証券会社で運用する方法|選び方と始め方を解説

つみたてNISAで積み立てた資金を途中で引き出したいと考えたことはありませんか。
急な出費や住宅購入など、まとまったお金が必要になる場面は誰にでも訪れます。つみたてNISAは、実はいつでも自由に引き出せる制度です。
ただし、引き出すことで複利効果が失われたり、非課税枠が復活しなかったりといった注意点もあります。この記事では、つみたてNISAの引き出し方法から具体的な手順、引き出しのデメリット、適切なタイミングまで詳しく解説します。
引き出しを検討している方が、後悔しない判断をするための情報をお届けします。
目次
つみたてNISAは途中で一部引き出しできる?
つみたてNISAは、途中でいつでも引き出すことができます。引き出しに年齢制限や回数制限はなく、必要なときに必要な金額だけを現金化できる自由度の高い制度です。
ただし、「引き出し」という手続きが直接あるわけではありません。実際には保有している投資信託を売却し、その代金を受け取るという流れになります。売却から入金までには数日かかる点に注意が必要です。
つみたてNISAの「引き出し」とは、保有している投資信託を売却して現金化することを指します。証券口座から預金口座へお金を移動させる通常の出金とは異なり、まず商品を売却する必要があります。
売却の手順は、証券会社のサイトやアプリにログインし、売却したい商品と金額(または口数)を指定して注文するだけです。売却が成立すると、数日後に指定した銀行口座に代金が振り込まれます。
売却時の価格は「基準価額」と呼ばれる1口あたりの時価で決まります。購入時より基準価額が上がっていれば利益が出ますし、下がっていれば元本割れとなります。つみたてNISAの場合、この売却益は非課税です。
つみたてNISAとよく比較される制度にiDeCo(個人型確定拠出年金)がありますが、引き出しの自由度は大きく異なります。つみたてNISAがいつでも引き出せるのに対し、iDeCoは原則として60歳まで引き出すことができません。
iDeCoは老後資金の準備を目的とした制度のため、途中での引き出しに厳しい制限があります。一方、つみたてNISAは資産形成全般を支援する制度なので、ライフイベントに応じて柔軟に資金を活用できる設計になっています。
この違いは、どちらの制度を優先して利用するかを判断する重要なポイントです。近い将来に大きな支出が予想される場合は、つみたてNISAの方が適しているでしょう。
「引き出し」と「解約」は混同されやすい言葉ですが、つみたてNISAでは明確に異なります。引き出しは保有商品の一部または全部を売却することで、解約はつみたてNISA口座そのものを閉鎖することを指します。
商品を売却しても、つみたてNISA口座は残り続けます。そのため、引き出し後も新たに積立を続けることができますし、残った商品はそのまま非課税で運用を継続できます。一方、口座を解約すると、その年の非課税枠は使えなくなり、再度口座を開設する手続きが必要になります。
つみたてNISAの引き出し方法
つみたてNISAから資金を引き出すには、保有している投資信託を売却する手続きが必要です。ここでは、多くの証券会社で共通する基本的な4つの手順を解説します。
操作方法は証券会社によって多少異なりますが、大まかな流れは同じです。スマホアプリでもパソコンでも手続きできるので、使いやすい方を選びましょう。
まず、つみたてNISA口座を開設している証券会社の公式サイトまたはスマホアプリにログインします。ログインには、口座開設時に設定したIDとパスワードが必要です。
セキュリティ強化のため、二段階認証を設定している場合は、SMSやメールで送られてくる認証コードの入力も求められます。ログイン情報を忘れた場合は、各証券会社のサポートページから再設定の手続きを行いましょう。
ログイン後、保有商品の一覧ページに移動します。多くの証券会社では「保有残高」「ポートフォリオ」「資産状況」などのメニューから確認できます。つみたてNISA口座で保有している投資信託の一覧が表示されるので、売却したい商品を選択します。
複数の商品を保有している場合は、現在の評価額や損益状況を確認しながら、どの商品を売却するか判断しましょう。一般的には、含み益が出ている商品から売却する方が、非課税メリットを最大限活用できます。
売却する商品を選んだら、「売却する金額」または「売却する口数」を指定します。証券会社によって、金額指定と口数指定のどちらか、または両方が選べます。
金額指定の場合は「10万円分売却」というように希望金額を入力します。口数指定の場合は「1,000口売却」のように保有口数の中から売却する口数を指定します。全額を引き出したい場合は「全部売却」を選択すれば、保有している全口数が売却されます。
売却金額は、売却時の基準価額によって決まります。注文時に表示される概算金額はあくまで目安で、実際の売却代金は約定した時点の基準価額で計算されます。
売却する商品と金額(または口数)を指定したら、注文内容の確認画面が表示されます。商品名、売却口数、概算金額、手数料(信託財産留保額がある場合)などをしっかり確認しましょう。
内容に問題がなければ、「注文する」「売却する」などのボタンをクリックして注文を確定します。注文が受け付けられると、通常は翌営業日に約定(売買成立)し、その数日後に指定した銀行口座に代金が振り込まれます。
主要証券会社別の引き出し方法
つみたてNISAの引き出し手順は証券会社によって操作画面や用語が異なります。ここでは、口座数の多い主要3社の具体的な操作方法を解説します。
SBI証券では、ログイン後「口座管理」→「保有証券」の順に進み、つみたてNISA口座のタブを選択します。売却したい投資信託の「売却」ボタンをクリックすると、売却画面に移動します。
売却方法は「金額指定」と「口数指定」から選べます。金額指定の場合は希望金額を入力し、口数指定の場合は売却口数を入力します。「全部売却」を選ぶと、保有している全口数が自動的に入力されます。
取引パスワードを入力して注文を確定すると、原則として翌営業日に約定します。売却代金は約定日から起算して4営業日後に登録している銀行口座に自動的に振り込まれます。
楽天証券では、ログイン後「NISA・つみたてNISA」→「保有商品一覧」に進みます。売却したい投資信託の行にある「売却」ボタンをクリックすると、売却注文画面が開きます。
「売却口数」または「売却金額」を選択し、希望する数値を入力します。楽天証券では金額指定が分かりやすく、「○○円分売却したい」という指定が簡単にできます。内容を確認して「注文する」ボタンを押せば注文完了です。
約定は通常翌営業日で、売却代金の受け渡しは約定日から3営業日後です。楽天銀行を登録している場合は、自動的に楽天銀行口座に入金されます。
三井住友銀行でつみたてNISA口座を開設している場合は、SMBCダイレクト(インターネットバンキング)から手続きを行います。ログイン後、「投資信託」→「保有商品」の順に進み、つみたてNISA口座の商品一覧を表示します。
売却したい投資信託を選択し、「解約(売却)」ボタンをクリックします。銀行では「売却」を「解約」と呼ぶことが多いですが、商品を売却するという意味では同じです。売却口数または売却金額を指定し、内容を確認して注文を確定します。
約定後、売却代金は通常4~5営業日後に三井住友銀行の普通預金口座に入金されます。銀行の場合、証券会社に比べて入金までの日数がやや長くなる傾向があります。
引き出しにかかる手数料と日数
つみたてNISAの引き出しには、売却手数料はかかりませんが、一部の投資信託では「信託財産留保額」という費用が発生します。また、売却から実際に現金を受け取るまでには数日のタイムラグがあります。
信託財産留保額とは、投資信託を売却(解約)する際に、売却代金から差し引かれる費用です。一般的には売却金額の0.1~0.5%程度で、投資信託によって設定されている場合とされていない場合があります。
この費用は証券会社の手数料ではなく、投資信託の資産に組み入れられます。頻繁な売買による運用コストの増加を防ぎ、長期保有する投資家を保護する目的で設定されています。つみたてNISA対象の投資信託の多くは信託財産留保額がゼロですが、念のため目論見書で確認しましょう。
例えば、100万円分の投資信託を売却し、信託財産留保額が0.3%の場合、3,000円が差し引かれ、実際に受け取れる金額は99万7,000円となります。
投資信託の売却注文を出してから、実際に銀行口座にお金が入金されるまでには、通常3~5営業日かかります。この日数は証券会社や投資信託の種類によって異なります。
一般的な流れは以下の通りです。売却注文を出した日(T日)の翌営業日(T+1日)に約定し、その2~4営業日後(T+3~5日)に入金されます。土日祝日は営業日に含まれないため、週末をまたぐとさらに日数がかかります。
緊急でお金が必要な場合は、この日数を考慮して早めに売却注文を出すことが重要です。「今日注文すれば今日中に現金化できる」わけではない点に注意しましょう。
投資信託の売却価格は、約定日の基準価額で決まります。基準価額は1日1回、その日の市場終了後に算出・公表されるため、注文時点では正確な売却価格は分かりません。
多くの投資信託では、当日の午後3時(取引所の取引終了時刻)までに注文すれば当日の基準価額、それ以降の注文は翌営業日の基準価額が適用されます。ただし、海外の株式や債券に投資する投資信託の場合、約定日が2営業日後になることもあります。
市場が大きく変動している時期は、注文時の概算金額と実際の売却代金に差が生じる可能性があります。確実に希望金額を受け取りたい場合は、市場が安定している時期を選ぶとよいでしょう。
つみたてNISAを引き出すデメリット
つみたてNISAはいつでも引き出せる自由度がある一方で、引き出すことによるデメリットも存在します。特に長期的な資産形成を目指している場合、引き出しの影響は大きくなります。
つみたてNISAの最大のメリットは、運用益を再投資することで資産が雪だるま式に増える「複利効果」です。引き出してしまうと、この複利効果が働く元本が減少し、将来得られるはずだった利益も失われます。
例えば、100万円を年率5%で20年間運用すると、複利効果により約265万円になります。しかし、10年目に50万円を引き出すと、最終的な資産は約200万円に減少します。引き出した50万円の機会損失は約65万円にもなる計算です。
特に若い世代で運用期間が長く残っている場合、引き出しによる複利効果の喪失は大きな影響を及ぼします。本当に今引き出す必要があるのか、他に資金調達の方法はないか、慎重に検討することが大切です。
旧つみたてNISAでは、一度商品を売却しても、その年の非課税投資枠は復活しません。例えば、年間40万円の枠のうち30万円分を売却しても、その年に新たに投資できる金額は残りの10万円だけです。
一方、2024年から始まった新NISA制度では、売却した商品の「取得価額(購入時の金額)」分だけ非課税枠が翌年以降に復活します。100万円で購入した商品が150万円に値上がりして売却した場合、復活する枠は購入時の100万円分です。
ただし、枠が復活するのは翌年以降なので、同じ年に再投資することはできません。また、復活するのは取得価額ベースなので、値上がり益の部分は枠として復活しない点に注意が必要です。
投資信託の価格は日々変動するため、お金が必要になったタイミングで必ずしも利益が出ているとは限りません。むしろ、市場が下落している時期に引き出しを迫られ、元本割れの状態で売却せざるを得ないケースもあります。
例えば、2020年3月のコロナショックや2022年の世界的な株価下落局面では、多くの投資信託が一時的に大きく値下がりしました。このタイミングで急な出費に迫られて売却すると、本来なら回復を待てば取り戻せたはずの損失が確定してしまいます。
投資は長期的には成長する傾向がありますが、短期的には大きく変動します。つみたてNISAで運用している資金は、できるだけ5年以上使う予定のないお金にし、緊急時の備えは別途預金で確保しておくことが理想です。
引き出し金額別の影響シミュレーション
実際に引き出すとどのくらい将来の資産に影響するのか、具体的な数字で見てみましょう。ここでは、毎月3万円を積み立て、年率5%で運用すると仮定して、10年目に一部を引き出した場合の20年後の資産額を比較します。
10年目に10万円を引き出した場合、20年後の資産額は約1,210万円になります。引き出さなかった場合の約1,233万円と比べると、約23万円の差が生じます。
10万円という比較的少額の引き出しでも、残りの10年間で失われる複利効果を考えると、最終的には2倍以上の影響が出ることが分かります。ただし、緊急時の10万円が必要な場面では、この程度の影響は許容範囲と考えることもできます。
| シナリオ | 10年目の資産 | 引き出し額 | 20年後の資産 | 影響額 |
| 引き出しなし | 約470万円 | 0円 | 約1,233万円 | – |
| 10万円引き出し | 約460万円 | 10万円 | 約1,210万円 | -23万円 |
10年目に50万円を引き出した場合、20年後の資産額は約1,120万円になります。引き出さなかった場合と比べると、約113万円の差が生じます。
引き出した50万円に対して、失われる将来の資産は2倍以上の113万円です。これは、引き出した50万円が残りの10年間で複利運用されていれば約63万円に成長していたことを意味します。
| シナリオ | 10年目の資産 | 引き出し額 | 20年後の資産 | 影響額 |
| 引き出しなし | 約470万円 | 0円 | 約1,233万円 | – |
| 50万円引き出し | 約420万円 | 50万円 | 約1,120万円 | -113万円 |
10年目に100万円を引き出した場合、20年後の資産額は約1,007万円になります。引き出さなかった場合と比べると、約226万円もの差が生じます。
100万円の引き出しで失われる将来の資産は226万円、つまり引き出した金額の2倍以上です。これは複利効果の大きさを示しています。住宅購入の頭金など、どうしても必要な場面もありますが、引き出しの長期的な影響は非常に大きいことを理解しておきましょう。
| シナリオ | 10年目の資産 | 引き出し額 | 20年後の資産 | 影響額 |
| 引き出しなし | 約470万円 | 0円 | 約1,233万円 | – |
| 100万円引き出し | 約370万円 | 100万円 | 約1,007万円 | -226万円 |
これらのシミュレーションから分かるように、引き出す金額が大きいほど、また引き出すタイミングが早いほど、将来の資産への影響は大きくなります。本当に必要な金額だけを引き出すことが重要です。
つみたてNISAを引き出すべきタイミング
つみたてNISAを引き出すべきかどうかは、個人の状況によって異なります。ここでは、引き出しを検討してもよいタイミングと、できるだけ避けるべきタイミングを解説します。
つみたてNISAの引き出しが適切と考えられるのは、以下のような状況です。ただし、引き出す前に他の選択肢がないか検討することも大切です。
住宅購入の頭金、子どもの教育費、結婚資金など、計画的なライフイベントでまとまったお金が必要な場合は、引き出しを検討してもよいタイミングです。これらは人生において重要な支出であり、投資を続けることよりも優先度が高い場合があります。
特に、含み益が十分に出ている状態で引き出せれば、非課税メリットを活かしながら資金を確保できます。ただし、住宅ローンなど他の資金調達方法と比較して、どちらが有利かを検討することも忘れないようにしましょう。
病気や怪我による医療費、突然の失業、家族の介護など、予期せぬ緊急事態で現金が必要になった場合は、つみたてNISAの引き出しを検討せざるを得ないこともあります。
理想的には生活費の3~6ヶ月分を預金で確保しておくべきですが、それができていない状況で緊急事態が発生した場合、高金利のカードローンを利用するよりは、つみたてNISAを引き出す方が合理的な選択となります。
新NISA制度では、生涯の非課税投資枠が1,800万円に設定されています。この枠をすでに使い切っている場合、旧つみたてNISA口座の資産を引き出して、より効率的な運用に切り替えることも一つの選択肢です。
特に、旧つみたてNISAで保有している商品よりも、新NISAの成長投資枠で購入できる商品の方が自分の投資方針に合っている場合は、資産の組み替えを検討する価値があります。
以下のような状況では、できるだけ引き出しを避け、他の選択肢を検討することをおすすめします。
市場の一時的な下落により含み損が出ている時は、引き出しを避けるべきタイミングです。投資信託の価格は短期的には上下しますが、長期的には回復する傾向があります。
含み損の状態で売却すると、損失が確定してしまいます。本来なら待てば回復したはずの資産を、緊急性の低い理由で手放すのは避けましょう。どうしても資金が必要な場合は、含み益が出ている商品から優先的に売却することを検討してください。
リーマンショックやコロナショックのような市場全体が大きく下落している時期は、多くの投資家が損失を抱えています。このタイミングでの引き出しは、「高く買って安く売る」という最悪のパターンになりがちです。
市場の暴落時は恐怖心から売却したくなりますが、歴史的に見れば市場は必ず回復してきました。緊急性の高い支出でない限り、市場が落ち着くまで待つことが賢明です。
また、独身か既婚か、子どもがいるかどうかによっても、必要な資金や優先順位は変わります。自分のライフステージに合わせて、長期的な視点で判断することが大切です。
資金繰りが厳しくなった時、すぐに引き出しを選ぶ前に、他の選択肢も検討してみましょう。積立金額の減額や一時停止なら、複利効果への影響を最小限に抑えられます。
毎月の積立金額を減らすことで、家計への負担を軽減しながら、資産運用は継続できます。例えば、月3万円の積立を月1万円に減額すれば、月2万円の余裕が生まれます。
減額のメリットは、すでに積み立てた資産はそのまま運用を続けられることです。引き出しと違って複利効果が働き続けるため、長期的な資産形成への影響は最小限に抑えられます。証券会社のサイトから簡単に手続きできますし、収入が回復したら再び増額することも可能です。
ただし、年間の非課税投資枠を使い切れなくなる点には注意が必要です。新NISAではつみたて投資枠が年間120万円(月10万円)ありますが、減額することでこの枠を十分に活用できなくなります。
一時的に家計が厳しい場合は、積立を完全に停止することも選択肢です。停止期間中は新たな投資は行われませんが、すでに保有している資産は引き続き運用されます。
積立停止のメリットは、引き出しと違って資産を減らさないことです。市場が下落している時期に積立を停止すれば、含み損の状態で売却する必要がなくなります。家計が回復したら、いつでも積立を再開できます。
デメリットは、積立を停止している期間は新たな非課税投資枠を使えないことです。また、ドルコスト平均法による価格変動リスクの軽減効果も得られなくなります。
どうしても現金が必要な場合でも、全額ではなく一部だけを売却することで、複利効果への影響を抑えられます。必要最低限の金額だけを引き出し、残りは運用を継続する戦略です。
例えば、50万円が必要な場合に100万円全額を引き出すのではなく、50万円分だけを売却します。残りの50万円は引き続き複利効果が働くため、長期的な資産形成への影響を半分に抑えられます。
| 選択肢 | メリット | デメリット | 適している状況 |
| 積立金額を減らす | 家計負担軽減、複利効果維持 | 非課税枠の活用が減る | 収入が一時的に減少 |
| 積立を停止する | 資産を減らさない、再開が容易 | 新規投資ができない | 短期的な家計悪化 |
| 一部だけを売却 | 必要額を確保、複利効果は一部継続 | 非課税枠は復活しない | まとまった資金が必要 |
これらの選択肢を組み合わせることも可能です。例えば、積立を一時停止しつつ、どうしても必要な分だけを一部売却するという方法もあります。自分の状況に合わせて、最適な組み合わせを考えましょう。
つみたてNISAで運用した商品を売却して引き出しても、税金は一切かかりません。これがNISA制度の最大のメリットです。通常の課税口座では、売却益に対して20.315%の税金がかかりますが、NISA口座ならこれが非課税になります。
例えば、100万円で購入した投資信託が150万円に値上がりして売却した場合、50万円の利益が出ます。課税口座なら約10万円の税金が引かれますが、つみたてNISA口座なら50万円の利益をまるまる受け取れます。
引き出した後、再投資は可能ですが、いくつか注意点があります。旧つみたてNISAでは、売却した年の非課税枠は復活しないため、その年の残りの枠内でしか新規投資できません。
新NISA制度では、売却した商品の取得価額分の非課税枠が翌年以降に復活します。ただし、即座に復活するわけではないため、同じ年に売却と再投資を繰り返すことはできません。また、再投資する場合は、改めて商品を選んで購入手続きを行う必要があります。
引き出し自体の手続きは旧つみたてNISAも新NISAも同じで、いつでも自由に引き出せます。大きな違いは、非課税枠の復活ルールです。
旧つみたてNISAでは、一度売却すると非課税枠は二度と復活しません。一方、新NISAでは、売却した商品の取得価額分の枠が翌年以降に復活します。この違いにより、新NISAの方が柔軟な資産管理が可能になっています。
制度上は可能ですが、あまりおすすめできません。つみたてNISAは長期的な資産形成を目的とした制度であり、定期的に引き出すと複利効果が十分に働かなくなります。
定期的な収入源として活用したい場合は、一部の証券会社が提供する「定期売却サービス」を利用する方法があります。これは、毎月一定額または一定口数を自動的に売却して現金化するサービスです。ただし、このサービスを利用する場合でも、長期的な資産形成への影響を理解した上で判断することが大切です。
証券会社を変更する場合、2つの方法があります。1つは現在の証券会社で商品を売却して現金化し、新しい証券会社で再投資する方法です。もう1つは、商品を保有したまま新しい証券会社に移管する方法です。
売却して移動する場合は、通常の引き出しと同じ手続きで行えます。ただし、売却した年の非課税枠は復活しないため、再投資できる金額に制限があります。移管する場合は、両方の証券会社に手続きを依頼する必要があり、完了まで数週間かかることがあります。
はい、複数回に分けて引き出すことは可能です。回数制限はないため、必要な時に必要な金額だけを引き出せます。
複数回に分けて引き出すメリットは、一度に大きな金額を引き出さずに済むことです。例えば、100万円が必要な場合でも、まず50万円を引き出して様子を見て、足りなければ追加で引き出すという方法も取れます。これにより、複利効果への影響を最小限に抑えられます。
ただし、売却のたびに信託財産留保額がかかる商品の場合は、複数回に分けると手数料負担が増える可能性があります。また、市場が変動している時期は、引き出しのタイミングによって受け取れる金額が変わる点にも注意が必要です。
つみたてNISAは、iDeCoと違っていつでも自由に引き出せる柔軟性の高い制度です。引き出しの手続きは、証券会社のサイトやアプリから保有している投資信託を売却するだけで、特別な制限や年齢要件はありません。
ただし、引き出すことで複利効果が失われ、長期的な資産形成に大きな影響を及ぼします。特に若い世代で運用期間が長く残っている場合、引き出しによる機会損失は数十万円から数百万円に達することもあります。また、旧つみたてNISAでは非課税枠が復活しない点にも注意が必要です。
引き出しを検討する際は、本当に今必要なのか、他に資金調達の方法はないか、積立の減額や停止で対応できないかを慎重に考えましょう。ライフイベントや緊急時など、どうしても必要な場合は引き出しを選択することも正しい判断ですが、できるだけ必要最低限の金額に留めることが大切です。
市場が大きく下落している時期や含み損が出ている時は、できるだけ引き出しを避け、市場の回復を待つことをおすすめします。一方、含み益が十分に出ている状態で計画的なライフイベントに使う場合は、非課税メリットを活かした賢い資金活用と言えるでしょう。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。つみたてNISAの引き出しを含む投資判断は、ご自身の状況やリスク許容度を十分に考慮した上で、自己責任で行ってください。判断に迷う場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。
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