NISA口座の証券会社変更|手続きと注意点を解説

iDeCoを始めたいけれど、手数料がどのくらいかかるのか気になっていませんか。
iDeCoには加入時から給付時まで、複数の手数料が発生します。特に運営管理手数料は金融機関によって0円から年間数千円まで差があり、長期運用では大きな違いになります。
この記事では、iDeCoにかかる6つの手数料の内訳と、運営管理手数料0円の金融機関を比較します。30年間の手数料シミュレーションや、金融機関を選ぶ5つのポイントもご紹介します。
手数料負けを防ぎ、効率的に老後資金を準備するための情報をまとめました。
目次
iDeCoの手数料はいくら?
iDeCoを利用する際には、複数の手数料がかかります。手数料は大きく6つに分類され、それぞれ支払うタイミングや金額が異なります。
まずは全体像を把握して、どこでコストが発生するのかを理解しましょう。手数料の種類によっては、すべての金融機関で共通のものと、金融機関ごとに異なるものがあります。
特に運営管理手数料は金融機関選びの重要なポイントになります。
iDeCoに新規加入する際、または企業型確定拠出年金から資産を移す際には、国民年金基金連合会に対して2,829円(税込)の手数料が必要です。
この手数料はすべての金融機関で共通で、初回のみ発生します。企業型DCからiDeCoへ移換する場合も同額の手数料がかかるため、転職や退職のタイミングで確認しておきましょう。
iDeCoの口座を維持するためには、毎月171円(税込)の手数料が必ず発生します。
この171円の内訳は、国民年金基金連合会に105円、事務委託先金融機関(信託銀行)に66円です。この手数料はどの金融機関を選んでも変わらず、掛金を拠出している月も休止している月も同様にかかります。
年間では2,052円になるため、長期運用では無視できないコストです。
運営管理手数料は、金融機関が口座管理や運用商品の提供、情報提供などのサービスに対して徴収する手数料です。
この手数料は金融機関によって大きく異なり、0円から月額数百円まで幅があります。現在、SBI証券や楽天証券などの主要ネット証券では運営管理手数料を0円に設定しています。
運営管理手数料の差による影響
月額300円の場合
・年間3,600円
・30年間で108,000円の差
一方、一部の地方銀行や対面型の金融機関では月額200円~400円程度かかる場合もあります。金融機関選びで最も重視すべきポイントの一つです。
60歳以降にiDeCoの資産を受け取る際には、給付1回につき440円(税込)の手数料がかかります。
この手数料は事務委託先金融機関(信託銀行)に支払うもので、すべての金融機関で共通です。一括で受け取る場合は1回分の440円、分割で受け取る場合は受取回数×440円が必要になります。
年金形式で毎月受け取る場合、年間で5,280円の手数料がかかる計算です。
掛金の拠出限度額を超えて拠出してしまった場合や、加入資格のない月に拠出してしまった場合、その掛金は還付されます。
還付の際には、還付1回につき1,048円(国民年金基金連合会1,048円)の手数料がかかります。
還付が発生しないよう、掛金額や加入資格を正しく設定することが大切です。特に転職や退職のタイミングでは、加入資格の変更に注意しましょう。
iDeCoで投資信託を選択した場合、信託報酬という運用コストが日々差し引かれます。
信託報酬は投資信託の運用・管理にかかる費用で、年率で表示されます。信託報酬は商品によって大きく異なり、インデックスファンドでは年率0.1%~0.3%程度、アクティブファンドでは年率1%~2%程度とされています。
信託報酬の影響
信託報酬が年率0.1%と1%の商品では、30年間で数百万円の差が生まれる可能性があります
信託報酬は運用資産から自動的に差し引かれるため、目に見えにくいコストですが、長期運用では大きな影響があります。運営管理手数料と同様に、信託報酬の低い商品を選ぶことが重要です。
金融機関を選ぶ際には、運営管理手数料だけでなく、取り扱っている投資信託の信託報酬も確認しましょう。
運営管理手数料0円の金融機関は複数あります。主要なネット証券を中心に、多くの金融機関が手数料無料化に対応しています。
以下の表で、運営管理手数料0円の主な金融機関を比較します。
| 金融機関名 | 運営管理手数料 | 商品数 | 特徴 |
| SBI証券 | 0円 | 約38本 | 商品数が豊富、低コスト商品が充実 |
| 楽天証券 | 0円 | 約32本 | 楽天ポイントが貯まる・使える |
| 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 0円 | 約25本 | 大手の安心感、対面サポート |
| マネックス証券 | 0円 | 約28本 | 低コスト商品が充実、サポート充実 |
| 松井証券 | 0円 | 約40本 | サポート体制が手厚い、創業100年超 |
上記の金融機関はいずれも運営管理手数料が0円です。つまり、毎月かかるのは口座管理手数料の171円のみとなります。
運営管理手数料0円の金融機関を選ぶことで、年間数千円、30年間では10万円以上のコスト削減が可能です。
手数料の差は運用成績に直接影響するため、できるだけ手数料が安い金融機関を選びましょう。ただし、手数料だけでなく、商品ラインナップやサポート体制、使いやすさなども総合的に判断することが大切です。
次のセクションでは、手数料の差が長期運用でどのくらいの影響を与えるのかをシミュレーションします。
30年運用したら手数料の差はいくら?
手数料の差は、長期運用になるほど大きな影響を与えます。ここでは、運営管理手数料と信託報酬の違いが30年間でどのくらいの差を生むのかを具体的にシミュレーションします。
前提条件として、毎月2万円を30年間(360ヶ月)拠出し、年率3%で運用できた場合を想定します。
運営管理手数料が月額300円の金融機関を選んだ場合、毎月171円(口座管理手数料)+300円(運営管理手数料)=471円の手数料がかかります。
30年間では471円×360ヶ月=169,560円の手数料負担です。
さらに、この手数料分は運用に回せないため、機会損失も発生します。年率3%で運用できた場合、機会損失を含めると約25万円程度の差になる可能性があります。
運営管理手数料0円の金融機関を選んだ場合、毎月の手数料は口座管理手数料の171円のみです。
30年間では171円×360ヶ月=61,560円の手数料負担となります。
運営管理手数料が月額300円の金融機関と比較すると、30年間で約108,000円の差が生まれます。さらに機会損失を含めると、15万円~20万円程度の差になる可能性があります。
このように、運営管理手数料0円の金融機関を選ぶだけで、長期的には大きなコスト削減が可能です。
次に、信託報酬の差による影響を見てみましょう。信託報酬が年率0.1%の商品と年率1.1%の商品では、30年間でどのくらいの差が出るのでしょうか。
| 信託報酬 | 拠出額合計 | 30年後の資産額(年率3%運用) | 実質リターン |
| 年率0.1% | 720万円 | 約1,150万円 | 約430万円 |
| 年率1.1% | 720万円 | 約950万円 | 約230万円 |
| 差額 | – | 約200万円 | 約200万円 |
信託報酬が年率1%違うだけで、30年後の資産額には約200万円もの差が生まれます。
信託報酬は毎日少しずつ差し引かれるため目立ちませんが、長期運用では非常に大きな影響を与えます。iDeCoは60歳まで引き出せない制度のため、必然的に長期運用になります。
だからこそ、運営管理手数料と信託報酬の両方を低く抑えることが重要です。
手数料の差は確実なマイナスリターンです。運用成績が良くても、手数料が高ければその分リターンが目減りします。金融機関と商品選びでは、手数料を最優先で確認しましょう。
iDeCoの手数料が安い金融機関5社を比較
ここでは、運営管理手数料0円で商品ラインナップも充実している金融機関5社を詳しく比較します。それぞれの特徴や強みを理解して、自分に合った金融機関を選びましょう。

SBI証券は、iDeCoの取扱商品数が約38本と豊富で、初心者から上級者まで幅広いニーズに対応しています。
運営管理手数料は0円で、口座開設数は約1,500万口座を超える国内最大級のネット証券です。
SBI証券の特徴
低コストのインデックスファンドが充実
信託報酬が年率0.1%未満の商品も多数
「eMAXIS Slimシリーズ」や「SBI・Vシリーズ」など業界最低水準の信託報酬
また、Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイル、PayPayポイントなど、複数のポイントプログラムに対応しているのも魅力です。投資信託の保有残高に応じてポイントが貯まるため、長期運用でメリットがあります。
口座開設は最短翌営業日で完了し、スマホアプリも使いやすいため、初心者でも安心して始められます。商品数が多いため選択肢が豊富ですが、初心者向けのガイドやサポートも充実しています。

楽天証券は、楽天経済圏を活用している方に特におすすめの金融機関です。運営管理手数料は0円で、iDeCoの取扱商品数は約32本です。
楽天ポイントが貯まる・使えるのが最大の特徴です。
楽天証券の特徴
投資信託の残高に応じて楽天ポイントが貯まる
貯まったポイントは楽天市場や楽天モバイルの支払いに使える
日常生活でメリットを感じやすい
商品ラインナップも充実しており、低コストのインデックスファンドから、バランスファンド、アクティブファンドまで幅広く取り揃えています。特に「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」など、楽天独自の低コスト商品も人気です。
口座開設は最短翌営業日で、スマホアプリ「iSPEED」は使いやすさに定評があります。楽天カードや楽天銀行と連携することで、さらにポイント還元率がアップするメリットもあります。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として、大手の安心感と信頼性が魅力の金融機関です。
運営管理手数料は0円で、iDeCoの取扱商品数は約25本です。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の特徴
大手証券会社ならではの対面サポートが充実
全国の店舗で専門スタッフに相談できる
オンラインと対面の両方を使い分けられる
商品ラインナップは厳選された約25本で、初心者でも選びやすい構成になっています。低コストのインデックスファンドを中心に、バランスファンドや元本確保型商品も揃っています。
Pontaポイントが貯まるプログラムもあり、投資信託の保有残高に応じてポイントが付与されます。大手金融グループの安定性と、充実したサポート体制を重視する方におすすめです。

マネックス証券は、低コスト商品の充実度と、投資情報の質の高さで評価されている金融機関です。
運営管理手数料は0円で、iDeCoの取扱商品数は約28本です。
マネックス証券の特徴
信託報酬が業界最低水準の商品を厳選
インデックスファンドのラインナップが充実
投資情報の提供に力を入れている
特にインデックスファンドのラインナップが充実しており、全世界株式、米国株式、先進国株式など、幅広い資産クラスに低コストで投資できます。
また、マネックス証券は投資情報の提供に力を入れており、マーケットレポートや運用レポートが充実しています。iDeCoの運用状況を定期的に確認できるツールも使いやすく、長期運用をサポートしてくれます。
マネックスポイントまたはdポイントが貯まるプログラムもあり、投資信託の保有残高に応じてポイントが付与されます。口座開設は最短2営業日で、スマホアプリも直感的に操作できます。

松井証券は、創業100年を超える老舗証券会社で、サポート体制の手厚さに定評があります。
運営管理手数料は0円で、iDeCoの取扱商品数は約40本と豊富です。
松井証券の特徴
電話サポートの質の高さ
HDI-Japan「問合せ窓口格付け」で最高評価の三つ星を11年連続獲得
初心者でも安心して相談できる
商品ラインナップは約40本と豊富で、低コストのインデックスファンドから、アクティブファンド、バランスファンド、元本確保型商品まで幅広く揃っています。選択肢が多いため、自分の投資方針に合った商品を見つけやすいのが魅力です。
松井証券ポイントが貯まるプログラムもあり、投資信託の保有残高に応じてポイントが付与されます。ポイントは商品交換やAmazonギフト券などに交換できます。口座開設は最短即日で、スマホアプリも使いやすく設計されています。
| 金融機関 | 商品数 | 特徴 | ポイント | サポート |
| SBI証券 | 約38本 | 商品数豊富、低コスト | 5種類対応 | オンライン中心 |
| 楽天証券 | 約32本 | 楽天ポイント活用 | 楽天ポイント | オンライン中心 |
| 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 約25本 | 大手の安心感 | Pontaポイント | 対面・オンライン |
| マネックス証券 | 約28本 | 低コスト、情報充実 | 2種類対応 | オンライン中心 |
| 松井証券 | 約40本 | サポート手厚い | 松井証券ポイント | 電話サポート充実 |
金融機関を選ぶ5つのポイント
iDeCoの金融機関を選ぶ際には、手数料だけでなく、複数の要素を総合的に判断することが大切です。
ここでは、金融機関選びで重視すべき5つのポイントを解説します。
まず最優先で確認すべきは、運営管理手数料が0円かどうかです。
前述のとおり、運営管理手数料の有無は30年間で10万円以上の差を生みます。現在、主要なネット証券は運営管理手数料を0円に設定していますが、一部の地方銀行や対面型の金融機関では有料の場合があります。
特別な理由がない限り、運営管理手数料0円の金融機関を選ぶことをおすすめします。
運営管理手数料と同じくらい重要なのが、信託報酬の低い商品が揃っているかどうかです。
信託報酬は投資信託ごとに異なるため、金融機関の商品ラインナップを確認しましょう。特にインデックスファンドでは、信託報酬が年率0.1%未満の商品が増えています。
信託報酬が年率0.1%と1%では、30年間で200万円以上の差が出る可能性があります。長期運用では信託報酬の低さが運用成績に直結するため、商品選びの重要なポイントです。
iDeCoでは、金融機関ごとに取り扱う商品が決まっています。自分の投資方針に合った商品が揃っているかを確認しましょう。
商品数が多すぎると選ぶのが大変ですが、少なすぎても選択肢が限られます。20本~40本程度の商品数で、資産クラス(国内株式、外国株式、債券など)がバランスよく揃っている金融機関が理想的です。
iDeCoは長期間利用する制度のため、サポート体制や管理画面の使いやすさも重要です。
特に初心者の方は、困ったときに相談できる体制が整っているかを確認しましょう。ネット証券では、電話サポート、チャットサポート、メールサポートなどが用意されています。
松井証券のように電話サポートに定評がある金融機関もあります。
また、スマホアプリの使いやすさや、運用状況を確認できるツールの充実度もチェックポイントです。定期的に運用状況を確認しやすい環境が整っていると、長期運用のモチベーション維持にもつながります。
最後に、ポイント還元や特典の有無も判断材料の一つです。
投資信託の保有残高に応じてポイントが貯まるプログラムを提供している金融機関が増えています。楽天証券では楽天ポイント、SBI証券では複数のポイントプログラムに対応しており、日常生活で使いやすいポイントが貯まります。
ポイント還元率は年率0.01%~0.05%程度ですが、長期運用では無視できない金額になります。
これら5つのポイントを総合的に判断して、自分に最適な金融機関を選びましょう。
金融機関を変更するときの手数料と手順
iDeCoを始めた後に、他の金融機関の方が有利だと気づくこともあります。
iDeCoでは金融機関の変更が可能ですが、手数料や手続きの流れを理解しておくことが大切です。
金融機関を変更する際には、以下の手数料がかかります。
まず、変更元の金融機関に対して、資産を移管するための手数料が必要です。この手数料は金融機関によって異なり、0円~4,400円程度とされています。
次に、変更先の金融機関に対して、加入時と同様に国民年金基金連合会への手数料2,829円が必要です。
合計で3,000円~7,000円程度の手数料がかかると考えておきましょう。
また、変更時には保有している投資信託をいったん売却して現金化する必要があります。売却のタイミングによっては、運用益が減少したり、元本割れのリスクもあります。変更のタイミングは慎重に検討しましょう。
金融機関の変更手順は以下のとおりです。
一連の手続きには、通常2~3ヶ月程度かかります。
その間、新たな掛金の拠出は継続されますが、運用は一時的にストップします。この期間中は運用益を得られないため、機会損失が発生する点に注意が必要です。
また、変更手続き中は、変更元の金融機関の口座管理手数料と運営管理手数料が引き続き発生します。変更を決めたら、できるだけ早く手続きを進めることが大切です。
金融機関を変更するメリットは、運営管理手数料の削減や、より良い商品ラインナップへのアクセスです。
運営管理手数料が有料の金融機関から無料の金融機関に変更すれば、長期的には大きなコスト削減になります。また、信託報酬が低い商品に乗り換えることで、運用効率を高めることも可能です。
特に、iDeCoを始めた当初は選択肢が少なかった方や、手数料を重視していなかった方にとっては、変更のメリットが大きい場合があります。
一方、デメリットとしては、変更手数料がかかることや、手続きに時間がかかることが挙げられます。また、保有資産を売却するタイミングによっては、元本割れのリスクもあります。
変更を検討する際には、手数料削減の効果と、変更にかかるコストを比較して、本当にメリットがあるかを計算しましょう。残りの運用期間が長い方ほど、変更のメリットが大きくなります。
手数料負けしないための3つの注意点
iDeCoでは、手数料が運用益を上回ってしまう「手数料負け」を避けることが重要です。
ここでは、手数料負けを防ぐための3つの注意点を解説します。
月5,000円程度の少額拠出でも、iDeCoを利用する意味はあります。
iDeCoの最大のメリットは、掛金が全額所得控除の対象になることです。所得税・住民税の節税効果を考えると、少額でも十分にメリットがあります。
月5,000円拠出の節税効果
年収400万円の会社員の場合
・年間拠出額:6万円
・税率20%とすると、年間約12,000円の節税効果
ただし、手数料が年間2,052円(口座管理手数料171円×12ヶ月)かかるため、運用益が少ない場合は手数料負けのリスクもあります。元本確保型商品(定期預金)を選ぶ場合は、金利が低いため手数料負けする可能性が高くなります。
少額拠出の場合は、節税効果を重視しつつ、信託報酬が低いインデックスファンドを選ぶことをおすすめします。長期運用で複利効果を活かせば、手数料を上回る運用益を得られる可能性が高まります。
元本確保型商品(定期預金や保険商品)は、元本割れのリスクがない安全な選択肢ですが、金利が低いため手数料負けのリスクがあります。
現在の定期預金金利は年率0.01%~0.02%程度で、手数料(年間2,052円)を上回る利息を得るのは困難です。
元本確保型商品の手数料負けの例
100万円を年率0.02%の定期預金で運用
・年間の利息:約200円
・手数料:2,052円
・実質的に年間約1,850円のマイナス
元本確保型商品を選ぶ場合は、節税効果を重視することになります。所得税・住民税の節税額が手数料を上回れば、トータルではプラスになります。
ただし、iDeCoは長期運用が前提の制度のため、若い方や運用期間が長い方は、ある程度リスクを取って投資信託を選ぶことも検討しましょう。
iDeCoは60歳まで引き出せない制度のため、必然的に長期運用になります。
長期運用では、短期的な価格変動よりも、手数料の低さと複利効果が重要になります。
手数料は確実なマイナスリターンです。運用成績が良くても悪くても、手数料は必ず発生します。だからこそ、運営管理手数料0円の金融機関を選び、信託報酬が低い商品を選ぶことが、長期的な資産形成の成功につながります。
また、長期運用では複利効果が大きく働きます。運用益を再投資することで、雪だるま式に資産が増えていきます。手数料が低ければ低いほど、複利効果を最大限に活かせます。
iDeCoは老後資金を準備するための制度です。長期的な視点で、手数料を抑えながら、着実に資産を積み上げていくことが大切です。
よくある質問(Q&A)
iDeCoの手数料に関して、よくある質問をまとめました。疑問を解消して、安心してiDeCoを始めましょう。
iDeCoの手数料(口座管理手数料や運営管理手数料)は、確定申告で控除することはできません。これらの手数料は、iDeCoの運用資産から自動的に差し引かれるため、別途申告する必要もありません。
ただし、iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象になります。会社員の方は年末調整で、自営業の方は確定申告で控除を受けられます。掛金の控除によって所得税・住民税が軽減されるため、手数料以上の節税効果が期待できます。
iDeCoの手数料は、将来変更される可能性があります。特に運営管理手数料は、金融機関の経営判断によって変更されることがあります。
過去には、運営管理手数料が有料だった金融機関が無料に変更した事例が多くあります。逆に、無料から有料に変更される可能性もゼロではありません。ただし、現在の競争環境を考えると、主要ネット証券が有料化する可能性は低いと考えられます。
手数料の変更がある場合は、事前に通知されます。定期的に金融機関からの案内をチェックし、手数料体系の変更がないか確認しましょう。
iDeCoの口座は、1人につき1つしか持てません。複数の金融機関で同時にiDeCo口座を開設することはできません。
もし金融機関を変更したい場合は、前述のとおり、変更手続きを行う必要があります。変更には手数料と時間がかかるため、最初の金融機関選びが重要です。
企業型確定拠出年金(企業型DC)からiDeCoに資産を移管する際には、国民年金基金連合会への手数料2,829円がかかります。これは新規加入時と同じ手数料です。
また、移管元の企業型DCを運営している金融機関によっては、移管手数料が別途かかる場合があります。転職や退職で企業型DCからiDeCoに移管する際には、事前に手数料を確認しておきましょう。
iDeCo口座内で運用商品を変更する際、手数料は基本的にかかりません。保有している投資信託を売却して別の商品に乗り換える「スイッチング」は、何度でも無料で行えます。
ただし、スイッチングで投資信託を売却する際には、信託財産留保額がかかる商品もあります。信託財産留保額は、投資信託を解約する際に徴収される費用で、0.1%~0.3%程度とされています。商品によっては信託財産留保額がない場合もあるため、事前に確認しましょう。
給付時の手数料は、受取方法によって異なります。一括で受け取る場合は、給付1回につき440円の手数料がかかります。分割で受け取る場合は、受取回数×440円の手数料が必要です。
例えば、毎月受け取る場合は年間で5,280円(440円×12回)、10年間では63,360円の手数料がかかります。一括受取の方が手数料は安く抑えられますが、税金の面では分割受取の方が有利な場合もあります。受取方法は、手数料と税金の両方を考慮して決めることが大切です。
iDeCoには6つの手数料があり、特に運営管理手数料は金融機関によって大きく異なります。
運営管理手数料0円の金融機関を選ぶことで、30年間で10万円以上のコスト削減が可能です。
金融機関選びでは、運営管理手数料だけでなく、信託報酬が低い商品が揃っているか、サポート体制は充実しているか、ポイント還元などの付加価値があるかを総合的に判断しましょう。SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券などの主要ネット証券は、いずれも運営管理手数料0円で商品ラインナップも充実しています。
手数料は確実なマイナスリターンです。長期運用では手数料の差が運用成績に大きく影響するため、できるだけ手数料を抑えることが重要です。また、信託報酬の低いインデックスファンドを選ぶことで、さらに運用効率を高められます。
iDeCoは60歳まで引き出せない制度のため、長期的な視点で金融機関と商品を選びましょう。少額拠出でも節税効果があるため、早めに始めることが資産形成の第一歩です。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各金融機関の公式サイトでご確認いただくか、専門家にご相談ください。
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