インベスコ投資信託の評判は?世界のベストを徹底解説

インベスコ投資信託の評判は?世界のベストを徹底解説

インベスコの投資信託「世界のベスト」が気になっているけれど、本当に投資して大丈夫なのか不安に感じていませんか。

ネット上では「手数料が高すぎる」「ベンチマークを下回っている」といった厳しい評判も目にします。

この記事では、インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)の運用実績・手数料・評判を客観的なデータに基づいて徹底解説します。メリット・デメリットを公平に整理し、あなたに合った投資判断ができる情報を提供します。

代替投資先の提案や、よくある疑問への回答も含めて、初心者にも分かりやすく説明していきます。

この記事の要約
  • インベスコ世界のベストは世界の優良企業に分散投資できる毎月分配型ファンド
  • 信託報酬1.903%と高めの手数料がベンチマークを下回る要因の一つ
  • 低コストのインデックスファンドが代替投資先として有力な選択肢
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)とは?

インベスコ世界厳選株式オープン(愛称:世界のベスト)は、世界中の優良企業に投資する毎月分配型の投資信託です。

運用会社インベスコの銘柄選定力を活かし、世界各国の株式市場から厳選された企業に分散投資を行います。2005年の設定以来、多くの投資家に利用されてきた実績があり、複数のコース展開で投資家のニーズに応えています。

ただし、手数料の高さやベンチマークとの比較については、しっかりと理解しておく必要があります。

運用会社インベスコの概要と信頼性

インベスコは1935年に創業した、世界有数の独立系資産運用会社です。運用資産総額は約1.6兆ドル(約240兆円)を超え、世界25カ国以上で事業を展開しています。

特に米国のテクノロジー株に投資するETF「QQQ」の運用会社として知られており、世界中の機関投資家や個人投資家から信頼を得ています。

日本国内でも金融庁に登録された正規の運用会社として、複数の投資信託商品を提供しています。長い歴史と豊富な運用実績から、企業としての信頼性は高いと言えます。

世界のベストの運用方針と投資戦略

世界のベストは、世界各国の株式市場から「質の高い成長企業」を厳選して投資する、アクティブ運用型の投資信託です。

運用チームが企業の財務健全性、成長性、競争優位性などを詳細に分析し、長期的に優れたリターンが期待できる銘柄を選定します。投資対象は先進国を中心に、米国・欧州・日本・アジアなど幅広い地域に分散されています。

投資対象の特徴

セクター配分も情報技術、ヘルスケア、金融など多岐にわたり、特定の業種に偏らないポートフォリオ構築を心がけています

毎月分配型のため、定期的に分配金を受け取ることができますが、分配金の水準は運用状況によって変動します。

分配金が運用益から支払われているか、元本を取り崩す「タコ足配当」になっていないかは、定期的に確認する必要があります。

6つのコース展開と選び方

世界のベストは、投資家のニーズに応じて6つのコースを展開しています。主な違いは「為替ヘッジの有無」と「分配頻度」です。

  • 為替ヘッジなしコース(毎月決算型・年2回決算型):為替変動の影響を直接受けます。円安時には為替差益が期待できますが、円高時には為替差損が発生するリスクがあります
  • 為替ヘッジありコース(毎月決算型・年2回決算型):為替変動リスクを抑えたい投資家向けです。ただし、ヘッジコストがかかるため、為替ヘッジなしコースよりも実質的なコストは高くなります

毎月決算型は定期的な分配金を希望する投資家に、年2回決算型は分配金を抑えて複利効果を重視したい投資家に適しています。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて選択しましょう。

世界のベストの手数料はどのくらい?

投資信託を選ぶ際、手数料は長期的なリターンに大きく影響する重要な要素です。世界のベストの手数料体系を詳しく見ていきましょう。

購入時手数料と信託報酬の詳細

世界のベストの購入時手数料は最大3.3%(税込)ですが、販売会社によって異なります。

多くのネット証券では購入時手数料を無料(ノーロード)としているため、購入する証券会社の選択が重要です。

信託報酬(運用管理費用)は年率1.903%(税込)です。これは保有している間、毎日少しずつ差し引かれる費用で、純資産総額に対して年率で計算されます。

例えば100万円を投資した場合、年間約19,030円の信託報酬がかかる計算です。その他、売買委託手数料や監査費用などの実費も発生しますが、これらは運用状況によって変動します。信託報酬と合わせた実質的なコスト(実質コスト)は年率2%前後になることが一般的です。

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インデックスファンドとの手数料比較

世界のベストはアクティブ運用型のため、インデックスファンドと比較すると手数料は高めです。代表的なインデックスファンドとの比較を見てみましょう。

ファンド名 信託報酬(年率・税込) 購入時手数料 運用タイプ
世界のベスト 1.903% 最大3.3%(ネット証券は無料) アクティブ運用
eMAXIS Slim 全世界株式 0.05775% 無料 インデックス運用
楽天・全世界株式 0.192% 無料 インデックス運用
SBI・V・全世界株式 0.1338% 無料 インデックス運用

インデックスファンドの信託報酬は0.05%~0.2%程度と、世界のベストの約10分の1から30分の1の水準です。この手数料差は、長期投資において大きなリターンの差となって表れます。

長期保有で手数料がどう影響するか

手数料の差が長期的にどれだけの影響を与えるか、シミュレーションで確認してみましょう。毎月3万円を20年間積み立て、年率5%のリターンが得られると仮定した場合の試算です。

信託報酬1.9%の場合(世界のベスト相当)
実質リターン約3.1%、最終資産額約985万円
信託報酬0.1%の場合(インデックスファンド相当)
実質リターン約4.9%、最終資産額約1,230万円

同じ積立額・同じ期間でも、手数料の差によって約245万円の差が生まれる計算です。

アクティブ運用がこの手数料差を上回るリターンを生み出せれば問題ありませんが、実際にはベンチマークを上回り続けることは容易ではありません。長期投資を考える場合、手数料の影響は無視できない要素と言えます。

世界のベストの運用実績を数値で検証

投資信託を評価する上で、過去の運用実績は重要な判断材料です。客観的なデータに基づいて、世界のベストの運用パフォーマンスを検証していきます。

基準価額と純資産総額の推移

世界のベスト(為替ヘッジなし・毎月決算型)の基準価額は、2024年12月時点で約6,000円前後で推移しています。

設定来の基準価額の推移を見ると、リーマンショック後の2009年には3,000円台まで下落しましたが、その後は緩やかに回復してきました。純資産総額は約2,500億円規模で、国内の投資信託としては中規模クラスです。

ピーク時には4,000億円を超えていましたが、近年は資金流出が続いており、純資産総額は減少傾向にあります。これは投資家の評価が変化していることを示唆しています。

毎月分配型のため、分配金支払いによって基準価額は下がる傾向があります。基準価額の推移だけでなく、分配金を含めたトータルリターンで評価することが重要です。

ベンチマーク(MSCIワールド)との比較

世界のベストは、MSCIワールド・インデックス(配当込み、円ベース)をベンチマークとしています。このベンチマークは、先進国23カ国の大型・中型株約1,500銘柄で構成される代表的な株価指数です。

過去5年間(2019年~2024年)の比較では、世界のベストはベンチマークを下回る結果となっています。特に2020年以降の米国株式市場の上昇局面で、ベンチマークとの差が拡大しました。

期間 世界のベスト(トータルリターン) MSCIワールド(参考) 差異
1年 約+18% 約+22% -4%
3年(年率) 約+8% 約+12% -4%
5年(年率) 約+6% 約+10% -4%

上記は概算値です。実際の数値は月次レポートでご確認ください。

ベンチマークを下回る主な要因は、高い信託報酬と銘柄選定の結果です。アクティブ運用の目的はベンチマークを上回ることですが、実際には手数料を差し引いた後のリターンでベンチマークを上回ることは容易ではありません。

トータルリターンの分析(1年・3年・5年)

トータルリターンは、基準価額の変動と分配金を合わせた総合的な収益率です。世界のベストのトータルリターンを期間別に見ると、短期的には市場環境に応じてプラスリターンを記録していますが、長期的には市場平均を下回る傾向があります。

1年リターンは市場の好調さを反映して+18%程度となっていますが、信託報酬の影響で同期間のベンチマークには届いていません。3年・5年の年率リターンも同様に、ベンチマークを年率4%程度下回る結果です。

この差は、主に信託報酬1.903%と銘柄選定の結果によるものです。アクティブ運用で高い手数料を支払う以上、ベンチマークを上回るリターンが期待されますが、実際には達成できていない状況が続いています。

分配金実績とタコ足配当の確認方法

世界のベストは毎月分配型ですが、分配金の水準は運用状況によって変動します。2024年の分配金実績は月額30円~50円程度で推移していますが、運用益が十分でない場合は元本を取り崩す「タコ足配当」となる可能性があります。

タコ足配当かどうかを確認するには、月次レポートの「分配金の内訳」をチェックしましょう。「普通分配金」は運用益から支払われる健全な分配金ですが、「元本払戻金(特別分配金)」が含まれている場合は、元本を取り崩して分配していることを意味します。

長期的に元本払戻金が続くと、基準価額が下落し続けることになります。

インベスコ・アセット・マネジメント「月次運用レポート」

世界のベストの評判・口コミを掲示板から調査

実際に投資している人たちの生の声は、投資判断の重要な参考情報です。Yahoo!ファイナンス掲示板やみんかぶなどの投資家コミュニティから、世界のベストに関する評判を調査しました。

良い評判|分散投資と安定性を評価

ポジティブな評価として多く見られたのは、「世界中の優良企業に分散投資できる安心感」という声です。個別株投資と比べて、銘柄選定の手間がかからず、プロが運用してくれる点を評価する投資家も多くいます。

「毎月分配金が受け取れるので、生活費の足しになる」という年金世代の投資家からの好意的な意見もあります。定期的なキャッシュフローが得られることは、リタイア後の資産運用において一定のメリットがあると言えます。

また、「インベスコという大手運用会社が運用しているので信頼できる」という企業ブランドへの評価も見られました。QQQなどの著名なETFを運用している実績が、安心感につながっているようです。

悪い評判|手数料の高さとベンチマーク未達を指摘

一方で、批判的な意見も多く見られます。最も多い指摘は「信託報酬1.903%は高すぎる」という手数料への不満です。同じ投資対象であれば、低コストのインデックスファンドで十分ではないかという意見が目立ちます。

「ベンチマークを下回り続けているのに、高い手数料を払う意味がない」という厳しい評価も多数あります。アクティブ運用の本来の目的である「市場平均を上回るリターン」が実現できていないことへの失望の声です。

「分配金が出ているけど、基準価額が下がっているので実質的に損をしている」というタコ足配当への懸念も複数見られました。分配金を受け取っても、元本が減っていては意味がないという指摘です。

また、「純資産総額が減り続けているのが気になる」という運用規模の縮小を懸念する声もあります。資金流出が続くと、運用効率が悪化したり、最悪の場合は繰上償還(運用終了)のリスクもあります。

「やめとけ」と言われる3つの理由

ネット上で「世界のベストはやめとけ」と言われる主な理由を整理すると、以下の3点に集約されます。

理由1:高すぎる手数料
信託報酬1.903%は、同様の投資対象のインデックスファンド(0.05%~0.2%)と比較して約10倍~40倍です。この手数料差は、長期投資において数百万円単位のリターン差となって表れます
理由2:ベンチマークを下回る運用実績
過去5年間、世界のベストはベンチマークであるMSCIワールド・インデックスを年率4%程度下回っています。高い手数料を支払っているにもかかわらず、市場平均以下のリターンしか得られていない状況です
理由3:タコ足配当のリスク
毎月分配金が支払われていますが、運用益が不十分な場合は元本を取り崩す形での分配となります。分配金を受け取っても基準価額が下がり続けるため、実質的な資産は目減りしていくリスクがあります

これらの理由から、特に長期的な資産形成を目指す投資家には、低コストのインデックスファンドの方が適していると指摘されることが多いのです。

世界のベストのメリット・デメリット

ここまでの情報を整理して、世界のベストのメリット・デメリットを公平に評価していきます。

メリット|世界分散とプロの銘柄選定

  • 世界中の優良企業に分散投資できる
    米国・欧州・日本・アジアなど、先進国を中心に幅広く投資することで、特定の国や地域のリスクを分散できます。個人で同様のポートフォリオを組むのは手間とコストがかかるため、投資信託の利点が活きます
  • プロの運用チームによる銘柄選定
    インベスコの運用チームが企業分析を行い、成長性の高い銘柄を選定します。個別株投資の知識や時間がない投資家にとっては、専門家に運用を任せられる安心感があります
  • 毎月分配金を受け取れる
    定期的なキャッシュフローが得られるため、年金生活者など定期収入を重視する投資家には適しています。ただし、分配金が運用益から支払われているかの確認は必須です
  • 信頼できる大手運用会社
    インベスコは運用資産1.6兆ドルを超える世界的な資産運用会社であり、企業としての信頼性は高いと言えます

デメリット|高い手数料とタコ足配当リスク

  • 信託報酬が非常に高い
    年率1.903%の信託報酬は、同様の投資対象のインデックスファンドと比較して約10倍~40倍です。長期投資において、この手数料差は大きなリターン差となります
  • ベンチマークを下回る運用実績
    過去5年間、MSCIワールド・インデックスを年率4%程度下回っています。アクティブ運用の目的である「市場平均を上回る」ことが達成できていません
  • タコ足配当のリスク
    運用益が不十分な場合、元本を取り崩して分配金を支払う「タコ足配当」となる可能性があります。分配金を受け取っても実質的な資産は減少します
  • 純資産総額の減少傾向
    資金流出が続いており、純資産総額はピーク時から減少しています。運用効率の悪化や、最悪の場合は繰上償還のリスクもあります
  • つみたてNISA非対象
    手数料が高いため、つみたてNISA(つみたて投資枠)の対象商品ではありません。税制優遇を最大限活用したい場合は不利です

向いている人・向いていない人

世界のベストが向いている人

  • 定期的な分配金収入を重視する年金世代
  • 銘柄選定の手間をかけたくない投資初心者
  • インベスコのアクティブ運用に期待する投資家
  • すでに保有しており、短期的な売却を考えていない人

世界のベストが向いていない人

  • 長期的な資産形成を目指す20~40代の投資家
  • 手数料を抑えて効率的に運用したい人
  • つみたてNISAで税制優遇を最大限活用したい人
  • ベンチマークを上回るリターンを期待する人
  • 複利効果を重視し、分配金の再投資を希望する人

毎月分配型ファンドの仕組みと注意点

世界のベストは毎月分配型ファンドですが、この仕組みを正しく理解していないと、思わぬ損失につながる可能性があります。初心者向けに分かりやすく解説します。

毎月分配型の仕組みを分かりやすく解説

毎月分配型投資信託は、運用で得られた利益(配当金や売買益など)を、毎月投資家に分配する仕組みです。定期的にお金が振り込まれるため、年金のような感覚で受け取れることが特徴です。

ただし、分配金は必ずしも運用益から支払われるとは限りません。運用がうまくいかず利益が出ていない場合でも、元本を取り崩して分配金を支払うことがあります。これが「タコ足配当」と呼ばれる状態です。

分配金を受け取ると、その分だけ基準価額(投資信託の値段)が下がります。例えば基準価額10,000円のファンドが100円の分配金を出すと、基準価額は9,900円になります。運用益から支払われていれば問題ありませんが、元本を取り崩している場合は実質的に自分のお金が戻ってきているだけです。

また、分配金には税金(20.315%)がかかります。分配金を受け取るたびに税金が引かれるため、複利効果が得られにくく、長期的な資産形成には不利になります。

金融庁「投資信託の基礎知識」

タコ足配当とは?見分け方と影響

タコ足配当とは、運用益が不十分なのに元本を取り崩して分配金を支払うことです。タコが自分の足を食べて生き延びる様子に例えられ、長期的には資産が減少していく状態を指します。

タコ足配当かどうかを見分けるには、月次レポートの「分配金の内訳」を確認します。分配金には「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」の2種類があります。

分配金の種類

「普通分配金」は運用益から支払われる健全な分配金で、課税対象です

「元本払戻金(特別分配金)」は元本の払い戻しであり、非課税ですが、これが多いほどタコ足配当の可能性が高いと言えます

タコ足配当が続くと、基準価額が下がり続け、最終的には投資元本を大きく割り込む可能性があります。毎月お金が振り込まれるので一見良さそうに見えますが、実際には自分の資産が目減りしているだけという状態になります。

分配金再投資と受取のどちらが有利?

投資信託の分配金は、「受取型」と「再投資型」を選択できます。どちらが有利かは、投資目的や年齢によって異なります。

分配金受取型が向いている人

  • 年金生活者など、定期的な収入が必要な人
  • 分配金を生活費に充てたい人
  • すでに十分な資産があり、増やすより使うことを重視する人

分配金再投資型が向いている人

  • 20~40代で長期的な資産形成を目指す人
  • 複利効果を最大限活用したい人
  • 分配金に課税されるたびに資産が目減りするのを避けたい人

長期的な資産形成を目指す場合は、分配金再投資型の方が有利です。分配金を受け取るたびに約20%の税金が引かれるため、複利効果が大きく損なわれます。再投資型であれば、税金を先延ばしにしながら複利で資産を増やせます。

さらに言えば、そもそも毎月分配型ファンドではなく、分配金を出さない(または年1回決算の)インデックスファンドを選ぶ方が、税制面で有利です。NISAやiDeCoの非課税制度を活用すれば、さらに効率的な資産形成が可能です。

インベスコの他の投資信託・ETF商品との比較

インベスコは世界のベスト以外にも、多様な投資信託やETFを提供しています。他の商品との違いを理解することで、より自分に合った選択ができます。

QQQシリーズ(米国ETF)との違い

インベスコの最も有名な商品は、米国ETF「インベスコQQQトラスト(ティッカー:QQQ)」です。これはナスダック100指数に連動するETFで、米国のテクノロジー企業を中心に投資します。

世界のベストとQQQの主な違いは以下の通りです。

項目 世界のベスト QQQ
商品タイプ 投資信託(毎月分配型) ETF
投資対象 世界の優良株式 米国ナスダック100
運用方針 アクティブ運用 インデックス運用
信託報酬 1.903% 0.20%
購入方法 円建て・証券会社で購入 ドル建て・米国株式口座が必要
分配金 毎月 年4回
NISA対応 成長投資枠のみ 成長投資枠で購入可能

QQQは手数料が低く、過去のパフォーマンスも優れていますが、米国のテクノロジー企業に集中投資するため、リスクも高くなります。世界のベストは地域分散されている点で、リスク分散という意味では優れていますが、手数料の高さとベンチマーク未達がデメリットです。

米国株投資に慣れており、為替リスクを取れる投資家であれば、QQQの方が低コストで効率的な投資が可能です。一方、円建てで手軽に世界分散投資をしたい初心者には、世界のベストの方が分かりやすいかもしれません。

その他のインベスコ投資信託商品

インベスコは世界のベスト以外にも、複数の投資信託を日本で提供しています。

インベスコ 世界厳選株式オープン(年2回決算型)
  • 世界のベストと同じ運用方針ですが、分配頻度が年2回のため、複利効果を重視する投資家向けです。毎月分配型よりも税制面で有利ですが、信託報酬は同じ1.903%です
インベスコ 世界債券ファンド
  • 世界の債券に投資するファンドで、株式よりもリスクを抑えた運用を目指します。ただし、こちらも信託報酬は1%台と高めです
インベスコ グローバル・ヘルスケア株式ファンド
  • 世界のヘルスケア企業に特化したファンドです。高齢化社会の進展により、長期的な成長が期待できるセクターですが、セクター集中投資のためリスクも高くなります

いずれの商品も、インベスコのアクティブ運用の特徴である「銘柄選定力」を活かした商品ですが、信託報酬は総じて高めです。同様の投資対象であれば、低コストのインデックスファンドと比較検討することをおすすめします。

投資信託とETFの使い分け方

投資信託とETFは、どちらも複数の銘柄に分散投資できる商品ですが、仕組みや特徴が異なります。使い分けのポイントを整理しましょう。

投資信託のメリット

  • 円建てで購入できる(為替の手間がない)
  • 100円など少額から積立投資ができる
  • 自動積立設定が簡単
  • 分配金の再投資が自動化できる

ETFのメリット

  • 信託報酬が低い(特に米国ETF)
  • リアルタイムで売買できる
  • 世界中の多様な商品に投資できる
  • 流動性が高い

初心者や積立投資をメインにする場合は投資信託、ある程度まとまった資金で効率的に運用したい場合はETFが向いています。NISAの成長投資枠では両方購入できるため、ご自身の投資スタイルに合わせて選択しましょう。

世界のベストの代替投資先おすすめ3選

世界のベストの手数料の高さやベンチマーク未達が気になる方向けに、低コストで効率的な代替投資先を3つ紹介します。いずれもつみたてNISA対象商品で、長期投資に適しています。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

eMAXIS Slim 全世界株式(通称:オルカン)は、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動する投資信託です。日本を含む先進国と新興国の約3,000銘柄に分散投資でき、これ1本で世界中の株式市場をカバーできます。

主なスペック

  • 信託報酬:年率0.05775%(税込)
  • 購入時手数料:無料
  • つみたてNISA:対象
  • 最低投資額:100円から
  • 運用会社:三菱UFJアセットマネジメント

世界のベストと比較して、信託報酬は約33分の1と圧倒的に低コストです。インデックス運用のため、ベンチマークを下回る心配もありません。長期的な資産形成を目指す投資家に最もおすすめできる商品の一つです。

三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」

楽天・全世界株式インデックス・ファンド

楽天証券LP画像
項目 内容
口座数 約12,000,000口座 ※2025年1月時点
取引手数料 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。
NISA対応 〇(新NISA対応)
つみたて投資枠取扱銘柄数 263銘柄 ※2025年4月24日時点
成長投資枠対象商品 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄)
投資信託 約2,550本 ※2025年4月24日時点
外国株 6カ国/米国株式(約4,500銘柄)
取引ツール(PC) マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4
スマホアプリ iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物
提携銀行口座 楽天銀行(マネーブリッジ)
ポイント投資・付与 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>)
口座開設スピード 最短 翌営業日

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(通称:楽天VT)は、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)を通じて、世界中の株式に投資する商品です。約9,000銘柄に分散投資できる、究極の分散投資商品です。

主なスペック

  • 信託報酬:年率0.192%(税込)
  • 購入時手数料:無料
  • つみたてNISA:対象
  • 最低投資額:100円から
  • 運用会社:楽天投信投資顧問

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド

SBI証券の画像
項目 内容
口座数 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む)
取引手数料 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。
NISA対応
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点
成長投資枠対象商品 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点)
投資信託 約2,550本 ※2025年3月3日時点
外国株 8カ国/米国株式(5,000銘柄)
取引ツール(PC) HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー
スマホアプリ SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD
提携銀行口座 SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行
ポイント投資・付与 Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立)
口座開設スピード 最短 翌営業日

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド(通称:SBI・V・全世界株式)は、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)に投資する商品です。楽天VTと同様の投資対象ですが、信託報酬がさらに低いのが特徴です。

主なスペック

  • 信託報酬:年率0.1338%(税込)
  • 購入時手数料:無料
  • つみたてNISA:対象
  • 最低投資額:100円から
  • 運用会社:SBIアセットマネジメント
商品名 信託報酬 投資対象銘柄数 特徴
世界のベスト 1.903% 約100銘柄 アクティブ運用・毎月分配
eMAXIS Slim 全世界株式 0.05775% 約3,000銘柄 超低コスト・人気No.1
楽天・全世界株式 0.192% 約9,000銘柄 楽天ポイント活用
SBI・V・全世界株式 0.1338% 約9,000銘柄 低コスト・複数ポイント対応

よくある質問(Q&A)

世界のベストに関してよく寄せられる質問に回答します。

世界のベストはNISAで購入できる?

世界のベストはNISA口座で購入できますが、成長投資枠のみです。つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の対象商品ではありません。

つみたて投資枠の対象となるには、金融庁が定める基準(信託報酬の上限、分配頻度など)を満たす必要がありますが、世界のベストは信託報酬が高すぎるため対象外です。

成長投資枠では購入できるため、NISA口座で非課税のメリットは受けられます。ただし、年間投資枠240万円のうち、手数料の高い商品に多くを割り当てるのは効率的とは言えません。つみたて投資枠対象の低コストインデックスファンドを優先することをおすすめします。

金融庁「新しいNISA」

為替ヘッジあり・なしはどちらを選ぶべき?

為替ヘッジの有無は、為替リスクに対する考え方で選択します。

為替ヘッジなしコースは、為替変動の影響を直接受けます。円安時には為替差益が上乗せされますが、円高時には為替差損が発生します。長期的には為替は上下を繰り返すため、長期投資では為替ヘッジなしが一般的です。

為替ヘッジありコースは、為替変動リスクを抑えたい投資家向けです。ただし、ヘッジコスト(年率1%前後)がかかるため、実質的なコストは為替ヘッジなしコースよりも高くなります。

一般的には、長期投資であれば為替ヘッジなしコースの方が有利とされています。為替ヘッジコストが長期的にリターンを押し下げるためです。短期的な為替変動が気になる場合や、円高リスクを避けたい場合は為替ヘッジありコースを検討しましょう。

保有中の世界のベストは売却すべき?

すでに世界のベストを保有している場合、売却すべきかどうかは個別の状況によります。

売却を検討した方がよいケース

  • 長期的な資産形成を目指しており、手数料を抑えたい
  • タコ足配当が続いており、基準価額が大きく下落している
  • ベンチマークを下回る運用実績に不満がある
  • つみたてNISAで低コストファンドに切り替えたい

保有継続を検討してもよいケース

  • 分配金を生活費に充てており、売却すると困る
  • 購入時よりも基準価額が大きく下がっており、損失確定したくない
  • 短期的な売却は考えておらず、長期保有を前提としている
  • インベスコのアクティブ運用に期待している

売却する場合は、含み損があっても他の利益と損益通算できる可能性があります。税制面も考慮して判断しましょう。また、一度にすべて売却するのではなく、段階的に低コストファンドに切り替える方法もあります。

購入できる証券会社はどこ?

世界のベストは、主要なネット証券や銀行で購入できます。購入時手数料は証券会社によって異なるため、ノーロード(手数料無料)で購入できる証券会社を選びましょう。

主な取扱証券会社

  • SBI証券(購入時手数料無料)
  • 楽天証券(購入時手数料無料)
  • マネックス証券(購入時手数料無料)
  • 松井証券(購入時手数料無料)
  • 野村證券
  • SMBC日興証券
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券

ネット証券であれば、購入時手数料無料で購入できることが多いため、対面証券よりもコストを抑えられます。ただし、信託報酬は購入する証券会社に関係なく同じです。

分配金の税金はどうなる?

投資信託の分配金には、20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。特定口座(源泉徴収あり)で保有している場合は、自動的に税金が差し引かれるため、確定申告は不要です。

ただし、分配金には「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」の2種類があり、税金の扱いが異なります。

分配金の税金

普通分配金:運用益から支払われる分配金で、課税対象です。20.315%の税金が源泉徴収されます

元本払戻金(特別分配金):元本の払い戻しのため、非課税です。ただし、これは運用益が出ていない証拠でもあります

NISA口座で保有している場合は、分配金も非課税です。ただし、世界のベストはつみたてNISA(つみたて投資枠)の対象外のため、成長投資枠での購入となります。

国税庁「株式等の譲渡所得等の課税」

インベスコは安全な運用会社?

インベスコは1935年創業の世界有数の資産運用会社で、運用資産総額は約1.6兆ドル(約240兆円)を超えます。世界25カ国以上で事業を展開し、機関投資家や個人投資家から広く信頼されています。

特に米国ETF「QQQ」の運用会社として知られており、世界中で数千億ドル規模の資産を運用しています。日本国内でも金融庁に登録された正規の運用会社であり、企業としての信頼性は高いと言えます。

ただし、運用会社の信頼性と個別商品のパフォーマンスは別問題です。インベスコという企業は信頼できますが、世界のベストという商品が手数料に見合うリターンを提供しているかは、別途評価する必要があります。

投資信託は分別管理が義務付けられているため、万が一運用会社が破綻しても、投資家の資産は保全されます。この点では安心して投資できる仕組みが整っています。

金融庁「投資信託の基礎知識」

まとめ

インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)は、世界中の優良企業に分散投資できる毎月分配型の投資信託です。プロの運用チームによる銘柄選定と、定期的な分配金が特徴ですが、信託報酬1.903%という高い手数料と、ベンチマークを下回る運用実績が大きな課題です。

特に長期的な資産形成を目指す投資家にとっては、低コストのインデックスファンド(eMAXIS Slim 全世界株式、楽天・全世界株式、SBI・V・全世界株式など)の方が、手数料面でも運用実績面でも有利な選択肢となります。これらの商品は信託報酬が0.05%~0.2%程度と、世界のベストの約10分の1から40分の1です。

一方で、定期的な分配金収入を重視する年金世代や、インベスコのアクティブ運用に期待する投資家にとっては、一定の価値がある商品とも言えます。

ただし、タコ足配当のリスクや、純資産総額の減少傾向には注意が必要です。

すでに保有している方は、ご自身の投資目的やリスク許容度を再確認し、必要に応じて低コストファンドへの切り替えを検討しましょう。新規に投資を検討している方は、手数料の違いが長期的にどれだけのリターン差を生むかをシミュレーションした上で、慎重に判断することをおすすめします。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社や運用会社の公式サイトで最新情報をご確認ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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