NISA投資枠とは|2つの枠の違いと賢い使い分け方

2024年から始まった新NISA制度で投資を始めたいけれど、どの証券会社を選べばいいか迷っていませんか。
新NISAは一人一口座しか開設できないため、証券会社選びは慎重に行う必要があります。
手数料の安さ、取扱商品の豊富さ、ポイント還元率など、比較すべきポイントは多岐にわたります。
この記事では、新NISAにおすすめの証券会社5社を徹底比較し、あなたに最適な証券会社の選び方を解説します。
初心者から経験者まで、自分に合った証券会社を見つけて、新NISAでの資産形成を始めましょう。
目次
新NISAの口座開設におすすめの証券会社5社
新NISAを始めるなら、まずは主要なネット証券5社を比較しましょう。
ここでは、手数料の安さ、取扱商品の豊富さ、サービスの充実度などを基準に、おすすめの証券会社5社をご紹介します。
以下の比較表で、各証券会社の特徴を確認してください。
| 証券会社 | 国内株手数料 | 投資信託本数 | つみたて投資枠対象 | 米国株銘柄数 | クレカ積立還元率 | 特徴 |
| SBI証券 | 無料 | 約2,600本 | 約271本 | 約5,000銘柄 | 0.5%~5.0% | 総合力に優れる、IPO実績豊富 |
| 楽天証券 | 無料 | 約2,550本 | 約200本 | 約4,500銘柄 | 0.5%~1.0% | 楽天ポイントが貯まる・使える |
| マネックス証券 | 無料 | 約1,800本 | 約217本 | 約5,000銘柄 | 1.1% | クレカ積立還元率が高水準 |
| 松井証券 | 25歳以下無料 | 約1,900本 | 約250本 | 約4,900銘柄 | 0.5% | 25歳以下なら手数料完全無料 |
| 三菱UFJeスマート証券 | 一日定額100万円まで無料 | 約1,800本 | 約250本 | 約1,050銘柄 | 1.0% | 三菱UFJグループの安心感 |

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
SBI証券は、証券総合口座数1,500万口座を突破した業界大手のネット証券です。
新NISAでは国内株式・米国株式・海外ETF・投資信託の取引手数料がすべて無料になります。
SBI証券の特徴
投資信託の取扱本数が約2,600本と豊富
つみたて投資枠対象商品も約271本と充実
米国株約5,000銘柄を取り扱い
クレカ積立で最大5.0%のVポイント還元
IPO取扱実績2024年は78銘柄と豊富
クレカ積立では、三井住友カードを利用すると最大5.0%のVポイントが貯まります。
さらに、Vポイント・Pontaポイント・dポイント・JALマイル・PayPayポイントの5種類から選べる柔軟性も魅力です。
IPO取扱実績も2024年は78銘柄と豊富で、成長投資枠でのIPO投資にも強みがあります。
総合力の高さから、初心者から上級者まで幅広くおすすめできる証券会社です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天証券は、口座数1,200万以上を誇る人気のネット証券です。
新NISAでは国内株式・米国株式・投資信託の取引手数料が無料になります。
楽天証券の特徴
楽天カードでクレカ積立すると最大1.0%の楽天ポイント還元
投資信託の保有残高に応じて楽天ポイントがもらえる
貯まった楽天ポイントは投資信託の購入に使える
スマホアプリ「iSPEED」で日経新聞の記事が無料で読める
楽天銀行との連携で普通預金の金利が最大0.1%にアップ
スマホアプリ「iSPEED」では、日経新聞の記事が無料で読める「日経テレコン(楽天証券版)」が利用できます。
会社四季報の情報もアプリから参照でき、投資判断に役立つ情報が充実しています。
楽天銀行との口座連携「マネーブリッジ」を設定すると、普通預金の金利が最大0.1%にアップする特典もあります。
楽天経済圏を活用している方には特におすすめの証券会社です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約2,700,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【取引毎手数料コース】
|
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上) |
| 投資信託 | 約1,800本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点) |
| 取引ツール(PC) | マネックストレーダー / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認) |
| ポイント投資・付与 | マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | オンライン申込で最短翌営業日 |
マネックス証券は、クレカ積立のポイント還元率の高さが最大の魅力です。
年会費無料のマネックスカードを使ったクレカ積立で、還元率1.1%のマネックスポイントが貯まります。
マネックス証券の特徴
年会費無料のマネックスカードで還元率1.1%
dカードによるクレカ積立も可能(dポイント還元)
中国株は2,000超の銘柄を取り扱い
米国株の為替手数料が0銭
日本株・米国株・中国株・投資信託の取引手数料が無料または実質無料
2024年8月からはdカードによるクレカ積立も開始し、dポイントを貯めることも可能になりました。
dカード GOLDなら還元率は1.1%、dカード PLATINUMなら初年度は3.1%と高還元です。
中国株は2,000超の銘柄を取り扱っており、他社より圧倒的に多いのが特徴です。
成長投資枠で中国株投資を考えている方には最適な選択肢です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約1,670,000口座 ※2025年3月時点 |
| 取引手数料 | 【ボックスレート(1日定額制)】 1日の約定代金合計50万円まで:0円 50万円超:1,000円(税込1,100円)~※25歳以下なら約定代金に関わらず手数料無料 |
| NISA対応 | 〇(日本株、米国株、投資信託すべて売買手数料無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 投資信託(約1,800本以上) |
| 投資信託 | 約1,900本以上(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 米国株:約4,900銘柄(2025年4月23日時点) |
| 取引ツール(PC) | ネットストック・ハイスピード(無料) |
| スマホアプリ | 日本株アプリ / 投信アプリ / 米国株アプリ(すべて無料) |
| 提携銀行口座 | MATSUI Bank(松井証券専用銀行) |
| ポイント投資・付与 | 松井証券ポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | 最短即日(スマートフォンによるオンライン申込) |
松井証券は、25歳以下の投資家に特におすすめの証券会社です。
25歳以下なら、現物取引・信用取引ともに取引金額に関わらず手数料が完全無料になります。
松井証券の特徴
25歳以下なら取引手数料が完全無料
26歳以上でも一日50万円までなら手数料無料
つみたて投資枠対象商品は約250本
米国株約4,900銘柄を取り扱い
投信残高の最大1%(年率)の松井証券ポイントが貯まる
26歳以上でも、一日あたりの約定代金が50万円までなら手数料無料です。
少額から投資を始める初心者にとっては、コストを気にせず取引できる環境が整っています。
投資信託を保有し、毎月エントリーをするだけで投信残高の最大1%(年率)の松井証券ポイントが貯まるサービスも魅力です。
口座開設は最短即日で可能なため、すぐに投資を始めたい方にも向いています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約1,800,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【ワンショット手数料コース】 約定代金5万円以下:55円(税込) 約定代金50万円超:1,070円(税込)【一日定額手数料コース】 1日100万円まで:0円 1日300万円まで:2,750円(税込) 以降300万円ごとに:2,750円(税込)加算 |
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 251銘柄(2025年4月時点) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 投資信託(1,155銘柄) |
| 投資信託 | 約1,853本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 米国株:約1,050銘柄(2025年4月時点) |
| 取引ツール(PC) | kabuステーション / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | 三菱UFJ eスマート証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | 三菱UFJ銀行 / auじぶん銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | 最短翌営業日(スマートフォンによるオンライン申込) |
三菱UFJeスマート証券(旧auカブコム証券)は、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として、大手金融グループの安心感があります。
一日定額手数料コースなら、現物・信用取引合わせて一日100万円までの取引が手数料無料です。
三菱UFJeスマート証券の特徴
一日100万円までの取引が手数料無料
三菱UFJカードで還元率1.0%の三菱UFJポイントが貯まる
au PAYカードでPontaポイントも貯められる
投資信託の取扱本数は約1,800本
スマホアプリやPCツールが使いやすい
クレカ積立では、三菱UFJカードを利用すると1.0%の三菱UFJポイントが貯まります。
au PAYカードでも積立が可能で、Pontaポイントを貯めることもできます。
投資信託の取扱本数は約1,800本、つみたて投資枠対象商品は約250本と充実しています。
三菱UFJグループの信頼性を重視する方や、三菱UFJカードをお持ちの方におすすめの証券会社です。
新NISA口座を選ぶときの5つのポイント
証券会社を選ぶ際は、以下の5つのポイントを比較することが重要です。
それぞれの項目について、詳しく解説します。
投資で利益を上げるためには、コストを抑えることが重要です。
手数料には、株式の売買手数料と投資信託の購入手数料があります。
新NISAでは、主要なネット証券の多くが国内株式・米国株式・投資信託の取引手数料を無料化しています。SBI証券・楽天証券・マネックス証券は、新NISA口座での取引手数料が原則無料です。
ただし、つみたて投資枠で購入する投資信託は、金融庁のルールによりどの証券会社でも購入時手数料は無料です。
成長投資枠で購入する投資信託については、証券会社によって購入時手数料が異なる場合があるため、確認が必要です。
手数料が安い証券会社を選ぶことで、長期的には大きなコスト削減につながります。
投資信託の取扱本数が多いほど、自分の投資方針に合った商品を選びやすくなります。
特に、つみたて投資枠対象商品の充実度は重要なポイントです。
SBI証券は投資信託の取扱本数が約2,600本と豊富で、つみたて投資枠対象商品も約271本と充実しています。
楽天証券やマネックス証券も約200本以上の対象商品を取り扱っており、十分な選択肢があります。
人気の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などの低コストインデックスファンドは、ほとんどの主要ネット証券で取り扱っています。
まだ投資する銘柄を決めていない方は、取扱本数が多い証券会社を選んでおくと、後々困ることが少ないでしょう。
クレジットカードで投資信託の積立ができる「クレカ積立」は、積立額に応じてポイントが貯まるお得なサービスです。
マネックス証券は、年会費無料のマネックスカードで還元率1.1%を実現しており、高水準です。
SBI証券は三井住友カードで最大5.0%の還元率ですが、高還元を受けるには年会費が必要なカードを利用する必要があります。
楽天証券は楽天カードで最大1.0%、三菱UFJeスマート証券は三菱UFJカードで1.0%の還元率です。
毎月5万円を20年間積み立てた場合、還元率1.1%なら約13万円分のポイントが貯まります。長期的には大きな差になるため、クレカ積立のポイント還元率は重要な比較ポイントです。
普段使っているクレジットカードに合わせて証券会社を選ぶのも一つの方法でしょう。
成長投資枠では、国内株式だけでなく米国株や外国株にも投資できます。
特に米国株は、AppleやMicrosoft、Amazonなど世界的な企業に投資できるため人気があります。
SBI証券とマネックス証券は約5,000銘柄の米国株を取り扱っており、楽天証券は約4,500銘柄、松井証券は約4,900銘柄を取り扱っています。
米国株投資を積極的に行いたい方は、取扱銘柄数が多い証券会社を選びましょう。
マネックス証券は中国株の取扱が2,000超と他社より圧倒的に多く、中国株投資に興味がある方には最適です。
SBI証券は9カ国の外国株を取り扱っており、新興国株式への投資も可能です。
将来的に米国株や外国株への投資を考えている方は、取扱銘柄数の多い証券会社を選んでおくと選択肢が広がります。
スマホアプリやPCツールの使いやすさは、日々の投資活動に大きく影響します。
特に初心者は、直感的に操作できるアプリを選ぶことが重要です。
楽天証券のスマホアプリ「iSPEED」は、シンプルで見やすいデザインが特徴で、初心者でも使いやすいと評判です。
日経新聞の記事が無料で読める機能もあり、情報収集にも便利です。
SBI証券は、PCツール「HYPER SBI 2」やスマホアプリ「SBI証券アプリ」など、多様なツールを提供しています。
マネックス証券も「マネックストレーダー」など17種類のPCツールと15種類のモバイルアプリを用意しており、自分に合ったツールを選べます。
口座開設前にアプリのレビューを確認したり、デモ画面を試したりして、使いやすさを確認することをおすすめします。
新NISA制度の基礎知識
証券会社を選ぶ前に、新NISA制度の基本を理解しておきましょう。
2024年から始まった新NISAは、旧NISA制度から大幅に拡充された制度です。
NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益が非課税になる制度です。
通常、株式や投資信託などの金融商品から得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資すれば税金がかかりません。
2024年からの新NISAでは、制度が恒久化され、非課税保有期間が無期限になりました。
これにより、非課税保有期間を気にすることなく、長期投資を行いやすくなりました。
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠があり、両方を併用することができます。
旧NISA制度では「一般NISA」と「つみたてNISA」のどちらか一方しか利用できませんでしたが、新NISAでは両方を同時に利用できるようになりました。
NISA口座は一人一口座しか開設できないため、証券会社選びは慎重に行う必要があります。
つみたて投資枠は、金融庁が厳選した投資信託を積立で購入できる投資枠です。
年間投資枠は120万円で、毎月最大10万円まで積み立てることができます。
つみたて投資枠の対象商品は、長期・積立・分散投資に適した投資信託に限定されています。
信託報酬が低く、販売手数料が無料(ノーロード)の商品が中心で、初心者でも安心して投資できる商品が揃っています。
人気の商品には、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などのインデックスファンドがあります。
これらは信託報酬が年率0.1%程度と非常に低く、長期投資に適しています。
つみたて投資枠は、毎月コツコツと積み立てることで、時間を分散して投資リスクを抑える効果があります。
投資初心者には特におすすめの投資枠です。
成長投資枠は、上場株式やETF、REITなど幅広い商品に投資できる投資枠です。
年間投資枠は240万円で、つみたて投資枠と併用すれば年間最大360万円まで非課税で投資できます。
成長投資枠では、個別株投資ができるため、配当金や株主優待を目的とした投資も可能です。
AppleやMicrosoftなどの米国株や、トヨタやソニーなどの日本株にも投資できます。
また、成長投資枠でもつみたて投資枠と同じ投資信託を購入できます。
つみたて投資枠の年間120万円では足りない場合、成長投資枠で追加購入することも可能です。
成長投資枠には一部制限があり、整理・監理銘柄や、信託期間20年未満の投資信託、毎月分配型の投資信託などは対象外です。
新NISAでは、生涯にわたって非課税で保有できる金額の上限が1,800万円に設定されています。
これは、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせた金額です。
ただし、成長投資枠で使えるのは1,800万円のうち最大1,200万円までです。
つみたて投資枠のみを利用する場合は、1,800万円まで使い切ることができます。
非課税保有限度額は、購入時の金額(簿価)で管理されます。
例えば、100万円で購入した商品が150万円に値上がりしても、非課税保有限度額は100万円分としてカウントされます。
また、新NISAでは商品を売却すると、その購入時の金額分の非課税枠が翌年以降に復活します。
例えば、100万円で購入した商品を売却すれば、翌年以降に100万円分の非課税枠を再利用できます。
ただし、年間投資枠の上限(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)を超えて投資することはできません。
ネット証券と銀行・店舗型証券はどちらがいい?
新NISA口座は、ネット証券だけでなく銀行や店舗型証券会社でも開設できます。
それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った金融機関を選びましょう。
ネット証券の最大のメリットは、手数料の安さです。
SBI証券や楽天証券などの主要ネット証券では、新NISA口座での国内株式・米国株式・投資信託の取引手数料が無料になっています。
取扱商品の豊富さもネット証券の強みです。
投資信託は1,000本以上、米国株は数千銘柄を取り扱っており、選択肢が非常に豊富です。
クレカ積立やポイント還元などのお得なサービスも充実しています。楽天証券なら楽天ポイント、SBI証券ならVポイントやPontaポイントなど、普段使っているポイントを貯めながら投資できます。
スマホアプリやPCツールも充実しており、24時間いつでも取引できる利便性も魅力です。
忙しい方でも、自分の好きな時間に投資ができます。
銀行や店舗型証券会社の最大のメリットは、対面で相談できる安心感です。
投資が初めてで不安な方や、専門家のアドバイスを受けたい方には向いています。
野村證券やSMBC日興証券などの大手証券会社は、全国に店舗があり、担当者から直接説明を受けられます。
資産運用の相談や、ライフプランに合わせた提案を受けることもできます。
また、銀行で新NISA口座を開設すれば、普段使っている銀行で投資も一緒に管理できる利便性があります。
すでに銀行口座を持っている場合、手続きがスムーズに進むこともあります。
ただし、銀行では個別株の売買ができないため、株式投資をしたい方は証券会社を選ぶ必要があります。
投資初心者には、基本的にネット証券をおすすめします。
その理由は、手数料の安さと商品の豊富さ、そして情報の充実度です。
ネット証券では、取引手数料が無料または格安のため、少額から投資を始めやすくなっています。
100円から投資信託を購入できる証券会社もあり、まずは少額で試してみたい方にも最適です。
また、ネット証券は投資情報が充実しています。
楽天証券では日経新聞の記事が無料で読めますし、各社とも動画セミナーやレポートを提供しています。
初心者向けの教育コンテンツも豊富で、投資の勉強をしながら実践できます。
スマホアプリの使いやすさも初心者にとって重要です。
主要ネット証券のアプリは、直感的に操作できる設計になっており、投資の知識がなくても始めやすくなっています。
対面での相談が必要な場合でも、一部のネット証券ではオンライン相談サービスを提供しています。
まずはネット証券で口座を開設し、必要に応じて相談サービスを利用するのが賢い選択でしょう。
証券会社を選ぶ際の3つの注意点
証券会社を選ぶ際には、見落としがちな注意点もあります。
後悔しないために、以下の3つのポイントを確認しましょう。
証券会社の口座開設キャンペーンは魅力的ですが、条件をよく確認することが重要です。
「口座開設で〇〇ポイントプレゼント」というキャンペーンでも、実際には一定額以上の入金や取引が必要な場合があります。
例えば、「口座開設で2,000ポイントプレゼント」と記載されていても、「10万円以上の入金」「初回取引の実施」「NISA口座の開設」などの条件が付いていることがあります。条件を満たせない場合、ポイントがもらえないこともあるため注意が必要です。
また、キャンペーンでもらえるポイントには有効期限がある場合もあります。
ポイントをもらったものの、使わずに失効してしまうこともあるため、有効期限を確認しておきましょう。
キャンペーンは魅力的ですが、それだけで証券会社を選ぶのではなく、手数料や商品ラインナップなどの基本的なサービス内容を重視することが大切です。
NISA口座を開設したものの、何を買えばいいか分からず放置してしまう人は少なくありません。
口座開設後に迷わないために、事前に投資する商品を決めておくことが重要です。
初心者におすすめなのは、つみたて投資枠で人気のインデックスファンドです。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、低コストで分散投資ができるため、初めての投資に適しています。
積立設定をしておけば、毎月自動的に投資が行われるため、放置を防ぐことができます。
最初は月1万円や月3万円など、無理のない金額から始めましょう。
また、証券会社のセミナーや教育コンテンツを活用することもおすすめです。
投資の基礎知識を学ぶことで、自信を持って投資を続けられるようになります。
NISA口座は一人一口座しか開設できませんが、通常の証券口座(特定口座)は複数の証券会社で開設できます。
複数の証券口座を持つ場合、管理が煩雑になりがちです。
複数口座を持つメリットは、各証券会社の強みを活かせることです。
例えば、SBI証券でNISA口座を開設し、IPO投資に強い別の証券会社で特定口座を開設するといった使い分けができます。
ただし、口座が増えると管理が大変になります。資産全体を把握しにくくなり、確定申告が必要になる場合もあります。初心者のうちは、1つの証券会社に絞って利用することをおすすめします。
複数口座を持つ場合は、資産管理アプリを活用しましょう。
マネーフォワードやマネーツリーなどのアプリを使えば、複数の証券口座の資産を一元管理できます。
新NISA口座の開設は、オンラインで簡単に手続きできます。
ここでは、最短で口座を開設して投資を始める方法を解説します。
NISA口座を開設するには、本人確認書類とマイナンバー確認書類が必要です。
マイナンバーカードがあれば、1枚で本人確認とマイナンバー確認の両方ができるため便利です。
マイナンバーカードを持っていない場合は、マイナンバー通知カードまたはマイナンバーが記載された住民票と、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を用意しましょう。
スマホで本人確認をする場合、マイナンバーカードがあれば最短で口座開設ができます。
SBI証券やマネックス証券では、最短翌営業日に口座開設が完了します。
書類の準備ができたら、証券会社の公式サイトから口座開設の申し込みを始めましょう。
証券会社の公式サイトにアクセスし、「口座開設」ボタンをクリックします。
メールアドレスを登録すると、口座開設用のURLが送られてきます。
口座開設フォームでは、氏名・住所・生年月日・職業などの基本情報を入力します。
NISA口座を開設する場合は、「NISA口座を同時に開設する」にチェックを入れましょう。
特定口座の選択では、「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶのが一般的です。
この口座を選べば、証券会社が自動的に税金を計算・納付してくれるため、確定申告が不要になります。
入力内容を確認したら、次のステップに進みます。
スマホで本人確認をする場合、カメラでマイナンバーカードや運転免許証を撮影してアップロードします。
画面の指示に従って、書類の表面・裏面・厚みを撮影しましょう。
次に、自分の顔を撮影します。
本人確認のため、指示に従って顔を動かしながら撮影します。
撮影が完了すると、本人確認書類のアップロードは終了です。
郵送で本人確認をする場合は、本人確認書類のコピーを郵送します。
この場合、口座開設までに数日から1週間程度かかります。
スマホで本人確認をすれば、最短で翌営業日に口座開設が完了するため、急いでいる方にはスマホでの手続きをおすすめします。
本人確認書類の審査が完了すると、メールで通知が届きます。
証券会社の公式サイトにログインして、初期設定を行いましょう。
初期設定では、取引パスワードの設定や、銀行口座の登録を行います。
銀行口座を登録しておけば、証券口座への入金がスムーズにできます。
NISA口座の開設には、税務署の審査が必要です。
NISA口座の審査には通常1~2週間程度かかりますが、審査中でも投資信託の積立設定はできます。
審査が完了すれば、自動的にNISA口座での取引が開始されます。
初期設定が完了したら、次は入金して投資を始めましょう。
証券口座に入金するには、銀行振込またはインターネットバンキングを利用します。
主要ネット証券では、提携銀行からの即時入金サービスがあり、手数料無料で即座に入金が反映されます。
SBI証券なら住信SBIネット銀行、楽天証券なら楽天銀行との連携がスムーズです。
銀行口座と証券口座を連携しておけば、入金の手間が省けます。
入金が完了したら、投資信託や株式を購入しましょう。
つみたて投資枠で投資する場合は、積立設定を行います。
毎月の積立日と積立金額を設定すれば、自動的に投資が行われます。
成長投資枠で個別株を購入する場合は、銘柄を検索して注文を出します。
初めての方は、少額から始めて徐々に投資額を増やしていくことをおすすめします。
年代別・目的別のおすすめ証券会社
年代や投資目的によって、最適な証券会社は異なります。
ここでは、年代別・目的別におすすめの証券会社を紹介します。
20代は投資期間が長く取れるため、多少のリスクを取っても長期的には資産を増やせる可能性があります。
まずは少額から始めて、投資に慣れていくことが大切です。
すでに他社でNISA口座を持っている方は、現在の証券会社のサービスに不満がなければ、無理に変更する必要はありません。
NISA口座の変更には手間がかかり、変更手続き中は新規の買付ができないためです。
ただし、以下のような場合は、NISA口座の変更を検討する価値があります。
毎月5万円を積み立てる場合、還元率1.1%なら年間6,600円分のポイントが貯まります。
NISA口座の変更は、年に一度しかできません。変更したい年に一度でも買付をしてしまうと、その年は変更できなくなるため、変更を検討している方は早めに手続きを始めましょう。
NISA口座は、一人一口座しか開設できません。複数の証券会社でNISA口座を開設することはできないため、慎重に証券会社を選ぶ必要があります。
ただし、通常の証券口座(特定口座)は複数の証券会社で開設できます。NISA口座はA証券会社で開設し、特定口座はB証券会社で開設するといった使い分けは可能です。
また、NISA口座は年に一度変更することができます。現在の証券会社に不満がある場合は、翌年に別の証券会社に変更することも検討しましょう。
NISA口座を変更するには、現在の証券会社に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出し、「勘定廃止通知書」を受け取ります。その後、変更先の証券会社に「勘定廃止通知書」を提出して、新しいNISA口座を開設します。
NISA口座の変更には、通常1~2ヶ月程度かかります。変更手続き中は新規の買付ができないため、年末年始の繁忙期を避けて早めに手続きを始めることをおすすめします。
また、変更したい年に一度でも買付をしてしまうと、その年は変更できなくなります。NISA口座の変更を検討している方は、その年の買付を始める前に手続きを完了させましょう。
つみたて投資枠と成長投資枠は併用できます。新NISAでは、年間最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで非課税で投資できます。
例えば、つみたて投資枠で毎月10万円の積立投資を行いながら、成長投資枠で個別株やETFを購入することも可能です。両方の投資枠を活用することで、投資の幅が広がります。
ただし、非課税保有限度額の1,800万円のうち、成長投資枠で使えるのは最大1,200万円までです。成長投資枠のみで1,800万円を使い切ることはできないため、注意が必要です。
証券会社が倒産しても、顧客の資産は保護されます。証券会社は、顧客の資産を自社の資産とは別に管理する「分別管理」が法律で義務付けられているためです。
万が一、証券会社が倒産して分別管理が適切に行われていなかった場合でも、日本投資者保護基金により一人あたり1,000万円まで補償されます。
主要なネット証券は、金融庁に登録された金融商品取引業者であり、日本投資者保護基金にも加入しています。SBI証券や楽天証券などの大手ネット証券であれば、安心して利用できるでしょう。
NISA口座で損失が出ても、他の口座の利益と損益通算することはできません。また、損失の繰越控除もできないため、税制面でのメリットはありません。
例えば、NISA口座で100万円の損失が出て、特定口座で100万円の利益が出た場合、特定口座の利益に対しては通常通り約20%の税金がかかります。NISA口座の損失で相殺することはできません。
ただし、新NISAは非課税保有期間が無期限なので、長期的に保有することで損失を取り戻せる可能性があります。短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点で投資を続けることが大切です。
海外に転勤して日本の非居住者になった場合、NISA口座での新規の買付はできなくなります。ただし、すでに保有している商品は、帰国するまで非課税で保有し続けることができます。
海外転勤が決まったら、証券会社に「出国届」を提出する必要があります。出国届を提出すると、NISA口座は「継続管理勘定」に移管され、新規の買付はできなくなりますが、保有商品は非課税のまま保有できます。
帰国後に「帰国届」を提出すれば、再びNISA口座での買付が可能になります。海外転勤の予定がある方は、事前に証券会社に確認しておきましょう。
iDeCoと新NISAは、それぞれ異なる特徴があるため、目的に応じて使い分けることが重要です。老後資金を準備したい場合はiDeCo、それ以外の資金を準備したい場合は新NISAが適しています。
iDeCoは、掛金が全額所得控除の対象になるため、税制優遇が大きいのが特徴です。ただし、60歳まで原則引き出しができないため、途中で必要になる資金には向いていません。
新NISAは、いつでも引き出しができるため、教育資金や住宅購入資金など、途中で必要になる可能性がある資金の準備に適しています。非課税保有期間も無期限なので、長期的な資産形成に向いています。
資金に余裕がある場合は、iDeCoとNISAの両方を併用することで、税制優遇を最大限活用できます。まずはiDeCoの掛金上限まで拠出し、残った資金で新NISAを活用するのが効率的でしょう。
新NISAは、2024年から始まった非課税投資制度で、つみたて投資枠と成長投資枠を併用すれば年間最大360万円まで非課税で投資できます。
非課税保有期間も無期限になり、長期的な資産形成に最適な制度です。
証券会社選びでは、手数料の安さ、投資信託の取扱本数、クレカ積立のポイント還元率、米国株の取扱銘柄数、アプリの使いやすさを比較することが重要です。
総合力で選ぶならSBI証券、楽天ポイントを貯めたいなら楽天証券、クレカ積立の還元率を重視するならマネックス証券がおすすめです。
初心者には、手数料が安く商品が豊富なネット証券をおすすめします。
まずはつみたて投資枠で月1万円から3万円程度の積立投資を始め、徐々に投資額を増やしていきましょう。
長期・積立・分散投資を心がけることで、リスクを抑えながら資産を増やすことができます。
NISA口座は一人一口座しか開設できないため、慎重に証券会社を選ぶことが大切です。
この記事で紹介した比較ポイントを参考に、自分に最適な証券会社を見つけて、新NISAでの資産形成を始めましょう。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。詳しくは各証券会社の公式サイトでご確認ください。
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