米国株投資におすすめのネット証券|選び方と始め方ガイド

一般NISAを利用していた方、または一般NISAについて調べている方の中には、「2023年末で終了した一般NISAの資産はどうなるの?」「新NISAとはどう違うの?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
一般NISAは2023年12月末で新規購入が終了しましたが、既に保有している資産は非課税期間内であればそのまま運用を続けることができます。
また、2024年からスタートした新NISAとは別枠で管理されるため、両方の制度を並行して活用することが可能です。
この記事では、一般NISAの基本的な仕組みから新NISAとの違い、既に保有している資産の取り扱い方法、そして今後の最適な運用戦略まで、分かりやすく解説します。
一般NISAを正しく理解して、新NISAへスムーズに移行するための参考にしてください。
目次
一般NISAとは
一般NISAは、2014年に開始された少額投資非課税制度です。投資で得た利益や配当金が非課税になるため、多くの投資家に利用されてきました。しかし、2024年からの新NISA制度開始に伴い、2023年12月末をもって新規購入が終了しています。
ここでは、一般NISAの基本的な仕組みと、制度終了の経緯について詳しく解説します。既に一般NISA口座を持っている方も、これから投資を始める方も、制度の全体像を理解することが重要です。
一般NISAでは、1年間に最大120万円までの投資が非課税の対象となります。この120万円という枠は、1月1日から12月31日までの1年間で使える金額です。
例えば、1月に50万円分の株式を購入し、6月に30万円分の投資信託を購入、9月に40万円分の株式を追加購入した場合、合計120万円となり、その年の非課税投資枠を使い切ったことになります。通常の課税口座であれば、株式の売却益や配当金には20.315%の税金がかかりますが、一般NISA口座内で得た利益にはこの税金がかかりません。
年間投資枠の120万円は翌年に繰り越すことができません。その年に使わなかった枠は消滅してしまうため、計画的な投資が求められます。
一般NISAの非課税期間は、投資を行った年から最長5年間です。例えば、2020年に購入した株式は、2024年12月末まで非課税で保有できます。
この5年間の非課税期間中は、配当金や売却益に税金がかかりません。ただし、5年間が経過した後は、その資産を売却するか、課税口座に移管するか、あるいはロールオーバー(次の年の非課税投資枠に移す手続き)を行うかを選択する必要があります。
非課税期間が5年間と限定的であることは、一般NISAの大きな特徴の一つです。長期投資を前提とする場合、この期間をどう活用するかが重要なポイントとなります。
一般NISAは、2024年からの新NISA制度開始に伴い、2023年12月末をもって新規購入が終了しました。これは、より使いやすく恒久的な制度である新NISAへの移行を目的とした制度改正によるものです。
ただし、2023年末で新規購入が終了したからといって、既に保有している一般NISA資産がすぐに課税対象になるわけではありません。例えば、2023年に購入した資産は、2027年12月末まで非課税で保有を続けることができます。2019年に購入した資産であれば、2023年12月末までが非課税期間となります。
新規購入はできなくなりましたが、既存の資産については非課税期間が終了するまで、そのままのメリットを享受できます。また、2024年以降は新NISA制度を利用して新たな投資を行うことが可能です。
一般NISAと新NISAの違い
一般NISAと新NISAは、どちらも投資の利益が非課税になる制度ですが、その内容は大きく異なります。2024年から始まった新NISAは、一般NISAの課題を解決し、より使いやすく恒久的な制度として設計されています。
ここでは、両制度の主な違いを5つのポイントに分けて詳しく解説します。これらの違いを理解することで、今後の投資戦略を立てる際の参考になります。
一般NISAと新NISAの最も大きな違いは、非課税期間の長さです。一般NISAの非課税期間が最長5年間であるのに対し、新NISAでは非課税期間が無期限となりました。
一般NISAでは、5年間の非課税期間が終了すると、ロールオーバーの手続きをするか、課税口座に移管するか、売却するかを選択する必要がありました。しかし新NISAでは、一度投資した資産を無期限で非課税のまま保有できるため、長期投資に非常に適した制度となっています。
年間に投資できる金額も大幅に拡大されました。一般NISAでは年間120万円までだった投資枠が、新NISAでは年間最大360万円まで投資できるようになりました。
新NISAでは、つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の2つの枠があり、両方を併用することで合計360万円の投資が可能です。これにより、より多くの資金を非課税で運用できるようになりました。
生涯で非課税で保有できる総額も大きく変わりました。一般NISAでは、最大5年間×120万円で合計600万円が非課税保有の上限でした。一方、新NISAでは非課税保有限度額が1,800万円に設定されています。
新NISAでは、この1,800万円のうち、成長投資枠で利用できるのは1,200万円までとなっています。また、新NISAでは売却した分の枠が翌年に復活するため、実質的にはより柔軟な運用が可能です。
投資できる商品の範囲にも違いがあります。一般NISAでは、上場株式、投資信託、ETF、REITなど幅広い商品に投資できました。新NISAの成長投資枠でも基本的には同様の商品に投資できますが、一部の整理・監理銘柄や信託期間20年未満の投資信託などは対象外となっています。
新NISAのつみたて投資枠では、金融庁が定めた長期・積立・分散投資に適した投資信託やETFのみが対象となります。これにより、投資初心者でも安心して投資できる商品が厳選されています。
制度の継続性も大きな違いです。一般NISAは2014年から2023年までの期間限定の制度でしたが、新NISAは恒久的な制度として設計されています。
一般NISAでは、いつまで制度が続くのか不透明な部分がありましたが、新NISAは恒久化されたことで、長期的な資産形成の計画が立てやすくなりました。これにより、若い世代も安心して長期投資に取り組むことができます。
一般NISAとつみたてNISAの違い
一般NISAとつみたてNISAは、2023年末まで並行して存在していた制度です。どちらか一方しか選択できなかったため、「どちらを選ぶべきか」は多くの投資家が悩んだポイントでした。
ここでは、両制度の違いと、それぞれに向いていた人の特徴を解説します。既に選択した方も、自分の選択が適切だったかを確認する参考にしてください。
一般NISAとつみたてNISAの最も大きな違いは、年間投資枠と非課税期間の長さです。一般NISAは年間120万円まで投資でき、非課税期間は5年間でした。一方、つみたてNISAは年間40万円までの投資枠で、非課税期間は20年間と長期に設定されていました。
一般NISAは比較的大きな金額を短期間で投資したい人に向いており、つみたてNISAは少額をコツコツと長期間積み立てたい人に適していました。例えば、まとまった資金があり、個別株に投資したい場合は一般NISAが有利でした。一方、毎月数万円ずつ積立投資を行いたい場合は、つみたてNISAの方が適していました。
非課税期間の違いのポイント
一般NISAの5年間は、比較的短期間での利益確定を想定した設計
つみたてNISAの20年間は、長期的な資産形成を前提とした制度
投資できる商品の範囲も大きく異なっていました。一般NISAでは、国内株式、外国株式、投資信託、ETF、REITなど幅広い商品に投資できました。一方、つみたてNISAでは、金融庁が定めた基準を満たす投資信託とETFのみが対象となっていました。
つみたてNISAの対象商品は、長期・積立・分散投資に適した商品として金融庁が厳選したものです。販売手数料が無料で、信託報酬も低水準に抑えられた商品が中心となっており、投資初心者でも安心して選べる商品ラインナップでした。
個別株に投資したい場合や、高配当株を長期保有したい場合は、一般NISAを選択する必要がありました。一方、投資信託での積立投資を中心に考えている場合は、つみたてNISAの方が適していました。
投資経験や資金力、投資目的によって最適な選択肢は異なりましたが、2024年からの新NISAでは、両方の特徴を併せ持つ制度となったため、これらの選択で悩む必要がなくなりました。
一般NISAで投資できた商品は?
一般NISAでは、幅広い金融商品に投資することができました。個別株から投資信託、ETF、REITまで、多様な選択肢があったことが一般NISAの大きな特徴です。
ここでは、一般NISAで投資できた主な商品について、それぞれの特徴を解説します。既に保有している方は、自分の資産がどのような商品なのかを再確認する参考にしてください。
一般NISAでは、東京証券取引所などに上場している国内株式に投資できました。トヨタ自動車やソニーグループなどの大型株から、成長が期待される中小型株まで、幅広い銘柄が対象となっていました。また、米国株や中国株などの外国株式も、証券会社が取り扱っている範囲で投資可能でした。
個別株投資の魅力は、企業の成長による株価上昇益と、配当金や株主優待を受け取れることです。
投資信託は、多数の投資家から集めた資金を専門家が運用する商品です。一般NISAでは、株式型、債券型、バランス型など、様々なタイプの投資信託に投資できました。投資信託の利点は、少額から分散投資ができることと、運用をプロに任せられることです。
インデックスファンドのように市場平均を目指す商品から、アクティブファンドのように市場平均を上回る成果を目指す商品まで、多様な選択肢がありました。
ETFは、証券取引所に上場している投資信託です。株式と同じように市場でリアルタイムに売買できるため、機動的な取引が可能でした。一般NISAでは、日経平均株価やTOPIXに連動する国内ETFや、S&P500に連動する海外ETFなど、様々なETFに投資できました。
信託報酬が低いものが多く、コストを抑えながら分散投資ができる点が魅力でした。
REITは、投資家から集めた資金で不動産に投資し、その賃料収入や売却益を分配する商品です。一般NISAでは、オフィスビルや商業施設、住宅、物流施設などに投資するREITが対象となっていました。
REITの魅力は、少額から不動産投資ができることと、比較的高い分配金利回りが期待できることです。株式とは異なる値動きをするため、ポートフォリオの分散効果も期待できました。
既に持っている一般NISA資産はどうなる?
一般NISAで既に保有している資産について、「2023年末で制度が終了したら、すぐに課税されてしまうのか」と不安に思っている方もいるかもしれません。しかし、既存の一般NISA資産は、非課税期間が終了するまでそのまま非課税で保有を続けることができます。
ここでは、非課税期間終了時に選択できる3つの選択肢について詳しく解説します。自分の投資状況に合わせて、最適な選択をする参考にしてください。
最もシンプルな選択肢は、非課税期間が終了するまでそのまま保有を続けることです。例えば、2023年に購入した株式や投資信託は、2027年12月末まで非課税で保有できます。
非課税期間内であれば、売却益や配当金に税金がかからないため、この期間を最大限活用することが重要です。株価が上昇している場合は、非課税期間内に利益を確定することで、税金を支払わずに済みます。
逆に、含み損がある場合は、非課税期間内に売却しても損益通算ができないため、慎重な判断が必要です。
非課税期間の終了時期は、購入した年によって異なります。2019年購入分は2023年末、2020年購入分は2024年末というように、購入年から5年後の12月末が非課税期間の終了日となります。各証券会社から非課税期間終了の通知が届くため、期限を確認しておくことが大切です。
ロールオーバーとは、非課税期間が終了する資産を、翌年の非課税投資枠に移すことで、さらに5年間非課税期間を延長できる仕組みです。ただし、一般NISAは2023年末で新規購入が終了したため、2024年以降のロールオーバーはできなくなりました。
ロールオーバーは、非課税期間終了時の時価で翌年の非課税投資枠に移管されます。例えば、2019年に100万円で購入した株式が、2023年末に150万円に値上がりしていた場合、150万円として2024年の非課税投資枠に移すことができました。
重要なポイントは、ロールオーバーする金額が120万円を超えていても、全額をロールオーバーできたことです。ただし、その場合は翌年の非課税投資枠を使い切ることになるため、新たな投資はできなくなります。
含み損がある場合は、購入時の価格ではなく、ロールオーバー時の時価で移管されるため、非課税投資枠を有効活用できない可能性があります。
ロールオーバーを行うには、証券会社に手続きを申請する必要がありました。多くの証券会社では、非課税期間終了の数ヶ月前から手続きの案内が届き、オンラインまたは書面で申請できました。
手続きの期限は証券会社によって異なりますが、一般的には非課税期間終了年の11月から12月上旬までに手続きを完了する必要がありました。期限を過ぎると自動的に課税口座に移管されてしまうため、注意が必要でした。
ただし、一般NISAは2023年末で終了したため、2024年以降はロールオーバーができません。2019年に購入した資産の非課税期間は2023年末で終了し、ロールオーバーできないため、売却するか課税口座に移管するかの選択となります。
非課税期間が終了し、ロールオーバーの手続きもしなかった場合、一般NISA資産は自動的に課税口座(特定口座または一般口座)に移管されます。移管後は、通常の課税口座と同じように、売却益や配当金に20.315%の税金がかかります。
課税口座に移管される際の取得価格は、購入時の価格ではなく、移管時の時価となります。これは税金計算において非常に重要なポイントです。
例えば、2019年に100万円で購入した株式が、2023年末(非課税期間終了時)に150万円に値上がりしていた場合、課税口座への移管時の取得価格は150万円となります。その後、この株式を200万円で売却した場合、課税対象となる利益は50万円(200万円-150万円)となり、約10万円の税金がかかります。
非課税期間中に得た50万円の利益(100万円→150万円)には税金がかからず、移管後の利益50万円(150万円→200万円)のみが課税対象となります。
問題となるのは、含み損を抱えたまま課税口座に移管されるケースです。例えば、2019年に100万円で購入した株式が、2023年末に80万円に値下がりしていた場合、課税口座への移管時の取得価格は80万円となります。
その後、この株式を100万円で売却した場合、実際には購入時の価格に戻っただけで利益は出ていませんが、税務上は20万円の利益(100万円-80万円)とみなされ、約4万円の税金がかかってしまいます。
さらに、非課税期間中に発生した20万円の損失(100万円→80万円)は、他の株式の利益と損益通算することができません。このため、含み損を抱えている場合は、非課税期間終了前に売却を検討するか、長期保有で回復を待つかを慎重に判断する必要があります。
一般NISAから新NISAへの移行
一般NISAから新NISAへの移行について、多くの方が疑問や不安を抱えています。「一般NISAの資産を新NISAに移せるのか」「証券会社を変更するタイミングはいつがいいのか」など、移行に関する重要なポイントを理解しておくことが大切です。
ここでは、一般NISAと新NISAの関係性と、移行時に知っておくべき情報を詳しく解説します。
一般NISAと新NISAは、完全に別の制度として管理されます。つまり、一般NISA口座で保有している資産と、新NISA口座で保有する資産は、それぞれ独立して管理されるということです。
例えば、2023年に一般NISAで100万円分の株式を購入し、2024年に新NISAで200万円分の投資信託を購入した場合、合計300万円の資産を非課税で保有できます。一般NISAの資産は2027年末まで非課税で保有でき、新NISAの資産は無期限で非課税のまま保有できます。
この別枠管理により、一般NISAの非課税期間が終了するまでは、両方の制度を並行して活用することが可能です。
よくある誤解として、「一般NISAの資産を新NISAの口座に移せる」というものがありますが、これはできません。一般NISAで保有している資産を、新NISAの非課税投資枠に移管することはできないのです。
一般NISAの資産は、非課税期間が終了するまでそのまま一般NISA口座で保有し続けるか、売却するか、課税口座に移管するかの選択となります。新NISAの投資枠は、2024年以降に新たに購入する資産にのみ適用されます。
このため、一般NISAで保有している資産を新NISAで運用したい場合は、一度売却してから新NISAで買い直す必要があります。ただし、売却のタイミングによっては税金がかかる可能性があるため、慎重な判断が求められます。
2024年からは、新NISAを利用して新規投資を行うことができます。新NISAでは、つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)を併用して、年間最大360万円まで投資できます。
一般NISAで既に保有している資産がある場合でも、新NISAでの新規投資に影響はありません。例えば、一般NISAで500万円分の資産を保有していても、新NISAでは別枠として年間360万円の投資が可能です。
新NISAの大きなメリットは、非課税期間が無期限であることと、売却した分の枠が翌年に復活することです。これにより、より柔軟な資産運用が可能となります。
一般NISAから新NISAへの移行を機に、証券会社を変更したいと考えている方もいるかもしれません。証券会社の変更は可能ですが、タイミングと手続きには注意が必要です。
新NISAの口座は、一般NISAを開設していた証券会社に自動的に開設されます。別の証券会社で新NISAを始めたい場合は、口座変更の手続きが必要です。
ただし、口座変更をしても、一般NISAで保有している資産は元の証券会社に残ります。新しい証券会社に資産を移すことはできません。
証券会社を変更する際は、手数料体系、取扱商品、使いやすさなどを比較検討することが重要です。また、口座変更の手続きには時間がかかるため、年初から新NISAを利用したい場合は、前年の10月頃から手続きを開始することをおすすめします。
一般NISAのメリットとデメリット
一般NISAには、投資の利益が非課税になるという大きなメリットがある一方で、いくつかの制約やデメリットも存在します。制度を正しく理解し、効果的に活用するためには、メリットとデメリットの両方を把握しておくことが重要です。
ここでは、一般NISAの主なメリットとデメリットを詳しく解説します。
一般NISAの最大のメリットは、投資で得た利益に税金がかからないことです。通常の課税口座であれば、株式の売却益や配当金には20.315%の税金がかかりますが、一般NISA口座内で得た利益には税金がかかりません。
例えば、100万円で購入した株式が150万円に値上がりして売却した場合、通常であれば50万円の利益に対して約10万円の税金がかかります。しかし、一般NISA口座であればこの10万円の税金が不要となり、50万円の利益をそのまま受け取ることができます。
また、配当金も非課税となります。高配当株を保有している場合、年間の配当金が数万円から数十万円になることもあり、その税金負担が免除されることは大きなメリットです。
一般NISAでは、個別の上場株式に投資できることも大きなメリットでした。つみたてNISAでは投資信託やETFのみが対象でしたが、一般NISAでは好きな企業の株式を自由に選んで投資できました。
個別株投資のメリットは、企業の成長による大きな値上がり益を狙えることと、配当金や株主優待を受け取れることです。特に、高配当株や株主優待が魅力的な企業の株式を長期保有したい投資家にとって、一般NISAは非常に有利な制度でした。
新NISAの成長投資枠でも個別株に投資できますが、一般NISAで培った投資経験は、新NISAでの投資判断にも活かすことができます。
一般NISAの大きなデメリットの一つは、損失が出た場合に他の口座の利益と損益通算ができないことです。通常の課税口座であれば、A株で50万円の利益が出て、B株で30万円の損失が出た場合、差し引き20万円の利益に対してのみ税金がかかります。
しかし、一般NISA口座で損失が出た場合、この損失を他の課税口座の利益と相殺することができません。例えば、一般NISA口座で30万円の損失が出て、課税口座で50万円の利益が出た場合、課税口座の50万円全額に対して税金がかかってしまいます。
また、一般NISA口座内での損失は、翌年以降に繰り越すこともできません。このため、損失が出ている銘柄を非課税期間終了前に売却するかどうかは、慎重に判断する必要があります。
一般NISAの非課税期間は5年間と限定的であることも、デメリットの一つでした。長期投資を前提とする場合、5年間という期間は短く感じられることもあります。
例えば、成長株に投資して10年、20年と保有したい場合、一般NISAでは5年ごとにロールオーバーの手続きが必要でした(ただし、2024年以降はロールオーバー不可)。また、非課税期間終了時に含み損がある場合、前述のように課税口座移管時に不利な税務処理となる可能性があります。
新NISAでは非課税期間が無期限となったため、このデメリットは解消されました。今後は、より長期的な視点での資産形成が可能となります。
一般NISAと新NISAの併用戦略
一般NISAで保有している資産がある方は、2024年以降、一般NISAと新NISAの両方を並行して運用することになります。両制度を効果的に活用するための戦略を立てることで、資産形成をより効率的に進めることができます。
ここでは、一般NISAと新NISAを併用する際のポイントと、最適な運用戦略について解説します。
既に保有している一般NISA資産については、非課税期間が終了するまで、その非課税メリットを最大限に活用することが重要です。非課税期間内であれば、売却益や配当金に税金がかからないため、この期間を有効に使いましょう。
株価が大きく上昇している銘柄がある場合は、非課税期間内に利益確定することで、税金を支払わずに利益を確保できます。一方、含み損を抱えている銘柄については、非課税期間内に売却しても損益通算ができないため、長期的な視点で保有を続けるか、早めに損切りするかを慎重に判断する必要があります。
また、高配当株を保有している場合は、非課税期間内は配当金を非課税で受け取れるため、配当金を再投資するか、生活費に充てるかなど、資金の使い道を計画的に考えることが大切です。非課税期間終了後は課税口座に移管されるため、その後の税金負担も考慮に入れておきましょう。
新NISAでは、つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の2つの枠を併用することで、年間最大360万円まで投資できます。この2つの枠を効果的に使い分けることが、資産形成の鍵となります。
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した投資信託やETFが対象です。毎月一定額を積み立てることで、ドルコスト平均法の効果を得ながら、安定的な資産形成を目指すことができます。一方、成長投資枠では、個別株やより幅広い投資信託に投資できるため、積極的なリターンを狙った投資が可能です。
新NISAの効果的な使い分け例
つみたて投資枠:毎月10万円(年間120万円)を低コストのインデックスファンドに積み立て
成長投資枠:成長が期待できる個別株や高配当株に投資
一般NISAのロールオーバーは2023年末で終了したため、2024年以降はロールオーバーができません。このため、一般NISA資産の非課税期間が終了する際は、売却するか課税口座に移管するかの選択となります。
非課税期間終了が近づいている一般NISA資産がある場合、その資産をどうするかと、新NISAでの新規投資をどう進めるかの優先順位を考える必要があります。例えば、一般NISAで保有している株式が大きく値上がりしている場合は、非課税期間内に売却して利益を確定し、その資金を新NISAで再投資するという選択肢があります。
一方、一般NISAの資産をそのまま課税口座に移管して長期保有を続け、新NISAでは新たな投資先に資金を振り向けるという戦略も考えられます。どちらの選択が有利かは、保有している資産の状況や今後の投資方針によって異なるため、自分の状況に合わせて判断することが重要です。
一般NISAは2023年末で新規購入が終了しましたが、既に保有している資産は非課税期間内であればそのまま非課税で運用を続けることができます。2024年からスタートした新NISAとは別枠で管理されるため、両方の制度を並行して活用することが可能です。
一般NISAと新NISAの主な違いは、非課税期間(5年間 vs 無期限)、年間投資枠(120万円 vs 360万円)、非課税保有限度額(600万円 vs 1,800万円)の3点です。新NISAでは制度が大幅に拡充され、より長期的な資産形成に適した制度となりました。
既に保有している一般NISA資産については、非課税期間終了時に「そのまま保有を続ける」「課税口座に移管される」の選択肢があります。非課税期間を最大限活用し、自分の投資目的に合わせた選択をすることが重要です。
一般NISAから新NISAへの移行にあたっては、一般NISA資産を新NISAに移すことはできないこと、2024年以降は新NISAで新規投資ができることを理解しておきましょう。証券会社を変更したい場合は、手続きのタイミングにも注意が必要です。
一般NISAと新NISAを併用する期間は、一般NISA資産の非課税期間を最大限活用しつつ、新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠を効果的に使い分けることで、より効率的な資産形成が可能となります。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。制度の詳細や具体的な手続きについては、各証券会社にご確認ください。
この記事のキーワード
キーワードがありません。
この記事を見た方はこんな記事も見ています
この記事と同じキーワードの記事
まだ記事がありません。
キーワードから探す
カンタン1分登録で、気になる資料を無料でお取り寄せ
そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお問い合わせください!