NISA個別株の始め方|銘柄選びと証券会社の選び方

CFD(差金決済取引)という言葉を聞いたことはあるけれど、具体的にどんな仕組みなのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
CFDは、株価指数や金、原油など世界中のさまざまな資産に、少額から投資できる金融商品です。レバレッジを活用することで効率的な投資ができる一方、リスクもしっかり理解しておく必要があります。
この記事では、CFDの基本的な仕組みから取引できる銘柄、メリット・デメリット、証券会社の選び方、始め方まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。CFD取引を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
CFD(差金決済取引)とは?
CFD(Contract for Difference)は、日本語で「差金決済取引」と呼ばれる金融商品です。株式や株価指数、商品などの資産を実際に保有することなく、価格の変動による差額で利益や損失が発生する仕組みになっています。
通常の株式投資では、実際に株式を購入して保有しますが、CFDでは「買い」または「売り」のポジションを持つだけで、現物の受け渡しは行われません。決済時に、取引開始時と終了時の価格差だけをやり取りする点が大きな特徴です。
差金決済とは、取引の開始時と終了時の価格差のみを受け渡す決済方法のことです。実際の商品や株式を保有する必要がないため、少額の証拠金で取引を始められます。
例えば、日経225のCFDを「30,000円」で買いポジションを持ち、「31,000円」で決済した場合、1,000円の利益が発生します。逆に「29,000円」で決済すれば、1,000円の損失となります。この価格差だけを現金でやり取りするのが差金決済の仕組みです。
現物を保有しないため、保管コストや配送の手間がかからず、取引がシンプルになる点もメリットと言えます。
ただし、実際の資産を持っているわけではないため、配当金や株主優待などの権利は基本的に受けられません(一部の銘柄では配当相当額が調整金として支払われるケースもあります)。
CFDで利益が出る仕組みは、買いポジション(ロング)と売りポジション(ショート)の2つのパターンがあります。買いポジションでは、価格が上昇すれば利益、下落すれば損失です。売りポジションでは、価格が下落すれば利益、上昇すれば損失となります。
例えば、金のCFDを1,000ドルで買いポジションを持ち、1,100ドルで決済すれば100ドルの利益です。一方、900ドルで決済すれば100ドルの損失になります。売りポジションの場合は逆で、1,000ドルで売りポジションを持ち、900ドルで決済すれば100ドルの利益、1,100ドルで決済すれば100ドルの損失です。
CFDの特徴は、上昇相場でも下落相場でも利益を狙えることです。売りから入ることで、下落局面でも収益機会が得られるため、相場環境に応じた柔軟な戦略を立てられます。
ただし、予想と逆方向に価格が動けば損失が発生するため、リスク管理が重要になります。
CFDとFX(外国為替証拠金取引)は、どちらもレバレッジを活用した差金決済取引という点で共通していますが、取引対象が大きく異なります。FXは通貨ペア(米ドル/円、ユーロ/ドルなど)のみを取引しますが、CFDは株価指数、商品、個別株など幅広い資産を取引できます。
レバレッジの倍率も異なります。日本国内のFXは最大25倍ですが、CFDは銘柄によって異なり、株価指数CFDは約10倍、商品CFDは約20倍が一般的です。取引時間も、FXはほぼ24時間取引できますが、CFDは銘柄ごとに取引時間が設定されています。
また、スプレッド(売値と買値の差)やスワップポイント(金利調整額)の仕組みも異なります。FXはスワップポイントが毎日発生しますが、CFDは銘柄によって金利調整額や配当調整額が発生する場合があります。どちらが優れているということではなく、投資目的や取引したい資産に応じて選ぶことが大切です。
CFDで取引できる銘柄は、大きく分けて「株価指数CFD」「商品CFD」「個別株CFD」「その他のCFD」の4種類があります。それぞれ特徴や値動きの傾向が異なるため、自分の投資スタイルや目的に合わせて選ぶことが重要です。
証券会社によって取扱銘柄数は異なりますが、主要な株価指数や商品は多くの証券会社で取引できます。以下で、各種類の特徴を詳しく見ていきましょう。
株価指数CFDは、日経225(日本)、NYダウ(米国)、S&P500(米国)、DAX(ドイツ)などの株価指数を対象としたCFDです。個別企業ではなく、市場全体の動きに投資できるため、分散投資の効果が期待できます。
株価指数CFDは、個別株に比べて値動きが比較的安定しており、初心者にも取引しやすい銘柄と言えます。日経225やNYダウは、ニュースや経済指標の影響を受けやすく、相場の流れを読みやすい特徴があります。
レバレッジは約10倍(証拠金率10%)が一般的で、少額の資金で大きなポジションを持つことができます。例えば、日経225が30,000円の場合、証拠金は3,000円程度から取引可能です(証券会社や取引単位により異なります)。
ただし、レバレッジをかけすぎると損失も大きくなるため、適切なリスク管理が必要です。
商品CFDは、金、銀、原油、天然ガス、小麦、トウモロコシなどのコモディティ(商品)を対象としたCFDです。実物の商品を保有する必要がなく、価格変動だけで利益を狙えます。
金や銀は、インフレヘッジや安全資産としての需要があり、経済不安時に価格が上昇しやすい傾向があります。原油や天然ガスは、世界経済の動向や地政学リスクの影響を受けやすく、ボラティリティ(価格変動の大きさ)が高い銘柄です。
商品CFDは、株式市場とは異なる値動きをすることが多いため、ポートフォリオの分散に役立ちます。
ただし、価格変動が激しい銘柄も多く、短期間で大きな損失が発生する可能性もあるため、注意が必要です。レバレッジは約20倍(証拠金率5%)が一般的で、株価指数CFDよりも高いレバレッジで取引できます。
個別株CFDは、トヨタ自動車、ソニーグループなどの国内株式や、アップル、テスラ、マイクロソフトなどの米国株式を対象としたCFDです。現物株式と同様に、企業の業績や成長性に基づいて投資判断を行います。
個別株CFDの最大の特徴は、売りポジション(ショート)から入れることです。現物株式では基本的に買いからしか入れませんが、CFDでは企業の業績悪化や株価下落を予想して、売りポジションで利益を狙うこともできます。
また、海外株式のCFDは、現物株式を購入するよりも手続きが簡単で、少額から取引できる点もメリットです。
ただし、個別株は企業固有のリスク(業績悪化、不祥事など)により、株価が大きく変動する可能性があります。株価指数CFDに比べてリスクが高いため、企業分析や情報収集が重要です。
上記以外にも、債券CFD(米国債、日本国債など)や通貨CFD(一部の証券会社で取扱)、ETF(上場投資信託)CFDなどがあります。債券CFDは、金利の変動により価格が変わるため、金利動向を予想して取引します。
債券CFDは、株式や商品に比べて値動きが穏やかな傾向がありますが、金利の急変時には大きく動くこともあります。通貨CFDは、FXと似た仕組みですが、取引条件やスプレッドが異なる場合があります。
ETF CFDは、複数の資産に分散投資されたETFを対象としたCFDで、個別株CFDよりもリスクを抑えた投資が可能です。ただし、これらの銘柄は取扱証券会社が限られていることが多いため、事前に確認が必要です。
CFD取引の5つの特徴
CFD取引には、他の金融商品にはない独自のメリットがあります。少額から始められることや、ほぼ24時間取引できること、売りからも取引できることなど、投資の選択肢を広げる特徴が揃っています。
ここでは、CFD取引の主な5つのメリットを具体的に解説します。ただし、メリットの裏にはリスクもあるため、次のセクションで説明するデメリットも合わせて理解しておくことが大切です。
CFD取引の最大の特徴は、レバレッジを活用して少額の資金で大きな取引ができることです。レバレッジとは「てこの原理」のことで、証拠金を担保にして、その何倍もの金額の取引を行える仕組みです。
例えば、日経225のCFDをレバレッジ10倍で取引する場合、30,000円分の取引に必要な証拠金は3,000円程度です(取引単位により異なります)。現物株式で30,000円分の投資をするには30,000円が必要ですが、CFDなら3,000円で同じ規模の取引ができます。
少額から始められるため、投資初心者や資金が限られている方でも、世界中のさまざまな資産に投資できます。
ただし、レバレッジは利益だけでなく損失も拡大させるため、適切なリスク管理が不可欠です。
CFD取引は、銘柄によって異なりますが、ほぼ24時間取引できる点も大きなメリットです。日本の株式市場は平日の9時から15時(昼休みあり)までしか取引できませんが、CFDなら夜間や早朝でも取引可能です。
例えば、米国株価指数CFD(NYダウ、S&P500など)は、日本時間の夜間から早朝にかけて取引できます。商品CFD(金、原油など)も、ほぼ24時間取引できる銘柄が多くあります。これにより、日中は仕事で忙しい会社員の方でも、帰宅後に取引できます。
海外市場のニュースや経済指標の発表に即座に対応できるため、投資機会を逃しにくいのも魅力です。
ただし、24時間取引できるからといって、常に相場を見続ける必要はありません。自分の生活スタイルに合わせて、無理のない範囲で取引することが大切です。
CFD取引では、買いポジション(ロング)だけでなく、売りポジション(ショート)からも取引を始められます。これにより、価格が下落する局面でも利益を狙うことができます。
現物株式の場合、基本的には「買い→売り」の順序で取引するため、株価が上昇しないと利益が出ません。しかし、CFDでは「売り→買い」の順序で取引できるため、株価や商品価格の下落を予想して利益を得ることが可能です。
例えば、原油価格が今後下落すると予想した場合、原油CFDを売りポジションで持ち、実際に価格が下落したら買い戻すことで利益が得られます。相場環境に応じて柔軟に戦略を立てられるため、投資の幅が広がります。
ただし、予想と逆方向に価格が動けば損失が発生するため、損切りラインの設定など、リスク管理が重要です。
CFDでは、日本の株価指数や個別株だけでなく、米国、欧州、アジアなど世界中の株価指数、商品、債券など、さまざまな資産に投資できます。一つの口座で多様な銘柄を取引できるため、分散投資がしやすい点もメリットです。
例えば、日本株が低迷している時期でも、米国株や金が上昇していれば、そちらで利益を狙うことができます。地域や資産クラスを分散することで、特定の市場の下落リスクを軽減できます。
また、商品CFD(金、原油など)は、株式市場とは異なる値動きをすることが多いため、ポートフォリオ全体のリスク分散に役立ちます。世界経済の動向や地政学リスクに応じて、柔軟に投資先を変えられる点も、CFDの大きな魅力と言えます。
CFD取引は、現物株式の取引に比べて手数料が安い、または無料の証券会社が多くあります。特に株価指数CFDや商品CFDは、取引手数料が無料で、スプレッド(売値と買値の差)のみが実質的なコストとなる場合が一般的です。
スプレッドは銘柄や証券会社によって異なりますが、例えば日経225CFDのスプレッドは数円から数十円程度です。現物株式の売買手数料が数百円から数千円かかることを考えると、コストを抑えて取引できます。
ただし、CFDには保有期間に応じて金利調整額やオーバーナイト金利が発生する場合があります。長期保有する場合は、これらのコストが積み重なる可能性があるため、短期~中期での取引に向いていると言えます。
取引前に、各証券会社の手数料体系やスプレッドを確認しておくことが大切です。
CFD取引で気をつけたい5つのこと
CFD取引には多くのメリットがある一方で、リスクやデメリットもしっかりと理解しておく必要があります。特にレバレッジを活用する取引では、利益が大きくなる可能性がある反面、損失も拡大しやすいため、慎重な判断が求められます。
ここでは、CFD取引を始める前に必ず知っておきたい5つの注意点を解説します。これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが、安全な取引につながります。
CFD取引で最も注意すべきリスクは、元本(証拠金)を上回る損失が発生する可能性があることです。レバレッジをかけた取引では、予想と逆方向に価格が大きく動いた場合、証拠金以上の損失が出ることがあります。
例えば、10万円の証拠金でレバレッジ10倍の取引を行い、100万円分のポジションを持ったとします。価格が10%下落すると、損失は10万円となり、証拠金が全額失われます。さらに価格が下落し続けると、証拠金を超える損失が発生し、追加の資金(追証)を求められる場合があります。
レバレッジは「諸刃の剣」であり、利益を拡大させる一方で、損失も同じように拡大させます。初心者の方は、低いレバレッジから始め、取引に慣れてから徐々にレバレッジを上げることをおすすめします。
また、損切りラインを事前に設定し、損失が拡大する前に決済することが重要です。
CFD取引では、証拠金維持率が一定水準を下回ると、ロスカット(強制決済)が執行されます。ロスカットは、証拠金以上の損失を防ぐための仕組みですが、意図しないタイミングで決済されてしまうため、注意が必要です。
証拠金維持率とは、「純資産(証拠金+評価損益)÷必要証拠金×100」で計算される指標で、多くの証券会社では50%~100%を下回るとロスカットが執行されます。例えば、必要証拠金が10万円で純資産が5万円になると、証拠金維持率は50%となり、ロスカットの対象になります。
ロスカットを避けるためには、証拠金維持率を常に確認し、余裕を持った資金管理を行うことが大切です。また、相場が急変した場合、ロスカットが間に合わず、証拠金を上回る損失が発生する可能性もあります。
証拠金維持率に余裕を持たせ、リスクを抑えた取引を心がけましょう。
CFD取引では、取引手数料が無料の場合でも、スプレッド(売値と買値の差)が実質的なコストとして発生します。スプレッドは、取引を開始した瞬間に含み損として計上されるため、利益を出すにはスプレッド分以上の価格変動が必要です。
例えば、日経225CFDのスプレッドが10円の場合、買いポジションを持った瞬間に10円の含み損が発生します。利益を出すには、価格が10円以上上昇する必要があります。スプレッドは銘柄や証券会社によって異なり、流動性の低い銘柄ほどスプレッドが広くなる傾向があります。
また、市場の変動が激しい時間帯(経済指標の発表時など)は、スプレッドが一時的に拡大することがあります。取引回数が多いほどスプレッドのコストが積み重なるため、短期売買を繰り返す場合は、スプレッドの狭い証券会社を選ぶことが重要です。
CFDで取引できる銘柄の中には、価格変動が非常に激しい(ボラティリティが高い)ものもあります。特に商品CFD(原油、天然ガスなど)や個別株CFDは、短期間で大きく価格が変動することがあり、予想外の損失が発生するリスクがあります。
例えば、原油価格は地政学リスクや需給バランスの変化により、1日で数%から10%以上変動することがあります。レバレッジをかけた状態でこのような変動に遭遇すると、証拠金が一瞬で失われる可能性もあります。
ボラティリティが高い銘柄は、大きな利益を狙える一方で、リスクも高いため、初心者の方は避けた方が無難です。まずは株価指数CFDのような、比較的値動きが安定した銘柄から始め、取引に慣れてから挑戦することをおすすめします。
また、経済指標の発表や重要なニュースがある時間帯は、価格が急変しやすいため、注意が必要です。
CFD取引で得た利益は、申告分離課税の対象となり、税率は20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)です。株式投資で利用できるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの税制優遇制度は、CFD取引では利用できません。
NISAを利用すれば、年間一定額までの投資で得た利益が非課税になりますが、CFDではこの恩恵を受けられないため、税負担が大きくなる可能性があります。また、損失が出た場合は、他の先物取引やFXとの損益通算が可能ですが、株式の譲渡所得とは損益通算できません。
税制面でのデメリットを理解した上で、CFD取引を行うかどうかを判断することが大切です。長期的な資産形成を目的とする場合は、NISAやiDeCoを活用した投資信託や株式投資の方が税制面で有利な場合があります。CFDは、短期~中期の投資や、特定の銘柄・戦略に特化した取引に向いていると言えます。
証拠金とレバレッジの仕組み
CFD取引を始めるには、証拠金とレバレッジの仕組みを正しく理解することが不可欠です。証拠金は取引を行うための担保金であり、レバレッジはその証拠金を元手に、何倍もの金額の取引を可能にする仕組みです。
ここでは、証拠金とレバレッジの基本的な仕組みから、実際の取引例、証拠金維持率の見方まで、具体的に解説します。これらを理解することで、リスクを抑えた資金管理ができるようになります。
証拠金とは、CFD取引を行うために証券会社に預け入れる担保金のことです。現物株式のように取引金額の全額を用意する必要はなく、取引金額の一部を証拠金として預けることで、大きな金額の取引ができます。
証拠金には「必要証拠金」と「有効証拠金」の2種類があります。必要証拠金は、ポジションを持つために最低限必要な金額で、取引金額×証拠金率で計算されます。例えば、日経225CFDが30,000円で証拠金率が10%の場合、必要証拠金は3,000円です(取引単位により異なります)。
有効証拠金は、口座に預けている資金から評価損益を差し引いた金額で、「預託証拠金+評価損益」で計算されます。有効証拠金が必要証拠金を下回ると、追加の証拠金(追証)を求められたり、ロスカットが執行されたりする可能性があります。証拠金の仕組みを理解し、余裕を持った資金管理を行うことが重要です。
レバレッジとは、証拠金を担保にして、その何倍もの金額の取引を行える仕組みです。レバレッジ倍率は「取引金額÷証拠金」で計算されます。例えば、10万円の証拠金で100万円分の取引を行う場合、レバレッジは10倍です。
具体的な取引例を見てみましょう。日経225CFDが30,000円で、1枚(10倍)の取引をする場合、取引金額は300,000円です。証拠金率が10%なら、必要証拠金は30,000円となります。この時、日経225が31,000円に上昇すれば、利益は10,000円(1,000円×10倍)です。逆に29,000円に下落すれば、損失は10,000円となります。
レバレッジを高くするほど、少ない資金で大きな取引ができますが、損失も同じように拡大します。初心者の方は、レバレッジ2~3倍程度から始め、取引に慣れてから徐々に上げることをおすすめします。
また、証券会社によって最大レバレッジや証拠金率が異なるため、事前に確認しておきましょう。
証拠金維持率とは、「有効証拠金÷必要証拠金×100」で計算される指標で、口座の健全性を示す重要な数値です。証拠金維持率が一定水準(多くの証券会社では50%~100%)を下回ると、ロスカット(強制決済)が執行されます。
例えば、必要証拠金が10万円で有効証拠金が5万円の場合、証拠金維持率は50%です。この状態でさらに損失が拡大すると、ロスカットが執行され、ポジションが強制的に決済されます。ロスカットは、証拠金以上の損失を防ぐための仕組みですが、意図しないタイミングで決済されてしまうため、注意が必要です。
ロスカットを避けるためには、証拠金維持率を常に200%以上に保つことが推奨されます。また、相場が急変した場合に備えて、余裕を持った資金管理を行い、ポジションサイズを適切に調整することが大切です。
証券会社の取引ツールでは、証拠金維持率がリアルタイムで確認できるため、こまめにチェックする習慣をつけましょう。
CFD取引ができる証券会社を比較
CFD取引を始めるには、まず証券会社で口座を開設する必要があります。証券会社によって、取扱銘柄数、手数料、スプレッド、取引ツールの使いやすさなどが大きく異なるため、自分の投資スタイルに合った証券会社を選ぶことが重要です。
ここでは、CFD取引ができる主要な証券会社を、取扱銘柄数、手数料、取引ツール、デモ口座、信頼性の5つの観点から比較します。各証券会社の特徴を理解し、自分に最適な証券会社を見つけましょう。
CFD取引ができる証券会社は複数ありますが、取扱銘柄数は証券会社によって大きく異なります。株価指数CFD、商品CFD、個別株CFDなど、自分が取引したい銘柄を扱っているかを事前に確認することが大切です。
例えば、GMOクリック証券は株価指数CFD、商品CFD、株式CFDなど約140銘柄を取り扱っており、幅広い選択肢があります。一方、DMM CFDは株価指数CFDと商品CFDに特化しており、個別株CFDは取り扱っていません。自分が取引したい銘柄が決まっている場合は、その銘柄を扱っている証券会社を選びましょう。
また、米国株CFDを取引したい場合は、米国株の取扱銘柄数が多い証券会社を選ぶことが重要です。IG証券は米国株CFDの取扱銘柄数が多く、約12,000銘柄以上を取引できます。取扱銘柄数が多いほど、投資の選択肢が広がり、分散投資もしやすくなります。
CFD取引のコストは、主に「取引手数料」と「スプレッド」の2つです。取引手数料は、多くの証券会社で無料ですが、スプレッド(売値と買値の差)が実質的なコストとなります。スプレッドは銘柄や証券会社によって異なるため、取引前に比較することが重要です。
例えば、日経225CFDのスプレッドは、GMOクリック証券で2円程度、DMM CFDで7円程度です(市場状況により変動します)。スプレッドが狭いほど、取引コストを抑えられるため、短期売買を繰り返す場合は特に重要なポイントです。
また、オーバーナイト金利(ポジションを翌日に持ち越す際の金利調整額)も、長期保有する場合のコストとなります。オーバーナイト金利は銘柄や証券会社によって異なり、買いポジションと売りポジションで金利の方向が逆になる場合もあります。取引スタイルに応じて、手数料とスプレッドを総合的に比較しましょう。
CFD取引では、取引ツールの使いやすさも重要な選択ポイントです。チャート分析、注文方法、リアルタイムの情報表示など、取引ツールの機能が充実しているほど、効率的な取引ができます。
GMOクリック証券の「はっちゅう君CFD」は、シンプルで初心者にも使いやすいと評判です。スマホアプリも用意されており、外出先でも取引できます。一方、IG証券の取引ツールは、高機能なチャート分析ツールが搭載されており、中級者以上の投資家に人気です。
初心者の方は、シンプルで直感的に操作できる取引ツールを提供している証券会社を選ぶことをおすすめします。また、スマホアプリの使いやすさも重要です。
デモ口座で実際に取引ツールを試してから、本番口座を開設するのも良い方法です。
デモ口座とは、仮想資金を使ってCFD取引を練習できる口座のことです。実際の資金を使わずに取引の流れや取引ツールの操作を学べるため、初心者の方には特におすすめです。
GMOクリック証券、DMM CFD、IG証券などの主要な証券会社は、無料でデモ口座を提供しています。デモ口座では、リアルタイムの価格で取引できるため、本番に近い環境で練習できます。取引ツールの操作に慣れたり、自分の取引戦略を試したりするのに最適です。
デモ口座の利用期間は証券会社によって異なり、無期限の場合もあれば、30日間などの期限がある場合もあります。まずはデモ口座で十分に練習し、取引に自信がついてから本番口座で取引を始めることをおすすめします。
ただし、デモ口座では実際の資金を使わないため、心理的なプレッシャーが本番とは異なる点に注意が必要です。
CFD取引を行う証券会社を選ぶ際は、信頼性と安全性も重要なポイントです。日本国内でCFD取引を提供する証券会社は、金融庁に登録された金融商品取引業者である必要があります。金融庁登録の有無は、各証券会社の公式サイトで確認できます。
また、顧客の資産が適切に保護されているかも確認しましょう。多くの証券会社は、顧客の資金を自社の資金と分別して管理する「分別管理」を行っています。万が一証券会社が破綻した場合でも、顧客の資産は保護される仕組みです。
さらに、日本投資者保護基金に加入している証券会社なら、証券会社が破綻した場合でも、一定額(1,000万円まで)が補償されます。GMOクリック証券、DMM CFD、IG証券などの主要な証券会社は、金融庁登録済みで分別管理を行っており、安全性が高いと言えます。信頼性の高い証券会社を選ぶことで、安心して取引に集中できます。
CFD取引の始め方
CFD取引を始めるには、証券会社で口座を開設し、取引ツールの設定や入金を行う必要があります。初めての方でも、手順に従って進めれば、スムーズに取引を始められます。
ここでは、CFD取引を始めるための具体的な手順を6つのステップに分けて解説します。口座開設からデモ口座での練習、本番取引までの流れを理解し、安全にCFD取引をスタートしましょう。
まず、自分の投資スタイルや取引したい銘柄に合った証券会社を選びます。前のセクションで解説した「取扱銘柄数」「手数料・スプレッド」「取引ツール」「デモ口座」「信頼性」の5つのポイントを参考に、複数の証券会社を比較しましょう。
初心者の方には、デモ口座が利用でき、取引ツールがシンプルで使いやすい証券会社がおすすめです。また、サポート体制が充実している証券会社を選ぶと、分からないことがあった時に安心です。主要な証券会社の公式サイトで、取扱銘柄やサービス内容を確認してから、口座開設に進みましょう。
証券会社を決めたら、公式サイトから口座開設の申し込みを行います。多くの証券会社では、オンラインで口座開設の手続きが完結します。申し込みフォームに、氏名、住所、生年月日、職業、投資経験などの情報を入力します。
CFD取引はリスクが高い金融商品のため、投資経験や金融資産の状況について質問されることがあります。正直に回答し、自分のリスク許容度に合った取引を心がけましょう。また、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類を事前に用意しておくと、手続きがスムーズです。
口座開設の申し込みが完了したら、本人確認書類を提出します。多くの証券会社では、スマホで本人確認書類を撮影してアップロードする方法が用意されており、郵送よりも早く手続きが完了します。
必要な書類は、マイナンバーカード(表面・裏面)または、通知カード+運転免許証などの組み合わせです。書類の提出方法は証券会社によって異なるため、公式サイトの案内に従って進めましょう。書類の不備があると審査に時間がかかるため、鮮明な画像を提出することが大切です。
本人確認書類の提出後、証券会社による審査が行われます。審査には数日から1週間程度かかることが一般的ですが、オンライン本人確認を利用すれば、最短で翌営業日に審査が完了する証券会社もあります。
審査が完了すると、ログインIDやパスワードが記載された書類が郵送またはメールで届きます。これで口座開設が完了し、取引を始める準備が整います。ログイン情報は大切に保管し、第三者に知られないよう注意しましょう。
口座開設が完了したら、取引に必要な資金を入金します。多くの証券会社では、銀行振込やクイック入金(インターネットバンキングを利用した即時入金)が利用できます。クイック入金なら、24時間いつでも入金でき、手数料も無料の場合が多いため便利です。
入金が完了したら、取引ツールの設定を行います。PCの取引ツールやスマホアプリをダウンロードし、ログイン情報を入力してログインします。チャートの表示設定や、よく取引する銘柄の登録など、自分が使いやすいようにカスタマイズしましょう。取引ツールの使い方が分からない場合は、証券会社のサポートやマニュアルを参照してください。
いきなり本番の取引を始めるのではなく、まずはデモ口座で練習することを強くおすすめします。デモ口座では、仮想資金を使って実際の相場で取引できるため、リスクなく取引の流れや取引ツールの操作を学べます。
デモ口座で、注文の出し方、決済の方法、損切りラインの設定など、基本的な操作を一通り練習しましょう。また、自分の取引戦略を試してみて、どのような結果になるかを確認することも大切です。デモ口座で十分に練習し、自信がついてから本番取引に移行することで、初心者が陥りがちな失敗を避けられます。
本番取引を始める際は、最初は少額・低レバレッジから始め、徐々に取引に慣れていくことをおすすめします。焦らず、自分のペースで取引を進めていきましょう。
初心者が知っておきたいCFDの税金と確定申告
CFD取引で利益が出た場合、税金の申告が必要になることがあります。税制を正しく理解しておかないと、申告漏れや計算ミスにつながる可能性があるため、取引を始める前に基本的な知識を身につけておきましょう。
ここでは、CFD取引の税率、確定申告が必要なケース、損益通算と繰越控除の活用方法について解説します。税金の仕組みを理解し、適切に申告することで、無用なトラブルを避けられます。
CFD取引で得た利益は、「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象となります。税率は一律20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)で、給与所得などの他の所得とは分離して課税されます。
例えば、CFD取引で年間100万円の利益が出た場合、税額は約20万3,150円です。この税金は、確定申告を行って納付する必要があります。株式投資の特定口座(源泉徴収あり)のように、自動的に税金が引かれる仕組みはないため、自分で申告と納税を行う必要があります。
また、CFD取引はNISAやiDeCoなどの税制優遇制度の対象外です。そのため、利益が出た場合は必ず課税されます。税金の負担を考慮した上で、取引計画を立てることが大切です。
CFD取引で利益が出た場合、確定申告が必要になるケースがあります。会社員の方は、給与以外の所得(CFD取引の利益など)が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。自営業の方や年金受給者の方は、所得の合計が基礎控除額を超える場合に確定申告が必要です。
逆に、CFD取引で損失が出た場合は、確定申告の義務はありません。ただし、損失を翌年以降に繰り越すためには、確定申告を行う必要があります(詳しくは次のセクションで解説します)。また、損失が出た年でも、他の先物取引やFXで利益が出ている場合は、損益通算により税負担を軽減できる可能性があります。
確定申告の期限は、毎年2月16日から3月15日までです。期限を過ぎると延滞税が発生する可能性があるため、早めに準備を始めましょう。証券会社から発行される「年間取引報告書」を使えば、損益の計算が簡単にできます。
CFD取引で損失が出た場合、他の先物取引(商品先物、FXなど)の利益と損益通算ができます。損益通算とは、利益と損失を相殺して、課税対象となる所得を減らす仕組みです。例えば、CFDで50万円の損失、FXで100万円の利益が出た場合、損益通算により課税対象は50万円になります。
また、損失を翌年以降3年間繰り越すことができる「繰越控除」も活用できます。例えば、今年CFDで100万円の損失が出た場合、確定申告を行えば、翌年以降の利益から損失を差し引くことができます。翌年に80万円の利益が出た場合、前年の損失100万円を差し引くことで、課税対象はゼロとなり、残りの20万円の損失はさらに翌年に繰り越せます。
繰越控除を利用するには、損失が出た年も含めて、毎年連続して確定申告を行う必要があります。損失が出た年に確定申告をしないと、繰越控除の権利が失われるため注意が必要です。
損益通算と繰越控除を活用することで、税負担を軽減できる可能性があるため、積極的に活用しましょう。
CFD取引でよくある失敗と対策
CFD取引を始めたばかりの初心者の方は、経験不足から失敗してしまうケースが少なくありません。しかし、よくある失敗パターンを事前に知っておくことで、同じ過ちを避けることができます。
ここでは、CFD取引で初心者が陥りがちな4つの失敗パターンと、それぞれの対策を解説します。これらを参考に、リスクを抑えた取引を心がけましょう。
初心者が最も陥りやすい失敗は、レバレッジをかけすぎて大きな損失を出してしまうことです。「少ない資金で大きな利益を狙いたい」という気持ちから、高いレバレッジで取引を始めてしまうケースが多く見られます。
例えば、10万円の証拠金でレバレッジ10倍の取引を行い、価格が予想と逆方向に10%動いた場合、証拠金が全額失われます。さらに価格が動き続けると、証拠金を超える損失が発生する可能性もあります。レバレッジは「諸刃の剣」であり、利益だけでなく損失も拡大させることを忘れてはいけません。
対策:初心者の方は、レバレッジ2~3倍程度から始めることをおすすめします。取引に慣れてから、徐々にレバレッジを上げていきましょう。また、証拠金維持率を常に200%以上に保つことで、ロスカットのリスクを減らせます。無理のない範囲で取引を行い、一度に大きなポジションを持たないことが大切です。
損切りラインを設定せずに取引を始め、損失が拡大しても決済できずに「塩漬け」状態になってしまう失敗も多く見られます。「いつか価格が戻るだろう」と期待して放置した結果、損失がさらに拡大し、最終的にロスカットされてしまうケースがあります。
CFD取引では、価格が予想と逆方向に動いた場合、早めに損切りすることが重要です。損切りとは、損失が小さいうちにポジションを決済し、損失を確定させることです。損切りを躊躇すると、損失が雪だるま式に増えてしまう可能性があります。
対策:取引を始める前に、必ず損切りラインを設定しましょう。例えば、「証拠金の5%の損失が出たら損切りする」などのルールを決めておきます。また、多くの取引ツールには「逆指値注文」という機能があり、指定した価格に達したら自動的に決済される設定ができます。感情に左右されず、機械的に損切りできる仕組みを作ることが大切です。
損失が出た時に焦って取り返そうとしたり、利益が出た時に欲を出して利益確定を遅らせたりするなど、感情的な取引で損失を拡大させてしまう失敗もよくあります。「もっと利益を伸ばしたい」「損失を取り返したい」という気持ちが、冷静な判断を妨げてしまいます。
例えば、損失が出た後に「次の取引で取り返そう」と焦って大きなポジションを持ち、さらに損失が拡大するケースがあります。また、利益が出ている時に「もっと上がるかもしれない」と利益確定を遅らせた結果、価格が反転して利益が消えてしまうこともあります。
対策:取引ルールを事前に決め、そのルールに従って機械的に取引することが重要です。例えば、「1日の損失が証拠金の10%に達したら、その日は取引を止める」「利益が5%出たら利益確定する」などのルールを設定します。また、取引記録をつけて、自分の取引を振り返る習慣をつけることで、感情的な取引を避けられます。
証拠金維持率の仕組みを理解せずに取引を始め、気づいたらロスカットされていたという失敗も初心者によく見られます。証拠金維持率が一定水準を下回ると、ポジションが強制的に決済されるため、意図しないタイミングで損失が確定してしまいます。
例えば、証拠金維持率が100%を下回るとロスカットされる証券会社で取引している場合、価格が少し動いただけで証拠金維持率が急低下し、ロスカットされることがあります。特に、レバレッジを高くしている場合は、証拠金維持率が急激に変動するため注意が必要です。
対策:証拠金維持率を常に確認し、200%以上を保つことを心がけましょう。多くの取引ツールでは、証拠金維持率がリアルタイムで表示されます。また、証拠金に余裕を持たせることで、価格が一時的に逆方向に動いてもロスカットを避けられます。ポジションサイズを適切に調整し、証拠金維持率に余裕を持った取引を行うことが大切です。
CFD(差金決済取引)は、株価指数や商品、個別株など世界中のさまざまな資産に、少額から投資できる金融商品です。レバレッジを活用することで効率的な投資ができ、ほぼ24時間取引できる点や、売りからも取引できる点が大きなメリットです。
一方で、レバレッジにより損失が拡大しやすく、元本を上回る損失が発生する可能性もあります。証拠金維持率の管理やリスク管理を徹底し、損切りラインを事前に設定することが重要です。初心者の方は、低いレバレッジから始め、デモ口座で十分に練習してから本番取引に移行することをおすすめします。
証券会社を選ぶ際は、取扱銘柄数、手数料・スプレッド、取引ツールの使いやすさ、デモ口座の有無、信頼性を比較しましょう。自分の投資スタイルに合った証券会社を選ぶことで、より快適に取引できます。
税金面では、CFD取引の利益は申告分離課税(20.315%)の対象となり、NISAやiDeCoなどの税制優遇は受けられません。利益が一定額を超える場合は確定申告が必要ですが、損益通算や繰越控除を活用することで、税負担を軽減できる可能性があります。
CFD取引は、正しい知識とリスク管理があれば、投資の選択肢を広げる有効な手段です。焦らず、自分のペースで取引を進めていきましょう。
なお、CFD取引には元本割れのリスクがあり、レバレッジにより元本を上回る損失が発生する可能性があります。投資判断はご自身の責任で行い、ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。
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