ウェルスナビの手数料は高い?|他社比較と節約のコツ

退職が決まったとき、iDeCo(個人型確定拠出年金)の手続きについて不安を感じていませんか。
実は、退職後もiDeCoは継続できますが、6ヵ月以内に必要な手続きを行わないと、自動移換という不利な状態になってしまいます。
この記事では、退職時のiDeCo手続きを状況別に詳しく解説します。
転職先の企業型DCの有無、自営業への転身、専業主婦(夫)になる場合など、それぞれのケースで必要な手続きが異なります。
手続き漏れを防ぎ、大切な老後資金を守るための情報をお伝えします。
目次
退職したらiDeCoはどうなる?
退職が決まると、iDeCoの扱いについて心配になる方も多いでしょう。
結論から言えば、退職後もiDeCoは継続でき、資産を守りながら運用を続けることができます。ただし、退職後の状況に応じて適切な手続きが必要です。
iDeCoは個人の年金制度のため、会社を辞めても口座がなくなることはありません。
転職先が決まっている場合も、自営業になる場合も、専業主婦(夫)になる場合も、それぞれの状況に合わせて継続できます。
退職によって変わるのは、加入者の「被保険者種別」です。会社員は第2号被保険者ですが、自営業になると第1号被保険者、専業主婦(夫)になると第3号被保険者に変わります。
この種別変更に伴う手続きを行うことで、iDeCoを継続できます。
退職後は6ヵ月以内に手続きを完了させる必要があります。
この期限が設けられている理由は、手続きをしないと「自動移換」という不利な状態になってしまうからです。
自動移換とは、国民年金基金連合会が自動的にあなたの資産を管理する状態のことで、運用ができなくなり、毎月手数料だけが引かれていきます。
6ヵ月という期限は、企業型DCからiDeCoへの移換や、被保険者種別の変更手続きに必要な期間を考慮して設定されています。
退職日が決まったら、早めに手続きの準備を始めることをおすすめします。具体的には、退職の1〜2ヵ月前から必要書類を確認し、退職後すぐに手続きを開始するのが理想的です。
6ヵ月以内に手続きをしないと、あなたのiDeCo資産は自動的に国民年金基金連合会に移されます。これが「自動移換」です。
自動移換されると、まず移換時に4,348円の手数料がかかり、その後も毎月52円の管理手数料が引かれ続けます。年間で約5,000円もの費用負担が発生する計算です。
さらに深刻なのは、自動移換中は運用ができないことです。株式や投資信託での運用が止まり、現金のまま保管されるため、運用益を得る機会を失います。
長期間放置すると、手数料で資産が目減りし続けることになります。
自動移換を解除するには、改めてiDeCoまたは企業型DCへの加入手続きが必要で、その際にも手数料がかかります。手続き漏れは確実に損をするため、退職が決まったら必ず期限内に対応しましょう。
退職後のiDeCo手続きは、転職先の状況によって大きく異なります。
ここでは、4つの代表的なパターンに分けて、それぞれの手続き方法を詳しく解説します。自分の状況に当てはまるケースを確認し、適切な手続きを進めましょう。
転職先に企業型確定拠出年金(DC)制度がある場合、iDeCoの資産を企業型DCに移換するか、iDeCoのまま継続するかを選べます。
2022年10月の制度改正により、企業型DCとiDeCoの併用が原則可能になりました。ただし、転職先の企業型DCの規約で併用が認められているか確認が必要です。
資産移換のメリット・デメリット
企業型DCに移換するメリット
管理する口座が一つになり手続きが簡単になる
iDeCoを継続するメリット
自分で選んだ金融機関と商品で運用を続けられる
資産を企業型DCに移換する場合は、転職先の人事部門に「個人別管理資産移換依頼書」を提出します。移換には2〜3ヵ月程度かかることが一般的です。
iDeCoを継続する場合は、「加入者被保険者種別変更届」を現在のiDeCo運営管理機関に提出します。
転職先の企業型DCの商品ラインナップや手数料を確認し、どちらが有利か判断しましょう。
転職先に企業型DCがない場合は、iDeCoをそのまま継続します。
この場合の手続きは比較的シンプルで、「加入者被保険者種別変更届」を現在のiDeCo運営管理機関に提出するだけです。
被保険者種別は第2号被保険者のまま変わりませんが、勤務先情報の変更が必要です。
掛金の拠出方法も確認が必要です。前職で給与天引き(事業主払込)だった場合、転職先でiDeCoの給与天引きに対応しているか人事部門に確認しましょう。
対応していない場合は、個人払込(口座引き落とし)に変更する必要があります。
掛金額の変更も可能です。転職により収入が変わった場合は、この機会に掛金額を見直すとよいでしょう。
手続きに必要な書類は、加入者被保険者種別変更届、事業主証明書(勤務先に記入してもらう)、本人確認書類のコピーです。これらを揃えて、現在のiDeCo運営管理機関に提出します。
自営業やフリーランスになる場合は、被保険者種別が第2号から第1号に変わるため、「加入者被保険者種別変更届」の提出が必須です。
自営業者の場合、iDeCoの掛金上限額が月額68,000円と、会社員よりも大幅に高くなります。これは、会社員のように厚生年金がないため、より多くの老後資金を自分で準備できるようにするためです。
掛金の支払い方法は個人払込(口座引き落とし)のみとなります。事業主払込は利用できません。
掛金額は自由に設定でき、年に1回変更できます。自営業になると収入が不安定になることも考えられるため、無理のない金額から始めることをおすすめします。
また、自営業者はiDeCoの掛金が全額所得控除の対象となり、節税効果が高いのが特徴です。確定申告時に「小規模企業共済等掛金控除」として申告することで、所得税・住民税が軽減されます。
手続きに必要な書類は、加入者被保険者種別変更届、国民年金の加入証明書(年金手帳のコピーなど)です。
専業主婦(夫)になる場合は、被保険者種別が第2号から第3号に変わります。この場合も「加入者被保険者種別変更届」の提出が必要です。
第3号被保険者のiDeCo掛金上限額は月額23,000円です。
専業主婦(夫)の場合、収入がないため掛金の拠出を停止し、運用指図者になることも選択できます。
運用指図者とは、新たな掛金の拠出は行わず、これまで積み立てた資産の運用のみを続ける状態です。運用指図者になると、掛金の所得控除は受けられませんが、運用益は非課税のままです。
また、口座管理手数料(月額171円程度)は引き続きかかります。
配偶者の扶養に入る場合、iDeCoの掛金は配偶者の所得控除の対象にはなりません。あくまで本人の所得からの控除となるため、収入がない場合は節税効果がありません。
ただし、将来的に再就職する予定がある場合は、少額でも掛金を継続することで、将来の年金額を増やすことができます。
手続きに必要な書類は、加入者被保険者種別変更届、配偶者の健康保険証のコピー(第3号被保険者であることの証明)です。
企業型DCに加入していた人の手続き
企業型DCに加入していた方が退職する場合、その資産をiDeCoに移す「ポータビリティ制度」を利用できます。
この手続きを正しく行うことで、これまで積み立てた資産を無駄にせず、引き続き運用を続けられます。
企業型DCからiDeCoへの移換手続きは、まずiDeCoの運営管理機関(金融機関)を選ぶことから始まります。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券など、手数料や商品ラインナップを比較して選びましょう。
金融機関が決まったら、その金融機関にiDeCo口座開設の申し込みを行います。このとき、「企業型DCからの移換である」ことを伝えることが重要です。
金融機関から「個人別管理資産移換依頼書」などの必要書類が送られてきます。これに記入し、前職の企業型DCの記録関連運営管理機関(レコードキーパー)の情報を記載します。
前職の人事部門に、企業型DCの管理機関の連絡先や加入者番号を確認しておきましょう。
書類を提出すると、企業型DCの資産が現金化され、iDeCoの口座に移されます。この間、約2〜3ヵ月かかるのが一般的です。
移換が完了すると、iDeCoの運営管理機関から通知が届きます。その後、移換された資金で投資信託などの商品を購入し、運用を再開します。
ポータビリティとは、確定拠出年金の資産を転職先の制度に持ち運べる仕組みのことです。
日本の確定拠出年金制度では、企業型DCとiDeCoの間で資産を移換できるよう設計されています。これにより、転職や退職によって年金資産が分断されることなく、一つの制度で管理できます。
ポータビリティのメリットは、長期的な資産形成を継続できることです。企業型DCで積み立てた資産をそのままiDeCoに移せるため、運用期間が途切れません。
また、複数の口座に資産が分散することを防げます。
注意点として、企業型DCからiDeCoへの移換時には、保有していた商品は一度すべて売却(現金化)されます。そのため、移換のタイミングによっては、相場の影響を受ける可能性があります。
ただし、長期運用を前提とするiDeCoでは、短期的な相場変動はあまり気にする必要はありません。移換後、改めて自分で商品を選んで購入し直すことになります。
企業型DCからiDeCoへの移換期間中(通常2〜3ヵ月)、あなたの資産は現金化された状態で一時的に保管されます。
この期間中は運用ができないため、株式市場が上昇しても利益を得ることはできません。逆に、市場が下落している場合は、損失を避けられるとも言えます。
移換期間中も、企業型DCの管理手数料やiDeCoの口座管理手数料はかかり続けます。ただし、これは制度上避けられないコストです。
移換手続きを早く始めることで、運用できない期間を最小限にすることができます。退職が決まったら、できるだけ早くiDeCoの申し込みを行いましょう。
移換が完了すると、iDeCoの運営管理機関から「移換完了通知」が届きます。この通知を受け取ったら、すぐにログインして商品を選び、運用を再開しましょう。
運用指図を行わないと、現金のまま放置されることになり、運用機会を逃してしまいます。
手続きに必要な書類と提出先
iDeCoの手続きには、いくつかの書類が必要です。
書類の記入ミスや不備があると、手続きが遅れてしまいます。ここでは、必要書類とその記入方法を具体的に解説します。
退職後のiDeCo手続きで必要な主な書類は以下の通りです。
まず、「加入者被保険者種別変更届」は、被保険者種別が変わる場合に必須です。これは現在のiDeCo運営管理機関から取り寄せるか、公式サイトからダウンロードできます。
次に、「事業主証明書」は、転職先がある場合に必要です。転職先の人事部門に記入を依頼します。
企業型DCからiDeCoへ移換する場合は、「個人別管理資産移換依頼書」が必要です。これは新しく選んだiDeCo運営管理機関から送られてきます。
本人確認書類として、運転免許証やマイナンバーカードのコピーも必要です。マイナンバーの記載が求められる場合もあります。
これらの書類は、退職前から準備を始めると、スムーズに手続きを進められます。
加入者被保険者種別変更届の記入では、まず基本情報(氏名、生年月日、住所、加入者番号)を正確に記入します。
加入者番号は、iDeCoの運営管理機関から送られてくる通知書に記載されています。
次に、変更後の被保険者種別を選択します。会社員のまま転職する場合は第2号、自営業になる場合は第1号、専業主婦(夫)になる場合は第3号にチェックを入れます。
事業主証明書は、転職先の人事部門に記入を依頼する書類です。会社名、所在地、事業主の押印が必要です。また、企業型DCの有無や、iDeCoの給与天引きに対応しているかなどの情報も記載されます。
個人別管理資産移換依頼書には、前職の企業型DCの情報(記録関連運営管理機関の名称、加入者番号など)を記入します。この情報は、前職の人事部門に確認しましょう。
記入時の注意点として、黒のボールペンで丁寧に記入し、修正液は使わないことが重要です。訂正する場合は二重線を引き、訂正印を押します。
また、提出前にコピーを取っておくと、後で確認が必要になったときに便利です。
書類の提出先は、手続きの種類によって異なります。
被保険者種別変更の場合は、現在加入しているiDeCo運営管理機関に提出します。SBI証券、楽天証券、マネックス証券など、自分が口座を持っている金融機関です。
企業型DCからiDeCoへの移換の場合は、新しく選んだiDeCo運営管理機関に提出します。
提出方法は、郵送が一般的です。各金融機関の公式サイトに記載されている送付先住所に、必要書類一式を送ります。書留や簡易書留で送ると、配達記録が残るため安心です。
一部の金融機関では、オンラインでの提出に対応している場合もあります。マイナンバーカードを使った電子申請ができるケースもあるため、各金融機関の公式サイトで確認しましょう。
書類を提出したら、受付完了の連絡が来るまで待ちます。通常、1〜2週間程度で受付完了の通知がメールや郵送で届きます。
もし2週間以上経っても連絡がない場合は、金融機関に問い合わせることをおすすめします。
自動移換で気をつけたい3つのこと
手続きを怠ると自動移換になってしまいます。
自動移換は大きなデメリットがあるため、絶対に避けるべき状態です。ここでは、自動移換の具体的な問題点を解説します。
自動移換されると、まず移換時に4,348円の手数料が一度だけかかります。
さらに、その後は毎月52円の管理手数料が引かれ続けます。年間で計算すると、52円×12ヵ月=624円です。
移換時の手数料と合わせると、初年度だけで約5,000円の費用負担が発生します。2年目以降も毎年624円ずつ引かれ続けるため、長期間放置すると大きな損失になります。
例えば、5年間放置した場合、4,348円+(624円×5年)=7,468円もの手数料を支払うことになります。
この手数料は、あなたの積立資産から自動的に引かれるため、気づかないうちに資産が目減りしていきます。
しかも、自動移換中は運用ができないため、運用益でこの手数料を補うこともできません。手数料だけが一方的に引かれ続ける状態です。
自動移換を避けるためには、退職後6ヵ月以内に必ず手続きを完了させることが重要です。
自動移換されると、それまで投資信託などで運用していた資産がすべて現金化され、運用が停止します。
つまり、株式市場が上昇しても、あなたの資産は一切増えません。
iDeCoは長期運用で資産を増やすことを目的とした制度です。運用できない期間が長くなるほど、本来得られたはずの運用益を失うことになります。
例えば、100万円の資産を年率3%で運用できた場合、1年間で約3万円の運用益が期待できます。しかし、自動移換中はこの運用益を得られず、逆に手数料で資産が減っていきます。
さらに、自動移換中は掛金の拠出もできません。新たに資金を積み立てることができないため、資産形成が完全にストップしてしまいます。
老後資金の準備という観点から見ると、非常に大きな機会損失です。運用を再開するには、自動移換を解除してiDeCoまたは企業型DCに加入し直す必要があります。
自動移換になってしまった場合でも、解除することは可能です。
解除方法は、新たにiDeCoに加入するか、企業型DCに加入するかのいずれかです。
iDeCoに加入する場合は、運営管理機関(金融機関)を選び、通常のiDeCo加入手続きを行います。その際、「自動移換された資産がある」ことを伝えると、その資産をiDeCoに移換する手続きも同時に進められます。
企業型DCに加入する場合は、勤務先の人事部門に相談し、自動移換された資産を企業型DCに移す手続きを行います。
ただし、自動移換を解除する際にも手数料がかかります。国民年金基金連合会への手数料として1,048円が必要です。これに加えて、移換先の金融機関の事務手数料がかかる場合もあります。
自動移換になってから解除するよりも、最初から期限内に手続きを済ませる方が、時間的にも金銭的にも有利です。退職が決まったら、必ず6ヵ月以内に手続きを完了させましょう。
手続きにかかる期間と完了までの流れ
iDeCoの手続きには、ある程度の時間がかかります。
実際にどのくらいの期間が必要なのか、具体的な目安を知っておくことが大切です。
iDeCoの手続き期間は、手続きの種類によって異なります。
被保険者種別変更の場合、書類提出から手続き完了まで約1〜2ヵ月が目安です。書類を提出すると、まず金融機関での書類確認が行われます(1〜2週間)。
その後、国民年金基金連合会での審査が行われます(2〜3週間)。審査が通ると、手続き完了の通知が郵送で届きます。
企業型DCからiDeCoへの移換の場合は、さらに時間がかかり、2〜3ヵ月程度が一般的です。これは、前職の企業型DCの資産を現金化し、新しいiDeCo口座に送金する手続きが加わるためです。
これらの期間は、書類に不備がない場合の目安です。記入ミスや必要書類の不足があると、さらに時間がかかります。場合によっては、書類が返送され、再提出が必要になることもあります。
そのため、書類は丁寧に確認し、一度で受理されるよう注意しましょう。退職日から6ヵ月の期限を考えると、退職後すぐに手続きを始めることが重要です。
手続きを開始したら、進捗状況を定期的に確認しましょう。
多くのiDeCo運営管理機関では、公式サイトやアプリで手続き状況を確認できます。ログインして、書類の受付状況や審査の進行状況をチェックできます。
書類を提出してから2週間経っても受付完了の連絡がない場合は、金融機関に電話で問い合わせることをおすすめします。書類が届いていない可能性や、不備があって保留になっている可能性があります。
また、手続き中に住所や氏名が変わった場合は、すぐに金融機関に連絡しましょう。通知書類が届かなくなる恐れがあります。
企業型DCからの移換の場合は、前職の企業型DCの管理機関にも確認を取ると安心です。資産の現金化や送金が予定通り進んでいるか確認できます。
手続きが完了すると、「加入者証」や「移換完了通知」などの重要書類が郵送で届きます。これらは大切に保管しましょう。
また、手続き完了後は、運用商品の選択を忘れずに行うことが重要です。商品を選ばないと、現金のまま放置されてしまいます。
iDeCo運営管理機関の選び方
iDeCoの運営管理機関(金融機関)は、自分で自由に選べます。
金融機関によって手数料やサービス内容が異なるため、慎重に比較して選ぶことが大切です。
iDeCoでは、毎月の口座管理手数料がかかります。この手数料は金融機関によって異なり、無料のところもあれば、月額数百円かかるところもあります。
国民年金基金連合会への手数料(月額105円)と、事務委託先金融機関への手数料(月額66円)は、どの金融機関でも共通でかかります。
これに加えて、運営管理機関が独自に設定する手数料があります。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券などの主要ネット証券は、運営管理機関手数料が無料です。つまり、月額171円(105円+66円)のみでiDeCoを利用できます。
一方、一部の銀行や証券会社では、月額200円〜500円程度の運営管理機関手数料がかかる場合があります。
長期間運用することを考えると、手数料の差は大きな影響を及ぼします。例えば、月額300円の手数料と無料の金融機関を比較すると、年間で3,600円、30年間で108,000円もの差が生まれます。
この金額は、本来運用に回せたはずの資金です。手数料が安い金融機関を選ぶことで、より多くの資産を運用に回せます。
iDeCoの手続きや運用について、不安や疑問がある場合、サポート体制が充実している金融機関を選ぶと安心です。
コールセンターの受付時間が長い金融機関なら、仕事終わりや休日でも相談できます。SBI証券や楽天証券は、平日だけでなく土日も電話相談に対応しています。
また、チャットサポートがある金融機関も便利です。簡単な質問ならチャットですぐに回答が得られるため、電話をかける手間が省けます。
Webサイトの使いやすさも重要なポイントです。ログイン後の管理画面が分かりやすく、運用状況を簡単に確認できる金融機関を選びましょう。
スマホアプリに対応している金融機関なら、外出先でも手軽に資産状況をチェックできます。
さらに、セミナーや勉強会を開催している金融機関もあります。iDeCoの仕組みや投資の基礎を学べる機会があると、初心者でも安心して運用を始められます。
オンラインセミナーなら、自宅から気軽に参加できます。サポート体制を確認するには、各金融機関の公式サイトで「よくある質問」や「サポート情報」をチェックしましょう。
iDeCoで選べる運用商品は、金融機関によって異なります。
投資信託の本数が多い金融機関なら、自分の投資スタイルに合った商品を見つけやすくなります。SBI証券は約90本、楽天証券は約80本、マネックス証券は約40本の投資信託を取り扱っています。
商品数が多ければ良いというわけではありませんが、選択肢が豊富な方が、自分に合った商品を選びやすいのは確かです。
特に重要なのは、低コストのインデックスファンドが揃っているかどうかです。インデックスファンドは、日経平均株価やS&P500などの指数に連動する投資信託で、信託報酬(運用コスト)が低いのが特徴です。
長期運用では、信託報酬の差が大きな影響を及ぼします。例えば、信託報酬が年0.1%の商品と年1.0%の商品では、30年間の運用で大きな差が生まれます。
また、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、バランス型など、さまざまな資産クラスの商品が揃っているかも確認しましょう。分散投資をしやすくなります。
定期預金などの元本確保型商品も選択肢に含まれているかチェックすると良いでしょう。リスクを抑えたい人には重要なポイントです。
定年退職後のiDeCo
定年退職を迎える方にとって、iDeCoの受け取り方は重要な関心事です。
受け取り方によって税金の額が大きく変わるため、慎重に検討する必要があります。
iDeCoは60歳以降に受け取ることができます(加入期間が10年以上の場合)。受け取り方は3つの選択肢があります。
一時金のメリットは、退職所得控除が適用されるため税負担が軽くなることです。また、まとまった金額を自由に使えます。
デメリットは、一度に大きな金額を受け取るため、使い方を誤ると老後資金が不足するリスクがあることです。
年金のメリットは、毎年安定した収入が得られることです。また、受け取っていない資産は引き続き運用されるため、運用益を期待できます。
デメリットは、公的年金等控除が適用されるものの、他の年金収入と合算されるため、税負担が増える可能性があることです。
併給は、両方のメリットを活かせる方法ですが、税金の計算が複雑になります。
iDeCoを一時金で受け取る場合、退職金との受け取りタイミングを調整することで、税負担を軽減できる可能性があります。
一時金は「退職所得」として課税されますが、退職所得控除という大きな控除が適用されます。
退職所得控除の計算式は、勤続年数(iDeCoの場合は加入年数)によって決まります。20年以下の場合は「40万円×勤続年数」、20年超の場合は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」です。
問題は、会社の退職金とiDeCoの一時金を同じ年に受け取ると、退職所得控除を共有することになる点です。つまり、控除枠を2つの退職所得で分け合うことになり、税負担が増える可能性があります。
これを避けるには、受け取り時期を5年以上ずらす方法があります。
退職金とiDeCoの受け取りを5年以上離すと、それぞれ独立して退職所得控除を適用できます。例えば、60歳で退職金を受け取り、65歳でiDeCoを一時金として受け取ると、それぞれに退職所得控除が適用されます。
ただし、iDeCoを受け取らずに運用を続ける場合、口座管理手数料がかかり続けることも考慮が必要です。税理士やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
iDeCoの受け取り方を工夫することで、税負担を最小限に抑えられます。
まず、退職所得控除の枠を最大限活用することが基本です。控除額を超えない範囲で一時金を受け取れば、税金はほとんどかかりません。
例えば、iDeCoに30年加入していた場合、退職所得控除は1,500万円(800万円+70万円×10年)です。iDeCoの資産が1,500万円以下なら、一時金で受け取っても税金はほぼゼロです。
次に、公的年金等控除を活用する方法もあります。年金として受け取る場合、公的年金等控除が適用されます。
65歳以上の場合、年間110万円までは控除されるため、この範囲内で受け取れば税負担は軽くなります。
ただし、国民年金や厚生年金など他の年金収入と合算されるため、合計額が控除額を超えると課税されます。
併給を選ぶ場合は、一時金で退職所得控除を使い切り、残りを年金として少しずつ受け取る方法が有効です。これにより、両方の控除を活用できます。
また、医療費控除や配偶者控除など、他の所得控除も併せて活用することで、さらに税負担を減らせます。受け取り方の最適解は、個人の状況によって異なるため、専門家に相談することが大切です。
失業保険を受給している期間中も、iDeCoの掛金拠出は可能です。失業保険は雇用保険からの給付であり、iDeCoの加入資格には影響しません。
ただし、失業中で収入がない場合、掛金の所得控除のメリットは受けられません。所得控除は、所得税や住民税を軽減する制度のため、課税所得がなければ控除効果はありません。
そのため、失業中は掛金の拠出を停止し、運用指図者になることも選択肢の一つです。運用指図者になると、新たな掛金の拠出は行わず、これまでの資産の運用のみを続けます。
再就職が決まったら、再び掛金の拠出を再開できます。
海外赴任や移住でも、iDeCoの取り扱いには注意が必要です。海外赴任の場合、国民年金の加入状況によってiDeCoの扱いが変わります。
海外赴任中も日本の会社に在籍し、厚生年金に加入し続ける場合は、iDeCoの掛金拠出を継続できます。ただし、海外からの掛金引き落としに対応していない金融機関もあるため、事前に確認が必要です。
一方、海外の現地法人に転籍し、日本の厚生年金から脱退する場合は、iDeCoの掛金拠出ができなくなります。この場合、運用指図者として資産の運用のみを続けることになります。
海外赴任が決まったら、早めにiDeCoの運営管理機関に連絡し、手続き方法を確認しましょう。
転職後、短期間で再び転職することになった場合でも、その都度手続きが必要です。
例えば、A社を退職してB社に転職し、その後すぐにC社に転職した場合、B社への転職時とC社への転職時の2回、被保険者種別変更届や事業主証明書の提出が必要です。
手続きが煩雑に感じるかもしれませんが、省略することはできません。手続きをしないと、自動移換のリスクがあるためです。
ただし、転職の間隔が非常に短い場合(例えば1ヵ月以内)は、最終的な転職先が決まってから手続きをまとめて行うことも可能です。この場合、iDeCoの運営管理機関に相談し、状況を説明しましょう。
企業型DCからiDeCoへの移換手続き中は、資産が現金化された状態で保管されます。この期間中(通常2〜3ヵ月)は運用ができないため、株式市場が上昇しても利益を得ることはできません。
逆に、市場が下落している場合は、損失を避けられるとも言えます。ただし、iDeCoは長期運用を前提とした制度のため、短期的な相場変動はあまり気にする必要はありません。
移換期間中の相場変動は、長期的に見ればわずかな影響にすぎません。むしろ、手続きを遅らせて自動移換になるリスクの方が大きな問題です。
移換が完了したら、すぐに運用を再開することが重要です。
iDeCoの運営管理機関(金融機関)は、加入後でも変更できます。これを「運営管理機関の変更」または「移換」と呼びます。
変更したい理由としては、手数料が安い金融機関に移りたい、商品ラインナップが充実している金融機関に移りたい、サポート体制が良い金融機関に移りたいなどが挙げられます。
変更手続きは、まず移換先の新しい金融機関を選び、そこでiDeCo口座開設の申し込みを行います。このとき、「他の金融機関からの移換である」ことを伝えます。
移換には2〜3ヵ月程度かかります。移換期間中は、現在の資産が現金化され、運用ができなくなります。また、移換手数料として4,400円程度かかる場合が多いです。
退職時のiDeCo手続きは、6ヵ月以内に完了させることが最も重要です。
この期限を守らないと、自動移換という不利な状態になり、手数料負担と運用機会の損失という二重の不利益を被ります。
転職先の企業型DCの有無、自営業への転身、専業主婦(夫)になるなど、退職後の状況によって必要な手続きは異なります。自分のケースに合った手続きを確認し、必要書類を早めに準備しましょう。
企業型DCからiDeCoへの移換には2〜3ヵ月かかるため、退職後すぐに手続きを開始することが大切です。書類の記入ミスや不備があると、さらに時間がかかるため、丁寧に確認しながら進めましょう。
iDeCoの運営管理機関を選ぶ際は、手数料の安さ、サポート体制、運用商品の豊富さを比較検討することをおすすめします。長期運用を考えると、手数料の差は大きな影響を及ぼします。
定年退職後の受け取り方は、一時金、年金、併給の3つの選択肢があります。退職金との受け取りタイミングを調整することで、税負担を軽減できる可能性があります。ご自身の状況に応じて、税理士やファイナンシャルプランナーに相談することも検討しましょう。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。iDeCoは長期運用を前提とした制度ですが、運用商品によっては相場変動の影響を受けます。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各運営管理機関にご確認ください。
この記事のキーワード
キーワードがありません。
この記事と同じキーワードの記事
まだ記事がありません。
キーワードから探す
カンタン1分登録で、気になる資料を無料でお取り寄せ
そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお問い合わせください!