NFTカードとは?購入方法と手数料比較|初心者向けガイド【2026年】

エルサルバドルのビットコイン法定通貨化は、世界初の試みとして大きな注目を集めました。
しかし2025年1月の法改正により、決済使用が任意化され、事実上の失敗に終わっています。
国家レベルで価格変動リスクに直面した事例は、個人投資家にとっても重要な教訓です。
この記事では、エルサルバドルの経緯から学ぶべき投資リスクと、日本でビットコインを安全に購入できる取引所を紹介します。
IMFの警告内容や格付け引き下げの詳細も解説するため、ビットコイン投資を検討している方は必見です。
目次
エルサルバドルのビットコイン法定通貨化
エルサルバドルは2021年9月、世界で初めてビットコインを法定通貨として採用しました。しかし、その後の展開は当初の期待とは大きく異なるものとなっています。2026年2月時点での最新状況を時系列で整理します。
エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は、2021年6月にビットコインを法定通貨とする法案を議会に提出し、賛成多数で可決されました。同年9月7日、ビットコイン法が正式に施行され、米ドルと並ぶ法定通貨としての地位を獲得しました。
政府は国民向けに公式デジタルウォレット「Chivo(チボ)」を提供し、ダウンロードした利用者には30ドル相当のビットコインを配布するインセンティブ施策を実施しました。導入から3週間で人口の約30%にあたる210万人がChivoをダウンロードし、どの銀行よりも多くのユーザーを獲得したと報告されています。
導入から3週間で人口の約30%がChivoを利用開始
2025年1月、エルサルバドルはビットコインの決済使用を任意化する法改正を実施しました。これにより、事業者はビットコイン決済を拒否できるようになり、事実上の法定通貨化撤回となりました。
2025年法改正でビットコイン決済が任意化され事実上の撤回
2026年2月現在、エルサルバドルにおけるビットコインの日常的な利用は極めて限定的です。中米大学による2024年1月の調査では、国民の約9割が2023年にビットコインを一度も取引で利用していないと回答しています。
全米経済研究所(NBER)の調査では、Chivoウォレットをダウンロードした人のうち、30ドルのインセンティブを消費した後も継続利用しているのは40%に過ぎないことが明らかになりました。多くの国民は、価値が安定した米ドルを現金で保有することを好んでおり、価格変動の激しいビットコインへの信頼は得られませんでした。
ボーナス消費後の継続利用率はわずか40%にとどまる
エルサルバドル商工会議所の調査によると、法定通貨化後にビットコインで支払いを受けた企業は調査対象の14%にとどまり、税金の支払いにビットコインを使用したのはわずか5%でした。実際の経済活動において、ビットコインは広く普及することはなかったのです。
なぜエルサルバドルはビットコインを法定通貨にしたのか
エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用した背景には、同国が抱える深刻な経済的課題がありました。ブケレ大統領が掲げた3つの主要な理由を解説します。
エルサルバドルでは、国民の約70%が銀行口座を持たない状況にありました。世界銀行のデータによると、2021年時点で同国の金融アクセスは極めて限定的で、多くの国民が基本的な金融サービスを利用できない状態でした。
ブケレ大統領は、ビットコインとChivoウォレットを通じて、銀行口座を持たない国民でも金融取引が可能になると主張しました。スマートフォンさえあれば、銀行の審査なしで送金や決済ができるという点が、金融包摂の切り札として期待されたのです。
しかし実際には、地方ではインターネット環境が十分に整備されておらず、高齢者層はデジタル機器の操作に困難を抱えていました。技術インフラの不足が、ビットコイン普及の大きな障壁となりました。
地方のインターネット環境不足が普及の障壁に
従来の送金サービスでは、平均10%の手数料がかかり、着金までに数日を要していました。ブケレ大統領は、ビットコインを利用することで送金手数料を無料にし、即時決済を実現できると説明しました。Chivoウォレットを使えば、手数料なしで家族に送金できるという点が大きなメリットとして強調されました。
実際、ビットコイン法施行後の2021年1月から9月までの送金累計額は、前年同期比で31%増加したと報告されています。ただし、この増加にビットコインを利用した送金がどの程度寄与したかは明らかにされていません。
送金累計額は前年同期比で31%増加と報告
ブケレ大統領は、ビットコインを通じて外国からの投資を呼び込み、エルサルバドルを金融・技術革新のハブにする野心的な構想を掲げました。2021年11月には、火山の地熱エネルギーを活用した「ビットコインシティー」の建設計画を発表しています。
この計画では、ビットコインを裏付けとする「火山債」を発行し、資金を調達する予定でした。ビットコインシティーでは、ビットコインの利益に対するキャピタルゲイン税が免除され、一定額以上を投資した外国人には永住権が与えられるとされていました。
しかし、2026年2月時点でビットコインシティー計画は目立った進展を見せておらず、実現可能性には疑問符が付いています。IMFとの融資交渉の過程で、エルサルバドルは財政健全化を優先せざるを得なくなり、壮大な計画は事実上棚上げされた状態です。
ビットコインシティー構想は事実上棚上げ状態
Chivoウォレットとは
Chivoウォレットは、エルサルバドル政府が提供する公式デジタルウォレットです。ビットコイン法定通貨化の中核を担うインフラとして開発されましたが、その後の展開は複雑なものとなりました。
Chivoウォレットは、ビットコインと米ドルの両方を保管・送受金・交換できる機能を備えています。Google Play、Huawei AppGallery、App Storeなどの主要なアプリストアでリリースされ、スマートフォンで利用可能です。
ウォレットの登録には、本人確認書類と携帯電話番号が必要で、顔認証機能も搭載されています。ビットコインをドルに換金する機能も実装されており、エルサルバドル全国に設置された200台のビットコインATMでも引き出しが可能でした。
2022年2月には、AlphaPointとの提携により、Lightningネットワークを活用した「ほぼ瞬時の低手数料ビットコイン取引」が可能になるアップデートが実施されました。政府は、公共料金や税金の支払いなど、日常的な取引にもChivoを活用できるよう機能拡張を進めました。
政府は、Chivoの普及を促進するため、ダウンロードした国民に30ドル相当のビットコインを配布するインセンティブ施策を実施しました。この施策により、導入初期には急速にユーザー数が増加し、2021年9月末時点で210万人がChivoを利用していると報告されました。
また、TEXACOなどの大手ガソリンスタンドがChivoウォレットの受け入れを開始し、燃料価格の高騰分をChivoウォレット利用で相殺できるプロモーションも実施されました。政府は、マクドナルドやスターバックスなどの店舗でもビットコイン決済が利用できるようになったことを積極的にアピールしました。
しかし、30ドルのボーナスを使い切った後、多くの国民はアプリから離れていきました。NBERの調査では、ボーナス消費後も継続利用しているのは40%に過ぎず、平均的ユーザーはビットコインをATMから引き出したり、支払いや受け取りをビットコインで行っていないことが明らかになっています。
ボーナス消費後の継続利用率は40%に低下
Chivoウォレットの利用率は、政府の期待とは裏腹に低迷しました。2022年のエルサルバドル商工会議所の調査では、法定通貨化後にビットコインで支払いを受けた企業は調査対象の14%にとどまるなど、多くの店舗は1年経ってもビットコイン決済に対応していませんでした。
ビットコイン法では、顧客がビットコインでの支払いを希望した場合、店舗は原則として拒否できないと定めていましたが、実際には政府が強制しておらず、罰則を受けた事例もありませんでした。小規模店舗の多くは、技術的なハードルや価格変動リスクを理由に、ビットコイン決済の導入を見送っています。
2025年7月、IMFの報告により、Chivoウォレットは政府の公的管理を終了し、完全に民営化されるか売却されることが明らかになりました。IMFは、エルサルバドルがビットコイン関連サービスへの公的な関与を縮小し、2025年7月までにChivoウォレットの活動を停止することを融資の条件としました。かつて同国のビットコイン採用の目玉として推進されていたChivoは、事実上その役割を終えたのです。
2025年7月にChivoは政府管理を終了し民営化へ
IMFが反対している理由
国際通貨基金(IMF)は、エルサルバドルのビットコイン法定通貨化に対して一貫して反対の姿勢を示してきました。IMFが懸念する3つの主要なリスクを詳しく解説します。
IMFが最も懸念しているのは、ビットコインの激しい価格変動が国家財政に与えるリスクです。2022年の論文では、「特にビットコインの価格ボラティリティの高さを考えると」、エルサルバドルが「法定通貨としてビットコインを使用することに伴う大きなリスク」を負っていると警告しています。
実際、ビットコインの価格は数カ月から数年で2〜3倍の間で上下することも珍しくありません。エルサルバドルが法定通貨化を実施した2021年9月時点では、ビットコイン価格は約46,800ドルでしたが、その後2022年には2万ドル以下まで下落し、直近ピークから7割も落ち込みました。
国家がビットコインを保有することで、価格下落時には国家資産が大幅に目減りし、財政運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。発展途上国においては、通貨価値の安定が重要であり、法定通貨としてボラティリティの高い資産を採用することは慎重であるべきとの見方が示されました。
価格下落時に国家資産が大幅に目減りするリスク
IMFは、ビットコインの法定通貨化が金融システムの不安定化を招く可能性を指摘しています。2021年7月に発表した論文では、暗号資産を法定通貨として利用することに警鐘を鳴らし、名指しを避けながらもエルサルバドルの9月7日の法制化をけん制する狙いがあったとされています。
エルサルバドルは深刻な財政危機に直面しており、2020年時点で政府債務総額はGDP比89%、財政赤字は同10.1%に達していました。2021年末には20億ドルの債務返済期限が迫っており、IMFとの協議が難航すればデフォルト懸念が浮上する状況でした。
IMFは、エルサルバドルと10億ドルの融資交渉を進めていましたが、ブケレ大統領がIMFの反対を押し切ってビットコインの法制化を強行すれば、この協議に悪影響が及ぶ可能性があると警告しました。金融市場の混乱を避けるため、IMFは財政の立て直しと対外債務の削減を優先すべきだと繰り返し主張しています。
IMFとの融資交渉が難航しデフォルト懸念も
IMFは、ビットコインの法定通貨化が消費者保護の観点から問題があると指摘しています。金融の安定性、消費者と投資家の保護、金融の健全性を守るために、デジタル資産の透明性、規制、監督が強化される必要があるとの立場を示しました。
エルサルバドル国民の多くは、金融リテラシーが十分ではなく、ビットコインのような複雑な金融商品のリスクを理解するのが困難です。価格変動の激しいビットコインを法定通貨として強制的に受け入れさせることは、国民に過度な負担を強いることになるとIMFは懸念しました。
実際、ビットコイン法施行前の2021年8月に行われた国民への意識調査では、約54%が物価上昇を懸念し、70%がビットコイン法は廃止すべきと考えていました。また、首都サンサルバドルではビットコイン法定通貨化に反対するデモも発生しており、国民の不安は根強いものがありました。
国民の70%がビットコイン法は廃止すべきと回答
格付け引き下げと財政危機
エルサルバドルのビットコイン法定通貨化は、国際的な信用格付けにも深刻な影響を及ぼしました。主要格付け会社による格下げの経緯と、債務返済問題との関連を解説します。
フィッチ・レーティングスは2022年2月9日、エルサルバドルの格付けを投機的水準にあるB-からCCCへ引き下げることを発表しました。声明では、引き下げの背景として同国が直面する債務返済負担を指摘し、ビットコインを法定通貨に採用したことに伴うリスクを理由に挙げています。
フィッチの前には、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが2021年7月にエルサルバドルの格付けを引き下げており、その理由としてビットコインの法定通貨化の動きに懸念を表明していました。相次ぐ格下げは、エルサルバドルが国際資本市場で資金調達する手段に乏しくなることを意味し、債務返済問題をさらに深刻化させました。
格付け引き下げは、エルサルバドルの国債価格にも影響を及ぼしました。ただし、2024年11月のトランプ氏の大統領再選以降、同国の国債は上昇傾向にあり、一部の債券は現在額面を上回る水準で取引されています。
格付け引き下げで国際資本市場での資金調達が困難に
フィッチの推定では、エルサルバドルが債務返済などに必要な資金調達額は2022年が約48.5億ドルで対GDP比約16%、2023年も54億ドルで対GDP比18%程度と巨額でした。一方、エルサルバドルは国際資本市場で資金調達する手段に乏しい上、国内市場からの資金調達も厳しい状況です。
エルサルバドルの政府債務総額は、2020年時点でGDP比89%に達していましたが、その後も増加傾向にあります。IMFの報告によると、債務残高はGDP比で90%を超える水準で推移しており、財政の持続可能性に深刻な懸念が生じています。
ブケレ大統領は、ビットコインシティー構想や「火山債」の発行計画を表明していましたが、これらの計画は財政危機の解決策としては不十分であり、むしろリスクを増大させる可能性があるとIMFは指摘しています。
債務残高GDP比90%超で財政の持続可能性に懸念
エルサルバドルは、財政危機を乗り切るためにIMFからの融資が不可欠でしたが、ビットコイン政策がその交渉の大きな障害となりました。IMFは、エルサルバドルがビットコインの法定通貨としての地位を見直し、財政健全化を優先することを融資の条件としました。
IMFは、エルサルバドルに対し、歳出削減と増税を通じて財政赤字を3年間でGDPの3.5%まで削減することを約束するよう求めました。準備金の増加と反汚職法の可決も必要とされ、エルサルバドルは厳しい財政規律を受け入れざるを得ませんでした。
IMFは財政赤字をGDP3.5%まで削減するよう要求
エルサルバドルのビットコイン保有量と含み損益
エルサルバドル政府は、法定通貨化と同時に国家としてビットコインの購入を開始しました。その保有量と含み損益の推移を詳しく見ていきます。
エルサルバドル政府の初回購入は、2021年9月6日に発表された200BTCでした。その後も積極的な追加購入を行い、2022年11月18日以降は1BTCずつの定期購入を宣言しています。
2025年6月時点の政府保有量は約6,200BTCと推計されており、2025年7月時点では約6,244BTC、2025年8月時点では約6,287BTCと報告されています。2025年11月には1,098.19BTC(約1億ドル相当)を追加購入し、保有量は7,474BTCに達しました。2026年2月時点では、約7,500BTCを保有していると見られています。
ただし、IMFは2025年7月の報告書で、エルサルバドルは2025年2月以降ビットコインを新たに購入していないと指摘しました。IMFによれば、保有量の増加は新規購入ではなく、複数のウォレット間での統合や内部的な移動を反映しているとされています。一方、エルサルバドル政府は依然として「サトシを積み上げている」と主張しており、両者の見解には齟齬が生じています。
IMFは2025年2月以降の新規購入はないと指摘
エルサルバドルのビットコイン保有量は、2026年2月時点で約7,500BTCと推計されます。平均取得価格は1BTC=約46,000ドルとされており、2026年2月時点のビットコイン価格が約110万円(約1万ドル)前後で推移していることを考えると、大幅な含み益が発生していると見られます。
2024年11月時点の報告では、エルサルバドルは5,939BTC(約5億4,400万ドル相当)を保有しており、含み益は1億ドルを超えていました。2025年9月時点では、保有量は約6,287BTC(約1,024億円相当)とされ、その後の追加購入により保有額はさらに増加しています。
ブケレ大統領は、2023年12月には保有するビットコインが黒字に転じたと発表しており、ビットコイン価格の上昇により含み益は拡大傾向にあります。ただし、利益を確定していないため、歳入にはなっておらず、仮に同額の米債を保有していれば相応の金利収入を得たことになるとの指摘もあります。
2023年12月以降は含み益が拡大傾向
エルサルバドルのビットコイン投資戦略は、結果的には含み益を生み出していますが、その過程では大きなリスクを伴いました。2022年には、ビットコイン価格が2万ドル以下まで下落し、エルサルバドルは含み損を抱える状況が続きました。
国家がビットコインを保有することの問題点は、価格変動リスクだけではありません。IMFは、ビットコインを通貨ではなくリスクのある金融資産として取り扱うよう促しており、公的部門によるビットコインの自主的な買い増しを禁ずる条項を融資契約に含めました。
エルサルバドルは、IMFとの合意により新規購入は制限されるものの、既存保有分の維持は認められています。ブケレ大統領は、ビットコインを国家戦略の中核に据える姿勢を維持しており、「戦略的準備資産」としてBTC蓄積を継続する意向を示しています。
しかし、投資戦略としての評価は分かれています。含み益が出ているとはいえ、利益確定していない以上、価格が再び下落すれば含み損に転じる可能性があります。また、国家財政が厳しい中で、ビットコイン投資を優先することの妥当性についても疑問の声が上がっています。
利益未確定のため価格下落で含み損に転じるリスク
ビットコインシティー計画
ブケレ大統領が2021年11月に発表した「ビットコインシティー」構想は、エルサルバドルのビットコイン政策の象徴的なプロジェクトでした。しかし、その実現可能性には大きな疑問符が付いています。
ビットコインシティーは、火山の地熱エネルギーを活用したビットコインマイニング拠点として計画されました。このプロジェクトでは、ビットコインを裏付けとする「火山債」を発行し、資金を調達する予定でした。当初、2022年3月前に発行する計画が表明されていましたが、実際には発行されませんでした。
ビットコインシティーでは、ビットコインの利益に対するキャピタルゲイン税が免除され、一定額以上を投資した外国人には永住権が与えられるとされていました。税制優遇により、世界中のビットコイン投資家を呼び込み、エルサルバドルを金融・技術革新のハブにする野心的な構想でした。
2024年には16億ドルという同国史上最大の民間投資を獲得
2024年には、Yilport Holdingから16億ドルという同国史上最大の民間投資を引き寄せることに成功したと報じられ、ブケレ大統領はこれをビットコインシティー計画の成果として強調しました。
2026年2月時点で、ビットコインシティー計画は目立った進展を見せていません。火山債の発行は実現せず、具体的な建設工事の開始も報告されていません。壮大な計画は、事実上棚上げされた状態です。
IMFとの融資交渉で財政健全化を優先せざるを得ない状況
IMFとの融資交渉の過程で、エルサルバドルは財政健全化を優先せざるを得なくなり、ビットコインシティーのような大型プロジェクトへの投資は後回しにされました。IMFは、ビットコイン関連プロジェクトへの公的部門の関与を制限することを融資の条件としており、政府資金をビットコインシティーに投入することは困難になっています。
ブケレ大統領は、ビットコイン推進の立場に変化はないと繰り返し表明していますが、具体的な進捗状況については明らかにしていません。計画は風前の灯火といった状況であり、実現の見通しは立っていません。
ビットコインシティー計画の実現可能性については、専門家の間でも懐疑的な見方が多数を占めています。エルサルバドルの財政状況を考えると、大規模なインフラ投資を行う余裕はなく、IMFからの融資も財政健全化に充てられる必要があります。
火山債のような仕組みは投資家にとってリスクが高い
また、ビットコイン価格の変動性を考えると、火山債のような仕組みは投資家にとってリスクが高く、十分な資金を調達できるかどうかも不透明です。国際的な信用格付けが低い状況では、大規模な資金調達は困難です。
ビットコインシティー計画は、ブケレ大統領の政治的なアピールとしての側面が強く、実現可能性よりもビジョンの壮大さが重視されていたと見る向きもあります。今後、計画が具体化する可能性は低く、エルサルバドルのビットコイン政策は、より現実的な方向に修正されていくと予想されます。
エルサルバドルのビットコイン法定通貨化は、他国にどのような影響を与えたのでしょうか。中南米諸国を中心に、その波及状況を見ていきます。
パナマでは、エルサルバドルのビットコイン法定通貨化を受けて、同様の法案が議論されました。しかし、IMFの反対姿勢やエルサルバドルの格付け引き下げを受けて、パナマ政府は慎重な姿勢を示しています。
国際金融センターとしての地位を維持する必要がある
パナマは国際金融センターとしての地位を維持する必要があり、ビットコインの法定通貨化がその地位を脅かすリスクを懸念しています。IMFや国際的な金融機関との良好な関係を維持することが優先され、ビットコイン法定通貨化の動きは停滞しています。
南太平洋の島国トンガでも、ビットコインの法定通貨化が検討されました。トンガは海外送金への依存度が高く、エルサルバドルと同様の課題を抱えています。しかし、具体的な法案の提出には至っておらず、検討段階にとどまっています。
トンガは、エルサルバドルの経験を注視しており、法定通貨化のメリットとリスクを慎重に評価しています。IMFの反対姿勢やエルサルバドルの財政危機を見て、トンガ政府は慎重な判断を下す可能性が高いと見られています。
エルサルバドルのビットコイン法定通貨化は、他国への波及効果は限定的でした。中央アフリカ共和国が2022年にビットコインを法定通貨に採用しましたが、わずか3カ月で凍結されています。国が貧しい中でビットコインを導入するのは反対という意見が多く、内戦が長年続いたためインフラ整備もできていない状況でした。
ビットコイン法定通貨化は事実上失敗に終わった
エルサルバドルの事例は、ビットコインの法定通貨化が一過性のブームではなく、持続的なトレンドになるかどうかの試金石でした。しかし、IMFの反対、格付け引き下げ、国民の低い利用率、そして2025年の法改正により、ビットコイン法定通貨化は事実上失敗に終わりました。
この結果を受けて、他国がビットコインを法定通貨として採用する動きは鈍化しています。エルサルバドルの経験は、国家がビットコインを法定通貨として採用することの困難さを示す教訓となり、他国は慎重な姿勢を取るようになりました。
エルサルバドル事例から学ぶ投資リスクと対策
エルサルバドルのビットコイン法定通貨化は、国家レベルでの失敗例として、個人投資家にとって重要な教訓を提供しています。この事例から学ぶべき投資リスクと対策を整理します。
エルサルバドルの事例が示す最大の教訓は、ビットコインの価格変動リスクの深刻さです。国家レベルでも、価格下落時には含み損を抱え、財政運営に支障をきたす事態となりました。個人投資家にとっても、価格変動リスクは最大の脅威です。
投資額は生活に必要な資金を除いた余裕資金に限定
価格変動リスクへの備えとして、以下の対策が重要です。まず、投資額は生活に必要な資金を除いた余裕資金に限定することです。エルサルバドルのように、国家財政の大部分をビットコインに投じることは、極めて危険な行為でした。
次に、購入タイミングを分散させるドルコスト平均法の活用です。エルサルバドルは2022年11月以降、1BTCずつの定期購入を実施しましたが、これは価格変動リスクを平準化する効果があります。個人投資家も、一度に大きな金額を投じるのではなく、定期的に少額ずつ購入することで、リスクを軽減できます。
エルサルバドルは、ビットコインに集中投資したことで、価格変動の影響を直接的に受けました。個人投資家にとっても、特定の資産に集中投資することは大きなリスクです。
ポートフォリオの5〜10%程度を仮想通貨に配分することが推奨
分散投資の基本は、株式、債券、不動産、現金など、異なる資産クラスに投資することです。仮想通貨への投資は、ポートフォリオ全体の一部に留めるべきです。一般的には、リスク許容度に応じて、ポートフォリオの5〜10%程度を仮想通貨に配分することが推奨されます。
草コインは価格変動が激しく、詐欺プロジェクトも多い
また、仮想通貨の中でも、ビットコインだけでなく、イーサリアムなどの主要アルトコインにも分散投資することで、リスクをさらに軽減できます。ただし、草コインと呼ばれる時価総額の小さい銘柄は、価格変動が激しく、詐欺プロジェクトも多いため、初心者は避けるべきです。
エルサルバドルは、ビットコイン価格が下落した2022年も保有を続け、2023年末には黒字に転じました。この経験は、長期保有の重要性を示しています。短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点で投資を続けることが重要です。
2026年2月時点で1BTCが1,100万円台で取引されている
ビットコインは、発行枚数が2,100万枚に限定されており、長期的には価値が上昇する可能性があるとされています。実際、2009-2010年頃には1円にも満たない価値で流通していましたが、2021年11月には史上最高値の約776万円を記録し、2026年2月時点では1BTCが1,100万円台で取引されており、価格が長期的に上昇しています。
ただし、長期保有には忍耐が必要です。価格が下落した時期にも売却せず、保有を続ける覚悟が求められます。エルサルバドルのように、国家レベルでも価格下落時には批判を浴びましたが、ブケレ大統領は保有を続けました。個人投資家も、短期的な損失に動揺せず、長期的な視点を持つことが重要です。
また、投資の目的を明確にすることも重要です。老後資金のための長期投資なのか、短期的な利益を狙ったトレードなのかによって、戦略は大きく異なります。エルサルバドルは「戦略的準備資産」として位置づけましたが、個人投資家も自分の投資目的を明確にし、それに合った戦略を立てるべきです。
ビットコインを始めるならおすすめの仮想通貨取引所5社
エルサルバドルの事例を踏まえて、日本でビットコインを購入する場合、信頼性の高い取引所を選ぶことが重要です。金融庁に登録された国内取引所の中から、初心者にもおすすめの5社を紹介します。
| 取引所 | 銘柄数 | 手数料 | 最低額 | 特徴 |
| GMOコイン | 22種類 | Maker -0.01%〜-0.03% | 100円 | 各種手数料が無料 |
| bitbank | 44種類 | Maker -0.02% | 銘柄による | 取扱銘柄数が国内最多級 |
| SBI VCトレード | 34種類 | Maker -0.01% | 500円 | 入出金手数料が完全無料 |
| GMOコインの基本情報 | |
| 取扱銘柄数 | 22種類 |
| 取引所(板取引) | 〇 |
| 販売所 | 〇 |
| レバレッジ | 2倍 |
| 取引手数料(Maker) | -0.01%〜-0.03%(Maker報酬) |
| 取引手数料(Taker) | 0.05%〜0.09% |
| 日本円入金手数料 | 無料 |
| 日本円出金手数料 | 無料(大口400円) |
| 最小注文金額 | 100円 |
| 口座開設 | 最短10分 |
| 登録番号 | 関東財務局長 第00006号 |
📌 GMOコインの特徴
✓ 各種手数料が無料
✓ GMOインターネットグループ運営
✓ ステーキング対応
GMOコインは、GMOインターネットグループが運営する仮想通貨取引所です。最大の特徴は、各種手数料が無料である点です。日本円の入出金手数料が無料(大口出金のみ400円)で、取引コストを抑えたい投資家に適しています。
取扱銘柄数は22種類で、最低取引額は100円から
取扱銘柄数は22種類で、ビットコインをはじめとする主要な仮想通貨を取引できます。取引所形式と販売所形式の両方に対応しており、初心者から上級者まで幅広く利用できます。最低取引額は100円からと少額投資が可能で、初めてビットコインを購入する方にも敷居が低い設定です。
Maker手数料は-0.01%〜-0.03%とマイナス(報酬)になっており、取引所形式で指値注文を出すことで、手数料を受け取ることができます。Taker手数料は0.05%〜0.09%と低めに設定されています。レバレッジ取引は最大2倍まで対応しており、ステーキングサービスも提供しています。
セキュリティ面では、二段階認証、コールドウォレット、マルチシグ、24時間監視体制を整えており、安全性は高いと評価されています。 モバイルアプリも使いやすく、口座開設は最短10分で完了します。金融庁への登録番号は「関東財務局長 第00006号」で、正規の暗号資産交換業者です。
出典:金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」
出典:金融庁「暗号資産のコールドウォレット管理義務」
| bitbankの基本情報 | |
| 取扱銘柄数 | 44種類 |
| 取引所(板取引) | 〇 |
| 販売所 | 〇 |
| レバレッジ | なし |
| 取引手数料(Maker) | -0.02%(Maker報酬) |
| 取引手数料(Taker) | 0.12% |
| 日本円入金手数料 | 無料 |
| 日本円出金手数料 | 550円/770円(3万円以上) |
| 最小注文金額 | 銘柄による |
| 口座開設 | 最短即日 |
| 登録番号 | 関東財務局長 第00004号 |
📌 bitbankの特徴
✓ 取引所の取扱銘柄数が国内最多級
✓ Maker手数料がマイナス(報酬)
✓ 高いセキュリティ評価
✓ 板取引に強い
bitbankは、取引所形式の取扱銘柄数が国内最多級の44種類を誇る仮想通貨取引所です。ビットコインだけでなく、幅広いアルトコインを板取引で購入したい投資家に適しています。
Maker手数料は-0.02%とマイナス(報酬)
Maker手数料は-0.02%とマイナス(報酬)になっており、指値注文を出すことで手数料を受け取ることができます。Taker手数料は0.12%と、やや高めですが、板取引に強みがあり、流動性も高いため、約定しやすい環境が整っています。
日本円の入金手数料は無料ですが、出金手数料は550円(3万円以上は770円)がかかります。最低取引額は銘柄によって異なりますが、少額から投資を始めることができます。レバレッジ取引には対応していませんが、現物取引に特化した安全性の高い取引所として評価されています。
セキュリティ面では、二段階認証、コールドウォレット、マルチシグを導入しており、高いセキュリティ評価を受けています。 モバイルアプリも提供されており、口座開設は最短即日で完了します。金融庁への登録番号は「関東財務局長 第00004号」です。
出典:金融庁「暗号資産のコールドウォレット管理義務」
出典:金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」
| SBI VCトレードの基本情報 | |
| 取扱銘柄数 | 34種類 |
| 取引所(板取引) | 〇 |
| 販売所 | 〇 |
| レバレッジ | 2倍 |
| 取引手数料(Maker) | -0.01%(Maker報酬) |
| 取引手数料(Taker) | 0.05% |
| 日本円入金手数料 | 無料 |
| 日本円出金手数料 | 無料 |
| 最小注文金額 | 500円 |
| 口座開設 | 最短翌営業日 |
| 登録番号 | 関東財務局長 第00011号 |
📌 SBI VCトレードの特徴
✓ SBIグループ運営の安心感
✓ 入出金手数料が完全無料
✓ ステーキング14銘柄対応
✓ レンディングサービス対応
SBI VCトレードは、SBIグループが運営する仮想通貨取引所で、入出金手数料が完全無料である点が最大の特徴です。日本円の入金手数料も出金手数料も無料で、取引コストを最小限に抑えたい投資家に最適です。
取扱銘柄数は34種類で、最低取引額は500円から
取扱銘柄数は34種類で、ビットコインをはじめとする主要な仮想通貨を取引できます。取引所形式と販売所形式の両方に対応しており、初心者から上級者まで幅広く利用できます。最低取引額は500円からと少額投資が可能です。
Maker手数料は-0.01%とマイナス(報酬)になっており、Taker手数料は0.05%と低めに設定されています。レバレッジ取引は最大2倍まで対応しています。 ステーキングサービスは14銘柄に対応しており、レンディングサービスも提供しています。
セキュリティ面では、二段階認証、コールドウォレット、マルチシグを導入しており、 SBIグループの運営による安心感があります。モバイルアプリも提供されており、口座開設は最短翌営業日で完了します。金融庁への登録番号は「関東財務局長 第00011号」です。
出典:金融庁「暗号資産デリバティブ取引規制」
出典:金融庁「暗号資産のコールドウォレット管理義務」
出典:金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」
エルサルバドルのビットコイン法定通貨化は、2021年の世界初の試みから2025年の法改正による事実上の撤回まで、わずか4年で失敗に終わりました。国家レベルでも、ビットコインの価格変動リスクは制御困難であり、IMFの反対と格付け引き下げにより、財政危機はさらに深刻化しました。
価格変動リスクへの備えと分散投資の重要性
この事例が示す最大の教訓は、価格変動リスクへの備えと分散投資の重要性です。国家であっても、ビットコインに集中投資することは大きなリスクを伴います。個人投資家は、生活に必要な資金を除いた余裕資金で、ポートフォリオの一部として仮想通貨に投資するべきです。
日本でビットコインを購入する場合、金融庁に登録された信頼性の高い取引所を選ぶことが重要です。 GMOコイン、bitbank、SBI VCトレードなど、手数料やセキュリティ面で優れた取引所を利用し、リスクを最小限に抑えながら投資を始めましょう。エルサルバドルの失敗から学び、慎重かつ計画的な投資判断を心がけることが、長期的な成功につながります。
仮想通貨投資にはリスクが伴います。投資は自己責任で。
仮想通貨投資にはリスクが伴います。価格変動により損失が発生する可能性があるため、投資はご自身の判断と責任で行ってください。
| 順位 | 取引所 | 手数料 | 通貨数 | 特徴 | 口座開設 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | GMOコイン | 無料 | 26種類 |
|
口座開設 |
| 2 | コインチェック | 無料 | 29種類 |
|
詳細を見る |
| 3 | SBI VCトレード | 無料 | 23種類 |
|
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