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ゆうちょ銀行で積立NISAを始めたいけれど、どの銘柄を選べばいいか迷っていませんか。
ゆうちょ銀行の積立NISAは取扱銘柄が15本に厳選されており、投資初心者でも選びやすい特徴があります。
一方で、ネット証券と比べると手数料が高めで、人気のeMAXIS Slimシリーズが買えないなどのデメリットもあります。
この記事では、ゆうちょ銀行の全15銘柄の特徴と、あなたに合ったおすすめ銘柄5選を詳しく解説します。
さらに、ネット証券との比較や、窓口相談のメリット・デメリットも公平な視点でお伝えします。
対面で相談しながら投資を始めたい方にとって、ゆうちょ銀行は有力な選択肢の一つです。
この記事を読めば、ゆうちょ銀行で積立NISAを始めるべきか、それともネット証券を選ぶべきかの判断ができるようになります。
目次
ゆうちょ銀行の積立NISAで買える銘柄は15本
ゆうちょ銀行の積立NISA(つみたて投資枠)で購入できる投資信託は、全部で15本です。金融庁が定める厳しい基準をクリアした商品のみが対象となっており、長期・積立・分散投資に適した銘柄が揃っています。
ネット証券の取扱本数が200本前後であることと比べると少なく感じるかもしれませんが、選択肢が絞られているからこそ、投資初心者にとっては選びやすいというメリットがあります。
ゆうちょ銀行が取り扱う積立NISA対象の投資信託は、株式型とバランス型を中心に15本に厳選されています。これは金融庁が定める「つみたてNISA対象商品」の基準を満たした商品の中から、ゆうちょ銀行が選定したラインナップです。
ネット証券大手のSBI証券や楽天証券では200本以上の取扱がある一方、ゆうちょ銀行は15本に絞り込んでいます。この絞り込みは、投資初心者が迷わず選べるようにという配慮から行われています。
15本の内訳は、国内株式型、先進国株式型、全世界株式型、バランス型など、基本的な投資対象をカバーしています。また、セゾン投信の商品が含まれているのも特徴の一つです。
ゆうちょ銀行の15銘柄は、バランス型ファンドが7本、株式型ファンドが6本、その他が2本という構成になっています。バランス型が多いのは、リスクを抑えながら資産形成をしたい投資初心者のニーズに応えるためです。
バランス型ファンドは、株式と債券を組み合わせて運用するため、株式100%の商品と比べて値動きが穏やかになります。投資経験が少ない方や、リスクを抑えたい方にとって選びやすい商品構成と言えます。
株式型ファンドでは、国内株式(TOPIX連動型)、先進国株式、米国株式(S&P500連動型)など、基本的な投資対象が揃っています。これらを組み合わせることで、自分のリスク許容度に合わせた運用が可能です。
ゆうちょ銀行の取扱銘柄の中で注目すべきは、セゾン投信の「セゾン・グローバルバランスファンド」と「セゾン資産形成の達人ファンド」が購入できる点です。これらは長期投資家から高い評価を受けている商品です。
セゾン投信は、長期・分散・積立投資を基本理念とする運用会社で、個人投資家向けのサポートが充実しています。特に「セゾン・グローバルバランスファンド」は、株式と債券を50%ずつ組み入れたバランス型ファンドとして、リスクを抑えながら世界中に分散投資できる商品です。
これらのセゾン投信の商品は、ゆうちょ銀行以外ではセゾン投信の直販でしか購入できません。ネット証券大手のSBI証券や楽天証券でも取り扱っていないため、ゆうちょ銀行で積立NISAを始める独自のメリットと言えます。
ゆうちょ銀行でおすすめの銘柄5選
ゆうちょ銀行の15銘柄の中から、投資目的やリスク許容度に応じたおすすめ銘柄を5つ厳選して紹介します。それぞれの銘柄の特徴や、どんな人に向いているかを詳しく解説します。
銘柄選びで迷っている方は、この5つの中から自分に合ったものを選ぶことで、積立NISAをスムーズに始められます。
「つみたて先進国株式」は、日本を除く先進国の株式に幅広く投資する商品です。投資対象は米国、欧州、アジア・オセアニアなど約20カ国の株式市場で、MSCIコクサイ・インデックスという指標に連動します。
信託報酬は年0.22%程度で、ゆうちょ銀行の取扱商品の中では標準的な水準です。米国株式の比率が約70%と高いため、実質的には米国経済の成長を取り込みながら、他の先進国にも分散投資できる商品と言えます。
海外株式に投資したいが、米国だけに集中するのは不安という方におすすめです。先進国全体に分散することで、特定の国の経済リスクを軽減できます。
「iFree S&P500インデックス」は、米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動する商品です。S&P500は、米国の主要企業500社で構成される指数で、アップル、マイクロソフト、アマゾンなど世界的な大企業が含まれています。
信託報酬は年0.198%程度で、ゆうちょ銀行の取扱商品の中では比較的低コストです。ただし、ネット証券で人気のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬が年0.09372%であることと比べると、やや高めの水準です。
米国経済の成長に期待し、高いリターンを狙いたい方におすすめです。過去の実績では、S&P500は長期的に年平均7〜10%程度のリターンを上げています。
米国市場のみに投資するため、為替リスクや米国経済の変動リスクには注意が必要です。
「つみたて日本株式(TOPIX)」は、東京証券取引所に上場する日本企業の株式に投資する商品です。TOPIX(東証株価指数)に連動し、日本の主要企業約2,000社に分散投資できます。
信託報酬は年0.198%程度で、国内株式型としては標準的な水準です。為替リスクがないため、海外株式と比べて値動きが分かりやすく、初心者にも理解しやすい商品です。
日本経済の成長を応援したい方や、為替リスクを避けたい方におすすめです。将来的に日本円で生活費を使う予定がある方にとっては、為替変動の影響を受けない点がメリットになります。
日本経済の成長率は先進国の中では低めであるため、長期的なリターンは海外株式より控えめになる可能性があります。
「野村6資産均等バランス」は、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券の6つの資産に均等(各16.7%程度)に投資する商品です。株式と債券をバランスよく組み合わせることで、リスクを抑えた運用を目指します。
信託報酬は年0.242%程度で、バランス型ファンドとしては標準的な水準です。6資産に均等配分することで、特定の資産の値動きに左右されにくく、安定した運用が期待できます。
投資初心者や、リスクを抑えながら資産形成をしたい方におすすめです。株式100%の商品と比べて値動きが穏やかなため、暴落時の心理的な負担も軽減されます。
リスクを抑える分、リターンも控えめになる点は理解しておく必要があります。
「セゾン・グローバルバランスファンド」は、世界中の株式と債券に50%ずつ投資する商品です。セゾン投信が運用する長期投資家向けのファンドで、ゆうちょ銀行とセゾン投信の直販でしか購入できない希少な商品です。
信託報酬は年0.56%程度で、ゆうちょ銀行の取扱商品の中ではやや高めです。しかし、投資先の選定や資産配分の調整を専門家が行うアクティブ運用の要素があり、単純なインデックスファンドとは異なる運用方針を取っています。
長期的な資産形成を目指し、リスクとリターンのバランスを重視する方におすすめです。株式50%、債券50%という配分は、リスクを抑えながらも成長を狙える黄金比率とされています。
ゆうちょ銀行の全15銘柄を比較
ゆうちょ銀行で取り扱う積立NISA対象の全15銘柄を、タイプ別に詳しく比較します。各銘柄の信託報酬、投資対象、リスク・リターンの特徴を一覧表で確認できます。
おすすめ銘柄5選以外にも、自分に合った商品がないか確認したい方は、この比較表を参考にしてください。
株式型ファンドは、株式を中心に運用する商品で、長期的に高いリターンを狙えますが、値動きは大きくなります。ゆうちょ銀行では、国内株式、先進国株式、米国株式、全世界株式など、基本的な投資対象をカバーする6本を取り扱っています。
| 銘柄名 | 投資対象 | 信託報酬(年率・税込) | 特徴 |
| つみたて日本株式(TOPIX) | 国内株式 | 0.198% | 日本の主要企業約2,000社に分散投資。為替リスクなし |
| つみたて先進国株式 | 先進国株式(日本除く) | 0.22% | 米国を中心に約20カ国の先進国株式に投資 |
| iFree S&P500インデックス | 米国株式 | 0.198% | 米国の主要企業500社に投資。高リターンを狙える |
| つみたて8資産均等バランス | 全世界株式・債券・REIT | 0.242% | 8つの資産に均等配分。株式比率は約50% |
| セゾン資産形成の達人ファンド | 全世界株式 | 0.56% | 世界中の成長企業に投資。アクティブ運用 |
| つみたて新興国株式 | 新興国株式 | 0.374% | 中国、インド、ブラジルなど新興国の成長を狙う |
株式型ファンドは、20〜30年以上の長期投資を前提とする方に適しています。短期的には値動きが大きいため、暴落時にも慌てず保有し続けられる方におすすめです。
バランス型ファンドは、株式と債券を組み合わせて運用する商品で、リスクを抑えながら資産形成を目指します。ゆうちょ銀行では7本のバランス型ファンドを取り扱っており、リスク許容度に応じて選べます。
| 銘柄名 | 株式比率 | 信託報酬(年率・税込) | 特徴 |
| 野村6資産均等バランス | 約50% | 0.242% | 6つの資産に均等配分。バランス重視 |
| セゾン・グローバルバランスファンド | 約50% | 0.56% | 世界中の株式・債券に50%ずつ投資 |
| ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) | 約50% | 0.154% | 4つの資産に均等配分。低コスト |
| 三井住友・DC年金バランス30(債券重点型) | 約30% | 0.242% | 債券70%、株式30%。リスク最小 |
| 三井住友・DC年金バランス50(標準型) | 約50% | 0.242% | 株式と債券を50%ずつ配分 |
| 三井住友・DC年金バランス70(株式重点型) | 約70% | 0.242% | 株式70%、債券30%。リターン重視 |
| eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) | 約50% | 0.143% | 8つの資産に均等配分。業界最低水準の低コスト |
バランス型ファンドは、投資初心者や、退職が近づいている方など、リスクを抑えたい方に適しています。株式比率が30%、50%、70%と異なる商品があるため、自分のリスク許容度に合わせて選べます。
「つみたてんとう」シリーズは、ゆうちょ銀行が独自に提供する商品で、「つみたてんとう(国内株式)」と「つみたてんとう(先進国株式)」の2本があります。これらは日本郵政グループのアセットマネジメント会社が運用しています。
| 銘柄名 | 投資対象 | 信託報酬(年率・税込) | 特徴 |
| つみたてんとう(国内株式) | 国内株式 | 0.198% | TOPIX連動型。ゆうちょ独自商品 |
| つみたてんとう(先進国株式) | 先進国株式(日本除く) | 0.22% | MSCIコクサイ連動型。ゆうちょ独自商品 |
つみたてんとうシリーズは、他の類似商品(つみたて日本株式、つみたて先進国株式)と投資対象や信託報酬がほぼ同じです。そのため、特にこのシリーズを選ぶ明確なメリットは少ないと言えます。
ただし、ゆうちょ銀行のオリジナル商品であるため、窓口で勧められる機会が多いかもしれません。商品内容自体は問題ありませんが、他の類似商品と比較して選ぶことをおすすめします。
自分に合った銘柄の選び方
ゆうちょ銀行の15銘柄の中から、自分に合った商品を選ぶための4つのポイントを解説します。投資対象、リスク許容度、手数料、年代別の組み合わせ方を理解することで、最適な銘柄選びができるようになります。
投資信託を選ぶ際の最初のポイントは、どの地域に投資するかです。国内株式、先進国株式、新興国株式、全世界株式など、投資対象によって期待できるリターンやリスクが異なります。
国内株式は為替リスクがなく、値動きが理解しやすいメリットがあります。一方、日本経済の成長率は先進国の中では低めで、長期的なリターンは限定的かもしれません。先進国株式(特に米国株式)は、過去の実績では高いリターンを上げていますが、為替リスクや海外経済の変動リスクがあります。
初心者には、先進国株式または全世界株式がおすすめです。世界経済全体の成長を取り込みながら、特定の国のリスクを分散できます。
投資信託のリスクとリターンは、株式と債券の配分比率によって大きく変わります。株式100%の商品は高いリターンが期待できますが、値動きが大きくなります。一方、債券を多く組み入れた商品は、リターンは控えめですが、値動きが穏やかです。
リスク許容度は、年齢、投資経験、資産状況、性格などによって異なります。暴落時に慌てて売却してしまうと損失が確定してしまうため、自分が耐えられる値動きの範囲内で商品を選ぶことが重要です。
投資初心者や、リスクを抑えたい方はバランス型ファンドから始めるのがおすすめです。慣れてきたら株式型ファンドの比率を増やすなど、段階的にリスクを調整できます。
信託報酬は、投資信託を保有している間、毎日差し引かれる運用管理費用です。年率で表示されますが、保有期間が長くなるほど、わずかな差が大きな金額になります。
例えば、信託報酬が0.2%と0.5%の商品を比較すると、年間の差は0.3%です。100万円を20年間運用した場合、この0.3%の差が累計で約6万円の差になります(運用益を考慮しない単純計算)。
同じ投資対象の商品であれば、信託報酬が安い方を選ぶのが基本です。ゆうちょ銀行の取扱商品の中では、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」(0.143%)や「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」(0.154%)が低コストです。
年代によって、適切な資産配分は異なります。若い世代は運用期間が長く取れるため、リスクを取って株式中心の運用が可能です。一方、退職が近い世代は、資産を守ることを優先し、債券の比率を高めることが推奨されます。
ゆうちょ銀行で積立NISAを始めるメリット3つ
ゆうちょ銀行で積立NISAを始める主なメリットを3つ紹介します。ネット証券にはない、対面サポートや選びやすさといった特徴があります。
ゆうちょ銀行の最大のメリットは、全国の郵便局窓口で対面相談ができる点です。投資が初めての方や、インターネット操作に不安がある方にとって、窓口で直接相談できる安心感は大きいでしょう。
窓口では、積立NISAの仕組みや各銘柄の特徴、リスクについて説明を受けられます。また、口座開設の手続きも窓口で完結できるため、書類の記入方法が分からない場合でもサポートを受けられます。
窓口の担当者は必ずしも投資の専門家ではなく、特定の商品を勧められる可能性もあります。窓口で相談する際は、複数の商品を比較し、自分で最終判断することが大切です。
ゆうちょ銀行の取扱銘柄が15本に絞られている点は、投資初心者にとってメリットになります。ネット証券では200本以上の商品から選ぶ必要があり、初心者には選択肢が多すぎて迷ってしまうことがあります。
15本という数は、基本的な投資対象(国内株式、先進国株式、米国株式、バランス型など)をカバーしつつ、選びやすい範囲に収まっています。選択肢が限られているからこそ、比較検討しやすく、決断しやすいという利点があります。
金融庁が定める厳しい基準をクリアした商品のみが対象となっているため、極端に手数料が高い商品や、リスクが高すぎる商品は含まれていません。その意味では、初心者でも安心して選べるラインナップと言えます。
ゆうちょ銀行は全国約2万4,000の郵便局ネットワークを持っており、地方在住の方でも最寄りの郵便局で口座開設ができます。ネット証券の場合、オンラインで手続きを完結する必要があり、インターネット環境がない方や、操作に不安がある方には難しい場合があります。
また、引っ越しをしても、引越し先の郵便局で引き続きサポートを受けられる点も便利です。転居先でも同じサービスを受けられる安心感は、ゆうちょ銀行ならではのメリットです。
特に高齢者や、地方在住でネット証券の利用が難しい方にとって、ゆうちょ銀行の全国ネットワークは大きな強みになります。
ゆうちょ銀行のデメリットと注意点4つ
ゆうちょ銀行で積立NISAを始める際のデメリットと注意点を4つ紹介します。メリットだけでなく、デメリットも理解した上で判断することが重要です。
ゆうちょ銀行の取扱商品は、ネット証券で人気の超低コスト商品と比べると、信託報酬がやや高めに設定されているものが多いです。例えば、米国株式に投資する商品を比較すると、以下のような差があります。
この差は年間で約0.1%ですが、20年間の長期運用では大きな差になります。100万円を20年間運用した場合、信託報酬の差だけで約2万円の差が生じます(運用益を考慮しない単純計算)。
この差は窓口サポートや全国ネットワークの維持費用と考えることもできます。対面サポートの価値と、コストの差を天秤にかけて判断する必要があります。
ネット証券の多くは、投資信託の保有額に応じてポイントが貯まる仕組みを提供しています。例えば、SBI証券ではVポイントやPontaポイント、楽天証券では楽天ポイントが貯まり、これらのポイントは買い物や再投資に使えます。
一方、ゆうちょ銀行には投資信託の保有に対するポイント還元制度がありません。この点は、ポイント経済圏を活用している方にとってはデメリットになります。
例えば、SBI証券で投資信託を保有すると、年率0.1〜0.2%程度のポイントが貯まります。100万円の保有で年間1,000〜2,000円相当のポイントが得られるため、長期的には無視できない差になります。
ネット証券で圧倒的な人気を誇る「eMAXIS Slim」シリーズは、業界最低水準の信託報酬を誇る商品群です。特に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、積立NISA利用者の間で最も選ばれている商品です。
しかし、ゆうちょ銀行ではeMAXIS Slimシリーズの取扱がほとんどありません(一部のバランス型のみ取扱あり)。そのため、最もコストが安い商品を選びたい方にとっては、選択肢が限られてしまいます。
ネット証券では、eMAXIS Slimシリーズの信託報酬が0.05〜0.1%程度であるのに対し、ゆうちょ銀行の類似商品は0.2〜0.5%程度です。この差は長期投資では無視できない金額になります。
ゆうちょ銀行の取扱銘柄が15本であることは、初心者にとっては選びやすいメリットがある一方、投資経験者や、特定の投資戦略を持っている方にとっては選択肢が少なすぎるというデメリットになります。
例えば、特定のセクター(テクノロジー、ヘルスケアなど)に投資したい、高配当株式に投資したい、ESG投資をしたいといったニーズには対応できません。ネット証券では200本以上の商品から選べるため、より細かい投資戦略が可能です。
将来的に投資に慣れてきて、より多様な商品に投資したくなった場合、ゆうちょ銀行では対応できない可能性があります。その場合、ネット証券に移管するか、新たに口座を開設する必要があります。
ゆうちょ銀行とネット証券(SBI証券・楽天証券)を、取扱銘柄数、手数料、サポート体制などの観点から比較します。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った選択をするための判断材料を提供します。
取扱銘柄数は、ゆうちょ銀行とネット証券で大きな差があります。ゆうちょ銀行が15本であるのに対し、SBI証券は約271本、楽天証券は約200本の積立NISA対象商品を取り扱っています。
| 金融機関 | 積立NISA取扱本数 | 特徴 |
| ゆうちょ銀行 | 15本 | 厳選された基本的な商品のみ |
| SBI証券 | 約271本 | 業界最多水準。多様な投資戦略に対応 |
| 楽天証券 | 約200本 | 主要な商品を幅広くカバー |
銘柄数が多いことは、選択肢が広がるメリットがある一方、初心者にとっては迷いやすいデメリットもあります。投資初心者で、シンプルに選びたい方はゆうちょ銀行、多様な商品から選びたい方はネット証券が適しています。
信託報酬は、投資信託を保有している間、継続的に発生するコストです。同じ投資対象の商品でも、金融機関によって信託報酬が異なる場合があります。代表的な商品で比較してみましょう。
| 投資対象 | ゆうちょ銀行 | SBI証券・楽天証券 | 差 |
| 米国株式(S&P500) | 0.198% | 0.09372%(eMAXIS Slim) | 約0.1% |
| 全世界株式 | 取扱なし | 0.05775%(eMAXIS Slim) | – |
| バランス型(8資産) | 0.143%(eMAXIS Slim) | 0.143%(eMAXIS Slim) | 同じ |
信託報酬の差は年間で0.1%程度ですが、長期投資では大きな差になります。100万円を20年間運用した場合、0.1%の差で約2万円の差が生じます(運用益を考慮しない単純計算)。
コストを最優先する方はネット証券、コストよりもサポートを重視する方はゆうちょ銀行が適しています。
サポート体制は、ゆうちょ銀行とネット証券で大きく異なります。ゆうちょ銀行は全国の郵便局窓口で対面相談ができるのに対し、ネット証券は主に電話やチャット、メールでのサポートになります。
| 項目 | ゆうちょ銀行 | ネット証券 |
| 対面相談 | 全国の郵便局窓口で可能 | 原則なし(一部店舗を除く) |
| 電話サポート | あり | あり(平日9:00〜17:00など) |
| チャット・メール | 限定的 | 充実 |
| 投資情報・教育コンテンツ | 基本的な情報のみ | 豊富(セミナー、動画、レポートなど) |
対面相談ができる点は、投資初心者や高齢者にとって大きなメリットです。一方、ネット証券は投資情報や教育コンテンツが充実しており、自分で学びながら投資したい方に適しています。
対面サポートが必要な方はゆうちょ銀行、自分で情報収集できる方はネット証券が適しています。
ゆうちょ銀行とネット証券、それぞれに向いている人の特徴をまとめます。自分がどちらのタイプに当てはまるか確認してください。
どちらが絶対に良いということはなく、自分の状況やニーズに合わせて選ぶことが大切です。また、最初はゆうちょ銀行で始めて、慣れてきたらネット証券に移管するという選択肢もあります。
積立NISAにおすすめのネット証券2社
ゆうちょ銀行と比較検討する際に知っておきたい、積立NISAにおすすめのネット証券2社を紹介します。それぞれの特徴や強みを理解し、自分に合った証券会社を選ぶ参考にしてください。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
SBI証券は、積立NISA対象商品の取扱本数が約271本と業界最多水準で、豊富な選択肢から自分に合った商品を選べるのが最大の特徴です。人気のeMAXIS Slimシリーズも全て取り扱っています。
ポイント還元制度も充実しており、投資信託の保有額に応じてVポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイルなどが貯まります。また、三井住友カードでクレカ積立をすると、最大5%のポイント還元を受けられます(カードの種類による)。
取引ツールやアプリも使いやすく、投資情報も豊富です。口座開設数は約1,500万口座と業界トップクラスで、多くの投資家に選ばれています。
SBI証券の特徴
積立NISA取扱本数:約271本
最低積立金額:100円〜
ポイント還元:Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイル、PayPayポイント
クレカ積立:三井住友カードで最大5%還元
口座開設数:約1,500万口座

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天証券は、楽天経済圏を活用している方に特におすすめの証券会社です。投資信託の保有額に応じて楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントで投資信託を購入できる仕組みが整っています。
積立NISA対象商品は約200本で、主要な商品は網羅しています。楽天カードでクレカ積立をすると、最大1%のポイント還元を受けられます(カードの種類による)。
取引ツール「MARKET SPEED II」は高機能で使いやすく、投資情報も充実しています。楽天市場や楽天モバイルなど、楽天グループのサービスを利用している方にとっては、ポイントを効率的に貯められる点が大きなメリットです。
楽天証券の特徴
積立NISA取扱本数:約200本
最低積立金額:100円〜
ポイント還元:楽天ポイント
クレカ積立:楽天カードで最大1%還元
口座開設数:約1,200万口座
ゆうちょ銀行で積立NISAを始めた後、ネット証券への移管を検討するタイミングについて解説します。移管には手間がかかるため、慎重に判断する必要があります。
移管には手続きが必要で、移管元の金融機関で解約手続き、移管先の金融機関で新規口座開設が必要になります。また、2024年以降の新NISA制度では、年の途中での金融機関変更ができないため、タイミングに注意が必要です。
移管を検討する際は、移管のメリット(コスト削減、ポイント還元など)と、手続きの手間を天秤にかけて判断しましょう。また、移管せずに、新たにネット証券で口座を開設し、今後の積立はネット証券で行うという選択肢もあります。
ゆうちょ銀行で積立NISAを始める手順
ゆうちょ銀行で積立NISAを始めるための具体的な手順を解説します。必要な書類、口座開設の方法、銘柄選択と積立設定の流れを理解し、スムーズに積立NISAを始めましょう。
ゆうちょ銀行で積立NISA口座を開設するには、以下の書類が必要です。事前に準備しておくと、手続きがスムーズに進みます。
マイナンバーカードがあれば、本人確認とマイナンバー確認が1枚で済むため便利です。書類に不備があると手続きが遅れるため、事前に確認しておきましょう。
ゆうちょ銀行では、窓口とオンラインの2つの方法で積立NISA口座を開設できます。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。
口座開設の申し込み後、税務署での審査があり、通常2〜3週間程度で口座開設が完了します。開設完了の通知が届いたら、積立設定を行います。
口座開設が完了したら、積立する銘柄を選び、毎月の積立金額を設定します。ゆうちょ銀行では、月々1,000円から積立が可能です。
積立設定が完了すれば、毎月自動的に指定の銘柄が購入されます。基本的には長期保有を前提とし、短期的な値動きに一喜一憂せず、じっくりと資産形成を続けることが大切です。
ゆうちょ銀行の積立NISAが「損」かどうかは、何を重視するかによって異なります。信託報酬がネット証券より高めで、ポイント還元もないため、コスト面では不利です。しかし、窓口で相談できる安心感や、選びやすい商品ラインナップを重視する方にとっては、十分に価値があります。対面サポートが必要な方にとっては、ゆうちょ銀行は有力な選択肢です。
ゆうちょ銀行の窓口では、積立NISAの仕組み、各銘柄の特徴、リスクの説明、口座開設の手続きなどについて相談できます。ただし、窓口の担当者は投資助言業の資格を持っているわけではないため、具体的な銘柄の推奨や、売買タイミングのアドバイスは受けられません。あくまで一般的な情報提供と手続きサポートが中心です。
積立中の銘柄は、いつでも変更できます。変更する場合は、現在の積立設定を停止し、新しい銘柄で積立設定をし直します。ただし、既に購入済みの商品は自動的に売却されるわけではなく、そのまま保有し続けるか、自分で売却するかを選択できます。銘柄変更は、投資方針が変わった時や、より良い商品が見つかった時に検討しましょう。
ゆうちょ銀行からネット証券にNISA口座を移管する場合、以下の手順が必要です。まず、移管先のネット証券でNISA口座開設の申し込みをします。次に、ゆうちょ銀行でNISA口座の廃止手続きを行い、「勘定廃止通知書」を受け取ります。この通知書を移管先のネット証券に提出すると、移管手続きが完了します。ただし、2024年以降の新NISA制度では、年の途中での金融機関変更ができません。年内に積立を行った場合、翌年1月以降でないと移管できないため、タイミングに注意が必要です。また、移管手続きには1〜2カ月程度かかる場合があります。
ゆうちょ銀行の積立NISAは、取扱銘柄が15本に厳選されており、投資初心者でも選びやすい特徴があります。窓口で相談しながら始められる安心感や、全国どこでも利用できる利便性は、ゆうちょ銀行ならではのメリットです。
一方で、信託報酬がネット証券より高めで、ポイント還元がない、eMAXIS Slimシリーズが買えないなどのデメリットもあります。コストを最優先する方や、多様な商品から選びたい方には、ネット証券の方が適しているでしょう。
ゆうちょ銀行を選ぶべき人は、投資が初めてで対面サポートが必要な方、インターネット操作に不安がある方、地方在住で最寄りの郵便局を利用したい方です。一方、ネット証券を選ぶべき人は、コストを重視する方、自分で情報収集できる方、ポイント還元を活用したい方です。
どちらが絶対に良いということはなく、自分の状況やニーズに合わせて選ぶことが大切です。また、最初はゆうちょ銀行で始めて、慣れてきたらネット証券に移管するという選択肢もあります。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。投資信託は価格変動リスク、為替変動リスク、信用リスクなどがあり、元本や利益が保証されるものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは、ゆうちょ銀行または各金融機関にご確認ください。
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