NISA積立の始め方|証券会社と銘柄の選び方を解説

投資で損失が出たとき、証券会社が補填してくれると思っていませんか。
実は、証券会社による損失補填は法律で厳しく禁止されています。
この規制は、1991年のバブル期に発覚した証券不祥事をきっかけに強化されました。
本記事では、損失補填が禁止される理由、違反した場合の罰則、そして証券事故の場合の例外規定まで詳しく解説します。
信頼できる証券会社を選ぶためのチェックポイントや、万が一トラブルに遭遇した場合の対処法も紹介しますので、投資を始める前にぜひ理解しておきましょう。
目次
損失補填とは
損失補填とは、証券会社が顧客の投資による損失を補うために金銭やその他の利益を提供する行為です。この行為は金融商品取引法第39条によって厳しく禁止されており、証券会社と投資家の双方に罰則が科される可能性があります。
損失補填とは、有価証券の売買やその他の取引によって顧客に生じた損失の全部または一部を補填することを指します。
具体的には、証券会社が顧客の投資損失を穴埋めするために現金を支払ったり、手数料を免除したり、有利な条件で取引を行ったりする行為が該当します。
損失補填が禁止される理由
投資の自己責任原則を守るため
市場の公正性を確保するため
証券会社の健全な経営を守るため
損失補填が禁止される最も重要な理由は、投資の自己責任原則を守り、市場の公正性を確保するためです。
もし証券会社が損失を補填できるとすれば、顧客は安易にリスクの高い投資を行い、証券会社も無責任な勧誘を行う可能性が高まります。
また、損失補填は特定の顧客だけが優遇されることを意味し、他の投資家との間に不公平が生じます。大口顧客や重要顧客にだけ損失を補填し、一般の投資家は放置されるという事態は、証券市場への信頼を大きく損なうでしょう。
さらに、損失補填を前提とした取引は、証券会社の経営を不健全にし、最終的には証券会社自体の破綻リスクを高めます。バブル期の証券不祥事では、大手証券会社が巨額の損失補填を行い、経営危機に陥った事例もありました。
損失補填と混同されやすい概念として、「損失保証」と「利回り保証」があります。これらは似ているようで、実は行為のタイミングが異なります。
| 行為 | タイミング | 内容 |
| 損失補填 | 損失発生後 | 実際に生じた損失を補填する |
| 損失保証 | 取引前 | 損失が出ても補填すると事前に約束 |
| 利回り保証 | 取引前 | 特定の利益を確実に得られると約束 |
どちらも金融商品取引法で禁止されていますが、損失保証は事前の約束、損失補填は事後の行為という点で区別されます。
証券会社から「必ず儲かる」「確実にリターンが得られる」といった勧誘を受けた場合は、違法な利回り保証に該当する可能性が高いため、注意が必要です。
損失補填が禁止される3つの行為
金融商品取引法では、損失補填に関連する行為を証券会社側と投資家側の双方について規制しています。
ここでは、具体的にどのような行為が禁止されているのか、そして違反した場合にどのような罰則が科されるのかを詳しく見ていきましょう。
証券会社に対しては、金融商品取引法第39条で以下の行為が禁止されています。
第一に、顧客の損失を補填する行為です。これは、顧客が投資で損失を出した後に、現金を支払ったり、手数料を免除したりして損失を埋め合わせる行為を指します。
たとえば、100万円の損失が出た顧客に対して、証券会社が50万円を支払うような行為が該当します。
第二に、損失を補填することを事前に約束する行為(損失保証)です。「もし損失が出たら当社が補填します」と取引前に約束することは、たとえ実際に補填しなくても違法となります。
損失補填の規制は、証券会社だけでなく投資家側にも及びます。顧客が証券会社に対して損失補填を要求する行為も犯罪として処罰されます。
金融商品取引法第197条の2第13号では、顧客が証券会社に対して損失補填を要求する行為も犯罪として処罰されると定められています。
具体的には、投資で損失が出た際に「損失を補填しろ」「損失を取り戻せる取引を紹介しろ」といった要求をすることが禁止されています。
たとえ証券会社の不適切な勧誘によって損失が生じた場合でも、損失補填を要求することは違法となるため注意が必要です。
この規制の背景には、バブル期に一部の大口顧客が証券会社に損失補填を強要し、その結果として証券会社が不正な取引を行った事例があります。
もし証券会社の対応に問題があると感じた場合は、損失補填を要求するのではなく、金融ADRや証券取引等監視委員会などの適切な相談先に連絡することが重要です。
損失補填の禁止規定に違反した場合、証券会社と投資家の双方に厳しい罰則が科されます。
| 対象 | 罰則 |
| 証券会社(個人) | 5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方 |
| 証券会社(法人) | 5億円以下の罰金 |
| 投資家 | 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
証券会社が損失補填を行った場合、金融商品取引法第197条の2により、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
さらに、法人としての証券会社にも5億円以下の罰金が科される可能性があります。また、金融庁から業務停止命令や登録取消などの行政処分を受けることもあり、会社の信用は大きく損なわれます。
投資家が損失補填を要求した場合、同法第197条の2第13号により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。「要求しただけ」でも処罰の対象となるため、たとえ実際に補填が行われなくても罪に問われる可能性があります。
バブル期の証券不祥事
損失補填が法律で厳しく禁止されるようになった背景には、1991年に発覚したバブル期の証券不祥事があります。
この事件は日本の証券業界全体を揺るがし、法改正と業界の自主規制強化につながりました。
1991年6月、日本経済新聞が大手証券会社による大規模な損失補填の実態をスクープしました。
この報道により、野村證券、大和証券、日興證券、山一證券の大手4社が、特定の大口顧客に対して巨額の損失補填を行っていたことが明らかになりました。
補填の総額は数千億円規模に上り、その対象には大企業や政治家、暴力団関係者なども含まれていたとされています。
証券会社は、バブル期の株価上昇局面で顧客を積極的に勧誘しましたが、バブル崩壊後の株価急落により顧客に巨額の損失が発生しました。その損失を穴埋めするために、証券会社は密かに損失補填を行っていたのです。
損失補填問題の背景には、「営業特金(営業特定金銭信託)」という仕組みがありました。
営業特金とは、企業が余剰資金を信託銀行に預け、その資金を証券会社が運用する仕組みです。表向きは信託銀行が運用するとされていましたが、実際には証券会社が主導権を握り、株式や債券に投資していました。
営業特金の問題点は、証券会社が暗黙のうちに利回りを保証していたことです。企業側は「元本保証で年利○%が得られる」という説明を受けて資金を預けていましたが、これは実質的な利回り保証であり、違法な行為でした。
バブル期には株価が上昇していたため問題は表面化しませんでしたが、バブル崩壊後に巨額の損失が発生し、証券会社が約束した利回りを確保するために損失補填を行わざるを得なくなったのです。
営業特金は、証券会社が顧客を囲い込むための手段として広く利用されていましたが、その実態は投資の自己責任原則を無視した不健全な取引でした。
この仕組みが損失補填問題の温床となったことから、営業特金は厳しく規制され、現在では同様の取引は事実上禁止されています。
1991年の証券不祥事を受けて、1992年に証券取引法(現在の金融商品取引法)が改正されました。
この改正により、損失補填と損失保証が明確に禁止され、違反した場合の罰則も大幅に強化されました。
さらに、日本証券業協会は自主規制規則を強化し、「事故確認制度」を導入しました。
これは、証券会社のミスや不正によって顧客に損失が生じた場合に限り、例外的に補填を認める制度です。この制度により、正当な理由がある場合には顧客が救済される道が開かれた一方で、通常の投資損失に対する補填は一切認められなくなりました。
証券事故の場合は補填される
損失補填は原則として禁止されていますが、証券会社のミスや不正によって顧客に損失が生じた場合には、例外的に補填が認められる「事故確認制度」があります。
この制度を理解することで、万が一のトラブルに適切に対応できるようになります。
証券事故とは、証券会社の従業員の故意または過失によって顧客に損害が生じた事態を指します。
証券事故として認められるのは証券会社側に明らかな責任がある場合に限られます。市場の変動によって生じた通常の投資損失や、顧客自身の判断ミスによる損失は、証券事故には該当しません。
具体的には、以下のようなケースが証券事故に該当する可能性があります。
事故確認制度とは、日本証券業協会が運営する制度で、証券事故が発生した場合に、その事実を公正に確認し、証券会社による補填を例外的に認める仕組みです。
この制度は、損失補填の原則禁止と顧客保護のバランスを取るために設けられました。
この制度のポイントは、第三者機関である日本証券業協会が客観的に判断するという点です。
証券会社が独自の判断で補填を行うことは認められておらず、必ず協会の確認を経る必要があります。これにより、特定の顧客だけが優遇されるといった不公平を防ぎ、透明性を確保しています。
ただし、事故確認制度による補填が認められるケースは限定的です。証券会社の明らかなミスや不正がある場合に限られるため、通常の投資判断ミスや市場変動による損失は対象外となります。
証券事故による損失と通常の投資損失の違いを明確に理解することは、投資家にとって非常に重要です。
| ケース | 補填の可否 |
| 証券会社の過失・不正による損失 | 補填される可能性あり(事故確認制度) |
| 市場変動・顧客の投資判断による損失 | 補填されない(自己責任原則) |
証券事故に該当するケースは、証券会社の過失や不正が原因で損失が生じた場合です。たとえば、顧客が「売却」を指示したのに証券会社が「購入」を執行してしまった場合や、証券会社の従業員が顧客に無断で取引を行った場合などが該当します。
通常の投資損失に該当するケースは、市場の変動や顧客自身の投資判断によって損失が生じた場合です。たとえば、購入した株式の価格が下落して損失が出た場合や、証券会社の推奨銘柄を購入したが値下がりした場合は、通常の投資損失とみなされます。
損失補填の勧誘を受けたときの対処法
万が一、証券会社から損失補填や利回り保証を持ちかけられた場合、または違法な勧誘を受けた場合には、適切な対処が必要です。
ここでは、具体的な対応手順を紹介します。
違法な勧誘を受けた場合、最も重要なのは証拠を確保することです。後で問題を指摘する際に、記録がなければ「言った、言わない」の水掛け論になってしまいます。
具体的には、以下の記録を残しましょう。
可能であれば、会話を録音することも有効です。ただし、相手に無断で録音することは後でトラブルになる可能性もあるため、「記録のために録音させてください」と断ってから録音するのが望ましいでしょう。
これらの記録は、後で金融庁や証券取引等監視委員会に情報提供する際の重要な証拠となります。
記録を確保したら、まずは証券会社のコンプライアンス部門(法令遵守部門)に連絡しましょう。
多くの証券会社には、法令違反や不適切な営業行為を受け付ける専用の窓口が設置されています。
連絡する際は、記録した内容を基に、いつ、誰から、どのような勧誘を受けたのかを具体的に説明します。感情的にならず、事実を淡々と伝えることが重要です。
証券会社側は、社内調査を行い、事実関係を確認した上で、適切な対応を取ることになります。
コンプライアンス部門の連絡先は、証券会社の公式サイトや契約書類に記載されています。もし担当者が対応を渋る場合や、適切な対応が得られない場合は、次のステップとして外部機関への相談を検討しましょう。
証券会社のコンプライアンス部門に連絡しても適切な対応が得られない場合、または重大な違法行為があると判断した場合は、金融庁または証券取引等監視委員会に情報提供を行いましょう。
証券取引等監視委員会は、証券市場の公正性を監視する機関で、違法な取引や不公正な営業行為に関する情報を受け付けています。
情報提供は、証券取引等監視委員会の公式サイトから行うことができ、匿名での提供も可能です。提供された情報は、調査の端緒として活用され、必要に応じて証券会社への検査や行政処分につながります。
証券取引等監視委員会への情報提供は、あくまで市場の公正性を守るための制度であり、個別の損害賠償や紛争解決を目的としたものではありません。個人的な被害の救済を求める場合は、金融ADRや弁護士への相談が適切です。
証券会社との間でトラブルが発生し、個人的な損害の賠償を求める場合は、金融ADR制度または弁護士への相談を検討しましょう。
金融ADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外紛争解決手続)は、裁判によらずに金融トラブルを解決するための制度です。
日本証券業協会が運営する「あっせん・調停制度」では、中立的な第三者が間に入り、証券会社と顧客の間の紛争を解決します。費用は無料または低額で、裁判よりも迅速に解決できる可能性があります。
一方、法的手段を取りたい場合や、金融ADRでの解決が難しい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。特に金融商品取引に詳しい弁護士であれば、適切なアドバイスを受けることができます。
信頼できる証券会社の選び方
損失補填問題を避けるためには、最初から信頼できる証券会社を選ぶことが重要です。
ここでは、証券会社を選ぶ際にチェックすべきコンプライアンス関連のポイントを紹介します。
証券会社を選ぶ際の最も基本的なチェックポイントは、金融庁への登録業者であるかどうかです。
日本国内で証券業務を行うには、金融商品取引法に基づき、金融庁への登録が必要です。
金融庁の公式サイトには「金融商品取引業者登録一覧」が公開されており、正式に登録された証券会社を検索することができます。
登録業者であれば、金融商品取引法の規制を受け、一定の財務基盤やコンプライアンス体制が求められるため、安心して取引できます。
金融庁への登録業者であっても、過去に法令違反で行政処分を受けている証券会社もあります。
過去の行政処分歴を確認することは、証券会社の信頼性を判断する上で重要です。
金融庁の公式サイトには「行政処分情報」が公開されており、証券会社名や処分内容、処分日などを検索できます。
業務停止命令や業務改善命令を受けた証券会社は、何らかのコンプライアンス上の問題があったことを示しています。特に、損失補填や不適切な勧誘に関する処分を受けている場合は、注意が必要です。
ただし、過去に処分を受けていても、その後コンプライアンス体制を改善し、健全な経営を行っている証券会社もあります。処分の内容と時期、その後の対応を総合的に判断することが大切です。
証券会社が破綻した場合に顧客の資産を守る仕組みとして、投資者保護基金があります。
日本国内で営業する証券会社は、この基金への加入が義務付けられています。
投資者保護基金は、証券会社が破綻した場合に、顧客一人あたり最大1,000万円まで補償する制度です。
証券会社が顧客の資産を適切に分別管理していれば、破綻しても顧客の資産は保全されますが、万が一分別管理が適切に行われていなかった場合でも、この基金により一定の保護が受けられます。
証券会社を選ぶ際は、投資者保護基金に加入しているかを必ず確認しましょう。加入状況は、証券会社の公式サイトや契約書類に記載されています。
信頼できる証券会社は、コンプライアンス体制を積極的に開示しています。
公式サイトや統合報告書などで、法令遵守の取り組みや内部統制の仕組みを公開している証券会社は、透明性が高く信頼できると言えます。
投資トラブルの相談先
投資トラブルが発生した場合、適切な相談先を選ぶことが問題解決の鍵となります。
ここでは、主な相談先の特徴と使い分け方を解説します。
金融ADR制度は、裁判によらずに金融トラブルを解決するための仕組みで、日本証券業協会が運営する「あっせん・調停制度」が代表的です。
この制度は、中立的な第三者が間に入り、証券会社と顧客の間の紛争を公平に解決することを目指しています。
金融ADRの最大のメリットは、費用が無料または低額で、裁判よりも迅速に解決できる点です。通常、申立てから解決までの期間は数か月程度で、裁判のように1年以上かかることはありません。
ただし、金融ADRには限界もあります。証券会社が和解に応じない場合、強制力がないため解決できないことがあります。
また、扱える紛争の範囲にも制限があり、損失補填の要求など違法な内容は受け付けられません。金融ADRは、証券会社の説明不足や不適切な勧誘など、グレーゾーンの問題を解決するのに適した制度と言えます。
証券取引等監視委員会は、金融庁の下部組織で、証券市場の公正性を監視する役割を担っています。
損失補填などの違法行為や不公正な取引に関する情報を受け付けており、匿名での情報提供も可能です。
証券監視委への情報提供は、市場全体の公正性を守るための通報という性格が強く、個人的な損害賠償を求める手段ではありません。
提供された情報は、証券会社への検査や調査の端緒として活用され、必要に応じて金融庁による行政処分につながります。
証券監視委への情報提供が適しているのは、明らかに違法な行為(損失補填、インサイダー取引、相場操縦など)を目撃した場合です。
個人的な被害の救済よりも、同じような被害が他の投資家にも及ぶことを防ぎたい場合に有効です。ただし、情報提供をしても、個別の事案について調査結果が通知されることはないため、個人的な問題解決を求める場合は、金融ADRや弁護士への相談が適切です。
弁護士への相談は、法的手段を取りたい場合や、金融ADRでの解決が難しい場合に有効です。
特に金融商品取引に詳しい弁護士であれば、証券会社の法的責任を的確に判断し、適切な解決策を提案してくれます。
弁護士に相談するメリットは、法的な強制力を持つ解決手段を取れる点です。証券会社が任意の和解に応じない場合でも、訴訟を提起して裁判所の判断を仰ぐことができます。
また、弁護士は依頼者の代理人として交渉や訴訟を行うため、専門知識がない個人でも適切に権利を主張できます。
一方、弁護士への相談にはデメリットもあります。最も大きいのは費用がかかる点です。
相談料、着手金、成功報酬など、トータルで数十万円から数百万円の費用が必要になる場合もあります。また、訴訟になれば解決まで1年以上かかることも珍しくありません。
弁護士への相談が適しているのは、損害額が大きい場合、証券会社の責任が明確な場合、金融ADRでの解決が不調に終わった場合などです。
いいえ、通常の投資損失は補填されません。投資は自己責任が原則であり、市場の変動によって生じた損失は投資家自身が負担する必要があります。証券会社が損失を補填することは法律で禁止されており、補填を求めること自体も違法です。
それは違法な勧誘の可能性が高いため、すぐに断りましょう。「損失を取り戻す」という表現は、実質的に損失補填や利回り保証を示唆しており、金融商品取引法に違反する恐れがあります。このような勧誘を受けた場合は、会話の内容を記録し、証券会社のコンプライアンス部門に連絡するか、金融庁・証券取引等監視委員会に情報提供することをおすすめします。
まずは証券会社のコンプライアンス部門または顧客相談窓口に連絡しましょう。証券会社の明らかなミスによる損失であれば、事故確認制度により補填が認められる可能性があります。証券会社の対応が不十分な場合は、日本証券業協会の金融ADR制度を利用するか、弁護士に相談することを検討してください。
はい、投資家が証券会社に損失補填を要求すると、金融商品取引法第197条の2第13号により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。たとえ証券会社の不適切な勧誘によって損失が生じた場合でも、損失補填を要求することは違法です。適切な相談先(金融ADR、弁護士など)に連絡することが重要です。
国によって規制は異なりますが、主要な金融市場では日本と同様に損失補填は禁止されています。アメリカでは証券取引委員会(SEC)が、イギリスでは金融行為規制機構(FCA)が、それぞれ損失補填や利回り保証を禁止しています。これは、投資の自己責任原則と市場の公正性を守るための国際的な規制の流れです。
証券会社による損失補填は、金融商品取引法第39条により厳しく禁止されています。
この規制は、1991年のバブル期に発覚した大規模な証券不祥事を受けて強化されたもので、投資の自己責任原則を守り、証券市場の公正性を確保するために設けられました。
損失補填だけでなく、事前に損失を補填することを約束する損失保証や、確実な利益を約束する利回り保証も禁止されています。
違反した場合、証券会社には5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が科され、顧客側も損失補填を要求すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
ただし、証券会社のミスや不正によって顧客に損失が生じた場合には、日本証券業協会の事故確認制度により、例外的に補填が認められることがあります。通常の投資損失とは明確に区別されるため、証券事故に該当するかどうかを正しく理解することが重要です。
信頼できる証券会社を選ぶためには、金融庁への登録状況、過去の行政処分歴、投資者保護基金への加入、コンプライアンス体制の開示状況などをチェックしましょう。
万が一トラブルに遭遇した場合は、記録を残した上で、証券会社のコンプライアンス部門、金融ADR、証券取引等監視委員会、弁護士など、適切な相談先に連絡することが大切です。
投資には元本割れのリスクがあります。損失が出た場合でも補填は認められないことを理解し、ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重に投資判断を行ってください。
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