の中で最大20個まで貯金箱を作れる
それぞれに「旅行資金」「緊急予備資金」などの名前をつけて管理できる
目標金額と期限を設定でき、進捗状況がグラフで表示されるので、貯金のモチベーションを保ちやすい
プレミアム会員(月額600円)になると、他行あて振込手数料が月10回まで無料、ATM出金手数料が月15回まで無料
普通預金金利は年0.001%と標準的ですが、プレミアム会員になると、デビットカードの還元率が1%になるなど、使い方によってはお得です。若い世代やスマホで完結したい方におすすめの銀行です。
口座の種類はどれを選ぶ?
貯金用口座を選ぶ際には、口座の種類も理解しておくことが大切です。銀行には普通預金、定期預金、貯蓄預金という3つの主な預金種類があり、それぞれ特徴が異なります。自分の貯金スタイルに合った口座を選びましょう。
普通預金は、いつでも自由に入出金できる最も基本的な預金です。給料の受取や公共料金の引き落としなど、日常的な取引に使われます。貯金用口座としても、急な出費に備えてすぐに引き出せる資金を置いておくのに適しています。
金利は定期預金より低めですが、ネット銀行なら年0.2%〜0.5%と比較的高金利の銀行もあります。流動性が高く、いつでも引き出せる安心感があるので、緊急予備資金や短期的な貯金目標に向いています。
定期預金は、あらかじめ決めた期間(3ヶ月、6ヶ月、1年、3年、5年など)お金を預ける預金です。満期まで原則として引き出せない代わりに、普通預金より高い金利が適用されます。2024年3月の日銀の利上げ以降、定期預金の金利も上昇しており、1年もので年0.5%〜1.0%程度の金利を提供する銀行もあります。
中途解約も可能ですが、その場合は金利が大幅に下がります。そのため、満期まで確実に使わないお金を預けるのに適しています。
SBI新生銀行やオリックス銀行、SBJ銀行などは定期預金の金利が高く、貯金用口座としておすすめです。ただし、定期預金だけでは急な出費に対応できないので、普通預金と組み合わせて利用するのが賢い方法です。
貯蓄預金は、残高が一定額以上になると金利が上がる預金です。普通預金のように自由に入出金できますが、基準残高(例:10万円)を下回ると金利が下がる仕組みになっています。給料の受取や公共料金の引き落としには使えない銀行が多いです。
貯蓄預金は、ある程度まとまった金額を預けて、必要な時だけ引き出すという使い方に適しています。普通預金と定期預金の中間的な性質を持ち、流動性を保ちながらも高めの金利を得られるのがメリットです。
最近は貯蓄預金を提供する銀行が減っており、普通預金の金利が高いネット銀行が増えているため、貯蓄預金を選ぶメリットは以前より小さくなっています。普通預金で高金利の銀行を選ぶ方が、使い勝手も良くおすすめです。
貯金を続けるコツ
貯金用口座を作っても、実際に貯金を続けられなければ意味がありません。ここでは、貯金を確実に続けるためのコツを紹介します。特に重要なのが「先取り貯金」と「自動積立」の仕組みを作ることです。
先取り貯金とは、給料が入ったらまず貯金分を別口座に移し、残ったお金で生活するという方法です。「余ったら貯金しよう」という考え方では、なかなか貯金は増えません。最初に貯金分を確保してしまえば、確実にお金が貯まっていきます。
先取り貯金を実践するには、まず毎月の貯金額を決めます。手取り収入の10%〜20%が目安ですが、無理のない金額から始めましょう。月3万円でも、1年で36万円、5年で180万円になります。少額でも続けることが大切です。
給料日に手動で振り替えるのは忘れがちなので、自動入金サービスを利用するのがおすすめです。住信SBIネット銀行や楽天銀行、東京スター銀行などは、他行からの定額自動入金サービスを無料で提供しています。一度設定すれば、毎月自動で貯金用口座にお金が移るので、手間もかからず確実に貯金できます。
自動入金サービスの設定は、各銀行のウェブサイトやスマホアプリから簡単に行えます。住信SBIネット銀行を例に説明すると、まずログイン後に「定額自動入金」のメニューを選びます。次に、引き落とし元の銀行口座情報(銀行名、支店名、口座番号)と、毎月の入金額、入金日を設定します。
一度設定すれば、あとは自動で貯金が続くので、「貯金を忘れていた」ということがなくなります。
貯金を始めても、途中で挫折してしまう人は少なくありません。貯金が続かない主な原因は、目標が不明確、金額が無理、モチベーションの低下の3つです。それぞれの対処法を見ていきましょう。
証券口座連携で金利アップ
ネット銀行の中には、証券会社の口座と連携することで普通預金の金利が大幅にアップするサービスを提供しているところがあります。代表的なのが楽天銀行の「マネーブリッジ」と住信SBIネット銀行の「SBIハイブリッド預金」です。投資をしない方でも、証券口座を開設するだけで金利が上がるのでおすすめです。
マネーブリッジは、楽天銀行と楽天証券の口座を連携するサービスです。連携すると、楽天銀行の普通預金金利が年0.02%から年0.1%にアップします。さらに楽天カードの引き落とし口座に設定すると年0.12%になります。メガバンクの金利0.2%と比べても遜色ない水準です。
マネーブリッジを設定すると、楽天証券で株や投資信託を購入する際に、楽天銀行の口座から自動で入金されるので便利です。また、楽天証券での取引で楽天ポイントが貯まり、そのポイントで投資信託を購入することもできます。楽天経済圏を利用している方なら、ポイントの相乗効果も期待できます。
設定方法は簡単で、楽天銀行と楽天証券の両方の口座を開設した後、楽天証券のウェブサイトまたはアプリから「マネーブリッジ」を申し込むだけです。申し込み後、即座に金利アップが適用されます。証券口座を開設するだけで金利が5倍になるので、投資をしない方でも検討する価値があります。
SBIハイブリッド預金は、住信SBIネット銀行とSBI証券の口座を連携するサービスです。連携すると、普通預金金利が年0.2%から年0.21%にアップします。さらに、SBI新生銀行の「SBIハイパー預金」を利用すると、年0.42%まで金利が上がります。
SBIハイブリッド預金の特徴は、銀行口座の残高で直接株や投資信託を購入できることです。証券口座に資金を移す手間がなく、スムーズに取引できます。また、SBI証券は国内最大手のネット証券で、取扱商品が豊富なので、将来的に投資を始めたくなった時にも便利です。
設定方法は、SBI証券の口座開設時に住信SBIネット銀行の口座を同時に開設するか、既に両方の口座を持っている場合はSBI証券のウェブサイトから連携設定を行います。マネーブリッジと同様、証券口座を開設するだけで金利が上がるので、貯金用口座として活用する価値があります。
複数口座を持つときの管理方法
貯金を効率的に進めるには、目的に応じて複数の口座を使い分けるのがおすすめです。一般的には「使う口座」「イベント用口座」「貯金専用口座」の3つに分けると管理しやすくなります。それぞれの役割と使い方を解説します。
使う口座は、日常の生活費を管理する口座です。給料の振込、家賃や光熱費などの引き落とし、日々の買い物など、頻繁に入出金する口座なので、ATM手数料が安く、使い勝手の良い銀行を選びましょう。メガバンクや地方銀行など、ATMが多く、窓口でも相談できる銀行が向いています。
使う口座には、月の生活費プラス予備費として数万円程度を残しておき、それ以外は貯金用口座に移すのがポイントです。使う口座に余裕があると、つい使ってしまいがちなので、必要最小限の金額だけを入れておきましょう。
イベント用口座は、年に数回の大きな出費に備える口座です。旅行、家電の買い替え、冠婚葬祭、税金の支払いなど、毎月ではないけれど定期的に発生する支出のための資金を貯めておきます。
イベント用口座には、毎月1万円〜3万円程度を積み立てておくと安心です。例えば、月2万円を積み立てれば、年間24万円になります。これだけあれば、急な冠婚葬祭や家電の故障にも対応できます。
イベント用口座は、比較的頻繁に引き出す可能性があるので、普通預金で流動性を保ちつつ、金利が高い銀行を選ぶのがおすすめです。あおぞら銀行BANKやPayPay銀行など、金利が高く、ATM手数料も安い銀行が適しています。
貯金専用口座は、将来の大きな目標のために長期的に貯める口座です。住宅購入の頭金、子どもの教育資金、老後資金など、数年から数十年先に使う予定のお金を貯めます。基本的に引き出さない口座なので、金利の高さを最優先で選びましょう。
貯金専用口座には、給料の10%〜20%を先取り貯金で自動入金するのがおすすめです。住信SBIネット銀行や楽天銀行の自動入金サービスを利用すれば、毎月自動で貯金が増えていきます。
長期的に貯める資金なので、一部を定期預金にするのも良い方法です。SBI新生銀行やオリックス銀行の定期預金なら、年0.5%〜1.0%程度の金利で運用できます。ただし、全額を定期預金にすると急な出費に対応できないので、普通預金と定期預金を組み合わせてバランスを取りましょう。
貯金用口座で気をつけたいこと
貯金用口座を選ぶ際には、金利の高さだけでなく、安全性やリスクについても理解しておくことが大切です。特に、預金保険制度の仕組みとインフレによる資産価値の目減りについては、しっかり把握しておきましょう。
預金保険制度(ペイオフ)は、銀行が破綻した場合に預金者を保護する制度です。日本では、預金保険機構が運営しており、1つの金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護されます。この制度により、万が一銀行が破綻しても、1,000万円までは確実に戻ってくるので安心です。
1,000万円を超える預金は保護されない可能性があります。銀行の財産状況によっては、超過分が一部しか戻らないこともあります。そのため、1,000万円を超える貯金がある場合は、複数の銀行に分散して預けることでリスクを軽減できます。
預金保険制度の対象となるのは、普通預金、定期預金、貯蓄預金などの一般的な預金です。外貨預金や仕組預金などは対象外なので注意が必要です。また、ネット銀行も、金融庁に登録された正規の銀行であれば預金保険制度の対象となります。
ネット銀行は店舗を持たず、インターネットで取引を行う銀行ですが、安全性はメガバンクと変わりません。ネット銀行も金融庁に登録された正規の銀行であり、預金保険制度の対象です。万が一破綻しても、1,000万円までの預金は保護されます。
むしろ、ネット銀行は店舗運営コストがかからない分、高金利や手数料無料などのサービスを提供できるというメリットがあります。住信SBIネット銀行は三井住友信託銀行とSBIホールディングスの共同出資、楽天銀行は楽天グループが運営しており、財務基盤もしっかりしています。
ネット銀行はインターネット取引が中心なので、セキュリティには注意が必要です。ログインパスワードは複雑なものにし、定期的に変更しましょう。また、二段階認証やワンタイムパスワードなどのセキュリティ機能を必ず設定してください。フィッシング詐欺にも注意し、公式サイト以外からログインしないようにしましょう。
貯金用口座で気をつけたいのが、インフレによる実質的な資産価値の目減りです。インフレとは物価が上昇することで、お金の価値が相対的に下がる現象です。例えば、インフレ率が年2%の場合、今年100万円で買えたものが、来年は102万円出さないと買えなくなります。
預金金利が年0.5%でも、インフレ率が年2%なら、実質的には年1.5%の価値が減少していることになります。日本は長年デフレでしたが、2024年以降は物価上昇が続いており、インフレ時代に入ったと言われています。貯金だけで資産を守るのは難しくなってきています。
インフレリスクに対応するには、貯金だけでなく投資も組み合わせることが重要です。株式や投資信託は、インフレに強い資産と言われています。NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用すれば、効率的に資産を増やせます。貯金で安全性を確保しつつ、一部を投資に回すことで、インフレに負けない資産形成を目指しましょう。
貯金の目的が複数ある場合は、複数の貯金専用口座を持つのも良い方法です。「住宅購入資金」「教育資金」「老後資金」など、目的ごとに口座を分けると、それぞれの進捗が分かりやすくなります。ただし、口座が多すぎると管理が煩雑になるので、3〜4口座程度に抑えるのがおすすめです。
また、預金保険制度の観点からも、1つの銀行に1,000万円以上預ける場合は、複数の銀行に分散した方が安全です。例えば、1,500万円の貯金があるなら、A銀行に1,000万円、B銀行に500万円と分けることで、両方とも預金保険制度で保護されます。
貯金用口座としては、金利が高いネット銀行の方がおすすめです。メガバンクの普通預金金利は年0.2%程度ですが、ネット銀行なら年0.5%など、2倍以上の金利を提供している銀行もあります。100万円を預けた場合、年間で数千円の差が出ます。
ただし、窓口での相談やATMの多さを重視するなら、メガバンクの方が便利な場合もあります。理想的なのは、日常の生活費用にはメガバンクを使い、貯金専用口座にはネット銀行を使うという使い分けです。それぞれの長所を活かして、賢く使い分けましょう。
証券口座との連携で金利が上がる銀行が多いですが、証券口座を開設したくない方もいるでしょう。その場合は、あおぞら銀行BANKがおすすめです。証券口座との連携など条件なしで、普通預金金利が年0.5%(100万円まで)と高金利です。
また、PayPay銀行のステップアップ円預金も、預金残高や年齢に応じて年0.2%〜0.4%の金利が適用され、証券口座は不要です。証券口座を開設しなくても、ネット銀行なら高金利の選択肢は十分にあります。
貯金は月1,000円からでも始められます。少額でも、続けることが大切です。月5,000円でも年間6万円、10年で60万円になります。最初から高い目標を設定すると挫折しやすいので、無理のない金額から始めて、余裕ができたら増額していきましょう。
一般的には、手取り収入の10%〜20%を貯金に回すのが目安と言われています。手取り20万円なら月2万円〜4万円です。ただし、家族構成や生活費によって適切な金額は変わるので、自分の状況に合わせて調整してください。
ネット銀行の口座開設にかかる日数は、銀行によって異なります。最短で即日〜翌営業日に開設できる銀行もあれば、2週間程度かかる銀行もあります。住信SBIネット銀行や楽天銀行は、スマホで本人確認を行えば最短翌営業日に口座開設が完了します。
口座開設には、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)が必要です。スマホで撮影して送信する方法が最も早く、郵送での本人確認は時間がかかります。急ぎで口座を開設したい場合は、スマホでの本人確認に対応している銀行を選びましょう。
海外転勤や移住の場合、日本の銀行口座の取り扱いは銀行によって異なります。多くの銀行では、海外に転居する場合は口座を解約するか、帰国まで取引を停止する必要があります。ただし、一部のネット銀行では、海外からでも利用できる場合があります。
海外転勤が決まったら、早めに利用している銀行に確認しましょう。また、帰国後に再度口座を開設する手間を考えると、解約せずに残高をゼロにして維持しておくという選択肢もあります。ただし、長期間取引がないと口座が凍結される可能性もあるので、銀行の規定を確認してください。
貯金用口座は、生活費と分けて管理することで、無駄遣いを防いで計画的にお金を貯められる便利な仕組みです。金利が高く、自動入金機能のあるネット銀行を選ぶことで、効率的に貯金を増やせます。
おすすめの銀行は、住信SBIネット銀行、楽天銀行、SBI新生銀行、あおぞら銀行BANKなどです。それぞれ金利や手数料、特徴が異なるので、自分の貯金スタイルに合った銀行を選びましょう。証券口座との連携で金利がアップする銀行も多いので、投資をしない方でも検討する価値があります。
貯金を続けるコツは、先取り貯金と自動積立の仕組みを作ることです。給料日に自動で貯金用口座にお金を移す設定をすれば、手間もかからず確実に貯金が増えていきます。目標を明確にして、無理のない金額から始めることも大切です。
また、貯金用口座を選ぶ際には、預金保険制度の仕組みを理解し、1,000万円を超える貯金は複数の銀行に分散することでリスクを軽減できます。インフレ時代には、貯金だけでなく投資も組み合わせることで、実質的な資産価値を守ることが重要です。
なお、金利や手数料は変更される可能性がありますので、最新情報は各銀行の公式サイトでご確認ください。また、インフレ時には預金の実質的な価値が目減りするリスクがあります。資産全体のバランスを考えた運用をご検討ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
この記事のキーワード
キーワードがありません。
この記事を見た方はこんな記事も見ています
この記事と同じキーワードの記事
まだ記事がありません。
キーワードから探す
カンタン1分登録で、気になる資料を無料でお取り寄せ
そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお問い合わせください!